超次次元ゲイムネプテューヌ Re;夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
今回は本編で入れられなかった部分やあの後どうなったのかを少しだけお話しする話です。
まあ、前作から読んでくださっている方々にはいつも通りって思ってくれればと思います。
それでは、 new女神通信(ネプテューヌ編) はじまります


new女神通信(ネプテューヌ編)

 とうっ! 次元を越えて、わたし参上! なーんてね。

 やっほー! 絶賛記憶喪失系女神として売り出し中の主人公、ネプテューヌでーす!

 いやあー、今時記憶喪失なんて使い古されたステータスなのかもしれないけど、そのおかげでわたしのこのミステリアスな雰囲気が倍増されてるよね。

 

 ――わたしに触ると、火傷しちゃうぞ。

 

 的な感じでさー……って、え? そんなこといいからさっさと本編は入れって?

 もーゆっくんってば、こう言うのは様式美って奴で大事なんだよ。

 ほら、アニメとかゲームとかのオープニング前にアバンとかあると期待度が上がったりするでしょ?

 ってなわけで、わたしもこんなの作ってみましたー!

 

 さーて、本日の女神通信は……

 1、ネプテューヌ噛まれる

 2、初めてのギルド

 3、謎の声の正体は?

 の3本になります。

 

 どうどう? 昨日プリンを食べてる間に考えた豪華ラインナップの数々は?

 この内容をわたしの感じたままお送りしちゃっていいんだよね?

 ……オッケー! ここは主人公のわたしがバシッと決めちゃうよ!

 

 それじゃ、 new女神通信 ネプテューヌ編 はっじまるよー!

 

 

*     *     *

 

 

「あわわわわわ!? た、たたた大変です!? 記憶喪失ってことは自分のことを何にも覚えてないんですか!?」

 

「い、いや、ほら、さっき俺名乗っただろ? だから、覚えていないのは……」

 

「他を覚えていないんですか!?」

 

「いや、だからさ――とりあえず、落ち着いてくれ!?」

 

 ……う、うーん、何だかうるさいなあ。

 せっかく人が気持ちよく眠ってるって言うのに。

 目覚まし時計同士で喧嘩なんて――って、あれ? 普通目覚まし時計って喧嘩しないよね?

 だったら、この声って……

 

「そ、それよりも、何か俺が着れる服を貸してくれないか!? いつまでもこんな恰好じゃアレだしな!?」

 

「……そうですか。なら、わたしの実習用のジャージを貸してあげるです――あ、でもその前にもう1度頭のコブの方を診せてくださいです」

 

「ああ、頼む」

 

 なんか男の人っぽい声は聞き覚えあるなあ。

 どこで聞いたんだっけ?

 うーん、ついさっきまで聞いてたような気がするんだけど、名前がなかなか出てこないよ。

 

「それじゃ、包帯を巻くですよ」

 

「えっ、別に必要な――って、イダダダダダダ!? コンパ、強く巻きすぎだって!?」

 

「駄目です! 包帯は解けないようにギュッと結ばなくちゃいけないんです!」

 

「それは固定の意味もあるからで、コブにはそもそも必要ないって!?」

 

 ムッ、そうだ、思い出したよ!

 このどことなくヘタレ臭漂う情けない声を上げる人物をわたしは1人しか知らない!

 ズバリ、犯人は――

 

「ゆっくんだ!! ……って、誰!?」

 

 ガバッと起き上がって指を指した先にいた人物――顔面を包帯でぐるぐる巻きにしたメイド服姿の人物を見て、わたしは驚いてしまった。

 

 ってか、怖っ!?

 メイド服姿のミイラ男を起きぬけに見せられたわたしの気分は最悪だよ!?

 ……あれ? この場合ってミイラ女になるのかな?

 でも、何だか語呂が悪いし、メイドミイラ? ミイラメイド? ……うーん、どっちも呼び辛いね。

 

「あっ、やっと起きたんですね。おはようございますです」

 

「う、うん、おはよう――ところで、あなたは何をやってるの?」

 

「見ての通り、こちらの夢人さんって方に包帯を巻いているんですよ」

 

「……わたしには窒息死させようとしているようにしか見えないんだけど」

 

「フゴーッ!? フゴーッ!?」

 

 包帯ってあんなに隙間なく顔面に巻いちゃって良いものだったっけ?

 いくら記憶喪失のわたしだからって、目の前でニコニコと包帯を巻いている女の子がしていることが間違ってるってわかってしまう。

 だって、包帯を巻かれている方――やっぱり、ゆっくんだったんだ――すごく息苦しそうだもん。

 って、のんきに眺めている場合じゃないよ!?

 

「ストップストーップ!? それ以上巻いちゃったらゆっくんが本当に死んじゃうから!?」

 

「でも、もっとしっかり巻いた方が……」

 

「巻きすぎだって!? あーもう、鋏!? 鋏はどこ!?」

 

「鋏ならここに……」

 

「貸して!? 今包帯切るから暴れないでよ!?」

 

「フゴッ、フゴッ!?」

 

 わたしが慌てて止めようとしても、女の子はきょとんとして首を傾げるだけでさらにゆっくんに包帯を巻こうとしていた。

 いやいや、もう十分すぎるくらい巻いたでしょ!?

 見ていられなくなったわたしは、女の子から鋏を借りてゆっくんの顔に巻いてある包帯を全部切った。

 チョキチョキって切った包帯の中から、青い顔をしたゆっくんが出てきた。

 すると、ゆっくんは荒く呼吸を繰り返す。

 

「ゼエ、ハア、ゼエ、ハア……た、助かった……」

 

「えっと、大丈夫?」

 

「お、前……には……これが……大丈夫……そうに……」

 

「あーもういいから、ゆっくんはゆっくり休んでて」

 

「悪い……ハア……ハア……」

 

 決まり文句で尋ねてみると、これまた予想通り青白い顔をしたまま返してくれた。

 だけど、言うだけの元気があるだけまだ大丈夫だよね。

 こう言う状況で何も返せなくなる方が危ないってわたしは思うんだよ。

 と言うわけで、ゆっくんのことは一先ず置いといて――今どんな状況なのかを目の前の女の子に聞かなくちゃね。

 

「ところで、あなたは誰なのかな? そして、ここはどこ?」

 

「そう言えば、あなたにはまだ名乗ってなかったですね。わたしはコンパって言うです。そして、ここはわたしの部屋です」

 

「なるほどなるほど。あなたはコンパで、ここはコンパの部屋――っと、わたしも自己紹介がまだだったね。わたしはネプテューヌ。自分の名前とゆっくんのことしかわからないけど、よろしくね」

 

「はいです――って、えええええ!? ねぷりゅ……ねぷちゅ……ね、ねぴゅ……あなたも記憶喪失なんですか!?」

 

 うん、軽い会話の種だったから記憶喪失の部分に反応してくれるのは良いんだけどさ――そんなにわたしの名前って言い辛いのかな?

 ゆっくんは普通に呼んでくれるのに……

 

 

*     *     *

 

 

 わたしが朝食とプリンを食べ終わった後、まずはダンジョンにゆっくんの落とし物を行く前にギルドで情報を集めようって話になった。

 それで、今コンパがタッチパネル形式のボードの前でピッポッパッと何かを入力すると……

 

「はい、出てきたです。これがあのダンジョン――えっと、魔窟って名前になってるですね。その地図とモンスターさん達の情報です」

 

『はやっ!?』

 

 入力し終えると、機械が3枚の紙を吐き出した。

 にこにこと笑いながらその3枚を見せながら説明してくれるコンパを前にして、わたしとゆっくんは驚きの声を上げてしまう。

 だって、もっとこう手続きが複雑かなって思っていたら機械で入力するだけで終わっちゃうんだもん。

 

「な、なあ、コンパ。本当にこれで終わりなのか?」

 

「そうですよ。後はこの書類にわたし達の名前を書いて、あそこにいる職員さんに提出すればクエストを受けられるですよ」

 

「……マジかよ」

 

 わたしと同じことを疑問に思ったらしいゆっくんが尋ねると、コンパは不思議そうに首を傾げるだけだった。

 その様子を見て、ゆっくんは信じられないと言った顔で頭を抱える。

 

「……神次元って確か古い時代のゲイムギョウ界だって話じゃなかったのか? 明らかにこっちの方が技術が上だろ。本当にどうなってんだよ」

 

「ゆっくん? どうかしたの?」

 

「何か気になることでもあるんですか?」

 

「い、いや、何でもないさ。ちょっと元いた世界とのギャップに驚いただけだよ」

 

 ぶつぶつと何かを言いだしたゆっくんが心配になり、わたしとコンパは声をかけた。

 だけど、ゆっくんは何でもないと曖昧に笑うだけで理由を詳しく説明してくれない。

 

 元いた世界とのギャップって、そんなに形式が違ってたのかな?

 わたしは指先1つでできるこの形式が楽チンでいいなあって思ったけど。

 

「とにかく、コレがあのダンジョンの地図……って、ほとんど何も描かれてないな」

 

「モンスターの分布の方も全然載ってないよ」

 

 話題を変えようと、ゆっくんはコンパの持っていた紙の1枚を受け取って内容を確認し出すと、その眉間に深いしわが寄せられた。

 どうしてそんな表情になるんだろうって思ったわたしもコンパから紙を見せて貰うと、モンスターについてほとんど何も書いてなかった。

 書いてあったのは、ゴーストボーイとゴーストガールって名前のモンスターだけ。

 後は何にも書いてなくて、印刷用のインクがなくなったんじゃないかって思うくらいに紙の余白が目立っている。

 

「仕方ないですよ。まだ見つかってから2日しか経ってないんですから」

 

「うーん、でも、この地図を見る限り俺達が落ちた場所までの道筋すら描いてないんだよ。ほら、見てみろよ」

 

「……あっ、本当だ」

 

 ゆっくんがわたし達にも見えるように広げてくれた地図には、入口付近までしか描かれていなかった。

 と言うより、入口から最初の別れ道までしか載っていない。

 わたし達が落ちた場所は2体の大きなモンスターが戦えるような結構広めの場所だったし、地図にもそれなりに大きく描かれるはず。

 だけど、そんな感じの所が載ってないってことは自力でマッピングしながら場所を探すしかないってことだね。

 でも、ゆっくんは何だか納得してないみたいだし……仕方ない、ここはわたしが元気を注入してあげますか。

 

「でもさ、こんな感じで謎が多い方が冒険って感じがして楽しそうじゃない? 何だかわたしの中に眠ってるトレジャーハンターの血が騒いでるよ! お宝は全部わたしのものだ! ってね」

 

「……はいはい、そうだよな。無い物強請りしても仕方ないし、地道に歩いて探しますか」

 

 パーティーのリーダー兼ムードメーカーの面目躍如ってことで、ゆっくんもわたしの言葉を聞いてやる気を出してくれた。

 うんうん、やる前から諦めてたら何もできなくなっちゃうものね。

 よーし、それじゃ天の声さんもしくは悪霊さんの手掛かり探しとゆっくんの落とし物を……って、そうだった。大事なことを聞き忘れてたよ

 

「ねえ、結局ゆっくんが落とした物ってどんな物なの?」

 

「確かに、携帯端末とプレゼント用に加工した水晶って言われてもピンとこないです」

 

「あ、そっか。携帯端末の方は4つのボタンと十字が刻んである丸い操作キーがある薄型の携帯ゲーム機みたいな奴なんだ。それと水晶の方は……まあ、こっちは気にしなくていいさ」

 

「どうして? プレゼント用ってことは大事なものじゃないの?」

 

 落とした物について聞いていると、ゆっくんは気まずそうにそっぽを向いて頬を掻きだす。

 

「いや、その……告白と同時に渡そうとしたんだけど、振られちゃったからさ」

 

「え、それって……」

 

「ああもう!? 何でもない!? ほら、さっさとクエスト受注してダンジョンに行くぞ!?」

 

 ゆっくんは誤魔化すように大声を出しながらコンパからクエストの申請書をひったくり、慌てて自分の名前だけを書くとギルドから出て行ってしまった。

 止める暇もなく出て行ってしまったゆっくんの背中を見送ったわたしとコンパは顔を見合わせてしまう。

 

「……触れちゃ駄目なとこだったかな?」

 

「……ですね。深くは聞かない方がいいと思うです」

 

 揃って気まずくなったわたし達はお互いに頷いて、これ以上ゆっくんに聞かないようにしようと決めた。

 だって、さすがにゆっくんの失恋話を根掘り葉掘り野次馬根性で聞きだすわけにはいかないでしょ?

 

 でもね、ゆっくん。

 1つだけ間違ってると思うんだ。

 

 ――好きな子に振られたからって、女装に走るのはちょっと。

 

 

*     *     *

 

 

「……すう……すう……」

 

「眠った、みたいね」

 

 あ、ありえない光景を目の当たりにした気がするわ。

 無事に魔窟から脱出できて、本当は大人しかったサンドウォームとコンパが絵面的にアウトになりそうな感じの組み合わせで戯れていると、急にゆっくんのブレスレットが光だしたの。

 すると、光は1人の女の子の姿になって、いきなりゆっくんとキスしてしまったわ。

 

 ……わたし、夢でも見ているのかしら?

 正直、ギルドで失恋したっぽい話を聞いていたので、ゆっくんがキスするような相手がいるとは思えなかった。

 それにゆっくんってヘタレな性格しているし、キスも女の子の方から――ハッ、まさかこの子は本当の幽霊なんじゃ!?

 バーチャフォレストの森を彷徨っている生前に恋人ができなかった女の幽霊がゆっくんに狙いを定めたって言うの!?

 くっ、やっぱりわたし達を助けてくれた声も悪霊の類だったんじゃ……

 

〔あ、あの~、何だかとてつもない誤解をしているような気がするんですけど……〕

 

「気のせいよ。と言うより、今回はまだ話せるのね」

 

「え、なにこの声!? 急に女の子が現れたと思ったら、次は幻聴!? どうなってんのよ!?」

 

「あら? 今回はあいちゃんにも聞こえてるみたいね」

 

 また忘れた頃に頭の中に響いてきた天の声だったけど、何故か今回はわたしの横にいるあいちゃんにも聞こえてるみたいね。

 女の子が現れたことでわたし同様に呆然としていたあいちゃんが顔を青くして辺りを見回している。

 

〔ええ、ネプテューヌさんの持っている鍵の欠片のおかげですね。ですが、あと少ししか通信ができそうにありませんので、手短に用件だけをお伝えしようと思います〕

 

「それよりもまず、わたしは元の姿に戻して欲しいんだけど」

 

〔適当に脱力すれば戻れますよ――それよりも本題に入ります。ネプテューヌさん、そしてそこにいる方々にお願いします。私を助けてください〕

 

 わたしの疑問は適当に流されたような気がするけど、声は重々しく本題を語りだした。

 そこに無粋な茶々を入れられるような雰囲気はなく、声が真剣に頼み込んでいるんだとわかってしまう。

 

〔今のままではゲイムギョウ界が彼女――あなた達が先ほど会ったマジ……ヌに……壊されて……ですか……各大陸……鍵の……集め……私を……〕

 

「また聞こえづらくなってるわよ? いったいどうしたの?」

 

〔すみ……限界……です……お願い……助け……〕

 

「待って!? 結局あなたは誰なの!?」

 

 ノイズが混じり始め聞こえづらくなりながらも、声は必死にわたし達に助けを求め続けた。

 最後に聞こえづらくなってきた声に向かって、あいちゃんが慌てて疑問を投げかける。

 それはわたしも当然気になっていたことだ。

 この声の正体はいったい……

 

〔私の……名ま……イス……〕

 

 そう最後に残して、声はぶつりと電話が切れてしまったように聞こえなくなってしまった。

 わたしとあいちゃんはお互いに顔を見合わせて、口を揃えて聞こえてきた声の名前をつぶやく。

 

『……椅子?』

 

 ――声の正体は人ですらなかったって言うの?

 

 

*     *     *

 

 

 とまあ、こんなことがあったんだよね。

 あの後、アドバイス通り何となく脱力することに成功して元の姿に戻ったわたしとあいちゃんは、声が聞こえてなかったぽいゆっくんとコンパにも相談するために街に帰ることにしたんだよ。

 わたし達も急に現れた女の子についてゆっくんに詳しく聞きたかったし、あいちゃんもここまで来てモヤモヤしたままでいたくないって理由でコンパの部屋まで帰って来たんだ。

 

 うーん、記憶喪失とは別に、いろいろと訳わかんないことがたくさんあるけど、きっと皆がいればなんとかなるよね。

 わたしとゆっくん、コンパの3人のパーティーに中二病兼旅慣れしたあいちゃんと光の中から現れた謎の美少女が加わったんだよ!!

 これから世界の謎を解き明かしたり、裏組織との対決が待ち構えたりしちゃうかも!!

 わたし達の冒険は始まったばかり!!

 どんなことが起こるのか、これからもわたし達の冒険に刮目せよ!!

 

 

 …………

 

 

 はい、1発オッケーいただきましたー!

 どうどう?

 ちゃんとできてたでしょ?

 ……ふふーん、わたしはほら、やればできる女だからさ。

 これくらいお茶の子さいさいでこなしちゃう主人公だもんね。

 

 ってなわけで、今度はわたしがゆっくんに突撃緊急インタビュー!!

 題して、『熱愛発覚!? ヘタレ系女装男の恋人は美少女!?』をお送りしちゃうよ!!

 

 ……うっふっふ、逃げようとしても無駄だよ。

 あの女の子との関係を洗いざらい吐いてもらわないとね。

 まったくもー、あんな美少女の恋人がいただなんてゆっくんも隅に置けないなー。

 ギルドで振られたって言ってたのは、本当は照れ隠しだったんじゃないの?

 このこの、憎いよ色男っ!

 それでそれで、2人の慣れ初めは? 初デートは? 付き合って何カ月?

 そんな皆の疑問を聞いていくのは、これまた美少女アナウンサーのわたしネプテューヌだから、チャンネルはそのま――ねぷっ!?




と言う訳で、今回は以上!
まあこの章はパーティーが別行動したわけじゃありませんから、あまり裏話になってませんでしたね。
さて次回ですが、第3章に入る前に1度超次元サイドの話に戻ります。
夢人君がいなくなった後のネプギア達がどんなことをしているのかの話になります。
それでは、 次回 「候補生便り(ラム編)」 をお楽しみに!
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