ブギーマンは世界を大いに嗤う   作:兵隊

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第19話 鬼ごっことか何年ぶりだろうか

 

「おい! 【抑止力(ジョーカー)】を指名手配したの誰だ!?」

 

「し、知りませんよ! いつの間にか勝手に!」

 

「そんなわけあるか! 今すぐ撤回しろ! さもないと【静寂】が黙ってないぞ!?」

 

「む、無理です! 既にファミリアが動いています!」

 

「ど、どこのファミリアだ!?」

 

「【アポロン・ファミリア】と【ガネーシャ・ファミリア】。そして【イシュタル・ファミリア】です! 」

 

「目的はもしかして討伐か……?」

 

「わかりませんよっ!」

 

「今からでも遅くない……! 誤報だったことを伝えて――――」

 

「だから無理ですって! オラリオ中に知れ渡ってます! 手配書も街中に貼られちゃってます!」

 

「ええい、こんなときにギルド長はどこで何をやってる!?」

 

「私が知るわけがないでしょー!!」

 

「【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】は……?」

 

「沈黙したままです」

 

「そうか……」

 

「安心してる場合じゃないでしょう! あぁ、他のファミリアも続々と動いてますよ!?」

 

「も、目的は!?」

 

「だから解りませんって!!」

 

 

 

 

 

 

 現在、数時間前に起きた殺人事件によって、オラリオ中が混沌と包まれていた。

 だがそれ以上に、右往左往と。バベルの内部、もっと厳密に言うと、ギルド内部はオラリオの混乱が非にならないほど、荒れに荒れていた。

 

 いつ、誰が、どうして、どのような理由で。

 何者かわからないが、何の了承もなく、事件を捜査することもなく、容疑をかけることもなく、何者かがアルマ・エーベルバッハを指名手配していた。

 

 ギルドとしても、寝耳に水であっただろう。

 何せ、殺人が発生し、どのように対処しようかと模索していたところに、いきなり告げられたのだ。

 しかもどういうわけか、ギルドが手配したという事になっている事実。

 

 正にそれは大義名分を得ていると言っても良い。

 ギルドからの正式な強制任務(ミッション)ではないにしても、ギルドが指名手配したということで、大手を振ってファミリアは行動に移せる。

 元々アルマが気に入らなかった勢力、まずは話しを聞くために保護を目的としている勢力、アルマという規格外を囲い武器として扱おうとする勢力、様々な思惑が交差し、各々の欲望のまま動いていた。

 

 そういう意味では、オラリオ中は混沌としており、ギルドとしても誰が勝手に指名手配したのか特定が出来ず、どこの勢力よりも混乱していた。

 

 ギルド職員は今だに忙しない。それ証拠に職員の一人は走り、一人は机の上にあった羊皮紙を床に落ちようとも拾う余裕もない、職員同士がぶつかってもそれよりも優先すべき事がある。

 誰もが懸命に、事の事態の究明及び、混乱の回復に尽力を尽くしているのだが、一向に改善される兆しはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 カッ……     カッ……      カッ……

 

 

 

 それは靴の音だった。

 薄暗く、深と静まり返った廊下より、響く靴を履いた者が、傲慢にも踵を鳴らし歩く音。

 混乱の極みとなっているギルドでは異質な、自分の調子を嫌でも崩す事を嫌うような、なんとも協調性のない足音。

 

 男の名はロイマン・マルディール。

 現在、どこにいるのか、と行方を探されているギルドの長である。

 でっぷりとした体躯、顔にも贅肉が身についており、まるで肉に呑まれたと錯覚してしまうほど双眸は小さく見えた。彼の姿は欲がその身に余す事無く取り込んだかのように。端正な容姿を持つ種族なのがエルフという種なのだが、そうとは思えないほどの有様を彼は恥じる事無く、その薄ら笑いを浮かべた憎々しい表情のまま、他人が見れば眉を潜めるほどの肉々しい身を堂々と晒していた。

 

 

 混乱を極めているギルド内部とは裏腹に、彼の態度はどこか余裕に満ちていた。

 重々しい足取りであるものの、その表情はゆとりがあり、混沌と満ちた状況を受け止めるほどの大らかな様子が見て取れる。

 

 実のところ、彼は現在の状況が誰の仕業なのか、見当が付いていた。

 

 

 ――彼奴ら、功を焦ったか。

 ――今まで姿を隠していた者共め。

 ――ここにきて、馬脚を露わすとは。

 ――愚かにも程がある。

 

 

 確かに彼は薄く笑みを浮かべている。

 だがどういうわけか――――眼は笑っていなかった。

 

 そうだ。

 彼は腸を煮え繰り返り、内心穏かなものではなく、怒りに満ちていた。器用にもロイマンは、笑いながら怒っていた。

 

 それは誰に対してか。

 決まっている。自分を欺き続けて、ギルド内部に蔓延っていた有象無象に対してである。

 “大抗争”よりも以前から、【ゼウス・ファミリア】や【ヘラ・ファミリア】が健在であった時期から、その予兆はあった。

 しかし、連中は軽快に、鮮やかなほど神妙に、気取ることができないほど慎重で、ロイマンを誤魔化し続けてきた。

 

 その連中こそが――――。

 

 

 ――闇派閥(イヴィルス)の蛆虫共め。

 ――そこまでに、あの人間が恐ろしいのか。

 ――そこまでして、あの人間を処理したかったのか。

 ――たかが人間に何故そこまでする?

 

 

 ギルド内部に巣くっていた蛆。つまりは、闇派閥(イヴィルス)に与する者達は、今回の件を絶好の機会だと認識していたようだ。

 オラリオ中に問題の人間を事件の犯人として扱い、全てのファミリアから狙われるよう仕向け、悩みの種を排除しようとしている。

 

 対してロイマンは、愚行と断じた。

 今まで懸命に、欺き続けてきたのに、一人の人間のために何もかもを失ったようなものだ。

 

 今回の件で、闇派閥(イヴィルス)の無茶な動きのせいもあり、誰が闇派閥(イヴィルス)に与する者なのか、ロイマンは粗方見当が付いていた。

 あとはその者達を再度洗い出し、連なる者はいないか調べ上げて、徹底的に糾弾し排除するのみであった。

 

 何とも楽な仕事だろうか、と。

 ロイマンとしては、今までつっかえていた異物が取り除かれたような心境であった。

 これでギルド内部に潜んでいた闇派閥(イヴィルス)のシンパ達は一掃される。何とも清々しい気持ちだろうかと。

 

 彼の中では、指名手配された人間など、眼中になかった。

 名誉の回復や、指名手配された人間の安否など、全く気にしてない。

 

 しかし、それはある意味で正しいといえる。

 このような、人間同士でつまらない争いをしている場合ではなかった。

 最強の派閥であった、【ゼウス・ファミリア】や【ヘラ・ファミリア】が“黒き終末”と呼ばれる黒竜の討伐に失敗した世界に後はない。

 

 であれば尚の事。

 オラリオの磐石を確かなものにし、より強固な物にしなければならない。

 そのためのギルドであり、内部の不穏分子を一掃するには、この状況はまたとない機会でもあった。

 

 故に、ロイマンは焦燥感に駆られる、無茶な動きを見せた闇派閥(イヴィルス)を愚かだと断じた。

 

 たかが一人の人間、強いといってもたかが一個の武に、何を必死になっているのか、と。

 

 

 とはいえ、ロイマンは間違っていなかった。

 彼の言うとおり、たかが一つの武力。そんなもの数で圧倒すればいい。

 一人が戦争に勝てないと同じく、個人が多勢に勝てる道理はない。囲まれ磨り潰されてお終いなのだから。

 

 同時に、ロイマンは間違っている。

 そのたかが一人が、どれほどの人間なのか、所詮役人であり机上でしか考えられないロイマンと言う男の限界である。

 ロイマンは知らないのだ――――。

 

 

「嵌められたのはオレであるし、オレの落ち度で間違いないが、アンタも遠慮ってモノがないよな?」

 

 

 たかが一人、所詮は一人、されど一人。

 一人が戦争に勝てないのが道理であるが――――ここに例外は存在していた。

 

 

「――――――」

 

 

 ロイマンは後頭部から、血の気が一斉に引くような感覚を覚えた。

 

 声をかけられた。

 それは背後から。

 あまりにも軽く。

 何気ない調子で。

 

 焦燥を気取られてはならないと、ロイマンは思考を巡らせ、その人物が誰なのか推察する。

 振り向けば答えがあるのに、どうしてもそれが出来ないロイマンは、前を見据えてかろうじて声を出した。

 

 

「……貴様が、アルマ・エーベルバッハか?」

 

「そういうオマエは、ロイマン・マルディールだな?」

 

 

 問いを問いで返される。

 何とも不躾な言葉なのか、とロイマンは憤る気持ちになれなかった。

 

 一歩も動けず、身動ぎも出来ず、息をするのも忘れるような錯覚。

 彼の背後にいる人物――――アルマ・エーベルバッハからは殺気や殺意、ましてや怒気も何も感じなかった。ただ純粋な“威圧感”。たかが個として考えるには、ありえないほどの異質なナニかを孕んでいた。

 それこそ、偏屈で、プライドの塊で、エルフの悪性を煮詰めて出来上がった男であるロイマンを、黙らせるほどのナニか。

 

 

 ――なんだ、この男は。

 ――たかが人間だと?

 ――ふざけるな。

 ――こんな人間が、この世界に存在していいものか。

 ――これではまるで……。

 

 

 そこまで考えて、ロイマンはふと。

 この男はどうやって、ここまで来たのかと疑問が過ぎる。

 

 現状、ギルド内部は混乱を極めている。

 だがそれでも、だとしても。今取っては誰よりも目立ち、何者よりも注目されている、指名手配されている男がどうやってギルド中枢へと侵入し、どうやって――――誰にも気取られる事なく自分の背後に立つことが出来るのか。

 

 

「そこは、ほら。オレは何でも出来るから」

 

 

 まるでロイマンの思考を読むように、何気ない口調でアルマは続けて。

 

 

「アンタがオレを利用して、闇派閥(イヴィルス)のスパイ? 協力者? パシリ? まぁ何でも良い。それを一掃しようとしているのは何となく解る」

 

「な――――」

 

「取り繕わなくていいぞ。アンタにもアンタなりの事情があるんだろ? オレも闇派閥(イヴィルス)にはうんざりしていたからな」

 

 

 心底面倒臭そうに言うと、アルマは問いを投げる。

 

 

「そこで敢えて聞くんだが――――オレはいつまで道化を演じていればいいんだ?」

 

 

 道化。

 つまりは茶番。

 つまるところ撤回せずに、指名手配のまま。

 要するに4人の冒険者を殺した凶悪犯のまま、オラリオに君臨するという事。

 

 そして、アルマは暗に語っていた。

 いつまで待てば、ギルドに蔓延っている闇派閥(イヴィルス)に与する連中を一掃出来るのかと。

 

 無駄な問答など必要ない。

 アルマの問いは、一切の妥協や欺瞞を許さない、といった強い意志が込められている。

 

 満足のいく答えではないと、何をされるか解らない。

 そんな錯覚を覚えながら、ロイマンは不本意ながら、焦燥する口調で。

 

 

「10日、いいや、7日あれば……!」

 

「よし、5日でやれ」

 

「い、5日だと!?」

 

 

 いちいち驚くロイマンが楽しいのか、背後で明るい口調で、さりとて有無を言わせない迫力を持ったまま。

 

 

「大体の目星はついてるんだろ?」

 

「――――っ」

 

 

 思わず図星をつかれて黙るロイマンの反応を見て、満足したアルマは意地の悪い声色で。

 

 

「愚図るなら、3日にしてやろうか?」

 

「解った、5日だ! 5日で充分だ!」

 

「おっ、よかった。優秀と聞いていたからな、アンタならやってくれると思ってた」

 

 

 半ば脅しともとれる威圧かを放っておいて、どの口が言うのかと、ロイマンは思わず毒付きそうになるがグッと堪える。

 何とか穏便に済みそうになっているのだ。踏まなくても良い虎の尾を踏んでなんとするというのか。

 

 対するアルマは尊大な空気を保ったまま。

 

 

「んじゃ、後は頼むわ。頑張れよロイマン」

 

「ま、待て!」

 

「ん?」

 

 

 思わず呼び止めてしまったことを後悔しながら、ロイマンは疑問を口にした。

 

 

「その後はどうするというのだ?」

 

「その後って?」

 

「貴様にかけられた容疑だ」

 

 

 普通であれば真っ先に、誤報によってかけられた容疑を、撤回するよう訴えるものだろう。

 しかし妙な事に、アルマの口から一切、自分にかけらた容疑をどうにかするようにという条件がなかった。

 どれほど待てば、ギルド内部に存在する異分子を排除できるのか、といった再確認することだけを目的として、ここまで訪れたようでもある。

 

 まるで、傷つけらた名誉など考えてない。

 現に、あぁ、とアルマは今思い出したように声を上げた。

 

 

「そこはアンタに任せるよ。撤回するなり継続するなり、好きにして良い」

 

「貴様は、自分の名誉を、名声を、どうとでも思っていないのか……?」

 

 

 ロイマンは理解が追いつかない。

 彼にとって、いいや誇り高いエルフという種族にとって名誉とは、重大な要素の一つでもあったから。

 

 しかし、アルマは簡単に、そんなもの取るに足りないと言わんばかりに。

 

 

「オレにとって、そんなものどうでもいい。名誉なんてモノに価値を見出すのは、アンタみたいな誇り高いヤツか、英雄を志す連中だけだろ」

 

 

 その言葉を最後に、アルマ・エーベルバッハという男はロイマンの背後から気配を消した。

 足音がないまま、気配すら感じさせないまま、不可視で規格外な男は消え、残されたのは今だに動けぬロイマンのみ。

 

 不規則な呼吸音はロイマンの物。

 生きた心地がしなかった。背後にいたのは人間だったのか、もっと違うナニかだったのか。真の意味で何者だったのか、振り向けば答えがあったのに、ロイマンは振り向けなかった。

 

 

「なるほど、理解した。業腹だが、闇派閥(イヴィルス)が排除しようと躍起になるのも頷ける」

 

 

 受け答えを一つでも間違っていれば、殺されていたかもしれない。

 背後にいた男が、どれほどの存在だったのか、我を通す力とはアレのことを差していたのか。

 その理不尽さ、そして恐ろしさを実感し、ロイマンは冷や汗を滲み出しながら。

 

 

「アレが、【抑止力(ジョーカー)】アルマ・エーベルバッハか……」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――さて、これからどうするか。

 

 

 オラリオの中心部、『バベル』が聳え立つ目と鼻の先にある広場にて、立ち止まり思考していた。

 黒のコートを羽織、腕を組み、難しい顔でうんうん、と頭を捻る彼を遠巻きでオラリオの住民や、冒険者が観察しているが、彼は全く気にしていなかった。

 

 あまりにも隙だらけ。

 何とも暢気なものだ。今やオラリオ中から狙われているとは思えない。まるで緊迫感のない様子である。

 

 しかし、アルマが考えるのは、狙われている事態をどう立ち回るか。

 

 

 ――迎撃するのが一番手っ取り早いんだが。

 ――まぁ、ありえないわな。

 ――闇派閥(イヴィルス)はオレが排除される事を願っている。

 ――ヤツらにとって、オレが冒険者達と共倒れになれば言う事はないって状況だろ

 ――うん、ないな。

 ――迎撃はなしの方向で。

 ――ヤツらの思い通りに動くのも癪だし。

 ――逃げに徹する事にしよう。

 

 

 既に彼の中では、逃走してやり過ごす事が決定していた。

 そこに、もしかしたら倒されるかもしれない、というIFなどなかった。

 逃げると決めたのなら絶対に逃げ切れるし、自身がそう望んでいるのだからそれは絶対である、とアルマは信じて疑わない。

 

 何せ彼にとって世界とはそういうもの。

 アルマに都合が良く、世界の中心は己であると、傲岸不遜に断じるモノでしかない。

 傍目から見たら理不尽な目に合っているようにも見えるが、彼にとってはそうではなかった。ましてや試練などではない。これも退屈な人生を彩るイベントの一つ。要するに、アルマにとって、今置かれている状況は――――余興でしかなかった。

 

 よく言えば前向き。

 悪く言えば傍若無人。

 それがアルマ・エーベルバッハの本質の一部である。

 

 

「さて」

 

 

 方針は決まった。

 両手を組み空へと身体を伸ばし、膝を折り軽く屈伸する。

 隠れるなどといった選択はない。逃げるからには楽しく、人目が多いところで。そうした方が楽しいと言わんばかりに笑みを浮かべて。

 

 

「――――お楽しみは、これからだ」

 

 

 

 

 

 しかし――――。

 

 

「待った待った! ちょっと待ったー!!」

 

「ぬ?」

 

 

 強靭的な身体能力を用いて、正に“消える”ような速度で以て、逃走を開始しようとしたところに、停止を求める声がアルマの耳に入り、とりあえず応じる事にした。

 

 何よりもその声には聞き覚えがある。

 アルマに走り寄るのは二人であり、女性であった。一人は赤い髪の毛で快活な声でアルマを呼び、もう一人はその後ろを小走りに後を追いかけてくる。

 

 見覚えがある二人であった。

 その二人が誰なのか解るや否や、アルマは軽く片手を上げて。

 

 

「よう、アリーゼ。どうした?」

 

 

 赤い髪の女性――――アリーゼ・ローヴェルも片手を上げて応じながら。

 

 

「どうしたって言いたいのは私の方よっ! アルマ君、貴方なにやらかしたの?」

 

「んー、ぶっちゃけるとオレは何もしてないわけだが」

 

 

 居丈高に堂々とそう告げて、アリーゼの後ろで控えている女性にアルマは声をかけた。

 

 

「随分と警戒されているな?」

 

「当然だ」

 

 

 ぴしゃり、と。

 欺瞞など許さないといった鋭い視線を向けながら、アリーゼの後ろで控えていた女性――――リュー・リオンは続けて言う。

 

 

「私はアリーゼと違い、貴様のような得体の知れない人間を信じないと決めている」

 

「何だ、オマエ。騙された事でもあるのか? 確かに騙されやすそうではあるが」

 

「まぁ、騙してきたの神だったんだけどね……」

 

 

 ははは、と困ったような笑みを浮かべるアリーゼに、アルマはそれ以上追求する事はなかった。

 ふーん、と興味なさそうに相槌を打ち。

 

 

「それで何だよ。オレはこれから逃げるのに忙しいんだが?」

 

「その前に付き合ってほしいのよね」

 

 

 両手を合わせて、懇願するように、お願い、とアリーゼは言いながら。

 

 

「逃げる前にね、会ってほしいのよ」

 

「誰にだ?」

 

「私達の主神アストレア様。どうしても君に会いたいんだって」

 

 

 

 

 

 

 

 





>>ロイマン・マルディール
 ギルド長。エルフで有能なデブ。一食でも抜いたら多分死ぬ方。
 闇派閥が躍起になって、アルマを排除しようとしているのか理解出来なかった。
 アルマがザルドとアルフィアに勝利した事は聞いている。でも誇張表現だと思ってた人。だってアイツ冒険者じゃないんだもん。一般人が勝てるわけないじゃんって思ってた。
 なるほど、納得。頭おかしいわアイツと改める。
 ちなみにアルマはロイマンのことを気に入ってる。割と可哀想なエルフ。

>>アルマの指名手配
 全部、闇派閥の協力者の仕業。
 ヴィトー辺りは干与してない。むしろ何やってるの?と困惑してる方

>>声をかけられた。
 後ろからこんにちわ、黒いのです。
 這い寄る混沌ではありません。黒いのです。
 可哀想なロイマン。

>>「よし、5日でやれ」
 無茶振り極めている


 ▼物陰からフェルズが見ている
 ▼ウラノスからやっべ、ちょっと様子見てきてと頼まれたようだ
 ▼フェルズ(うわっ、マジでいるよ何なのアイツ?)
 ▼しかし まわりこまれた !
 ▼アルマ「……へぇ、こういうのもいるのか」
 ▼フェルズ「――――きゃああああっ!?」
 ▼乙女の金切り声!
 ▼フェルズは逃走した!


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