超次次元ゲイムネプテューヌ Re;夢のヒーローを目指して 作:ホタチ丸
とうとう、本日ネプリバ3発売されましたね!
皆さんはもう楽しんでらっしゃいますでしょうか?
……私はまだプレイできてません。
それでは、 敗北×疑問×自己紹介 はじまります
――大空で繰り広げられる2人の戦いは熾烈を極める。
「はああああああああっ!! てやっ!!」
「ふっ!! せいっ!!」
プロセッサユニットにより、2人は縦横無尽に空を駆け回りながら激突する。
それぞれのプロセッサユニットの輝きが尾を引き、交差するごとに火花が青空に散る。
大空と言う誰も手出しできない舞台でなくても、2人の戦いに割って入ることができる者はいないだろう。
それ程2人の技量が高く、見る者の目を釘付けにしてしまう幻想的な魅力があったのだ。
ただの刀剣と大剣によるぶつかり合いが、女神である2人にかかれば神秘的な舞踏に見えてしまう。
誰であろうとも邪魔をすることが許されない雰囲気を作り出しているのである。
そんな風にどちらも一歩も引かない一進一退の戦いを繰り広げている――――ように思える2人だが、実際は違う。
2人の間に明らかな差が生じていたのである。
「――ハア、ハア、ハア……っ!!」
――先に疲れを見せたのは、ブラックハートであった。
苦しそうに呼吸を乱しながらも、歯を食いしばって飛翔し続ける彼女の顔には悲壮感さえ漂っている。
(なんで……どうしてなのよ……っ!?)
戦いの最中、ブラックハートは答えの出ない自問自答を繰り返す。
必死になればなるほど頭は真っ白になっていき、彼女から冷静さを奪っていく。
――原因は、ネプテューヌである。
同じように飛翔し、刀剣を振るい、大剣の脅威に晒されていながらも、ネプテューヌはブラックハートよりも余裕を保っている。
確かに時折苦しそうに顔を歪める時があるが、ネプテューヌは凛とした表情を崩していない。
それはまるで子どもと大人の戦いとまではいかないが、ブラックハートには力量差をありありと見せつけられているように錯覚してしまう。
「そこっ!!」
「ハッ!! ていっ!!」
「っ!?」
頭によぎった弱気な考えを振り払うように、ブラックハートは大剣による刺突を繰り出す。
しかし、ネプテューヌの腹部目掛けて真っ直ぐに進んでいた大剣は容易く刀剣によって弾かれてしまう。
下からすくいあげるように大剣を払われ無防備になったブラックハートに、ネプテューヌは1歩踏みこむ。
そのまま勢いに乗って、ネプテューヌは振り上げていた刀剣をブラックハートへと振り下ろす。
大剣を弾かれたことで一瞬思考が停止していたブラックハートであったが、間一髪のところで回避に成功する。
だが、反応が遅れたせいで完全な回避ができず、ブラックハートの切断された白銀の髪先がはらはらと宙に舞う。
このままではいけないと判断したブラックハートが慌てて距離を取ろうと後ろへ下がろうとするが、ネプテューヌは攻撃の手を止めない。
「ふっ!! はっ!! せいっ!!」
離さないと言わんばかりのネプテューヌの連続攻撃に、ブラックハートは防戦一方になってしまう。
斜め下からの斬り上げ、横からの一閃、斜め下への斬り下ろし、再び横からの一閃と、横に長い8の字を描くかのようにネプテューヌの流麗な剣先がブラックハートを逃がさない。
かろうじて刀剣を大剣で受け流すことができているが、ブラックハートは押されっぱなしで反撃に転ずることができずにいた。
(こんなことありえないっ!? 私がネプテューヌよりも弱いわけが……っ!?)
「もらったっ!!」
「っ、ぐっ!?」
自分がネプテューヌに押し負けていることが認められず、困惑するブラックハートの隙をついてネプテューヌの渾身の一撃が炸裂する。
鋭く振るわれた刀剣の一撃を大剣で受け止めきることができず、ブラックハートは体を大きく仰け反りながら後ろに吹き飛ばされてしまう。
だが、いつまでも体勢を崩しているブラックハートではない。
仰け反った反動を利用して、空中で体を大きく回転させる。
少しでもネプテューヌとの距離を取るためだ。
さすがに刀剣を振り切った体勢では、ネプテューヌもブラックハートへとすぐに迫ることができなかった。
距離があいたことで武器を構え直し踏みこむタイミングを見計らう両者であったが、ブラックハートは戦いを続けられるような精神状態でなかった。
「ハア、ハア、ハア……」
「もう終わりかしら? 威勢がよかったのは最初だけだったみたいね」
「っ、ふざけないで!! 私はまだやれるわよ!!」
息も絶え絶えのブラックハートは、まともに大剣を構えることすらできなかったのである。
疲労のせいなのか、ネプテューヌへの恐怖によるものなのか――どちらにせよ、ブラックハートは認められない感情によって引き起こされている腕の震えを止められない。
剣先はブレ続け、大剣を握る指の力も失われていく。
そんな風に弱っているブラックハートに、ネプテューヌは冷たい視線と共に挑発をかける。
戦いを渋っていたはずのネプテューヌらしくない物言いであった。
まるで落胆しているかのように響くネプテューヌの声を引き金に発奮したブラックハートは最後の力を振り絞る。
中段であった構えを解き、ブラックハートは切っ先をネプテューヌに向けたまま大剣を顔の高さまで持ち上げる。
「はああああああっ!!」
ブラックハートは叫び声を上げながら、弾丸のようにネプテューヌに突貫していく。
プロセッサユニットの最大加速を乗せた刺突。
間違いなく今のブラックハートにできる最高の一撃であろう。
しかし……
「――甘いっ!!」
「っ!?」
――ブラックハートの全力を乗せた一撃は、ネプテューヌに簡単に避けられてしまう。
空中でジャンプするかのように屈んで飛び上がることで、ネプテューヌはブラックハートの攻撃を回避したのである。
突然視界からネプテューヌが消えたことに、ブラックハートは大剣を突き出したまま息を呑んで硬直してしまう。
ブラックハートの頭上を飛び越えたネプテューヌは、天地が逆転したままの状態で刀剣を頭上へと振り上げる。
「これでっ!!」
「っ、させないっ!?」
ネプテューヌの声が聞こえてきたのと同時に振り返ったブラックハートの視界には、迫りくる刀剣の刃であった。
慌てて体を翻し、ブラックハートは大剣で迎え撃とうとする。
いくら体勢が不完全と言っても、刀剣を受け流すことはできるはずだと判断したからだ。
――だが、そんな予想を裏切るかのようにガキッと言う不快音が鳴り響く。
(う……そ……なんで……)
刀剣との激突によって罅が入った大剣を見て、ブラックハートの表情は驚愕に染まる。
女神の武器は、一部の例外を除いて普通の金属でできているわけではない。
プロセッサユニットと同様に、女神化する際に形成される特殊な武器なのである。
そのため例外に当てはまるユニのX.M.B.のような人工的に作られた女神の武器ではないブラックハートの大剣に罅が入ることは、本来ならありえないことだった。
シェアエナジーが尽きない限り、女神の武器は折れも砕けもしないはずだったのである。
――だからこそ、ブラックハートは理解せざるを得なかった。
自分の力の減少を――シェアエナジーが尽きかけていることを。
(駄目なのに……私はこんなところで負けるわけには……)
「終わりよっ!!」
「っ、きゃああああああっ!?」
負けられない様々な理由が胸に去来し、ブラックハートはすがる思いで罅の入った大剣で刀剣を押し返そうと力を込めた。
しかし、現実は残酷であり、ブラックハートの願いも虚しく、ネプテューヌの刀剣は振り切られてしまう。
そのせいでブラックハートは大剣ごと弾き飛ばされてしまい、プロセッサユニットの制御もできずに地面へと落下していく。
(……私は……負けちゃ駄目なのに……)
真っ逆さまに落下していくブラックハートはネプテューヌへと弱々しく手を伸ばした。
しかし、徐々に遠のいていく意識に逆らうことができず、ブラックハートは瞳を閉じてしまう。
その瞳に最後に映したのは、無感動な目で自分を見下ろすネプテューヌの姿であった。
* * *
「何やってんだよ、ネプテューヌの奴は!!」
「ちょっ、夢人!? どこに行くの!?」
「ノワールを探しに行くに決まってんだろ!!」
森の中に淡い光を放ちながら消えていったブラックハートを見た瞬間、夢人は急いで駆け出した。
突然の行動に慌てるREDの制止も聞かず、夢人はブラックハートの落ちた場所へと向かう。
残されたREDは首を傾げながらファルコムに尋ねる。
「……ノワールって誰?」
「さあ? 多分、あの人の名前なんだと思うけど……」
「ってか、夢人兄ちゃんあの痴女と知り合いだったのか?」
夢人が言った名前に心当たりのないRED達はブラックハートのことだと中りをつけることしかできなかった。
そんな中、リュータも夢人とブラックハートの関係について疑問に思ったことを口にする。
しかし、真相を知る人物は既に森の中に行ってしまったため答えられる者はいない。
「とりあえず、話はここまでにして、あたし達も探しに行こう」
「そうだった!! ヨメが空から落ちて大変だって言うのに、アタシってば何をしているの!! くっ、夢人に遅れるを取るなんて、一生の不覚だよ!!」
「……別にオレ達のことを襲ってきた奴のことなんて放っておけばいいだろ」
話を切り上げてファルコムがブラックハートを探しに行くことを提案すると、REDは愕然とした表情で膝をつく。
大袈裟に地面を叩きながら、REDは悔しそうに俯いてしまう。
だが、リュータはファルコムの提案に否定的な意見を出し、不機嫌そうに顔を逸らした。
「だいたいあの痴女が悪いんじゃんか。勝手に変な妄想を膨らませて襲いかかって来たんだし、心配する必要なんかねーじゃん。オレ達は悪くないんだし、ネプテューヌにやられて、その……そう、インガオーへーってやつだろ?」
「……因果応報って言いたいのはわかったけど、怪我人を放っておけるわけないでしょ? それに何か勘違いしていたのかもしれないし、あの人が全部悪いなんて決めつけちゃ駄目だよ」
「知るかよ。襲ってきたから悪いんだろ。悪い奴なんて、そのまま死んじゃえばいいんだよ」
「リュータ君、それは……」
「――ストップ、ストップストーップ!!」
得意げな顔をしてブラックハートを探しに行こうとしないリュータに、ファルコムは眉をひそめた。
間違った言葉を訂正しながら、ファルコムはリュータに諭そうとする。
しかし、リュータはファルコムを睨むだけで考えを変えようとしない。
それでもリュータを説得しようとするファルコムの言葉を遮り、REDは大きく手を振りながら口を開く。
「今はそんなことを言ってる場合じゃないでしょ!! タツタも不貞腐れてないで、一緒に探しに行くよ!! これは決定事項だからね!!」
「勝手に決めんなよ!! オレは絶対に探しになんて行かないぞ!!」
REDはぷりぷりと怒りながらリュータを指さして命令した。
だが、素直に言うことを聞かずに吠えるリュータにREDは一瞬悲しそうに表情を歪ませると、ファルコムに向き直る。
「そう、だったら勝手にしてなよ!! ――さあ、こんな分からず屋なんて放っておいて探しに行こう!!」
「え、でも、ここに1人で残してなんて……」
「いいからっ!! ――ごめんね、ファルコム。今のタツタはきっと何を言っても話を聞いてくれないから」
「……わかったよ。後でちゃんと説明してね」
「……うん」
手を引いて強引にブラックハートを探しに行こうとするREDに、ファルコムは戸惑ってしまう。
リュータをダンジョンで1人にすることに抵抗を覚えたからだ。
しかし、REDも譲らず、ファルコムに小声で謝る。
何らかの事情があることを察したファルコムは深く追求せずに頷く。
後で話を聞かせてもらうことを約束したファルコムは振り向き、リュータへと声をかける。
「できるだけ早く戻ってくるけど、リュータ君も気をつけてね!」
「……わかったよ」
そう言い残すと、ファルコムはREDと共にブラックハートを探しに森の中に駆けだした。
心配なのはリュータだけでなく、1人で先走った夢人も同じであったからだ。
ブラックハートにアルマッスを砕かれたせいで、今の夢人は丸腰であった。
それなのにも関わらず、モンスター達が襲いかかってくる森の中に単独で飛びこんでしまったのである。
安全地帯にいる分、夢人よりもリュータの方が安心できてしまう。
だからこそ、ファルコムはリュータを残してしまうことに後ろめたさを感じつつも、急いで夢人とブラックハートを探そうと意気込む。
対して、言葉を投げかけられたリュータはバツが悪そうに顔を俯かせる。
2人の姿が完全に森の中に消えるのを見送ると、リュータは小石を蹴り飛ばして独り言をこぼす。
「ケッ、なんだよなんだよ。なんで悪い奴を助けなきゃいけないんだよ……意味わかんねーよ、ったく」
不満を口にしながらも、リュータの表情は一向に晴れない。
辛そうに顔を曇らせ、そわそわと忙しなくその場をうろうろし出す。
「勘違いしてるとか関係ないだろ。こっちの話も聞かないで勝手に襲いかかって来たあの痴女が悪いのは間違いねーんだし……」
「――あら、ゆっくん達はどこに行ったの?」
「っ、び、びっくりさせんなよ、ネプテューヌ!?」
ぶつぶつと呟いていたリュータは、空から降りてきたネプテューヌに気付くのが遅くなり驚いてしまった。
しかし、そんなリュータの様子に構わず、ネプテューヌは辺りを見回して夢人達を探す。
「……夢人兄ちゃん達は落ちた痴女を探しに行ったよ。オレは行かないけど、行きたきゃ行けばいいだろ」
「やめておくわ」
「そう、だったらさっさと……へ?」
自分のことを無視して夢人達を探すネプテューヌに、リュータは呆れながら答えた。
そして、どうせ夢人達と同じようにネプテューヌもブラックハートを探しに行くんだろうと思い、リュータは投げやりになりながらそっぽを向く。
だが、実際にネプテューヌの口にした答えは違った。
目を丸くしながら驚いたリュータは、きょとんとした表情でネプテューヌを見つめる。
すると、ネプテューヌは悲しそうにブラックハートの落ちた森を見つめながら口を開く。
「また抑えが効かなくなったら困るからね」
「はあ? どう言う意味だよ、それ?」
「……何でもないわ。疲れたし、元の姿に戻るわね」
「おい、ちゃんと答え――っ!?」
ぼそりと呟いたネプテューヌの言葉に、リュータは怪訝そうに目を細めた。
意味を尋ねるが、ネプテューヌは取り合わずに女神化を解除しようとする。
納得のいかないリュータが追求しようとするが、一瞬のうちにネプテューヌの体を光が包み込んでしまう。
次の瞬間に現れたのは自分が馬鹿だとかちんちくりんと罵った方のネプテューヌであったため、リュータは尋ねるタイミングを逃してしまった。
「それじゃ、ゆっくんが戻ってくるまで何してよっか? ふふーん、わたしの姉力を見せつけて絶対に“ネプテューヌお姉さま”って言わせてやるんだから! ――と言うことで、恋バナから言ってみようか? 気になる子とかいないの?」
「バッ――そんなの誰が言うか!?」
「おやおやあ? 何か怪しいなあ? もしかして、誰か好きな子がいるのかな? お姉さまにちょっとだけ話してみない?」
「うるさい!? この馬鹿!?」
急に話題が変わったことにリュータはついていけず、顔を赤面させて慌ててしまう。
その反応に気をよくしたネプテューヌは、にんまりと笑いながらリュータへとさらに問い続ける。
調子に乗るネプテューヌに、リュータは先程感じていた疑問などすっかり忘れて怒鳴ることしかできなかったのであった。
* * *
「……う、んぅ……ここは……?」
ゆっくりと重たい瞼を開けると、無機質な天井だけがぼやけた視界に映った。
寝ぼけた頭では、自分がどこかの部屋のベッドの上で横になっていることしかわからない。
だから、私は正常に働かない頭で眠る前までのことを思い出そうとする。
……私、なんでこんなところで寝てるんだっけ?
確か、アヴニールの社長秘書から貰った地図に載っていた工場に行こうとした途中で……っ!?
「ネプテューヌっ!!」
そこまで思い出した途端、私はガバッと上体を起こして叫んでしまった。
そうだ、全部思い出したわ。
アヴニールと共謀していたのがネプテューヌだったってことが分かって、私は叩きのめそうと勝負を挑んだはず。
邪魔する奴のいない空の上で戦って、そして……
「っ!? これって……」
急にズキンとした痛みが頭に走り、私は顔をしかめて額を押さえた。
すると、額に包帯が巻かれていることに気付いた。
よく見てみると、腕にも巻かれている。
誰かが傷の手当てをしてくれたらしい。
でも、私には治療をしてくれる相手の心当たりがなかった。
モンスターがうろうろするダンジョンの中で、運よく気絶した私を助けてくれる良心のある人物がいたとは思えない。
何故なら、あそこには私の敵しかいなかったはずだから。
「じゃあ、いったい誰が……」
「あっ、目を覚ましたですね」
私が疑問を口に出すと、狙ったようなタイミングで扉が開いて1人の少女が部屋に入って来た。
クリーム色の髪の毛で、ほんわかした雰囲気の少女だった。
「えっと、あなたが私の治療を?」
「はいです。どこか痛いところはあるですか?」
「……まだちょっと全身が痛いわ。でも、あなたのおかげで助かったわ。ありがとう」
恐る恐る尋ねると、私の予想通り少女が手当をしてくれたようだった。
少女に体の状態を尋ねられ、私は少し考えて言葉を濁しながらお礼を言う。
……正直、体中が痛くて立ち上がれそうにない。
まあ、あんな高さから落ちたんだから仕方ないわね。
いくら女神が人間よりも丈夫だからって、無傷ってわけにはいかないもの。
それに、今の私は……
「よかったですぅ。本当なら病院に連れて行ってちゃんとお医者さんに診せた方がよかったんですけど、訳ありみたいだったんで連れていけなかったんです」
少女の言葉に私は体をビクッと震わせてしまう。
あ、危なかったわ。
病院なんて連れていかれたら、今以上に私への信仰がなくなっちゃうところだったわ。
女神が怪我をして病院に運ばれるなんて、致命的なスキャンダル以外の何物でもないものね。
彼女がそこまで理解しているわけじゃないってことはわかるけど、私に配慮してくれたことは本当に助かったわ。
まあ彼女からしてみれば、ダンジョンで気絶している不思議な女性って程度の認識でしょうけどね。
「あっ、名乗るのが遅れましたけど、わたしはコンパって言うです」
「私はらす――じゃなかった。ノワールよ。本当にありがとうね、コンパ。あのままだったら、私どうなっていたことやら……」
自然な流れだったので危うく自分が女神であることをばらしてしまいそうになったが、私は改めてコンパにお礼を言った。
コンパが助けてくれなかったら、本当にどうなっていたのかわからない。
ネプテューヌにトドメを刺され、死んでいたかもしれないからだ。
偶然だろうけど、コンパのような人に助けてもらえたのは本当に運がよかったのだろう。
「事情は全部知っているです。ノワールさんも大変だったんですね」
「っ、知ってるって、まさか!?」
「――親の再婚で家を追い出されるなんて、酷過ぎるです!」
「私がめが………………はい?」
同情するような目で私を見つめてくるコンパに、もしかして全部事情を知られているんじゃないかと思った。
だが、慌てる私とは裏腹に、コンパは意味のわからないことを口走る。
思わず頭が真っ白になってしまう。
「もう大丈夫です! ここにはノワールさんを虐める人はどこにもいませんから!」
「え、あの、その……意味がわからないんだけど……」
「隠さなくてもいいです! 話は全部ゆっくんさんから聞いてます! ――旅行から帰ってきたら、家に居場所がなかったんですよね? だからって、自殺しようなんて考えちゃ駄目です! 1人がさびしいなら、わたし達がノワールさんとずっと一緒にいてあげますから!」
瞳を潤ませながら熱っぽく訴えてくるコンパに、私は困惑してしまった。
だが、その元凶の正体がわかると少しだけ頭が冷える。
……へえ、ほう、ふーん。
その“ゆっくんさん”って人が私のことを説明してくれたのね。
どこかで聞いたことがある名前のような気がするけど、その微妙に心当たりがある感じの話をしてくれた理由を聞かないといけないわ。
「――ねえ、コンパ」
「なんですか?」
「ちょっとその“ゆっくんさん”って人を呼んできてくれるかしら?」
勝手に“家出娘”とか“可哀想な女の子”みたいな設定を付け加えてくれた人とちゃんと話さないとね。
色々と言ってあげたいことがあるもの。
「わかったです。じゃあ、安静にして待っててください」
「ええ、よろしくお願いね」
にこりと可愛らしく笑いながら退室するコンパに、私も笑みを返す。
何故なら、私は“ゆっくんさん”に会うのが楽しみで仕方ないからだ。
どんな面の皮が厚い人物なんだろうと、はやる気持ちを抑えられず口元が緩んでしまう。
ああ、本当に楽しみよね。
“ゆっくんさん”はどんな説明をしてくれるのかしら?
もしもくだらない理由で私のことを語ったのなら――絶対に許さないわ。
という訳で、今回は以上!
ほら、プレイしちゃうとまた布団に引きこもっちゃいそうですからね。
これ以上更新スピードを落とすと、年内中に切りのいいところまでいけそうにないですから。
プレイを続行したい誘惑に耐えつつ、更新頑張っていきます!
それでは、 次回 「消沈×相談×嫌悪」 をお楽しみに!