とあるモブウマ娘が、ループするお話。こめでぃ! 作:ライドウ
タキオンがやらかすお話です。
メグメグが被害者です。
二次被害は甚大です。
キャラ崩壊は今更だ。
・・・今日も平和な、中央トレセン学園。しかし、今日は一段とあわただしい日である。
「ふ、ふふっ、フゥン。ど、どどどっどうしようか、ゴッゴゴゴ、ゴルシくぅん。」
「だ、だだだっ、大丈夫だ、たったたたっ、タキオン。ば、ヴぁ、ばばばっ、バレなきゃあそこまで大きなことじゃあないんだ。」
いつも怪しげで爆発することの多いタキオンの
葦毛の髪に、左耳にカスミソウのヘアピン・・・そう、小さくなった”メグリメグル”が、椅子にちょこんと座っているのだ。
「いや、本当にどうするんだよコレ。というか、どうして小さくなったんだよ?」
「・・・いやぁ、まさかただの疲労回復のアメの試作品を食べてみてもらったらこうなるだなんて、私も試しに食べたんだが、何ともなかったのに。」
「つまり・・・原因不明、と。」
「そういうことになるねぇ。」
うわぁ?!急に落ち着くなぁッ!!
・・・コホン、慌てるあまり感情が一周して落ち着きを取り戻した二人は、冷静に原因を考え出す。しかし、今回メグメグに食べてもらったアメは疲労回復効果を混ぜたごく普通のアメ(イチゴ味)だ。特に変な薬品も使っていなければ、なんならメグメグが監修しているほど
「今のメグメグ、見た限りだと初等部ぐらいか?ちんまくてかわいいなぁ・・・」
「ゴルシ君、あまりデレデレしないでくれたまえ?我々は研究者であっても不審者ではないのだからね。」
「分かってるよ。」
「・・・おねーちゃんたち、だぁれ?」
「「っ!?」」
小さくなったメグメグが首をかしげながら聞くだけで、二人の心に『尊さ』と言う矢が刺さる。自然な角度で傾げられたくび、普段より丸くクリクリなお目目、プニプニしてそうなぽっぺたに、柔らかそうな小さな手・・・これで萌えない奴はいないだろうというほど、かんっぺきな容姿をもった小さいメグメグ。もちろん、冷静で頭のいい二人はーーー
ゴールドシップ SAN値チェック 1D100/100 ファンブル! アイディアロール 1D100/1 クリティカル!!
アグネスタキオン SAN値チェック 1D100/100 ファンブル! アイディアロール 1D100/1 クリティカル!!
ーーーあっ。
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ゴルシの脳内
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「ゴルシおねーちゃーん!」
白いワンピースに麦わら帽子の小さいメグメグが、動きやすい夏服のゴールドシップに向けて手を振る。
彼女たちが目指しているのは、姉妹がお気に入りの小高い丘だ。そこからの景色には一面のひまわり畑や青々と広がる空が広がっている。ゴールドシップがトレセン学園から帰省した、ほんのわずかな日々のなか・・・SNSのやり取りで、行くと約束していた場所だ。
「待てよ~・・・姉ちゃんを置いていくなよ~・・・」
ゴルシが息を切らせて小高い丘の上にたどり着くと、小さいメグメグは可愛らしくぷりぷりと怒りをあらわにしていた。
「遅いよゴルシお姉ちゃん!と言うわけで、私の勝ち!帰りにアイス勝ってね♪」
「え~!?まぁ、かわいい妹の頼みだし・・・ダッツでいいか?」
「やった~!お姉ちゃん大好き~!」
そんなほほえましい姉妹のやり取りの後、ゴルシはレジャーシートをその丘に生えている木の木陰に広げる。持ってきたバスケットを重石の代わりにして小高い丘から見える風景を見始める。
「今年も見事に咲いたな~!」
「そうだね、ゴルシお姉ちゃん!まるでひまわりの海だよ~!!」
双眼鏡でひまわりの海を見渡しながら、姉妹ではしゃぐ。このひまわりは、二人にとっても思い出で・・・歳の離れ、どこかギクシャクしていた姉妹が、本当の姉妹となった場所だ。
「・・・ねえ、ゴルシお姉ちゃん。」
「ん~?どうしたんだよ~?」
「・・・ゴルシお姉ちゃん、大好きだよ♡」
「・・・アタシもだぜ!」
素敵な姉妹愛を確認し合い、ゴルシは小さいメグメグを肩車し、ひまわりの海へと走り出すのであった。
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アグネスタキオンの脳内
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アグネスタキオンの両親はそれぞれ海外出張で別々の場所に住んでいる。仲が悪いというわけでも、互いを愛しているというわけではない。まるで作業の一環のように結婚し、子供であるタキオンを産み、再びそれぞれの仕事へと戻った。両親はタキオンに興味がないのだ。
アグネスタキオンには妹がいる。妹・・・と言っても、容姿はそれほど似ていない。”仕事が妻”と言う言葉がよく似合う父が、拾ってきたのか、それとも浮気をして作ったのかは分からないが、けれど確かに一つ言えることはタキオンとは違い、とても愛くるしいことだ。
アグネスタキオンは妹との接し方が分からない。気がついた時には産まれていた半分だけ血が繋がった妹とは、共通の話題がない。愛くるしい妹・・・小さくなったメグメグは、タキオンに対して何か話そうと努力はしている。タキオンはそんな彼女を応援しつつ、自分も気の利いた返事をしようとするが―――
「きょっ、今日はいい天気だねぇ。」
「は、はい!
「そうだね、あははっ・・・」
「え、えへへ・・・」
「「・・・・・・。」」
アグネスタキオンは妹との接し方が分からない。
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(ど、どうすればいいのかねぇ・・・)
モーニングティーを飲みつつ、数学に詳しくなければただの難問であるジョーク雑誌を読みながらチラチラと、可愛らしく朝食のサンドイッチを頬張る妹を見る。
(ふぅん、あの無愛想で頑固者な父親の遺伝子から、どうしてこんなに可愛い子が産まれるのかねぇ。母方の遺伝子の方が強かったのだろうか・・・というか、仮にも既婚者だろうに、どうして新しい子供をこさえてるんだ、あの仕事人間め。)
タキオンはここには居ない父親に恨み言を零しつつ、妹を見る。自分とは似ても似つかないほど愛くるしい姿の妹、もしこの子が自分と同じ年齢で同級生だったのならタキオンも思わず振り返るほどの美少女になっていることだろう。
(さて、どうするべきか?)
「あっ、あのっ!」
タキオンが次の話をどうやって切り出そうか考えていると、妹である小さいメグメグが、声を出した。
タキオンは少し驚きつつも、できるだけ怖がらせないように自然な表情を心がけて小さいメグメグを見た。
「どうかしたのかい?」
「そ、その本・・・難しい本ですけれど、た、タキオンお姉さんは、分かるんですか?」
「・・・あぁ、これかい?そうだねぇ、面白い本だよ?」
席を移動し、小さいメグメグの隣に移動し、雑誌を一緒に読み始める。メグメグは首を傾げて難しい。と零すと、タキオンはふふっ。と微笑んだ。
「むぅ・・・ちっとも面白くないじゃないですか。」
「専門的な知識がないと分からないからねぇ・・・今度、お勉強、教えてあげようか?」
「えっ、いいんですか?」
「ああ、任せてくれたまえ?」
「~~~っ、タキオンお姉さん、ありがとう!」
・・・アグネスタキオンは妹との接し方が分からない、けれど確かに、2人は姉妹としてゆっくりと交流を初め出したのであった。
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(なお、二人共に存在しない記憶である。)
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「ふへっ、ふへへへっ」
「ふっ、ふふふっ、お姉さんに任せたまえ・・・。」
「・・・?」
それぞれ存在しない記憶にトリップしている二人と、そんな二人を見て首をかしげる小さいメグメグ・・・そんなカオスの中、一人のウマ娘が異変を察知しやってきた。
[ガラッ]
「・・・なにを、しているんですか?シップさん、タキオンさん。」
「開けろ!マンハッタン市警だ!!」
「「はっ!!」」
やってきたのは、メグリメグルの姉・・・マンハッタンカフェ。
ゴルシとタキオンの二人は、カフェの表情を見ているわけではない。が、二人には簡単に、
だがそれも、一人の天使により止められることになる。
「あっ、おねーちゃん!」
「っ・・・め、メグル!?はぅっ・・・」
「うぉおおおっ、オレの一番の孫可愛すぎねぇ!?」
「落ち着いてくださいお父さん、アナタの方が会話しているんだから・・・。」
「お前、このお話投稿されたときは本編未登場だもんな―www」
「張り倒すぞクソ親父。」
小さいメグメグがカフェを見つけた途端、椅子から降りてカフェの脚に抱き着く。それだけで、カフェの顔は真っ赤に染まり、耳は嬉しそうにピコピコとせわしなく動いている。ゴルシとタキオンが唖然とした途端、カフェはゆっくりと腰を下ろし、小さいメグメグを抱きしめる。
(なお、オトモダチが分身しているのは小さいメグメグの影響である。しょうがないね☆)
「・・・暖かい。」
「えへへ~、カフェおねーちゃーん。」
ゴルシとタキオンは、真顔で・・・そして無言でその光景を眺めて、拳をぶつける。自分たちが作り出した存在しない記憶よりも、目の前の姉妹の方が尊いということに気付いたのだ。この時ばかりは、ゴルシとタキオンはアグネスデジタルの気持ちが少しだけわかったような気がした。
=====
小さいメグメグをカフェは膝の上に乗せつつ、目の前に正座する二人に冷たい視線を送る。
「・・・このアメをなめて、メグルが小さくなった。と?」
「全く持ってその通りだ。普通に疲労回復を優先したアメで、変な薬品は使っていないとも・・・酉川トレーナー君は光るだろうけど。」
「酉川トレーナーが光るぐらいで、それ以外は特に問題ないフツーのアメだぜ?あたしとメグメグが監修したからな!」
「それでもあのニブニブは光るのか・・・。」
「彼って本当に普通の人間のトレーナーなんですか?」
オトモダチにも人外扱いされている酉川トレーナーが光るだけのアメをカフェは指先でつまんでじっくりと観察し、そのまま自身の口に放り込む。
しばらく口の中で転がしてみるモノの、特に何も変化がなく、イチゴの味がしたと思うと、疲労感が抜けていくのを感じる。どうやら本当に害はないようだ。あわよくば、自分も小さくなって小さいメグルと一緒に遊びたかった・・・という下心は、カフェの心の奥底にしまわれた。
だとすれば、メグメグが小さくなったのは半ば事故みたいなものだろう。とカフェは結論付け、二人をあまり叱らないことにした。
「今回は、許します・・・が、次はないです。」
「もちろん、私だってメグル君に害を及ぼす気はないとも!次はメグル君に試食してもらう前に酉川トレーナー君で試すさ。」
「ついでに小鳥遊トレーナーにもな!」
そう言う二人は反省の色を見せてはいないので、カフェは頭を抱えたが、小さいメグルに心配されてまたハグをし始めた。
「・・・ところで、この状態はいつになった戻るんですか?」
「ふぅん・・・こんなことになるなんて思わなかったからいつ戻るかなんて分からないねぇ・・・。」
「えっ?」
「はっ?」
「what?」
「へっ?」
・・・どうやら、この中央トレセン学園で一波乱がありそうである。