ホロライブライダーズ 不死身の闘牛   作:プロトタイプ・ゼロ

4 / 9
また……時間掛かっちまったぜ。すまねぇ、続きを心待ちにしてくれている読者の皆様よぉ





第四話「取り敢えず潰す。慈悲はない」

 

 大人気アイドルの歌うライブ会場にて、無数の火花が散る。コウモリを思わせる白と黒の仮面ライダー……ライブとエビルを相手にしながら、紫の闘牛を思わせる仮面ライダーバッファは後ろに座り込んでいる二人――ときのそらと星街すいせいを巻き込まないように立ち回る。

 

 ライブガンから放たれる光弾はゾンビブレイカーで叩き落とし、エビルブレードの斬撃は左腕に装着されている「ポイズンチェンバーアーム」から伸びた装甲武器バーサークローで防ぐ。

 

 バッファは後ろの二人が腰を抜かして動けないのを察しているため動けるようになるまで守らねばならず、相手ライダーとの間にも距離があるため近づこうにも無闇に近づけない。

 

 そこで彼は以前ライオトルーパーの集団を倒したときにドロップ(間違ってはいないはず。異論は認めん)したニンジャレイズバックルを取り出すと、デザイアドライバーの左側に装着する。

 

「てめぇ、何をする気だぁ?」

 

「……」

 

『SET』

 

『DUAL ON』

 

『NINJA & ZOMBIE! READY FIGHT』

 

 何もなかったはずの空間から突如下半身部分の緑色のアーマーが出現し、勢いよくバッファの下半身に装着される。これにより仮面ライダーバッファ・ゾンビニンジャフォームになる。

 

 ニンジャアーマーを装着したことでスピードの上がったバッファは、その素早さを生かした動きで目にも止まらぬ速さでそらとすいせいを安全な場所まで運ぶ。

 

「ここにいてくれ。必ず……守るから」

 

 突然のことに唖然としている二人にそれだけを伝えると、溢れ出る殺意を滲み出しながらゾンビブレイカーを肩に担ぎライブとエビルを睨みつける。

 

【シークレットミッションクリア!】

 

 すると、バッファの頭上からピンク色の箱が落ちてきた。それを頭に当たる寸前でキャッチする。

 

「……なんだ、これ?」

 

 なんとなく箱を開けてみる。

 

「これは……ブーストレイズバックル?」

 

 なぜか知らないはずのレイズバックルの名前が頭に浮かぶ。箱に入ってのは赤いレイズバックル。なぜか懐かしさを感じるブーストレイズバックルを見て、

 

「……使ってみるか」

 

 デザイアドライバーからニンジャレイズバックルを外し、代わりにブーストレイズバックルを装着する。

 

『SET』

 

 バッファは敵対ライダーに向かって歩きながら二人に向けて左手を向ける。

 

「「あ?」」

 

 意味もわかっていない二人に向けた左手の指と指を弾く。そしてブーストレイズバックルのレバーを捻る。

 

『DUAL ON』

 

(DESTROY! CLASHOUT!)

 

『ZOMBIE & BOOST!』

 

『READY FIGHT』

 

 エンジンを模した赤い装甲が現れ下半身に装着されると、瞬く間にライブとエビルの眼の前に現れ殴り飛ばす。

 

「「なっ!?」」

 

 咄嗟のことで驚いた二人に容赦なくゾンビブレイカーで斬りつける。エビルが俺に向かってくるが、放たれたエビルブレードを弾き横腹に蹴りを入れる。

 

 飛んでいかないように頭を掴み顔面に膝蹴りをする。その後、無防備になった腹に向けて同じように膝蹴りを入れ、背中を殴りつけ地面に叩きつける。

 

 ライブがバッファの背中を狙ってライブガンを向けた瞬間、振り向きざまにゾンビブレイカーを振り回し同時に放たれた光弾を跳ね返す。ブーストレイズバックルの効果で上がった走力でライブの目の前まで向かうと肩にゾンビブレイカーを叩きつけながら振り下ろす。

 

「……終わりにしてやる」

 

 ゾンビブレイカーを放り投げ飛び蹴りの構えを取る。その瞬間、とてつもない悪寒が身体中に走りその場から飛び退く。すると先程までバッファのいた場所に何者かが物凄い勢いで降り立った。

 

『ほぉ……今のを避けるか』

 

 突然現れた謎の人物。カブトムシを思わせるその見た目は茶色く、全体的に将校の軍服にも見えるようなミリタリー風のデザインが特徴的だ。加えてカブトムシが右肩から抱き着いているかのような意匠が特徴がされており、カブトムシの翅にあたる部分が肩から伸びる半透明の外套、歩脚にあたる部分は肩から胸に伸びる飾り糸、複眼にあたる部分はガスマスク状呼吸装置……バッファのライダー知識は昭和止まりのため、目の前の仮面ライダーが何者なのかが全く分からなかった。

 

「誰だてめぇ」

 

『私のことなど誰でもいいだろ。それよりも、その愚息達は回収させてもらうぞ』

 

 そう言って謎の仮面ライダーはエビルとライブの首根っこを捕まえるとどこかに飛び去っていく。会場は唖然とした雰囲気のまま終わりを迎えた。

 

「……俺も帰るか」

 

 もう会場にいる意味もない。そう思って踵を返した瞬間、

 

「そこまでだよ! 仮面ライダー!!」

 

 ステージ上に二人の人物が現れた。

 

 一人は肩あたりで切り揃えられた銀髪に翡翠の瞳を持つ女性。手にはメイスを持っている。白銀騎士団の団長を務める白銀ノエル。

 

 もう一人は長い金髪をポニーテールにした褐色肌のハーフエルフ。手には少し大きめの弓が握られており背中に矢が大量に入った筒がある。彼女は白銀聖騎士団の副団長を務める不知火フレア。

 

「「「「我らが白銀聖騎士団だ!」」」」

 

(まだ逃げてなかったのかお前ら。意外と神経図太いなおい。怪我しても俺は知らんぞ)

 

「通報を受けたから来てみれば、確かに悪人みたいな見た目ね」

 

「あれ? でも通報にあった仮面ライダーは二人じゃなかったっけ?」

 

「そんなの捕まえてみればわかる……よっ!!」

 

 弓を構えたフレアがバッファに向けて矢を放つ。バッファの後ろにはまだ逃げていない観客がいるのにも関わらずだ。

 

「ちっ!」

 

 小さく舌打ちすると左手のバーサークローで観客に当たらないように弾く。だが、次の標的に目を向けたときには、もう一人がいなくなっていた。

 

(どこに行ぐはぁ!?)

 

 突然腹部に衝撃が走ったと思ったら次に意識が戻ったときにはバッファはステージの壁にめり込んでいた。というか壁を何枚も貫通した上でめり込んでいた。

 

 衝撃を受けた場所まで目を向ければ、そこにはフルスイングの構えをしたノエルが満面の笑みを浮かべていた。ゾンビレイズバックルの効果にある即死無効、耐久がなければ今頃リタイアになっていたことだろう。

 

(クソが! いったいなんだっていうん……ん? なんだ、あいつらに纏わりついている霧みたいなやつ)

 

 目を凝らして二人を見ると、まるで黒い霧のように見える闇がノエルとフレアに纏わりついており、その闇から覗く二人の目は赤く染まって光っている。観客達がそれに違和感を抱いていないことから見るに、それが見えているのは恐らくバッファだけだろう。

 

 バッファの知っている……というより記憶している白銀聖騎士団はこんな観客のことを無視したような戦闘はしないはずである。それなのにまるで観客のことを無視したかのようにバッファだけを狙うその戦闘スタイルに違和感を覚えた。

 

(恐らく奴らに纏わりついているあの霧が原因と見てもいいだろうな……勝てるか?)

 

 なんとかめり込んだ壁から出ることに成功したバッファは、ゾンビブレイカーを担ぎながらステージに戻る。余裕があるように見えるが記憶画面の中では意外なほどノエルの怪力によるダメージにより汗が出ていた。

 

「いやぁ、今のを受けてまだ動けるとか団長からすれば予想外ですよ~」

 

「でも、不死身ではないはずだよ」

 

 そう、確かにゾンビレイズバックルによって不死性が上がっているバッファではあるが、今のバッファの容量を超えるダメージを立て続けに受け続ければ変身が解けてしまう。いくらフードを深く被っているとはいえ、いつ素顔がバレるかわからない状況だ。

 

 バッファとしてではなく道長としての生活もある道長としては、身バレだけはなんとしても避けたい。ついでに言うのであれば、あの正気とは思えない二人に身バレしたらどうなるか予想つかないのもある。

 

(取り敢えずは……守りに徹するしかないか?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バッファがステージ上で白銀聖騎士団に苦戦を強いられている頃、そこから少し離れた場所で他の観客に紛れながら二人の人物がバッファの戦闘風景を観戦していた。

 

「あぁ……あれはちょっとやばそうだね」

 

「ちょっとどころではないと思うのだが……?」

 

 黒髪に青のメッシュが入った青年の言葉に、どこかの民族衣装のような服装をした少女がツッコミを入れる。

 

 少女の言葉に対して青年は笑みを浮かべる。

 

「確かにそうかもしれないな。彼は……まだここで終わっていい存在じゃない」

 

「では、どうする?」

 

「そうだなぁ……」

 

 首を傾け腕を組み深く考える仕草を見せる青年。その様子に少しだけ弄ってきた少女は青年を蹴り上げようとするが、既のところで躱される。しかも表情が余裕そうな笑みなのがまた腹立たしいところである。

 

「うん、よし決めた! 彼を助けに行ってくれないかな?」

 

「私がか?」

 

「君の力なら余裕だろ?」

 

 少女の表情からバッファを助けに入るのが不満ではあるらしいことがわかる。

 

「やれやれ、なぜ私があんな奴を……」

 

「君だってわかってるだろ? バッファは今後のために必要な人材だ。もちろん君も必要な人材だよ?」

 

「はぁ……今回だけだ」

 

「ははっ……そう言ってなんだかんだ助けに行ってくれる君のことは素直に好きだよ」

 

「ばっ……馬鹿じゃないのか!? そ、そんな軽々しく好きだなんて」

 

 顔を真っ赤にしてガシャコンバグヴァイザーⅡを腰に当てベルトにすると、少女は緑色のガシャットを起動させる。その様子に青年は「純情だなぁ」と呑気に考えていた。

 

【仮面ライダークロニクル】

 

【Enter The GAME!Riding The END!】

 

【ガシャット!】

 

「変……身」

 

 ガシャコンバグヴァイザーⅡにクロニクルガシャットが自動的に刺さるとスイッチを押す。

 

【ライダークロニクル……アガッチャ! 天を掴めライダー! 刻めクロニクル! 今こそ時は極まれり!】

 

 時計を模したエフェクトが少女の頭上に現れ、ギリシャ数字が自身の前に1〜12の順に丸く並ぶとエフェクトが少女の身体を通過し仮面ライダークロノスへと姿を変える。

 

「面倒な仕事ばかりだな……本当に」

 

「まぁまぁ……今度とびっきりの和菓子買ってあげるから〜」

 

「私は和菓子で釣られるような伝説の戦士だと思われてないか……?」

 

【ポーズ】

 

 仮面ライダークロノス(以後クロノスと表記)はガシャコンバグヴァイザーⅡにあるAとBのボタンを同時に押し込み、クロノス特有の時間停止機能を発動させる。それによってクロノスと青年以外の全ての時が停止した世界となる。なお、青年にポーズ機能が聞かないことについての理解は、クロノスに変身している少女はもはや諦めの領地にいる。

 

「じゃあ、行ってらっしゃい」

 

「はいはい……審判の時だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう終わりだよ! ここまで保った仮面ライダーは団長にとっては初めてだけど、倒しちゃえば変わんないよね!」

 

「クソ……無闇に攻撃するわけにもいかねぇ。どうすればいい?」

 

「もう諦めたら? 君にできることなんて……もうないよ?」

 

 バッファのライダースーツのあらゆるところから火花が散り、あと一撃でも受ければ変身が解除されそうになっている。

 

 絶体絶命の危機になっているが、バッファは諦める意志を見せない。

 

(この会場全体に不可視の結界みたいなのが張られてるせいか、誰も逃げられていねぇ。考えるところで言えば、白銀聖騎士団の誰かが結界を張ってるからか、それとも第三者が原因なのか……どちらにせよ、踏ん張りどころか)

 

 このライブ会場に来るまでそれなりに仮面ライダーと戦闘を繰り返してきたバッファだが、目の前にいる二人の騎士はそれよりも多くの仮面ライダーを狩ってきたツワモノである。本来であれば戦闘経験の少ないバッファがここまで持ち堪えられただけでも奇跡に等しい。

 

「トドメだよ!!」

 

 ダメージが思った以上に大きかったからかその場で膝をついてしまったバッファに向けて、ノエルは愛用の武器であるメイスを大きく振り上げる。

 

 コレが振り下げられたとき自分は敗北という名の死を迎える……それがわかったバッファは目を閉じ顔を下へ傾ける。だが、

 

「……?」

 

 いつまで経ってもそれは訪れなかった。疑問に思って顔を上げてみれば……

 

「どこだここ?」

 

 見知らぬ場所に座り込んでいた。

 

「……逃げられた? 突然目の前からいなくなったけど……」

 

 ステージ上で目の前から急にいなくなったバッファに疑問を感じるノエルとフレア。それと同時に会場に張られていた不可視の結界が解除される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どこだよここ……」

 

 突然謎の場所に連れ出された道長は、唖然としながらも変身を解いて立ち上がる。困惑しながら周囲を見渡していると……

 

「ようこそ、ここは俺のプライベートルームさ」

 

 突然背後から声がかかったことで咄嗟に振り向きざまに蹴りを繰り出す。

 

「おっと……危ない危ない。酷いじゃないか、突然蹴りかかるなんてさ」

 

「あんな声のかけ方すれば誰だってそうするだろ……あと受け止めたのは私なのだからそのいかにも自分が受け止めたかのように発言するのはやめてくれ。弄ってする」

 

「これは手厳しい」

 

 道長が振り向いた先には青いソファに腰掛けている青年と、道長の蹴りを受け止めている少女の姿が映った。

 

「誰だてめぇら?」

 

 取り敢えず警戒しつつ二人から距離を取る。

 

「まぁそんなに警戒しないでよ。ほら、お茶でも飲まないか? これでもいつか君に声かけるために高級品などは揃えているんだ」

 

「は……?」

 

 全く意味が分からなかった。頭の中に宇宙が広がり猫が唖然しているのが浮かんだが、それは頭を振ることで消し去る。

 

「俺はジーン。この世界に転生した仮面ライダー達のバトルファイトを観戦する未来人さ。まぁ、俺はその観戦者とは少しだけ違うんだけどね」

 

「私はリアリス……コイツのボディガードをしている者だ。一応ゲンムコーポレーションの社長も務めている」

 

 ジーンとリアリスの言葉に余計に謎が頭の中に広がる。

 

「なんだって俺に声をかけた? というか、あの場から連れ出したのはお前らの仕業か?」

 

「そうだな。あのままでは君は退場待ったなしだったからね。余計なお世話とは思ったけど、助けさせてもらったよ」

 

「助けに行ったのは私だがな」

 

「余計なことは言わなくていいよ?」

 

「ますます意味がわからん。声をかけるだけなら俺以外にもいただろ」

 

 訝しげに二人を睨みつける。

 

「そうだなぁ……まぁ、確かに君以外にも仮面ライダーはまだまだいるけど……俺にとっては君じゃないといけないんだよ」

 

「なんでだ」

 

「君が特別な存在だからだよ芙蓉道長……いや」

 

 そこでジーンは言葉を切ると、少し胡散臭い笑みを浮かべながら道長にとって驚きの発言をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の推しだった仮面ライダーギーツこと浮世英寿くん?

 

 

 

 

 

next timebuffer……




今回登場したキャラ

◆芙蓉道長(仮面ライダーバッファ)
 我らが主人公。本編初の敗北をした。謎の未来人ジーンとそのボディガードであるリアリスに助けられた。白銀聖騎士団の二人が正気じゃない理由に違和感を覚えた。なお、最後の最後で衝撃の言葉をジーンから送られた。

◆ジーン
 リアリスを使って道長を絶体絶命の危機から救い出した謎の人物その1。とある人物を真似してから常に笑みを浮かべていることが多いが、周りからの評価はかなり辛辣なことが多いのが悩み。容姿は仮面ライダーギーツ本編のジーンその人。

◆リアリス(仮面ライダークロノス)
 ジーンの頼みで道長を助けた謎の人物その2。言動が少し男っぽいことを気にしているが、なかなか治らないため諦めかけている。

◆仮面ライダーライブ/仮面ライダーエビル
 ゾンビブーストフォームとなったバッファに敗北した仮面ライダー。その後謎の仮面ライダーによって救出された。

◆謎の仮面ライダー
 カブトムシを思わせる軍服のような見た目をした仮面ライダー。ここまで言えば……わかるよね?

◆白銀ノエル
 白銀聖騎士団の団長を務めるヒューマンの美少女。持ち前の怪力で数々の仮面ライダーをリタイアさせてきた。フレアとのコンビはホロライブ世界では1、2を争うほどであり最強クラス。謎の黒い霧が纏わりついている。

◆不知火フレア
 白銀聖騎士団の副団長を務めるハーフエルフの美少女。白銀聖騎士団では頭脳担当であるが、普段はテキトーでやさぐれている。弓を使った戦闘を得意としており、ノエルの援護を主としている。ノエルと同じく謎の黒い霧が纏わりついている。

桜井景和と鞍馬祢音の参戦(なお、オリキャラとして扱うものとする)

  • あり
  • なし
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。