アーカムハウスのヨコハマ暗躍記 作:DUN.ネコノカンリニン
さて、どうしたものか。まさか君が中也と解散したとは。それがただのポートマフィア離脱...笑えるね」
「おやー酷いなぁ。君はそんなやつだったかい?」
「いや、ただ事実を喋っただけじゃないか」
只今我々は結構バッチバチにやり合っている。
発端は私なのだが、その話題は太宰と中也が解散したことについてだ。
しかし、私もそんなに暇ではない。なので、いつもならどちらかが折れるまでやるのだが、今日は私が早めに退いてやろうと思った。
「しかし、私も暇ではないのでね。ここで少しお暇させていただこう。仕事も結構溜まっているだろうからね」
「そうかい。なら、サヨナラだね。それじゃまた後日...あるか分からないけどね」
「そうだな。また後日」
そう言って、私はその場から立ち去った。
―――「えーっと...なんでここにいるんです?ボス」
私がボスというのは唯一人しかいない。ここのお得意さん”ポートマフィア”の
「やあ、小泉君。少し、お邪魔させてもらっているよ。しかし―――」
「はぁ、なんです?私は忙しいんですよ。依頼なら聞きますけど、それ以外の雑談とか相談とかはやめてください」
「そうか。なら、君に依頼しよう」
「ほう。依頼ですか。なら、聞きましょう。雑用から世界征服まで、何でもお任せくださいがウチのモットーなんで」
「君への依頼は―――エリスちゃんの護衛だ」
エリス。どこかで聞いた名前のような気がして仕方がない。しかし、ボスが自ら護衛を依頼するほど溺愛して、なおかつ”ちゃん”とついているから、少女ということは確定。しかし、ウチの少女はあいつ―――ワーグナーしかいない。
「それは、私ではなくあいつ―――ワーグナーに依頼すればいいんじゃないですか?あいつ、ずっと依頼が来るのを待っているんですよ。しかも、おそらく同世代の子でしょうし話も合うかもしれません」
「なるほど...しかし、私は君を見込んでこの依頼をしているんだ。どうだい?受けてくれないか?」
「けど、私、少女じゃありませんよ。あの子といると違和感しかありませんって」
「そこは問題ないんじゃないかい?なぜなら、君が異能力で変身すればいいじゃないか。そうすればエリスちゃんも怖がらなくてすむ」
と、言われてもですね、こちらとて問題が有りまして...それが、少女の妖怪がいないということなのだ。
私の異能力「骨董の怪談」は調服した妖怪を自分の手駒にしたり、その力―――容姿も含む―――を自分の身に宿したりする能力だけれども、肝心な妖怪がいなければ話にならない。
まして、今私が持っている妖怪で女性の妖怪といえば「雪女」ぐらいである。しかも、その容姿はとても美しいザ・ジャパニーズ・ウーマンと言うに相応しく、高身長な色白の大人の女性である。
「しかし、こちらとしても問題が有りまして...使役している妖怪の中で女性が「雪女」ぐらいしかいないんですよ。しかもその雪女は高身長の色白な女性なんですよ。少女じゃありませんよ」
「ああ、それはこちらとて問題ない」
「なぜです?」
そう問うと、ボスは衝撃発言を行った。
「その問の答えは、実に面白い答えだよ。何故なら我々、ポートマフィアが未確認の異能生物―――コードネーム「C001」の捕獲に成功したからさ」
「へ?」
私は、思考を放棄しかけた。しかし、一瞬にしてその逃してしまった思考を取り戻し、落ち着いて続きを聞くことにした。
「その異能生物―――コードネーム「C001」なのだが、なんと丁度いいことに少女型なのだよ。どうせなら私も欲しいのだけれど、私にはエリスちゃんがいるから...おっと、話がそれてしまった。そして、その例の異能生物を、今、手元においてある」
「どれです?」
「これさ」
そうボスが出したのは、少女だった。
「本当に少女だ……」
「そうだろう?では、今からこれを取り込みたまえ」
「では。「骨董の怪談」―――」
「どうだい?何か掴めたかい?」
よし。取り込んだ。これは成功っと……情報を読み取ってみよう。この異能生物の名前は……与謝野晶子?どこかで聞いたことがある名前だ……ん?異能生物なのに異能力がある?「みだれ髪」?異能力者の情報は……ないな。
「はい。この体の名前は与謝野晶子……どうかしましたか?ボス」
「クックック……いやぁ随分と久しい名前を聞いたと思ってね」
「なにか知ってるんですか?」
「ああ、知っているとも。彼女は、私がまだ軍医として軍に所属していた頃の知り合いだよ。今は、武装探偵社にいる」
「ぶっそうたんていっしゃああ⁉」
「そして?他にわかったことは?」
「ああ……はい。この異能生物には、なぜか異能力があります。通常、異能生物は、その異能生物を生み出す異能力者に操られている前提なので、異能力は持っていないんです。なのに、「みだれ髪」という異能力を持っている。これは、明らかにおかしいことです」
本当におかしい。
「ほう。まあ、しかし。良いじゃないか。それで任務に行ってもらおう」
「分かりました……依頼料は?」
「いつもの五倍だ」
「分かりました。受けさせてもらいます」
「うん。では、頑張ってね」
そう言うと、ボスは帰ってしまった。
次回、あの人が出てきます。
この中ならどの文豪が出て欲しい?
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ゲーテ・J――異能力「ファウスト」
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紫式部――異能力「源氏物語」
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ダンテ・A――異能力「神曲」
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幸田露伴――異能力「風流微塵蔵」
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ジョン・M――異能力「失楽園」
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カーター・L――「ネクロノミコン」