超次次元ゲイムネプテューヌ Re;夢のヒーローを目指して 作:ホタチ丸
この章のメインの子をようやく登場させられました。
それでは、 ライバル×工場×迷子 はじまります
「……無様、よね」
私は1人自室でベッドに横になっていた。
こうして何もしないでいると、どうにも卑屈になってしまう。
でも、今の私にできることなんて1つもない。
精々が誰にも見つからないように抜け出して、暴れているモンスターを倒すだけ。
しかも、抜け出したのを悟られないように限られた時間の中だけでだ。
それもすでに今日の分が終わってしまっているので、本格的に暇になっていた。
この部屋にある漫画も何度も読み返しているし、ゲームだって何回エンディングを見たことか、取り溜めていたアニメも既に消化してしまっている。
後は趣味のコスプレなんだけど、気分が乗らないから却下。
こうして考えると、私がただ暇を持て余して我がままを言っているだけのように感じるわね。
まあ、実際今の私ができることは自己満足としか思えない微々たる力の回復と食べて寝て暇をつぶす夢のようなニート生活よ――監視つきのね。
……本当、自分が落ちるところまで落ちたんだと自覚してしまう。
全然笑えないはずなのに、自分の情けない姿に笑いが込み上げてくるわ。
どうしてこんなことになったのかは当然理解している。
全部身から出た錆び――自業自得だった。
私は目先のことに囚われ過ぎて、本当に大切だったものを失ってしまったんだ。
……アイツらとの戦いを楽しんでなかったと言えば嘘になる。
少なくとも私はアイツらと剣を、斧を、槍を交える度に自分の血が沸騰するような激しい昂揚感を覚えた。
別に私がバトルジャンキーってわけじゃないわよ。
元々全力を出すと、できないことなんて何もないと思ってしまう程興奮してしまう私だけど、アイツらとの戦いは特に気持ちが高ぶっていた。
――一瞬でも気を抜けば、やられてしまうんじゃないかって思うくらいの緊迫感。
――自慢の剣技を涼しい顔でいなされた時の悔しさ。
――逆に、アイツらの攻撃を完璧に受け流してカウンターを叩きこむ瞬間に浸ることができる優越感。
そのすべてが私の闘志を燃え上がらせて、他のことでは感じることができない充足感を味わわせてくれた。
全力を出し尽くしても尚、勝てるかどうかわからないアイツらと戦うことで、私は限界以上の力を振り絞って強くなっていると言う確かな手ごたえを感じていた。
強くなることが嬉しかったわけじゃないけど、自分が成長していくことに快感を覚えていたのかもしれないわね。
強くなるごとに限界を知って自分のことが理解できた――はっきり言えば、この力を上手く使えるようになるのが楽しかったのよ。
アイツらと切磋琢磨してたなんて絶対に思いたくないけど、斬り結ぶ度に私は自分の中の力をコントロールできるようになっていった。
それが強さに繋がって、私は楽しみながらもっと強い力を求めてアイツらとの戦いを続けていた。
簡単に倒せるモンスターでは意味がない。
全力以上を出せるアイツらだからこそ、私は強くなれる。
もちろん、その戦いの先にある目的を忘れたことは1度たりともない。
でも、強くなるってことはそれだけ自分が誰よりも勝者に相応しい人物に近づくってことになるわ。
私達が目指していたは、完璧であるべき存在だもの。
――私は完璧な存在になるために、強くならなきゃいけない。
――強い私になるために、アイツらと戦うしかない。
――アイツらに勝つために、もっとこの力を引き出せるようにならないといけない。
――この力を完全に使いこなすために、完璧な存在に近づかなきゃいけない。
気が付けば、頭の中にこんなサイクルが生まれていた。
今でも、この考えに間違いはないと思う。
私はそんな存在になることを望まれていたし、自分でもなることを夢見ていた。
だって、それが私の義務であり願いでもあったんだから。
だからこそ、私はアイツらとの戦いに明け暮れた。
来る日も来る日も、私は戦い続けて力を高めていった。
アイツらに勝つため――その先にこそ、私の目指した理想があると信じて。
「……その結果が今の私、か」
頭の中に思い浮かべていた言葉が自然と口からこぼれた。
思った以上に弱々しく聞こえた自分の声が情けなくて、おかしさが込み上げてくるのを止められずに頬が緩んでしまう。
――そう、今の軟禁状態が私の戦い続けた結果なんだ。
溢れんばかりに感じていた力も、今はほとんど感じない。
強くなることで理想に近づけると思っていたのに、逆に遠ざかって自由を失ってしまった。
これが私1人の問題だったのなら、今頃暇を持て余していなかっただろう。
本当だったら、私のやるべきことはたくさんある。
今すぐにでも行動を起こさなければ、手遅れになってしまうのもわかっている。
……だけど、今の私には何もできない。
「救えないわね、私も」
いくら考えても状況が変わるわけじゃないのに、いつまでも同じことを繰り返す思考をリフレッシュするために、私はベッドから起き上がって窓へと近づく。
天井ばかり見ているから、気持ちも暗くなるのよね。
いつまでも愚痴愚痴と考えてないで、青い空を見て気分転換をしないと。
……何もできなくても諦めるわけにはいかないのよ。
だって、私はこの国を守りたいんだから。
そのために、少しずつでもいいからまた強くならなければいけない。
塞ぎこんで泣き寝入りするなんて真っ平ごめんよ。
だから、後悔して後ろ向きになったままでいるなんて私にはできないわ。
必ず力を取り戻して、この国を守ってみせる!!
「っ、あれはネプ、テューヌ……っ!?」
決意を新たに固めた私が窓の外を覗くと、そこには予想外の人物がいた。
――紫色のツンツンした髪の毛に十字キーを模したアクセサリー。
――白と紫色の目立つパーカーワンピース姿。
――あの憎たらしい締まりのないボケボケした間抜け面。
間違いなくプラネテューヌの女神であるネプテューヌだった。
あの気持ちの悪い変態が現れた時に下界に落としたはずのネプテューヌが、何故かピンピンして私の国にいる。
しかも、私がいるとわかっている教会の近くまで来ていた?
そんな危険を冒してまで敵地である教会にわざわざ来る理由なんて――っ、挑発ってことね。
守護女神戦争のせいでネプテューヌも消耗しているだろうけど、今の弱っている私なら楽に勝てるって思ってるんだわ。
「随分と舐めた真似してくれるじゃないの」
そう言いながら、私は久しぶりに興奮していることに気付いた。
口角がつり上がり、仲間らしき人達の所に向かって走るネプテューヌの後ろ姿を見つめ続ける。
――これはチャンスよ。
ここでネプテューヌを倒すことができれば、私はまた力を取り戻すことができる。
それこそ、ちまちまと弱いモンスター達を倒すだけでは得られないほどの強力な力を。
「いいわ。その挑戦、受けて立ってあげる!!」
聞こえないことはわかってるけど、私はネプテューヌに向かって力強く言い放つ。
いくら今の私の力が弱くなっていたり、ネプテューヌが仲間の力を借りたとしても、必ず打倒してみせると決意を固める。
それが私の――ラステイションを守護する女神ブラックハートの誇りよ!!
私は逃げも隠れもしない!!
そっちがその気なら、正面から受けて立つわ!!
覚悟しなさい、ネプテューヌ!!
あなたのシェアは私がいただくわ!!
* * *
「あ、あの人じゃないの? 如何にも誰か待ってますって感じで立ってるけど?」
「と言うより、あの人しかいないんですから間違いないですよ」
ネプテューヌが1人で街の入り口付近に立っていた人物を指さすのを見て、コンパは苦笑してしまう。
すると、待っていた人物も夢人達に気付いたらしく、俯いていた顔を上げて軽く口元を緩めて口を開く。
「ギルドから連絡があった私共の依頼を受けてくださったのは、あなた方ですか?」
「ええ、そうよ。それじゃ、アンタがあんなふざけた依頼を出した張本人ってわけね」
事務的に話しかけた人物に対して、アイエフはギルドから出されていた依頼の内容を思い出して鋭い目線を向けた。
教会から門前払いを受けた夢人達は、少しでもラステイションの現状を知るためにギルドでクエストを受けることにした。
プラネテューヌと同じタッチパネル式の筺体を夢人達を代表して旅慣れをしているアイエフが操作していると、映し出された依頼の内容に眉をひそめた。
受注可能な依頼の内容がほとんど載せられていなかったのである。
目的と場所、報酬しか載せられていない依頼に、以前にラステイションでクエストを受けたことがあるアイエフは思わずギルドの職員へと疑問を投げかけた。
しかし、職員は依頼主の意向だとしか答えてくれず、夢人達は渋々その依頼を受けるしかなかったのである。
幸い、詳細は直接会って説明してくれるらしく、職員が依頼主へと連絡を取って街の入り口付近で落ち合うことになっていた。
だからこそ、夢人達は揃って閑散とする街の入り口付近で1人立っていた人物と合流していたのだ。
「おやおや、私共はふざけてなどいませんよ。公共の場であるギルドでは明かせない企業秘密がありましたので、ああいう形でしか依頼を出せなかったのですよ」
「……まあ、それで納得しといてあげるわ。で、当然依頼を受けた私達には説明してくれるんでしょうね?」
「はい、それはもちろん――おっと、申し遅れました。今回依頼を出させていただきました企業のガナッシュと申します。社名すら明かせないことはお詫びしますが、これも我が社とあなた方の安全を守るためですので、どうかご理解をお願いします」
「どう言うこと?」
困ったように笑う眼鏡をかけたスーツ姿の男性――ガナッシュの言葉に、アイエフは未だ納得しきれずに語調を強めて尋ねた。
すると、ガナッシュは1度眼鏡をブリッジを指で押し上げると、夢人達に軽く頭を下げる。
そのことを疑問に思ったネプテューヌが頬に人差し指を添えて話しかけると、ガナッシュは申し訳なさそうに目を細める。
「あまり大きな声では言えないのですが、我が社は今他社から妨害工作を受けているのですよ」
「妨害工作って、どうしてなんですか?」
少しだけ声を潜めて話すガナッシュに倣って、コンパも小さな声で続きを促す。
その表情はガナッシュの話に戸惑っているようであった。
「これでも我が社はラステイションでも指折りの企業を自負していますから、その実績を妬むライバル企業も多いのですよ。特に最近では何度も資材を駄目にされただけでなく、社員にも怪我人が出てしまったんです」
「随分と過激な妨害だな」
「酷い話ですね」
続けられたガナッシュの説明に、夢人達の顔は険しくなる。
人を傷つけてまでガナッシュの会社を妨害しようとしている相手に怒りを隠せず、夢人とシンは硬い声で全員の気持ちを代弁した。
「そう言う事情もありまして、敢えてあのような形式で依頼を出させていただいたのですよ。ご理解いただけましたか?」
「……確かに、私達もアンタ達の会社の問題に巻き込まれたくないわ」
「当然ですね。ですが、私共もあなた達を企業同士の醜い争いにつもりはありませんので安心してください。ですので、我が社から依頼を受けたのを秘密にしたままこの街道のモンスターを退治してもらいたいのです」
眉間にしわを寄せたまま目を閉じるアイエフに、ガナッシュは確認するように問いかけた。
しかし、事情を聞いても秘密主義すぎるガナッシュにアイエフの表情は晴れない。
ただでさえ夢人達の問題で頭がいっぱいであるのに、ラステイションの企業間の問題にまで関わりたくないと言うのがアイエフの本音である。
だが、少しでもラステイションの情報を知りたいと言うのも事実であった。
そのためアイエフの中でガナッシュの依頼を断ると言う選択肢は初めから存在していなかったのである。
しかし、それでも秘密主義過ぎるガナッシュの話を鵜呑みにするのは危険だと思い、アイエフは最低限自分達の安全を確保するための言葉を引き出そうとした。
すると、ガナッシュは瞬時にアイエフの意図を察して軽く口元を緩めながら依頼の本題を話しだす。
「実はこの街道が我が社の資材を運ぶルートの1つになっているのですが、どうも危険なモンスターが住み着いてしまったらしいのですよ。おかげで、届けられるはずだった資材が駄目になってしまいました。ですので、あなた方にはそのモンスターを退治してきていただきたいのです」
「なーんだ、話の流れ的にてっきりその悪さをする人達を懲らしめてって話になるのかと思ったのにモンスター退治なんだね」
「ハハハ、御冗談を。そのようなことをあなた方にしてもらうわけにはいきませんよ。これは我が社の――ひいては、ラステイションの問題です。私共の力で解決してみせますよ」
ガナッシュの説明する依頼の内容がギルドで提示されていたものと同じだったことに、ネプテューヌは驚いていつもの軽い調子で確認した。
事情を聞いた今、ガナッシュの所属する会社に同情して助けてあげたいとも思っていたからだ。
それはいまいちガナッシュを信用できずにいるアイエフ以外の夢人達も同様である。
だが、ガナッシュは夢人達の予想を裏切り、もう1度眼鏡のブリッジを押し上げて力強く言い切る。
「……ふーん、随分とご立派なことを言うのですね」
「いえいえ、これが我が社の総意ですからね。では、これが目的のモンスターの情報です。報酬は既にギルドの方に預けてありますので、どうかよろしくお願いします」
ミモザはガナッシュの言葉にどこか違和感を感じると、顔をしかめて棘のある物言いをぶつけた。
しかし、ガナッシュは気にした様子もなく軽くほほ笑んだままアイエフに1枚の紙を手渡して夢人達へと頭を下げる。
「わかったわ。それじゃ、早速いってくるわね」
「はい、どうかお気をつけて」
手渡されたモンスターの情報に不備らしいものが見受けられないと判断したアイエフは、広げていた紙を閉じるとガナッシュへと背中を向けて街の外へと歩き出す。
「パパーって倒してきちゃうから、大船に乗った気で待っててね!」
「ガナッシュさんも悪い人に負けないで頑張ってくださいです!」
「ありがとうございます。皆様もどうか無理をなさらないようお気をつけてくださいね」
アイエフに続いて、ネプテューヌとコンパもニコニコと笑いながらガナッシュへと声をかけた。
3人が街の外へと歩いて行った後、夢人も続こうと歩きだそうとすると、急に隣にいたネプギアに袖を引っ張られてしまう。
「どうした?」
「……大丈夫、ですよね? 夢人さん、無茶しませんよね?」
心配そうに上目遣いで自分を見上げてくるネプギアを、夢人は安心させるように笑みを浮かべた。
ガナッシュの説明を聞いている間、ずっと黙っていたネプギアが自分のことを心配していたかと思うと、嬉しくもあり悲しくもある夢人であったが、袖を掴んでいる指に自分の手を添えて口を開く。
「大丈夫だって。ネプテューヌやアイエフがいるのに、俺が無茶する必要なんてないだろ?」
「……ちょっと信用できません。夢人さんって、そう言うこと言った時に限って危ないことに巻き込まれたりするんですから」
「うぐっ!? いや、まあ、それはだな……」
「ふふ、冗談ですよ。夢人さんは夢人さんらしくしてくれればいいです――何かあれば、私が必ず守りますから」
言ってて自分が傷つきながら口にした慰めの言葉であったが、ネプギアの反応はよくなかった。
不満そうに唇を尖らせてそっぽを向くネプギアに、夢人は思わず言葉を詰まらせて慌ててしまう。
すると、ネプギアはすぐに顔を綻ばせると、夢人を真っ直ぐに見つめて力強く宣言する。
「あ、あはは……そうならないように、俺も頑張るよ」
「はい! じゃあ、私達も行きましょう!」
「おう――って、急に引っ張らないでくれって!?」
男として好きな相手から守られることに悲しくなりながら、夢人はネプギアに言い返すこともできずに乾いた声で笑うしかなかった。
事実として自分がこのパーティーの中で役立たずなのを自覚している分、余計に悔しく思ってしまう。
しかし、ネプギアは傷心している夢人に構わず、指に添えられていた手を握ると、ネプテューヌ達の後を追うために駆けだす。
急に手を握られたことに顔を赤くして驚いた夢人であったが、その頬は満更でもなさそうに緩んでいた。
……そんな夢人とネプギアに冷たい目線を送りつつ、ミモザはゆっくりと歩き出す。
それに続いて、最後に残ったシンも苦笑を浮かべながらガナッシュに黙礼するとミモザの横に並ぶように歩を進めた。
――さらに、そんな夢人達のやり取りを陰から見ていた2つの影も揃って動き出すのであった。
* * *
――その頃、とある洞窟の中では2つの小さな影が服が汚れるのも気にせず四つん這いになって何かを探していた。
「ない……そっちはあった?」
「ううん、みつからない」
まるで学生服のような灰色のスカートに白いブラウス姿の茶髪をショートカットにしている少女は、同じような体勢でいる頭に赤いボンボンをつけた袖口が大きい黄色と茶色のカバーオールを着ている女の子へと弱々しく声をかけた。
すると、女の子は悔しそうに顔を歪めながら首を横に振った。
「ねえ、もう帰ろう(お願い)? はぐれちゃったぷる……」
「やだっ!!」
困ったように表情を曇らせながら提案する少女の言葉を大きな声で遮って、女の子は両手を思いっきり振り上げた。
「アレはぴいのなの!! ぜったいにみつけるの!!」
「で、でも(おろおろ)」
両手をバタバタと振り乱しながら地団太を踏む自分のことを“ぴい”と呼んだ女の子に、少女は困ってしまう。
我がままを言っているようにしか見えない女の子を相手に、少女がどうすることもできずにうろたえていると……
「おーい!! 誰かいるのー!!」
『っ!?』
突然、知らない誰かの声が聞こえてきた。
洞窟の中で反響しながら聞こえてきた声に、2人は揃って体をびくつかせてしまう。
地団太を踏んで騒いでいた女の子も思わず背筋をピンと伸ばして息を止めてしまった。
それは少女も同様で、何故か2人して息を潜めて声の主から隠れようとしてしまう。
しかし、2人の耳には誰かが近づいてくる足音が聞こえてくる。
次第に大きくなる足音に、2人は言い知れぬ恐怖を感じた。
「っ、大丈夫(ぐっ)。ここはわたしに任せて(きりっ)」
「ぴ、ぴいもこわくないもん!!」
怖がりながらも少女は、震えているように見えた女の子の手を安心させるように繋いだ。
しかし、少女も恐怖を押し殺せずにいたためギュッと握った手に震えが伝わってしまう。
それを受けて、女の子も少女の恐怖をかき消すように大きな声を出した。
互いに支え合いながら、近づいてくる人物が来る方向を睨もうとする。
だが、恐怖のせいで上手くできず、傍目から見ると泣きそうな顔であった。
「っと、いたいた」
「……あれ?」
やがて、2人の前に声の主が柔らかくほほ笑みながら現れた。
その顔に少女の方は、恐怖を忘れて不思議そうに首を傾げてしまう。
何故なら、その人物は少女のよく知っている人物とよく似ていたのだから。
髪型がポニーテールなことや緑色のマフラーを首に巻いていることなどの細かいところは違うが、どうしてもその鮮やかな朱色の髪と腰に携えている1本の剣が少女の中で1人の人物を喚起させる。
「あはは、そんなに恐がらなくていいよ。あたしは2人を虐めたりしないから、ね?」
「……本当?」
「本当本当。いやあ、気がついたら洞窟の中にいてあたしも驚いていたんだよね。ところでさ、君達にこんなことを聞くのはアレなんだけど……」
洞窟の中が薄暗いせいで、女の子は自分よりも背が高い人物に本能的に恐怖を抱いていた。
しかし、その人物は女の子が怖がっていることをすぐに察すると、2人に近づくと膝をついて目線を合わせる。
すると、女の子もその人物に対する恐怖がやわらぎ、きょとんとした表情で首を傾げた。
その仕草がおかしかったのか、その人物は顔を綻ばせて優しく2人の頭をなでる。
その優しい手つきに、2人は安心感を覚えて気持ちよさそうに目を細める。
そんな2人の様子に安心した人物であったが、すぐに困ったように眉根を下げて口を開く。
「ここ、どこだかわかる?」
――そう、恥ずかしそうに問いかけるのであった。
という訳で、今回はここまで!
うーん、最近思ったよりも執筆に割ける時間が減っていることが悩みです。
番外編も今日までで終わらせるなんてできないし、申し訳ないです。
まあ、頑張るしかないんで頑張って早く投稿できるようにしますね。
それでは、 次回 「子ども×のほほん×天然」 をお楽しみに!