超次次元ゲイムネプテューヌ Re;夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
遅くなったうえに、またサブタイ変更です。
申し訳ないです。
それでは、 不安×鳥×のほほん はじまります


不安×鳥×のほほん

 ――ラステイションの首都と東部地域を結ぶ街道。

 大きな山と川によって隔てられた首都と地域との交易を目的として整備された街道である。

 しかし、貴重な水資源を保全するために山と山の間に橋を渡す程度しか手を加えられていない。

 人が徒歩で利用することなど滅多になく、多くはトラックやバスが運行する街道であり、舗装されていない砂利道が続いている。

 また時折山と山との間から強烈な西風が吹くことから、この街道のことを“西風の吹く渓谷”と呼んでいる者もいる。

 

「ぜえ、はあ、ぜえ、はあ」

 

 そんな街道をガナッシュから依頼を果たすために夢人達が歩いているのだが、目的のモンスターに出会う前から既に疲労困憊の者が出てきてしまった。

 山肌に手を添えながら歩くその顔は真っ青になっている。

 

「……えっと、大丈夫?」

 

「も、もち、ろん、よ――うぷっ」

 

「って、全然大丈夫じゃないです!? 皆さんストップですぅ!?」

 

 元気良く先頭を歩いていたネプテューヌも心配して、1人だけ明らかに顔色が悪い人物――ミモザへと声をかけた。

 だが、言葉とは裏腹にミモザの声に力はなく、途中で気持ち悪そうに口元を押さえて俯いてしまう。

 その様子を見て、隣でミモザを支えていたコンパは慌てて夢人達に止まるように呼びかける。

 

 何故ミモザがこのような状態に陥っているのかと言うと――単純に体力不足である。

 最初は涼しい顔で夢人達の後ろを歩いていたミモザであったが、ほとんど整備されていない街道とは名ばかりの山道を10分ほど歩いた途端にペースを落としたのだ。

 最後尾を歩いていたシンが気遣うように問いかけても、睨むような目つきで大丈夫としか答えなかったため、夢人達も心配していた。

 決して夢人達の歩くペースが速かったわけではない。

 むしろ、辛そうに歩くミモザに合わせてペースを落としていたくらいだ。

 だが、それでもミモザの顔色は悪くなる一方で、ついに限界を迎えてしまったのである。

 

「仕方ないわね。ここら辺でちょっと休憩しましょうか」

 

 先頭を歩いていたアイエフとしてはさっさと依頼を解決したいとも思ったが、さすがに今のミモザの様子で無理をさせられないと判断した。

 ため息をつきながら夢人達にも休憩することを伝えると、自分もミモザへと近づこうとする。

 それは夢人達も同様であり、全員がミモザを心配して歩み寄る。

 だが、当人であるミモザは顔を上げると、近づいてくる夢人達をキッと睨みだす。

 

「必要、ないわ、よっ! 私は、まだ――うっ」

 

「いや、無理するなって。ほら、そこに座れそうな岩があるから……」

 

「っ、ブ男が、触る――うぷっ!」

 

 強気で言い切ろうとするミモザだが、すぐに口を押さえてしまった。

 そんなミモザの様子に夢人は困ったように頭を掻きながら、少しでも座って休めそうな岩へと連れて行こうと手を伸ばす。

 しかし、伸ばした手は夢人に対して嫌悪感を隠そうともしないミモザにペチンと弱々しく払われてしまう。

 そのせいで体が揺れてしまい、ミモザの顔はさらに悪くなる。

 

「あーもー、今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!? コンパはそっち支えてて!? わたしがこっちを支えるから!?」

 

「はいです!? ゆっくりと動くですから、暴れないでくださいです!?」

 

「……うん」

 

 気持ち悪さを無視してまで夢人のことを拒否するミモザに、ネプテューヌは黙っていられなかった。

 すぐさま駆け寄ってミモザの腕を自分の肩へと回してコンパへと指示を出す。

 コンパも頷きながら、ネプテューヌと同じようにミモザの腕を自分の肩へと回すと、最初に夢人が連れて行こうとした岩へと運ぶ。

 2人に対する態度は夢人の時と違って、ミモザは素直に運ばれながら頷くだけであった。

 

「まったく、アンタあの子に何かしたの?」

 

「いや、そもそも初対面だし、心当たりもないんだけど」

 

「本当? それにしてはあの子のアンタへの態度は異常よ」

 

 アイエフは、2人に運ばれて岩に座らされたミモザを確認すると、ジト目で夢人を見ながら疑問を投げかけた。

 しかし、アイエフの疑問は夢人も感じており、ミモザのことについて頭を悩ませていた。

 疑わしげに夢人を見ていたアイエフであったが、しばらくするとその横へと視線を移して疲れたように息を吐く。

 

「はあ、どうでもいいけど、恋人へのフォローを忘れるんじゃないわよ? 私はアンタ達と一緒に旅をすることは了承したけど、その人間関係にまで首を突っ込む気はないからね」

 

「恋人?」

 

「あの子よ、あの子」

 

「え……ネプギア?」

 

 夢人に厳しい目線を送りながら、アイエフはあらかじめ線引きをしておこうと釘を刺した。

 能天気なネプテューヌや天然でお人好しすぎるコンパよりも、夢人の方が言いやすかったからである。

 これで少しでも自分の心労が軽くなればと、アイエフの打算な考えも込められていた。

 だが、アイエフの思惑とは異なり、夢人は不思議そうに目を丸くしてしまう。

 アイエフの言葉を理解していないわけではなく、それが誰を指しているのかがわからなかったのだ。

 そんな夢人に対して、アイエフは呆れたように眉根を下げて顎をしゃくる。

 指示通りに夢人が振り向くと、そこには岩に座って休んでいるミモザを険しい表情で見つめているネプギアがいた。

 明らかにミモザのことを快く思っていない様子のネプギアに夢人が驚いていると、アイエフが忠告する。

 

「恋人のことを馬鹿にされて随分と頭にきてるみたいよ。彼氏なんだから、ちゃんと面倒見なさいよね」

 

「こ、恋人とか彼氏って、俺とネプギアはそんな関係じゃ……」

 

「だから、アンタ達の人間関係なんて私は知らないわよ――とにかく、爆発する前に何とかしなさいよね」

 

 顔を赤くしてしどろもどろになる夢人の言葉を冷たく切り捨てると、アイエフはガナッシュから手渡されたモンスターの情報が書かれている紙を広げた。

 言外に、これ以上夢人とネプギアのことを気にしないとアピールしているのだ。

 

(と言われても、俺にもどうしていいのかわからないんだよな)

 

 困ったように後ろ髪を掻きながら、夢人はネプギアとミモザを交互に見た。

 夢人もネプギアがミモザに対して怒りを覚えていたことは、何となく察しがついていた。

 だが、夢人は誰にでも優しいネプギアが特定の誰かを嫌う姿を想像できず、気のせいだと思い込もうとしていたのである。

 

(これも記憶がなくなって精神的に不安定になっているせいなのか? でも、それじゃどうしようも――いや、原因は俺にあるんだから、アイエフの言う通り俺が何とかしないと)

 

 諦めそうになった思考を即座に否定すると、夢人は拳を強く握りしめた。

 

 記憶喪失を理由にして2人の関係を放置していたら、記憶が戻った時にネプギアが絶対に後悔すると思い至ったからである。

 少なくとも自分の知っているネプギアは悔やんで傷ついてしまうだろうと、夢人は確信していた。

 何故ならユニやロム、ラムにナナハとの出会いも決して良好ではなかったからだ。

 険悪になったり、本気でぶつかり合ったりもしたが、今の5人は夢人から見ても仲の良い友人同士になっている。

 だからこそ、自分が原因でネプギアがミモザを一方的に敵視するなんてことにならないように夢人は2人の仲を取り持つことを決めた。

 そこにネプギアが記憶喪失かどうかなんて関係ない。

 今はミモザのことを嫌っているのかもしれないが、これから知り合っていく中で関係をよい方向へと持っていくことなら、自分でもできるはずだと夢人は考えたのである。

 

 ……夢人としてもミモザに思うことがないわけではない。

 確かにいきなりの“ブ男”呼ばわりには怒りが湧いたが、それも最初だけである。

 本人にとって嬉しくないことだが、その程度の侮蔑は夢人にとって軽く流せるものであった。

 なにせ、ゲイムギョウ界に来て初日で役立たず認定をくだされ、さらに2週間後にはユニの奴隷、その後に誘拐犯や指名手配に女装などの数々の不名誉な称号を手にしていたのだから、夢人の中で“ブ男”は悲しいことに比較的軽い部類に入ってしまう。

 そのため夢人がミモザに対して思うことは1つ――どうして自分にだけ悪態をつくのかである。

 楽観的に考えて、それさえ解決してしまえばネプギアとミモザの仲を良好にすることは難しくないと思っている。

 

 ――だが、それも今の臆病になって夢人に依存しかけているネプギアが納得してくれるかどうかだ。

 しかも、ここにミモザが夢人に対して素直に嫌う理由を話してくれるかどうかも加わってくる。

 

(まあ、少しずつでも行動しないとな……とりあえず、まずはネプギアに俺の気持ちを話してからか)

 

 漠然としたことしか考えられないことを悔しく思いながらも、夢人はネプギアの怒りを和らげるために行動を起こすべく歩きだした。

 そんな風に決意を固めた夢人がネプギアへと歩み寄っていくのを見て、ガナッシュから貰った紙を読むふりをしていたアイエフは安心したように肩を落とす。

 

(ふぅ、やれやれ。これで少しは楽になるといいんだけどね)

 

「アイエフさん、ちょっといいですか?」

 

「うん、どうかしたの?」

 

 アイエフが内心で問題の1つに悩まなくて済むことなりそうな様子に安堵していると、今までミモザの傍にいたシンが駆け寄って来た。

 何かあったのかと思い、アイエフが紙から視線を上げると、シンが困ったような顔で口を開く。

 

「単刀直入に言って、これ以上ミモザさんを連れて行くことは無理なんじゃないかと思います。本人は頑なについてくるって言って聞かないんですけど、さすがに今の状態じゃ……」

 

「……はあ、今度は我がままお嬢様の方か」

 

 シンからの提案を聞いて、アイエフは頭痛が再発してしまったせいで思わず額を押さえてしまった。

 

 正直、夢人達はミモザを依頼に同行させるつもりはなかったのである。

 それ以前に、一方的な護衛依頼は断ったのにも関わらず、ミモザは勝手についてきているのだ。

 これ以上厄介事を抱え込みたくないアイエフであったが、自分の予想通りならミモザを1人でいさせると大変なことになると直感していた。

 自衛手段などのまともに旅をする能力が欠如しているほどなのだ。

 1人にするにはあまりにも危険すぎる世間知らず――それがアイエフから見たミモザの姿である。

 だからこそ、お人好しな性格も相まって、悪い言い方だがミモザを監視するために一緒にいることを了承したのである。

 しかし、当初の予定では1人、もしくはコンパと一緒にホテルに置いてくる予定であったのに、アグレッシブにもミモザは断固として一緒についてくると言い張ったのだ。

 夢人よりも足手まといになることは目に見えていたので、どうにか大人しくしていてもらいたかったのだが、ミモザはスタスタとアイエフの話も聞かずに我先にとホテルから出て行ってしまった。

 引き返すように言っても聞く耳を持ってくれなかったミモザに、夢人達は諦めて同行を許可するしかなかったのである。

 

 ……そして、その結果がグロッキーになっているのだから、アイエフも頭が痛い。

 ガナッシュからの依頼を途中で放棄するわけにもいかず、アイエフがミモザをどうしようかと悩んでいると、シンはとある提案を口にする。

 

「ですので、1度パーティーを別けて行動した方がいいんじゃないかなと思うんですよ」

 

「……そうね。あのお嬢様のペースに付き合ってたら日が暮れちゃいそうだし、そうするしかないわね」

 

 メンバーを別けて行動すると言うシンの提案に、アイエフは頷きながら全員を見回す。

 

 ――岩に座って呼吸を整えているミモザに寄り添っているネプテューヌとコンパ。

 ――目を伏せているネプギアに対して、気まずそうに頬を掻きながら話し続ける夢人。

 

 加えて、自分とシンのことを考えて、アイエフはどうパーティーを別けるべきかと思案する。

 

(まず夢人達とミモザを一緒にするのは却下よね。すると、必然的に夢人達は先発組になるから、ミモザの方にはコンパとネプ子を――いいえ、これからモンスターを退治しに行くんだから、夢人って言う足手まといがいる以上どうしてもネプ子には先発組に来て欲しい。でも、そうなると2組のバランスが悪くなるし、ここは思い切って私が後発組に――それじゃ、あの子達だけで無事にモンスターを倒せるかが不安だわ。ただでさえ、怪しいところがある依頼なのに放っておくわけにも……)

 

「それじゃ、僕とコンパさんがミモザさんと一緒に後からいきますから、アイエフさん達で先に向かってください」

 

「……えっ、いいの?」

 

 別けるにしても一筋縄ではいかない夢人達にアイエフが頭を悩ませていると、シンがほほ笑みながら解決策を提示した。

 その言葉にアイエフは思わず目を丸くしてしまう。

 だが、シンは柔らかく頬を緩めたまま力強く頷く。

 

「はい、元々僕も勝手にご一緒させて貰っている立場ですから、少しでも役に立てるなら問題ないですよ。こう見えて、ちゃんと冒険者になるために鍛えてきたんですから、2人のことは任せてください」

 

「……本当、ありがとう。アンタがいてくれて本当によかったわ」

 

「大袈裟ですよ。それじゃ、ちょっとコンパさんに確認取ってきますね」

 

 頼もしいシン言葉に、アイエフは少しだけ涙腺が緩んでしまう。

 しみじみとお礼を言われたシンは照れ臭そうに頬を掻きながら、コンパ達の所へと駆けだす。

 その後ろ姿を見ながら、アイエフはこのメンバーの中にシンがいてくれて本当によかったと思い、嬉しそうに口元を綻ばせる。

 そして、改めてガナッシュから手渡された紙を広げて、書かれているモンスターの情報を確認しながらつぶやく。

 

「……“フレースヴェルグ”か。確かに手強そうなモンスターよね」

 

 不死鳥を思わせる赤と黄色の羽根を持つ鳥型のモンスターに、アイエフは自然と目を細めた。

 自由に空を飛ぶことができる強敵であり、こちらも女神化すれば飛ぶことができるネプテューヌがいると言っても油断ができない。

 頭の中でどのように戦うのかをシミュレーションしながら、アイエフはまだ見ぬフレースヴェルグへと対策を立てるのであった。

 

 

*     *     *

 

 

「クァアアアアアアア!!」

 

「もう!? 何で私がこんな奴と戦わなくちゃいけないのよ!?」

 

 ネプテューヌ達の話を隠れて聞いていた私は、先回りして待ち伏せしようと急いで渓谷を飛んだ。

 そして、ある程度開けた場所でネプテューヌ達が来るのを待ち構えていようとしたのだけど、急に変な鳥のモンスターが襲ってきた。

 ネプテューヌ達と戦う前にあまり消耗したくなかったけど、モンスターの方は私のことを見逃してくれそうにない。

 仕方なく、私は目の前に現れたモンスターと対峙しなくてはいけない状況に陥ってしまった。

 

「あなたなんかの相手をしてらんないのよ!! 一気に決めさせて……」

 

「クァアアアアアアア!!」

 

「うるさいわよ!!」

 

 モンスターに対して理不尽かもしれないけど、私はその耳障りな鳴き声が癪に障った。

 

 威嚇のつもりか知らないけど、そんなのただうるさく騒いでるだけなのよ!!

 私を襲ったのが運のつき――速攻で決めてやるわ!!

 

「ふっ!!」

 

「――クアッ!?」

 

 短く息を吐くとともに、私は羽を広げて威嚇の途中だったモンスターの懐に跳び込んでショートソードを大きく横に薙いだ。

 幸い、地上に降りてきていたので女神化する必要もない。

 すると、気付くのが遅れたモンスターの悲鳴が真上から聞こえてくる。

 だけど、私は手を緩めない。

 横薙ぎに払った時の勢いで体を捻らせると――回し蹴りの要領でモンスターのくちばしを蹴り上げる。

 

「グアッ!?」

 

 先程よりも潰れた悲鳴が聞こえてきたことに、私は狙いを外さなかったことを確信した。

 

 まあ、当然外しているわけないわよね。

 こんなモンスター相手に私が後れを取るわけがないもの。

 ――さて、後はトドメと行こうかしら!!

 

 完全にモンスターに背中を向けると、私はそのまま大きく背面跳びをする。

 飛んでいるならまだしも、地上に降りている鳥型のモンスターぐらい私は軽く跳び越してしまう。

 未だに蹴られたくちばしのせいでよろめいているモンスターに向かって、私は全体重をかけたショートソードの一撃で……

 

「グ……ワ……」

 

 ――モンスターを背中から斬り裂く。

 この一撃がトドメになったらしく、モンスターは断末魔の声を残すと、いつものように光の粒子となって消えていった。

 その呆気なさに私は若干の不満を感じながら、ショートソードを腰に戻して自慢の黒髪を風になびかせる。

 ネプテューヌと戦う前の軽い準備体操だったとしても、動いたことで体が熱を発しているのは事実。

 髪が汗でべたつかないように風通しをよくしておかないと。

 

「ふぅ、後は今度こそネプテューヌ達が来るのを待って……」

 

「ぴーしぇちゃ~ん!! ロムちゃ~ん!! どこ行ったの~!!」

 

「――また厄介事がやって来たのね」

 

 モンスターを倒して問題が片付いたと思えば、今度は知らない女の子の声が聞こえてきた。

 特徴的な間延びしている声で、誰かのことを呼んでいる。

 

 ……大方迷子かしらね。

 たまにいるのよね、危ないってわかってる場所にわざと近づく子達が。

 いくらここら辺のモンスターがバスやトラックのエンジン音で逃げ出すくらい臆病だとしても、一般人がうろちょろしていたら危ないわ。

 放っておけないし、探すのを手伝いましょう。

 

 そう決めた私が声のした方へと行くと、ちょうど相手もこちらに向かって来るところだった。

 その子はネプテューヌよりも青色の濃い紫色の髪を後ろで1つに三つ編みしてまとめている少女であった。

 肩を大きく露出させる水色を基調としたキャミソールにピンク色のリボンがあしらわれており、手には異様に腕が長く見える猫のぬいぐるみを持っている。

 

 ――何故だか、その姿に一瞬ネプテューヌが重なって見えた。

 そんなことあるわけないと、私は強めに頭を振ってその考えを振り払う。

 そして、未だに私に気付かないで辺りを慌てた様子で見回している少女へと声をかける。

 

「ちょっと、そこのあなた! 何かあったの?」

 

「え、あ、うん。実は――――――えっ」

 

 さっきのモンスターとの戦いで興奮していたせいで、ちょっと口調が強めになってしまった。

 すると、少女はあたふたと私の方を見て――大きく目を見開いて固まってしまう。

 

 うん、どうかしたのかしら?

 私の顔に何かついているとか?

 それとも、私が女神だってことに気付かれて……

 

「ノワールちゃんだ~!!」

 

「のわああああああああ!?」

 

 俯いて体を振るわせ始めた少女を心配していると――急にお腹に衝撃が走った。

 ガバッと顔を上げた少女に抱きつかれてしまったのだ。

 少女の方は感極まったと言わんばかりに、笑いながら大粒の涙を瞳からポロポロとこぼれさせて……って、何なのよ、この状況は!?

 何でこの子は私の名前を叫びながら抱きついて来ているのよ!?

 私はただネプテューヌを倒してシェアを奪いたいだけなのに!?

 変な鳥のモンスターに襲われるは、見知らぬ女の子に抱きつかれるはと……

 

 ――もう、何がどうなってるのよ!?




という訳で、今回はここまで!
予想以上に延びたため、今回も分割したせいで短くなってしまいました。
そろそろ合流させませんと……
それでは、 次回 「子ども×洞窟×天然」 をお楽しみに!
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