ビーズ星人登場
史上最大のラブコメ:00
蜂の巣型の
「王女様!」
「王女様、どちらに向かわれるのですか?」
「ご機嫌よう、皆様。わたくしはお母様に会いに行きますの」
地球より遥か彼方の宇宙を漂う宇宙船の側面も持つ
彼女達の種にはオスは存在せず、女王となりうる王女のみが伴侶とするオスと子を作る。
現女王が即位する以前、彼女が結ばれた相手はヒューマノイドタイプのオスだった。
ビーズ星人の王女は運命の伴侶と出会う時、その相手にとって理想となる成長をする。
それも、
地球でいうところの美しいコーカソイド系の顔に抜群のプロポーションを持つ美少女。
ある人には可憐に映り、またある人には近寄りがたい美貌を持つように映る金髪美人。
胸も大きく、くびれはきゅっと細い様は男の欲望を具現化したものである。
その姿は運命の女として
そんな彼女が王族だけが着用する、白いトーガ風の衣装を着ると、古代の姫のような気品がある。
「此度の伴侶探し、でございますか?王女様ほどの人物であれば、素晴らしい伴侶が見つかりますよ」
「だと良いのだけれど」
召使い、
ビーズ星人の女王とその娘に反抗することは働き蜂にはできない。
過去にそんな出来事があったことで、時の女王が遺伝子レベルで改造するようにしたというが、それも昔のこと。
教育係には相応しい情緒があるが、召使いの働き蜂にはそれはない。
王女は母親である、女王の部屋であり、玉座の間に入った。
「どうかした?私のかわいい姫よ」
「お母様。あたしの……いえ、
巨大な女王蜂は複眼に娘の姿を映し出すと、蠱惑的な声色で口となっているハサミをカチカチ鳴らしながら、娘を近くに呼び寄せる。
百六十センチ台の娘に対し、女王蜂は四メートルもの体躯を誇るが、身動きを取れなかった。
子を産み、後継者となる娘に教育を施す。
娘が運命の伴侶に出会い、子を産めば、その命が絶える。
「貴女は私の娘ね。
昔、私も貴女と同じことを前の女王に言ったわ」
「あたくしの、おばあさまに?」
娘が言葉を正そうとすると、またハサミをカチカチ鳴らす。
それが母親の気にしなくて良いという意味だと受け取れば、母親を見上げるように王女は座り込む。
娘の言葉は女王にも覚えはあった。
ビーズ星人の種族で恋愛ができるのは、女王になりうる娘だけ。
ほかのオスの理想となる姿で生まれてくるのは、種族でオスの
女王は前の女王、自分の母親から聞かされた言葉を娘にもかける。
「私たちは種族で旦那様を愛する。
旦那様の理想の姿で運命の出会いをするのだって、そんな意味があるの。
オスの都合のいい淫らな種族だって声もあるけれど、別に私たちはそんなに軽いものじゃないわ」
女王はほとんど退化してしまった六本の脚のうち、二本の脚で腹部を撫でる。
王女は自分の父にあたるオスを知らない。
この母親の部屋であり、大広間である一室に飾られた映像写真。
そこにある、自分そっくりの女と寄り添うヒューマノイドタイプのオス。
映像写真でしか知らない、このオスは娘が生まれた後、その身を
「種族で旦那様を愛するんですもの。
旦那様も私たちを種族で愛するべき。だからこそ、私たちだけが知っていればいい。
私のかわいい娘よ、なぜ貴女に名前をつけなかったのだと思う?」
女王は優しい声色で語りかけると、娘は首を横に振る。
そういえば、王女は女王の名前を知らない。
王女が生まれた時からずっと、使用人たちに女王と呼ばれ、自分は彼女を母と呼ぶ。
母も自分を名前で呼ばず、私のかわいい娘とだけ呼ぶ。
答えられない娘に対し、母親はその脚を伸ばして自らが産んだ命に優しく触れながら答える。
「私たちが旦那様から受ける一番の愛はね、旦那様から愛称をいただいて愛してもらうためなのよ。
種族ごと、愛してくれる旦那様のことは本能でわかるわ。
だからこそ、私たちには名前が必要ないの」
レベルEに登場する、マクバク星人がモデルです