超次次元ゲイムネプテューヌ Re;夢のヒーローを目指して 作:ホタチ丸
まあいつまでこの投稿ペースが続けられるか分かりませんが、続く限りは頑張っていきますよ。
それでは、 気持ち伝えて はじまります
桜の花びら舞い散る並木道、そこに2人の男と女がいた。
男は柔らかく笑みを浮かべながら、胸の前で手を組んで恥ずかしそうに頬を染めている女に言葉を送る。
「ネプギア、好きだ。愛してる」
「っ、きゅ、急に何を言ってるんですか!?」
男、夢人からの突然の告白に女、ネプギアは肩をびくつかせて慌てだす。
ほんのりと朱色に染まっていた顔は、既に真っ赤になっている。
まともに夢人の顔も見れないようでチラチラと視線を動かしながら、ネプギアはもじもじと体を動かしていた。
体全体で恥ずかしいと表現しているネプギアに、夢人は頬をさらに緩めながら一歩一歩ゆっくりと近づいていく。
「急なんかじゃない。俺は勇者としてゲイムギョウ界に召喚されたあの日の夜から、ずっと君のことを考えていた。君の隣にいるために強くなろうと頑張れたんだ。俺の愛する女神様を守るためにな」
「あ、あううぅぅぅ……」
夢人が近づいてくるごとに、言葉を発するごとに頬の熱が上がることをネプギアは自覚できた。
しかし、ネプギアはそれをコントロールする術を持ってなく、瞳は潤みを増していき、思考も段々と蕩けだす。
遂に手を伸ばせば触れられる距離に夢人がやってくると、ネプギアは恥ずかしさの限界を越えてしまったため俯いてしまう。
だが、夢人はそんなネプギアの行動を許さない。
真っ赤になった顔を見られたくないネプギアの抵抗など知らないと言わんばかりに、クイッと顎に指を添わせて上を向かせると、夢人は鼻先がくっついてしまいそうになる距離でささやく。
「照れて恥ずかしそうにしている顔も可愛いよ、ネプギア。もっとよく見せて」
「い、いやです……こ、こんな顔、み、見ないで……」
「やだ。俺はもっとよくネプギアの顔を見ていたいんだ。ほら、ちゃんと目を開けてネプギアも俺の事を見てよ」
「んんっ!」
瞳と唇を固く閉じて夢人の要求を拒否しようとするネプギアであったが、言葉とは裏腹にあまり抵抗していない。
さらに近づこうとする夢人を両手で押し返そうとしているのだが、明らかにネプギアの両腕には力が入っていない。
むしろ、両手を胸に添わせている姿は、ちょっと背伸びをしてキスをねだっているようにも見える。
当然、夢人もそのことに気付き笑みを深めると、ぷるぷると震えるネプギアの耳元にこれからすることを甘く響かせて宣言する。
「キス、してもいい?」
「……だ、だめです……だって、私まだ……」
「いつまでも俺の気持ちに答えてくれないネプギアが悪いんだよ。だから、態度で示して」
「あっ……」
首を横に振って逃げようとするネプギアであったが、頬に触れてきた夢人の手のひらによって顔を固定されてしまう。
驚きに目を開いた瞬間、映り込んできたのは柔らかくはにかんでいる夢人の顔。
それを間近で見てしまったネプギアは瞳をトロンとさせ、期待するように閉じていた唇を開いてぷるんと震わせる。
「目、閉じて」
「んっ」
「愛しているよ、ネプギア」
軽く瞳を閉じて唇を突き出してくるネプギアに、再び愛をささやきながら夢人も距離を縮めていく。
桜吹雪の中、2人の唇がゆっくりと近づいていき、そして……っ!
* * *
「はうっ!?」
……ネプギアはベッドから落ちてしまったのであった。
「あ、あれ!? キスは!? 夢人さんは!?」
顔面から落ちてしまったせいで痛む鼻を押さえつつ、ネプギアは忙しなく辺りを見渡す。
その顔は痛みと違った理由でも赤く染まっていた。
(も、もしかして夢だったの!? 私、またあんな夢見ちゃったの!?)
状況を理解すると、ネプギアの顔はさらに赤みを増す。
……先ほどまでのことは、全てネプギアの夢だったのである。
実際にネプギアがいる場所は、桜の木が立ち並ぶ並木道ではなく、ギョウカイ墓場にそびえる黒い塔の一室。
当然夢人がこの部屋にいるはずはなく、ネプギアが転げ落ちたベッドの上にはアカリが安らかな表情で眠っていた。
(パープルディスクの中身を見てから、少しでも夢人さんのことを考えるといつもあんな夢ばかり……もしかして、私ってかなりエッチな女の子だったの!?)
ネプギアがあのような夢を見るのは1度や2度ではない。
フィーナを止めるために必要な『再誕』の力である“リバース”を使う方法を知るために、アカリの力を借りてパープルディスクの中に記録されていた夢人の記憶を見た日の夜から、ネプギアは何度も同じような夢を見ていたのである。
夢人が教会からオンボロアパートに移住してからは、余計に夢を見る頻度が増している。
そんな夢を見る度に、ネプギアは無意識に自分の願望が現れているのではないかと赤面する朝を繰り返していた。
(でも、もしあそこで起きなきゃ、私と夢人さんは……今すぐ寝たら続きが見れないかな)
自己嫌悪しながらも、ネプギアは夢の内容を思い出して口元を緩めだす。
ネプギアがにやにやと夢の続きを思い浮かべながらベッドに戻ろうとした時、近くの机の上に置いてあったNギアから着信を知らせる音が響く。
窓から見える空は暗いため、まだ夜だと理解しているネプギアはこんな時間に誰が通信を入れてきたのだろうかと、不思議に思いながらNギアを手に取る。
「もしもし?」
〔……ネプギア、だよな? 遅い時間だけど、ちょっといいか?〕
「ゆ、夢人さんっ!?」
〔っ、お、おう。そうだけど、どうかしたのか?〕
「い、いいえ!? な、何でもないです!?」
寝惚けていたのだろう、ネプギアはNギアに表示されていた着信相手の名前を確認せずに受け取ってしまったため、突然聞こえてきた夢人の声に驚いてしまう。
夢の中でキスをされそうになった相手からの不意打ちは、ネプギアの顔を朱色に染め上げる。
そんなネプギアの事情を知らない夢人は、聞こえてきた大声に驚いて心配そうに尋ね出す。
聞かれた所で正直に答えられるわけもなく、ネプギアは目の前に夢人がいるわけでもないのに手を左右に激しく振りながら慌てて答えた。
〔そ、そうか。なら、いいんだけど〕
「と、ところで夢人さんは私に何の用が……」
〔えっ……あ、ああ、そうだ。明日の夜って時間作れるか?〕
納得していなさそうな夢人の言葉を遮り、ネプギアは無理やり話を進めようとする。
これ以上何かを追及されたら、先ほどの夢の内容しか考えられなくなりそうだと思ったからだ。
すると、夢人は一瞬何を言われているのかわからないと言った感じの声を漏らす。
だが、すぐに思い出したようにネプギアに尋ねる。
「私は大丈夫ですけど……夢人さんは大丈夫なんですか?」
〔うん? それってどう言う意味なんだ?〕
「何だか少し声が掠れているように聞こえるんですけど、体調が悪いんじゃないんですか?」
〔っ、気のせいじゃないのか? 俺はいつもと変わらないぞ〕
心配すると、夢人の息をのんだような雰囲気がNギア越しにネプギアにも伝わって来た。
ネプギアはすぐに夢人が何かを自分に隠していることを察した。
だが、敢えて深く追求するような真似はしない。
悲しそうに眉を寄せて瞳を閉じると、ネプギアはNギアの向こうにいる夢人のことを思う。
(また1人で何かを抱え込んでいるんですか? ……私じゃ、夢人さんの助けになれないの?)
ネプテューヌ達を助けに行く前日の夜のことをネプギアは思い出していた。
自分が消えて死んでしまうかもしれない恐怖に押し潰されそうになりながらも、最後まで自分に何も言わなかった夢人の声と今聞こえてくる声がネプギアの中で重なる。
ネプギアは何も言ってくれない夢人の事を思うと、胸が苦しくなってくる。
出会ってから何度も夢人に助けられているのに、自分は何の助けにもなれないのかとネプギアの悔しさは募るばかりだ。
不可抗力とは言え、自分に対して愛情を向けてくれている相手だと知っていることも拍車をかけている。
そこに自分の恋心も加わって、余計にネプギアは辛くなってしまう。
「分かりました。夜でいいんですよね?」
〔ああ。明日の夜にバーチャフォレストの奥、プラネテューヌのゲイムキャラがいた場所に来てくれ……っと、長くなってごめんな。それじゃ、お休み〕
「はい、お休みなさい」
場所を伝え終えると、夢人の用件はそれだけだったようで最後にネプギアと挨拶を交わすとNギアの通信を切ってしまう。
通話を終えたNギアの画面に目を落としながら、ネプギアは夢人と明日のことへと思いを馳せる。
(明日の夜、バーチャフォレスの奥か……もし、また夢人さんが苦しんでいるのなら、今度は必ず私が助けます。あなたは私にとって、とても大切な人なんですから)
口には出さない決意を胸に秘め、夢人の姿を思い浮かべながらネプギアは眠っているアカリの隣に体を倒す。
緩やかだった鼓動が少し早くなったのを自覚し、ネプギアはわずかに頬を緩ませる。
瞼を閉じて思い描くのは、これからも続くであろう幸せな未来。
隣で眠る娘の熱がネプギアの決意を固くする。
(だから、もっと私を頼ってくださいね。私だってあなたのことを守れ……)
鼓動が高鳴っているせいで眠れないと思っていたが、ネプギアは逆に心地よく感じられた。
瞼の奥に夢人やアカリ、ネプテューヌ達と言った自身にとって大切な人達の姿を思い浮かべながら、ネプギアは抵抗することなく睡魔に身を委ねるのであった。
* * *
バーチャフォレストの奥地、プラネテューヌのゲイムキャラに出会った場所であり、初めて犯罪組織の一員であったリンダと戦った場所でもあり、ネプギアがトラウマから立ち直った場所でもある。
でも、俺にはもう1つ、とても大切な意味を持つ場所でもある。
【夢人さん】
ネプギアが初めて俺のことを名前で呼んでくれて、笑顔を見せてくれた場所なんだ。
それまでずっと【勇者さま】としか呼んでくれなかった俺はもちろん、アイエフやコンパ、イストワ―ルさんとまで距離を取っていたネプギア。
ずっと辛そうに顔を歪ませて泣いていたネプギア。
馬鹿で間抜けなことをして気絶した俺を本気で心配してくれたネプギアが、あの日をきっかけに変わった。
本当は誰にでも優しくて、誰よりも強い心を持っていて、見惚れるほど愛らしく笑う元の彼女に戻ったんだ。
あの日、凛と力強く俺を背にして『変身』したネプギアの姿は今でも鮮明に思い出せる。
初めて俺の名前をほほ笑みと共に呼んでくれた時に、俺はネプギアのことを守りたいと強く思った。
もう2度と彼女の笑顔を涙で曇らせたくないと。
他人から見れば安い理由かもしれないけど、俺はあの日からネプギアに心を奪われてしまったんだ。
一生をかけてその綺麗な笑顔を、その純粋で儚いように思える心を……ネプギアの全てを守っていきたいと、俺は思ったわけだ。
単純だけど、はにかむように笑う顔を見せられて、俺はネプギアのことを好きになってしまったんだ。
それまでは気にかかる程度だったはずなのに、ネプギアの魅力的すぎる笑顔に俺はコロッとやられてしまった。
自分のことながら、本当に単純だと思う。
でも、俺はネプギアのことを好きになれて本当によかったと心から言える。
俺が今、こうして平和になったゲイムギョウ界で日常を謳歌できるのはネプギアのおかげだ。
ネプギアがいたから、俺は勇者として強くなろうと思えた。
強くはなるけど忘れ去ってしまいたい黒歴史を披露してしまうB.H.C.も使えたし、上手く発動することができない失敗魔法を自分の物にできた。
本来死んでしまう運命だった俺を救ってくれたのもネプギアだし、ゲイムギョウ界に連れ戻してくれたりもした。
アカリやフィーナって大切な娘もネプギアとだから生まれたんだ。
「フィーナ……」
ふいに右手首に巻かれているブレスレットが気になり、俺はこれを託してくれたフィーナの名前をつぶやく。
ブレスレットには9個の紫色をした水晶が連なっている。
最初は10個だったけど、1つは既に失われてしまっている。
これがあるから俺はアカリが体の中にいなくてもバグになることがない。
言わば、このブレスレットは俺がゲイムギョウ界で生きていくために必要な生命線のようなものだ。
……まあ自分の意思でこれを外したり、水晶を減らしたりすることはできないんだけどな。
「あっ、夢人さーん!」
ブレスレットに意識を集中していると、どうやらネプギアがやって来たらしく俺を呼ぶ声が聞こえてきた。
顔を上げて声の聞こえた方を向くと、小走りで俺の所に向かってくる途中だったみたいだ。
「ふぅ、お待たせしちゃってごめんなさい、夢人さん」
「いや、そんなに待ってないさ」
近づいてきたネプギアは軽く息を吐いて呼吸を整えながら、俺に申し訳なさそうに謝ってきた。
似たやり取りを昨日もしたことを思い出すと、俺は自嘲的な笑みをこぼしてしまう。
昨日、俺はナナハのことを振った。
俺なんかを好きだと言ってくれて、告白までしてくれた女の子。
ネプギアのことを好きなくせに、すっぱりと断れない優柔不断な俺の事をずっと好きだと言い続けてくれた女の子、だった。
そんなナナハの気持ちに俺は応えることができなかった。
ナナハのことも大切だけど、俺にとって1番はネプギアなんだ。
それはナナハから告白されてからも、ずっと変わることがなかった。
犯罪組織との決着が付いて平和になった今、俺はナナハのためにもけじめをつける必要があると思った。
いつまでもナナハの気持ちを振り回す俺なんかよりも、もっといい人を見つけて欲しい。
俺なんかに縛られないで、新しい恋を見つけて欲しいって。
ナナハなら、きっと幸せを手に入れることができるから……
「夢人さん? どうかしましたか?」
「あ、いや……ううん、何でもないよ」
ナナハのことを考えていると、ネプギアが心配そうに俺の顔を覗き込んできた。
……そうだよな。
俺がいつまでも引きずってるわけにもいかない。
1番辛いのはナナハなんだ。
だから、俺に……ナナハを振った俺に泣く資格なんてない。
昨日の帰り道、ナナハのことを振ると同時に泣きだしてしまいそうになった。
そんな顔を見られたくなくて、俺はナナハから逃げて1人先に帰ろうとした。
だけど、後ろから聞こえてきたナナハの泣き声に俺の涙腺は決壊してしまった。
泣いちゃ駄目だってわかってても、涙を止めることができなかった。
Nギア越しにネプギアから暗に泣いていたことを指摘された時は焦った。
でも、俺はそれを口にすることができない。
することが許されるのなら、それはきっとこれからすることが終わってからだ。
「そう言えば、昨日ギョウカイ墓場に行ってたんだよな? アカリの様子はどうだったんだ?」
「パパに会いたい、って夢人さんが来てくれなかったことを悲しんでましたよ。就職活動が大変なのはわかりますけど、今度はちゃんとアカリちゃんに会いに行ってあげてくださいね」
「ああ。それじゃ、今度は2人でアカリに会いに行けるようにしよう」
「はいっ!」
俺が言葉を発するごとに、不満そうに眉をひそめたり、怒ったように頬を膨らませたり、にっこりと笑ったりするネプギアを見ていると、やはり自分の気持ちに間違いがなかったことを悟った。
俺はやっぱり、ネプギアのことが好きなんだ。
「なあ、ネプギア」
「なんですか?」
短く呼びかけると、ネプギアは首を傾げながら俺の言葉を待ってくれる。
だけど、俺は続きをなかなか口にすることができない。
どう伝えればいいのかわからなくなった。
どんな言葉で、どんな風にこの気持ちを伝えれば、ネプギアに届くのかが俺にはわからない。
頭の中が真っ白になって、何も浮かんでこない。
……クソッ、どうしてこう肝心な時に何も言えなくなるんだよ。
自分に対する悪態はすぐ思い浮かぶのに、ネプギアへの気持ちを表現することができない。
ドクン、ドクンと速さを増していく鼓動が、ネプギアに伝わってしまうんじゃないかと思うくらいにうるさく高鳴っていく。
「夢人さん、やっぱりどこか体調が……」
「好き、なんだ」
「えっ……」
何も話そうとしない俺を心配して近づこうとしたネプギアに向かって、俺は咄嗟に言葉を発していた。
意識なんてしてない。
もう頭の中がネプギアのことを好きだと言うことしか考えられないっ!
「俺、ネプギアのことが好きなんだ」
俺が漏らした言葉が信じられないのか、大きく目を見開くネプギアに今度はちゃんと伝える。
口にできたのはシンプルな内容だったけど、俺の思いの全てを込めて。
ネプギアのことが好きだと、愛していると伝わるようにと。
「え、あの、その……」
「急にこんなこと言いだしてごめん。でも、俺はもう我慢できないんだ」
突然の事態にあたふたするネプギアに、俺は申し訳なく思いつつも気持ちを伝えることをやめない。
本当なら就職が決まって、ちゃんと安定した生活を送れるようになってから告白するつもりだった。
でも、今の俺じゃいつになるかわからないし、レイヴィスの心配する『神次元ゲイムネプテューヌV』のこともある。
伝えられる時に伝えたい。
ギョウカイ墓場で死を覚悟した時、フィーナが消えてしまった時に感じた後悔をもう2度と繰り返さないように、俺は今ネプギアに伝えたいと思ったんだ。
俺が勇者として……御波夢人としてゲイムギョウ界のために戦えた1番大切な理由を。
「だから、俺と恋人に……これからもずっと一緒にいて欲しい」
プロポーズと捉えられるかもしれないけど、それくらい俺は真剣にネプギアのことを愛してる。
むしろ、そう思われても全然構わない。
寿命が続く限り、俺のネプギアの傍にずっと寄り添っていたいんだ。
「記念ってわけじゃないけど、実はネプギアに受け取って……」
「……なさい」
「ネプギア?」
俺は前もって用意していた物を取り出そうとした時、ネプギアの様子がおかしいことに気付いた。
いつの間にか俯いてしまい、体全体をぷるぷると震わせていたのだ。
どうかしたのかと思って俺が声をかけると、ネプギアは俯いたまま踵を返すと……
「ごめんなさーい!!」
と、叫びながら夜のバーチャフォレスト奥地から走り去ってしまった。
……って、え?
ごめんなさい? それに、避けられた?
告白していた時とは、まったく逆の感情が胸に込み上げてくる。
温かく幸せに満ちていた心が、急激に冷やされて絶望に包まれていく。
絶対に成功するとは思っていなかった。
でも、こんな結末になることだけは想定外だ。
いくら現実を否定しても、状況証拠が俺に残酷な真実を伝えてくる。
ネプギアにとって、俺の告白は迷惑以外の何物でもなく、一緒にいることすら耐えられないものだったんだと。
アカリが俺達のことをパパ、ママと呼ぶから仕方なく一緒にいただけなんだと。
そう理解できた俺の意識は段々と遠のいていく。
ぐにゃぐにゃと歪みだした視界ではまともに立っていることもできず、目の前に地面が近づいてくるのと同時に暗くなってくる。
意識を完全に失う瞬間、俺の頭の中には1つの事実が浮かび上がっていた。
……俺、ネプギアに振られたんだと。
という訳で、今回はここまで!
はい、見ての通りカップル成立ならず! でした。
夢人君を中心にした恋物語はまだまだ終わりを見せませんよ。
それでは、 次回 「たった1つの冴えたやり方」 をお楽しみに!