ご感想と身に余る評価。
そして、誤字報告ありがとうございます。
これからも頑張りますのでよろしくお願いします。
追伸
実はツイッターやっています。
https://twitter.com/heitai5656
迷宮都市オラリオにあるとあるオープンカフェにて、二柱の神々がテーブルを挟み、座して対面していた。
一柱は女神。
スポーティーな体躯で表情は不機嫌そのもの。
テーブルに肘を立てて、その手で顔を支えている。いわゆる頬杖をついた姿で目の前の男神を面白くなさそうな顔で睨みつけている。
対するは男神。
優雅に足を組み、両手を組んで胡散臭い笑みを浮かべて、女神の敵意を受け止めていた。
見様によっては余裕な態度。
それが癪に障ったのか、チッ、と舌打ちをすると女神――――ロキは苛立ちを隠すことなく口を開く。
「何の用やー? うち、お前と違うて暇やないんやけどなー」
「随分と釣れないことを言うじゃないかロキ」
ははは、と爽やかに笑みを浮かべて応じた男神――――ヘルメスは続けて言う。
「君のとこの【
「ハッ、何様やお前」
「神様だが?」
売り言葉に買い言葉。
剣呑、というほど両者は緊迫した様子はなく、かといって仲良く談笑しているわけでもない。
腹の探り合い、というべきなのだろう。二柱の間には油断が出来ない空気が漂っていた。
ロキは軽く思案する。
ヘルメスが何用で、しかも眷族を連れずに、自分の目の前に現れたのか。
労いに来た――――訳がない。そこまで殊勝な男神であれば、もっと容易く簡単に、それこそ使い潰されるまでロキは利用する事が出来た。それが出来ないという事は、ヘルメスもロキと同じく油断ならない神であるという証左。
つまりは、労いに来たというのは嘘。
そう断言したロキは意地悪く笑みを浮かべて。
「何や。探りにでも来たんか?」
探りとは
フィンが大活躍しているとは、勢力として名を上げている
自身の眷族の活躍によりロキは上機嫌に、そして目の前の胡散臭い神が吠え面をかく姿が見たいがために、彼女は笑みを益々深めて挑発する。
「残念やな~?
「全くだ。
結果としては効果はなかった。
ヘルメスは気にすることなく、その通りだ、と両肩を竦めてロキの言い分を受け止める。
面白くない。
ロキは、ふん、と鼻を鳴らして。
「お前は知ってるんか?」
「何をだ?」
「とぼけんなやアホ」
短く言うと、ロキはヘルメスに向き直る。
欺瞞など許さないと言わんばかりにヘルメスへ見つめて、相手の出方を見ずに、単刀直入に尋ねた。
「
ロキが言うアレ。つまりは彼であり、オラリオに突然現れた規格外に他ならない。
誰も手綱を握る事が出来ずに、好き勝手を振舞う、神々としても無視したいが、無視できないほどの力を有する一般人。それが黒髪黒眼の男――――アルマ・エーベルバッハであった。
目的が解らない以上、行動パターンすら読めずに計算に組み込めない。下手をすれば
故に、ロキは問う。
アレは何者なのか、と。アルマと言う人間に興味が湧いたから知りたい、という訳ではない。
単純に、純粋に脅威であったから。彼が是とするものが何なのか知り、行動を予測し対策をする為に、アルマを知らねばならないと思ったからロキは問うたに過ぎない。
あまりにも打算的な好奇心。
ロキの好奇心を満たす答えをヘルメスは――――。
「オレも詳しくは知らないんだ」
「――――――は?」
――――持ち合わせていなかった。
肩透かし。
思わずロキは眼を大きく開き丸くする。
それでは何か、と。
何者か良く知らないのに、あんな訳のわからない怪物と共に行動していたというのか。
あまりのクソ度胸。
ロキはヘルメスを尊敬しかけるも、ありえないと首を横に振って、そんな感情を消し飛ばして。
「うちのこと騙しとるんか?」
「いやいや、ホントだって」
慌てた様子も泣く、ただ事実を伝えてヘルメスは続ける。
「ゼウスやヘラなら知ってるんじゃないか?」
あと一柱も知っているか、とヘルメスは続けて言い、ロキは眉を潜めて問う。
「もう一柱って誰や?」
「聞いても無駄だと思うけど」
「何でや?」
「そいつ、送還されてもうこの世界にはいないから」
結果だけで言えば、アルマ・エーベルバッハの正体は誰も知らないということになる。
正体不明の怪物。
人語を解している化物。
ロキから見たアルマはその程度の脅威でしかない。
だからこそ理解が出来なかった。
何者なのか解っていない癖に、大半の神々は無視を決め込んでいるのに、どうしてヘルメス達はアルマと言う怪物に関わろうとするのか。
「フレイヤといい、お前といい。アストレアは――――何か違う気するけど、お前らと同じや同じ。うちには理解できへんわ。あんな怪物、触らぬ物に祟りなしやろ」
「そうか? 実際話してみると面白い人間だと思うけど?」
「絶対いつか痛い目見るわ。知らんでホンマ」
そこまで言うと、ロキは続けて。
「アイツの目的は何や?」
「……これは憶測だが」
ヘルメスは空を見上げる。
雲ひとつのない晴天。
「納得したいんだと思う。
「
「それは――――」
ヘルメスが口を開く前に、ロキの眷族が血相を変えて現れて、ヘルメスの言葉が紡がれることはなかった。
その眷族の言葉に、ロキは頭を抱えて、ヘルメスは腹を抱えて笑い声を上げる。
眷族はロキに言った――――
▼ロキは頭を抱えた
▼リヴェリアは正気かと思った
▼ガレスは笑っている。
▼アイズは羨ましそうに見ている
▼ベートは気絶している
▼アルフィアはマジかって顔でアルマを見ている。
▼ソーマ「ロキに忘れられていた。辛い」
▼アルマ「引きこもってるオマエが悪いよ」