ホロライブライダーズ 不死身の闘牛   作:プロトタイプ・ゼロ

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今回は前よりも少し長め。書きたい要素を突き出し続けたら長くなったし投稿にも遅れました。

最近体調が悪くなり続けてたからね……みんなも体調管理、気をつけようね


第六話「暴走と鬼と天使」

 

 

 

「ククク……ついに完成したぞ!! 長年の研究の成果!! 私だけの……究極のレイズバックルが!!」

 

 怪しい笑みを浮かべた青年以外誰もいない研究室……赤と黒の禍々しいレイズバックルを掲げた壮年の男はニタァと笑みを浮かべると腰に巻かれたデザイアドライバーの右側にセットする。

 

【ERROR】

 

「ぐはぁ!?」

 

 その音ともに凄まじい電撃がデザイアドライバーから発生し男の肉体を弾き飛ばす。腰から外れ地面に落ちたデザイアドライバーは爆散し赤と黒のレイズバックルだけが残った。

 

「ククク! 予想通りの結果だなぁ。やはり、見様見真似で複製した紛い物のドライバーでは無理があったかぁ……となるとぉ」

 

 そこで言葉を切り、画面に映っている牛をモチーフとした紫の仮面ライダーを見る。

 

「コイツに試してもらうしかないよなぁ? あぁ~早く試したいなぁ……待っていてねフ〜ブキちゃ〜ん♪」

 

 下品な笑い声を上げながらレイズバックルを机を起き部屋から出ていく。すると男のいなくなった部屋の中に、レイズバックルから浮かび上がった赤黒い悪意の文字だけが残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜芙蓉道長〜〜

 

 

 

 

 

「えぇと、一応自己紹介しておいたほうがいいよね? ウチは大神ミオ! フブキとは幼馴染みなんだ」

 

 大神ミオ監禁事件が数分後、なぜか俺の家に集まったメンバー(流石あやめは帰った。というかむりやり帰した)と顔合わせをしていた。

 

「まぁ、知ってるかどうかは知らねぇか芙蓉道長だ」

 

「今回助けてくれてありがとね」

 

「……別に」

 

 大神ミオ。白フブキの幼馴染みであり心からの親友。本来ならそこまで関わりはない。白フブキの頼みじゃなきゃ助けにすら行ってなかった人物だな。

 

「おやおやぁ? 照れてるんですかぁ?」

 

 うぜぇ……純粋にうぜぇ。

 

「というか、もう白フブキからの依頼は終わったんだからここにいる必要なくね?」

 

「あ……そう、なんですがね」

 

「その呼び方気に入ってんのか? 私のことだって黒フブキって呼んでるし」

 

「何気に気に入ってる」

 

「ふぅん? なら呼び続けてもらおうかな」

 

「わ、私もッ!!」

 

「……ウチがいない間に随分と仲良くなったよねぇ?」

 

 別にそこまで仲良くはないと思います。

 

「やっぱり、もう帰ったほうがいいのかな……」

 

「すぐに帰れとは言わねぇが……お前らの家族だって心配してるだろ?」

 

「……そう、ですね」

 

 なにやら俯きながら震えているな。もしかして家に帰りたくない事情がまだあるのか……? 問題ごとは勘弁してほしいが巻き込まれそうな予感がしてるんだよなぁ。

 

「あ、そういえば! 道長くんの家族は帰ってきてないの? ほ、ほら! 挨拶とか」

 

 場の雰囲気が悪くなってきたからか、それとも誤魔化したかったのか……白フブキが馬鹿みたいに明るい声で聞いてくる。

 

 わりぃな。その気遣い、今から無駄になるわ。

 

「……いねぇよ。ずっと前に死んでる」

 

「ッ!? ご、ごめんなさい! そ、そんなつもりじゃ」

 

「別に構わねぇ。亡くなったのだってガキんころの話だしな。お前らはまだ家に帰りたくない事情もあるんだろう? だったらもう少しここにいればいい」

 

 そう言って俺は階段を登り部屋に入る。髪をむしゃくしゃしてベッドに寝転がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜黒上フブキ〜〜

 

 

「白上は地雷を踏んでしまいました」

 

「仕方ないよ」

 

「まぁ、そうだよな。知らなかったとはいえ、だが」

 

 道長のいなくなったリビングでは顔を俯かせ肩を震わせているフブキと、あやすようにミオがフブキの背中を擦りながら抱きしめている。私はただ片目を瞑り壁に背中を預けて傍観している。

 

 だが、その雰囲気は先程よりも重い。それは仕方ないことだとは思うが……いつまでも気にしてるわけにはいないだろう。

 

「んでぇ? 結局言うのか? 私らの事情」

 

「言えるわけないよ。ウチのためにここまで動いてくれたんだよ? これ以上巻き込めないよ」

 

「でも、やっぱりまだ帰りたくありません」

 

 やっぱりまだ帰りたくねぇか。正直なところ私だってあんなクソのいる家には帰りたくもねぇからな。

 

 私が生まれた原因となった白上家に。

 

「だが、いつまでもここにいるわけにはいかねぇぞ? そこのところどうするんだ?」

 

「ほかを探すしかありませんよ……」

 

「ウチも賛成だね。道長くんはまだここにいていいって言ってくれたけど……ウチらの事情を考えたらあんまり居続けるわけにもいかないし」

 

 確かにな。私特有かもしれない能力で色々調べてわかったことだが、元々ミオが監禁されていたのはクソ親父のせいだ。

 

 クソ親父は突然「転生者」とか「仮面ライダー」とかブツブツと言い始め、白上家の裏切り者とかを罰するときに使う地下牢にフブキを閉じ込めたかと思えば真っ黒なプログライズキー?というものをフブキの胸に差し込んでデータを入手したらしい。

 

 私はフブキとはある程度記憶と感情を共有しているからわかっていた。クソ親父は前まではちゃんとした優しい親父だったことを。

 

 原因はわかってる。今世間を騒がせている「仮面ライダー」のせいだ。昭和の時代に活躍していたとされている仮面ライダー1号を始めとしたBLACKRXまでの仮面ライダーは正義のヒーローだった。だが、平成の仮面ライダーであふクウガからビルドまでの全仮面ライダーは自分の欲望のためだけに変身している。中には仮面ライダーに襲われて犯された人もいるらしい。

 

 クソ親父は何らかの方法で私を生み出したあと研究室に閉じ籠もり、仮面ライダーの変身に関する研究をしていた。まぁ、その研究は中々捗っていなかったみたいだがな。

 

「そう言えば、前々から思ってたんだが、フブキがよく言う主役ライダーってやつ、平成の仮面ライダーが活動しているところは見たことがないな」

 

「「確かに……!!」」

 

 ぼそっと呟いた私の言葉に二人が同意するように頷いた。

 

「それは、浮世英寿っていう偉大な人物がとある二人を除いて平成の1号ライダーを倒したからさ」

 

「へぇ~そうなんですね……え?」

 

 言葉の途中で私達三人が固まった。明らかに私達以外の声だ。それも男性。この家には道長を除けば一人も男なんていないはずだから……

 

(も、もももももしかして幽霊!?)

 

(アホか!!)

 

 流石に幽霊はねぇだろ!

 

 何をどう考えたら幽霊になるんだよ……お前ホラゲー大丈夫だろうが! 見てみろよ、ミオなんか顔真っ青だぜ?

 

「ははっ、怖がらせちゃったかな? ごめんね」

 

 声の人物は道長がよく使っているソファに足を組みながら座っていた。

 

「俺はジーン。バッファの協力者さ」

 

「バッファ?」

 

「道長くんが変身した姿の名称だそうだよミオ」

 

 そういやそんな名前だったなアイツ。

 

「ふふ、この世界では仮面ライダーは悪しき存在なんだろう? 君たちは、彼が怖くないのかい?」

 

 怖いさ。普段の道長はクールで口数も多いほうじゃないしぶっきらぼうだ。だが、根は優しいやつだってことはわかってる。学校ではフブキの中にいることが多いから私と道長の接点なんてそこまでない。それでもフブキから伝わってくる感情から道長はいいやつだってことは理解してる。

 

 ただそれでも……仮面ライダーとなった道長は敵対する者には残虐で一切の慈悲も与えない。

 

 時々考えてしまう。もしその残虐性が私達に向いたらって。そう思っただけで……考えてしまっただけで、私の身体は震えて凍りついてしまう。

 

 でも、

 

「怖くなんかありません! そ、そりゃあ……初めて変身した姿を見たときはやっぱり怖かったですよ? でも……私は道長くんのことを信じてますから!」

 

 フブキが道長にするほど心を許してるんだ。私も信じるさ。

 

「くくく……はっはははは!! 君たちは面白いね! 感動したよ! まさにこれこそ! 俺がかつて求めていた【感動】だ!!」

 

 ジーンは急に俯きながら顔を抑えたと思ったら天を仰ぎながら笑い出した。思った以上に大きな声で。

 

「うるせぇな、誰か来てんの……なんでここにいがやるんだてめぇ!?」

 

 案の定二階からゆっくりととした動作で道長が降りてきた。少し睡眠でも取っていたのかその表情はいつもに増して不機嫌だけど。

 

「やぁ、(ギー)……いやバッファ」

 

「変身してねぇときにその名前で呼ぶんじゃねぇ」

 

「はは、悪かったね」

 

「ちっ……!」

 

 明らかに反省していないのがまるわかりな謝罪。私でさえイラってしたその表情を見て道長派舌打ちしながら玄関に向かっていった。

 

「あ、どこ行くの?」

 

「気晴らしに散歩だ。お前らは来るな。あぶねぇからな」

 

 いや今のお前も十分危ないからな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜芙蓉道長〜〜

 

 あーだめだ。イライラする。

 

 別にジーンが家にいたことについてどうでもいい……いや、そこまでどうでも良くないけど今は置いておく。なんなんだ……この無性にむしゃくしゃした憤りは。

 

 取り敢えず公園まで歩くか。そうすれば落ち着くだろうし。

 

「ホロライブ公園……よくよく考えれば安直な名前だよな」

 

 ホロライブ学園にホロライブ公園、ホロライブプロダクションなど……ホロライブという名前が使われたものが多すぎる。いや、あの言葉通りならこの世界は「ホロライブ」を基準にしているはずだからこの世界の住民からすれば当たり前なのだろう。

 

 俺だって今まで違和感なんて微塵も感じてなかったからな。それが急にもやもやしだした。この世界にとっては普通のことなのに、俺にとっては異常でしかない。

 

「……くん!」

 

 なによりこの世界だって元々は仮面ライダーなんていなかった。ジーンの言う通りならこの世界に転生者達を送り込んだ死神たちの仕業で間違いはないはずだ。

 

「長くん!」

 

 では俺はなんなんだ? 肉体こそ芙蓉道長ではあるが、その中身は全くの別人。浮世英寿の魂のまま芙蓉道長となった別人でしかない。

 

「道長くんってば!!」

 

「うわぁ!?」

 

 深く考え込んでいたからすぐ近くまで人が来ていることに気が付かなかった。

 

「もう! 何度も呼んでるのになんで無視するかな〜?」

 

「か、かなた先輩?」

 

「そうだよ。こんかなた〜!」

 

 まるで天使のような……いやこの人天使だったわ。

 

「それで、こんなところで何してるの?」

 

「世界はどうして丸いのだろうって考えてた」

 

「暗い表情とまったく一致しない考え事だ!?」

 

「ふっ、冗談さ」

 

「〜〜〜〜っ!!」

 

 痛いです。からかったのは悪かったからポカポカしないで。かなたのパンチ力はゴリラ超えてるから今すごくダメージ受けてる。割りと洒落にならないレベルでの威力きてる。

 

「ふぅ……もう、久しぶりに会話できたと思ったらからかうなんて……お姉さんそんなふうに育てた覚えないよ?」

 

「まずかなたに育ててもらった覚えもないな。あとその見た目はお姉さんは無理が「あ?」なんでもねぇ」

 

 怖え……。普通に……っ!!

 

「危ない!」

 

「えっ……?」

 

 どこからか飛んできた銃弾。とっさのことだったためかなたをお姫様ごっこしながらも回避する。ってか見た目通り軽いな。

 

「え? ええ?? えぇ〜〜〜〜〜!??」///

 

「そこにいるのはわかっている! 出てこい!」

 

「いやぁ、流石だねぇ」

 

 木の陰から出てきたのは白衣を着た白い髪の男だった。それなりに歳をとっているのがわかる。だか、それよりも気になるのは……

 

「その耳……まさかフブキ達の」

 

「おや、君は我が娘たちのことがどこにいるのかご存知なのかなぁ?」

 

「教えるとでも?」

 

「ふふ、それもそうか」

 

 深い闇のような瞳に怪しげな笑み……思わずゾッとしてしまった。人のことを人とは思ってないような、そんな感じがした。

 

 男はどこからともなくベルトを取り出した。

 

「さえ、試運転といこうかな」

 

『ゼツメツ! Evolution! ブレイクホーン!』

 

 男はゆっくりととした動きで瞳を閉じると静かに呟く。

 

「……変身」

 

『パーフェクトライズ!』

 

『When the five horns cross』

 

『the golden soldier THOUSER is born』

 

『Presented by ZAIA』

 

「仮面ライダーサウザー……君が私に勝てる確率は1000%ありえない」

 

 俺はかなたを下ろすと背中に隠す。

 

「隙を見て逃げろ」

 

「道長くんはどうするの!? 相手は仮面ライダーだよ!?」

 

「…………く、本当は嫌だけど仕方ねぇ!」

 

 バレたくはない……だけど。

 

「どうしたのかな?」

 

「……ちっ!」

 

 デザイアドライバーを取り出してゾンビレイズバックルを右側に装着する。

 

『STA!』

 

「……安心してくれ。絶対に守るから」

 

「えっ……?」

 

「……変身っ!!」

 

『GRAB!! CLASHOUT!』

 

『ZOMBIE』

 

(Wooooo···)

 

『READY FIGHT』

 

 仮面ライダーバッファ・ゾンビフォームに変身するとゾンビブレイカーでサウザーに斬りかかる。だが、ゾンビブレイカーは片手で掴まれ逆にボディブローを喰らう。

 

 かなり痛みが襲ってきたがなりふり構わずゾンビブレイカーを何度も叩きつける。今度は防ぐことすらせずに受け止めやがった。

 

「ふむ……攻撃はこれで終わりかな? では、今度はこちらの番だ」

 

「なに!? ぐあぁ!!」

 

 その言葉が言い終わると同時に俺の身体から火花が散り吹き飛ばされた。

 

 背中から壁にぶつかり仰向けに落ちる。腕に力を入れて起き上がろうとするが、

 

「滑稽だねぇ」

 

「ぐっ!」

 

 上からサウザーに踏みつけられたことで再び地面に打ち付けられる。

 

「君みたいなのが弱いやつが! 僕の! 最愛の実験対象を匿って! いたなんてね!」

 

「ぐっ……実験、対象……だと!?」

 

「あぁ、そうさ! 僕の娘はねぇ!! 元々は、一人なんだよ! 君のもとにいる白上フブキは……あんな、純白の髪色ではない!」

 

「……なに? でも、お前は」

 

 フブキの髪色が白じゃない? 父親が白いのにか?

 

「そう、僕の髪色は白さ。でも、フブキは母親に似たからね」

 

 そういうことか……。

 

「でも、フブキは死んでしまった。妻とともに……あの厄災とも言っていい……あのイカれたデザイアグランプリでね!」

 

 どういうことだ? 意味がわからない。

 

「君は知らないようだから冥土のみあげに教えてあげよう。この世界は純粋なホロライブ世界じゃない。数々のデザイアグランプリの優勝者……つまりデザ神達の願いが重なったことで生まれたのさ!」

 

「なん、だと?」

 

「驚いたかい? でも、真実さ。なにせ僕の記憶が本当ならホロライブ世界にいたホロメン達はみんな全滅してるはずなんだからね。僕の娘も妻も仮面ライダーによって殺された。だから僕は仮面ライダーに選ばれたときに好機と見た! 僕がデザ神となりフブキと妻のいる世界を望んた……そして僕はこの世界に来た。妻もいてフブキもいた。気に要らないのはこの世界のフブキは僕の知るフブキではなかったことだけどね」

 

 背中を踏みつける力が増していく。

 

「僕は僕のフブキを取り戻したかった。だからこそ長年研究してきた。今の僕には仮面ライダーに変身する資格はないからね。こうやって見様見真似で模造品を作ることしかできない」

 

 また力が増す。

 

 踏みつける力が増すたびに俺の身体は地面に日々をいれ沈んでいく。

 

「ほら、立ちなよ。今日は君のためにプレゼントを用意してあげたんだ」

 

 そう言うとサウザーは俺の首根っこを掴み無理やり立たせると、デザイアドライバーからゾンビレイズバックルを引き抜くと赤の黒の禍々しいレイズバックルを取り出した。

 

「なんだ……それは?」

 

「僕が開発した新しいレイズバックルさ。僕たち仮面ライダーにはね、それぞれの変身している仮面ライダーにまつわる変身アイテムが貰えることがある。君で言えばレイズバックル、僕で言えばプログライズキーのようにね。それを応用して、僕が倒した別の仮面ライダーから奪ったレイズバックルを解析し、僕の持つプログライズキーを使って新しいレイズバックルを作ったのさ」

 

 サウザーは研究者特有の早口で捲し立てると禍々しいレイズバックルをデザイアドライバーの右側に勝手に装着した。

 

「名付けるなら、そうだねぇ……ヘルライジングレイズバックルってところかな。これには衛生アークの能力を勝手に追加してある。ヘルライジングプログライズキー、メタルクラスタホッパープログライズキー、アークワンプログライズキーなど……まぁ、追加しずきたかもしれないがね」

 

『Hell Rising!』

 

 ヘルライジングプログライズキーが装着された瞬間、身体中に凄まじい激痛が起こり、周囲にデザイアドライバーから無数の赤黒い電撃が放出される。その際に俺はサウザーに蹴り飛ばされる。

 

「あぁ!? あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!????

 

 身体中に駆け巡る痛みに地面をのたうち回る。思わずヘルライジングレイズバックルを引き抜こうとするが、なぜかデザイアドライバーから引き抜けない。しかも引き抜こうと力を入れた瞬間手首がマグマにつけたかのように熱くなりいとも簡単に折れた。それによって痛みが倍増するが、すぐその後に折れた手首が強引に治った。

 

 簡単に説明するならば麻酔を使わずに手術などではなく安い接着剤で固めたような感じだ。

 

『R−R−R−READY FIGHT!』

 

 ゾンビアーマーが消え周囲に赤黒いトゲが出現すると、それらのトゲは俺の身体を貫通しながら突き刺さりアーマーとなる。

 

 そして、俺の意識は……消え失せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

「素晴らしい!! やはり君の持つ’’本物’’のデザイアドライバーならそのヘルライジングレイズバックルは機能するようだ。貴重な実験に付き合ってくれたことに感謝の言葉も出ないよ。ま、感謝してないけどね」

 

 四つん這いになりながら顔を俯かせるバッファを見下しながらサウザーはゆっくりと近づく。

 

 アーマーがバッファの上半身に装着されてから身動き一つしないことに多少の警戒心が生まれるが……それでも近づいた。そして、その一歩を踏み込んだ瞬間、サウザーら背中に痛みを感じたと同時に地面に倒されていた。

 

 バッファはそのままサウザーの顔を鷲掴みしながらガリガリと音を立てながら走り出す。そしてサウザーを空中に放り投げ地面に叩きつけるとまた浮かしてまた叩きつける。

 

「くっ……どうやらなにか問題が起こったみたいだね」

 

 運良く三度目の攻撃を転がることで躱すことに成功したサウザーは、今では自分が不利だと察するとそのまま逃走する。

 

「……」

 

「道長……くん?」

 

 俯いて動かなくなったバッファを見て心配そうに駆け寄るかなた。だが、今のバッファには近づいてはいけなかった。

 

「えっ……ぐ!」

 

 バッファはかなたの首を握りしめると近くの電柱に叩きつける。

 

「がはっ……」

 

 首が締まったことで息がうまく吸えず殴ろうにも地面から足が離れているため力を込めることができない。

 

 バッファの右手に赤黒い禍々しいエネルギーが集まっていく。

 

(私を……殺す気!? いや、もしかして……意識が、ないの?)

 

 右手がかなた目掛けて振る。その際に死を覚悟したかなただったが……

 

「いやぁ、危ない危ない! 完全に危機一髪だったぞ!」

 

 気づいたときにはバッファは突き飛ばされており、傍らには二本の刀を構えた鬼の姿が。

 

「あやめちゃん……」

 

「よーかなた! 大丈夫か? もう大丈夫だ。なぜかって?」

 

 立ち上がってこちらに走ってくるバッファを警戒しながら鬼はこう答えた。

 

「百鬼家当主候補にしてホロライブ学園生徒会長百鬼あやめが来たからな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 




今回登場したキャラ

◆芙蓉道長/仮面ライダーバッファ
 我らが主人公。サウザーに世界の真実を教えられてショックを受けている。

◆白上フブキ
 ゲームが得意な白上家の長女。黒上フブキとの関係はあまり知られていない。長い間地下牢に幽閉されていた。

◆黒上フブキ
 父親によって生み出された存在。

◆大神ミオ
 空気が悪くてどうしたらいいのかわからない。

◆ジーン
 流石に空気を読むべきだったかなと道長の家に不法侵入した人。

◆白上士郎/仮面ライダーサウザー
 ただ、自分の世界にいた黒い髪の白上フブキを取り戻したかった、それだけである。なお、士郎によってはこの世界の白上フブキもそのフブキによって生まれた黒上フブキも自分の娘とは現段階では思えていない。

◆天音かなた
 天使。道長の様子がおかしいから心配になったら仮面ライダーの戦いに巻き込まれた。道長のことは幼い頃からよく知っているため、仮面ライダーに変身したことにはショックを受けても信じると決めている。

◆百鬼あやめ
 あと少しで親友が殺されるかもしれないと内心バクバクしていた。

桜井景和と鞍馬祢音の参戦(なお、オリキャラとして扱うものとする)

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