大変だ!京都3200星人が攻めてきた! 作:エタノールの神様
とある日曜日。今日も京都競馬場ではいつも通り競走が行われていた。馬が速さを競い、人は馬券に金をつぎ込み、ジョッキーたちが汗と涙をながす普通の1日。しかし昼過ぎ、そんな平和な日常は突如として崩壊した。
「ユタカさん、空のアレなんでしょう?」
「なんやろなあ、マトバさん知らへん?」
「いやぁ、さっぱりですね。」
空から迫りつつあるそれは、巨大な宇宙船だった。そしてそれは突如として、京都水族館に極太のビームを放った。
京都水族館は、水蒸気爆発を起こして、霧散した。
そして、拡声器から告げることには、
『我々は京都3200星人である。地球を侵略しに来た。侵略されたくなければ…』
言い終わるより先に、自衛隊のミサイルが着弾した。しかし宇宙船は無傷で、何事もなかったかのように続けた。
『京都3200メートルで我々の馬と勝負して勝て。そうすれば今年中は見逃してやる。』
すぐさま、内閣府はJRAに命令を下した。なんとしてもこの勝負に勝てと。
勝負に際して京都3200星人から過去の競走馬を現役時の状態に復活させる装置、存命の競走馬の競走能力を全盛期並みに回復する装置、騎手の身体能力を最良に持ってくる薬と騎手を分裂させる薬が与えられた。
そして、なぜかマトバ調教師は京都3200星人によって実況席に拘束された。
騎手や調教師たちは思い思いに強い馬とその騎手を復活させて勝負に備えた。復活させた馬の中には最新の調教設備にびっくりした者もいたが、なんとか体を仕上げていった。
そして、ついに最初の勝負の時が近づいて来た。
「ディープ、もう一度だけ、もう一度だけでいいから、僕の、いや地球の英雄をやってくれ。やってください…!」
ディープインパクトがよみがえる。
「テイク・イット・イージーだ。あの時と同じだ。君のことだ、英語どころか宇宙語もわかるんだろう?」
シンボリルドルフが、よみがえる。
「オペラオー、もう君に頼るしかないんだ。傲慢なのはわかっている。でも、助けてくれ。君しかいないんだ…」
テイエムオペラオーが、よみがえる。
「また、くるっと回ってくるだけだ。パパッとやってやろうぜ。」
イングランディーレが、よみがえる。
「ねえ、ライス、僕に夢をもう一度見せてよ。僕は父さんほど上手くないかも知れないけど、それでもだいぶ腕はみがいたんだ。ねえ、なんで出てきてくれないの?機械が壊れてるの?ねえ、ねえ!」
ライスシャワーは、よみがえらなかった…
そして、迎えた勝負の日。
『……続いて2枠3番、京都3200星総大将、ライスシャワー号、牡の4歳、440kg。鞍上はメカマトバ均、58kg』
勉強の息抜きに書いたので、出来は良くなかったかもしれません。