モンハンは狩ゲー?いや死にゲー   作:Ωが来た!

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 傭兵とかしてたら気付けばもうこんなにも。
 長いです。構成を考える能力がッ!欲しい…(急降下)


十三乙目、古龍を脅かす

 

 G級、或いはマスターランク。大陸に数えるほどしかおらず、同じ時代を生きる存在もまたごく少数。その全てが『英雄』として名を残し、讃えられ、語り継ぐべき物語として本のページを彩った。

 

 

 

 …シナラは、言うところ天才であった。どんな難関クエストであろうと五体満足で帰還しその上で見事目的を達成して見せた。

 そんな活躍を続けていれば方々から依頼が舞い込み、そしてそれを達成していく。その状況は実力と名声を着実に積み上げた。

 

 そんな彼女を更なる高みへと押し上げた『古龍防衛戦役』。

 

 ……古龍とは天災である。古龍とは災害である。古龍とは自然であり、秩序であり、循環する世界に必要である。と、されている。彼らの行動による破壊は全て、再生への一手であり、世界を回す為に必要なものなのだ。

 

 古龍に相対する、それはつまり自然を相手にする事に他ならない。簡単な事では無く、その殆どは虚しく消え去ってしまう。

 

 

 もし、そんな正真正銘の怪物に立ち向かい、渡り合えたら?

 もし、護るべきものを背にして果敢にも立ち向かったとすれば?

 もし、それらを持って、勝利したとすれば?

 

 彼女はその"もし"を現実にした。

 

 どんなに対策を練ってもその殆どは無に帰る。そんな絶望的で尚且つ絶対者を退けたとすればもうそれは『英雄』だ。

 

 これを誇らずして何を誇る?これを自信とし糧としなければ何を糧とし自信とする?

 

……だからこそ、彼女は見落とした。自身がどれほど浮かれていたのか、自身がどれほど恵まれていたのかを………。

 

 

 

 此処は街に非ず。

 

 此処は守るべき場に非ず。

 

 此処は人の領域に非ず。

 

 此処は縄張り、決して入るべからず……

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

 突然腕を引かれた。

 

 

「こんな速度……いえ、ハンター様すみません…お手を煩わせてしまいました…。」

 

 

 影が落ちる。破壊の影だ。壮絶な衝撃は本当に生物から打ち出された攻撃か疑いたくなる。それはそうだ、何せあの速度で地面に突っ込めば誰だって挽肉になる。勿論、突っ込まれた方に留まらず、突っ込んだ方だって同じ事。

 

 

「……生き残ってからだ。」

 

「はい…!」

 

 

 武器を構える。眼前の土煙の向こう側。無傷で佇む黒い影。鈍く光を放つ黄金の眼光。

 

 

Ooorrrr

 

 

 しかしそんな常識が通用する相手ではない。何故なら彼等こそが……

 

 

「………死ぬな。」

 

「見苦しい姿はこれで最後です。」

 

 

 世界で、秩序なのだから。

 

 

GOooooorrrOOOO

 

 

 獣咆が響き渡った。

 

 

 

 

 

 どれ程の時が流れたのか…私には分かりません。ですが、この時間の中、嫌と言うほど理解しました。私という存在が如何にちっぽけなものであるかを。

 

 私は…私は浮かれていたのかも知れません…。いえ、意地を張るのはやめましょう。…私は浮かれていました。

 

 これまで幾度となく戦いに身を投じ、生き残った経験、古龍を撃退せしめた確かな実績。そして何より、憧れで最愛の彼と共に同じ時間同じ空間、同じ目標に向かうこの全てに。自分がどれだけ恵まれていたかを実感せず、愚かにも舞い上がった醜い私。

 

 だから、今だってほら……。

 

 

Guuu

 

 

 ほんのミス、押し潰されんばかりの圧倒的敵意と殺意に押され、一瞬遅れただけ。

 

 

RrrrooooOOO

 

 

 龍はそれを見逃さない。彼女の目の前、空を覆う巨体は今にも溜め込んだ力を叩き付けんとする。

 

 

「…………。」

 

 

 手を引かれた。その瞬間目の前では凄まじい破砕音が鳴り響く。

 

 また救われた。腕の棘があらかじめ壊れていたから助かった。そうで無ければ私は彼ごと飛び散った棘で……いえ彼はそんな失敗はしない。

 

 

 …その表情は何一つ変わらない、まるでこうして私が窮地に陥ってしまう事も、そしてその状況から復帰する為に必要な事も、達成しておくべき条件も、何もかもが手の内の様。私は彼を支える為にここに居るのに、行動しているのに、これではただの足手纏い。

 

 

「すみっ……ありがとうございます…。」

 

 

 謝罪を飲み込み感謝を述べる。それが届いて居なくとも、己の不甲斐なさがそうさせる。

 

 …謝る為に来たんじゃない。認められる為に来たんだ。今彼は何をしている?私に向けられる筈だった敵意を、殺意を、攻撃を、私を庇って引き受けて、私が体勢を立て直すのを待ってくれている。

 

 彼を支える?笑止千万。動けない自分が恨めしい。

 

 

 GOoooooOOOOッ!!!!

 

 

「………。」

 

 

 体全体を凶器とし、自壊を厭わない苛烈な攻撃を、神技とも言える体捌きと共に寸分の狂いもなく適切に回避し、攻撃を重ねていく姿に釘付けになる。その全てがその空間で完成しているかの様。しかし、その攻撃は古龍の膨大な生命力の前には余りにも不足している。事相手は肉弾持久戦に特化した古龍。ならば、ならば…。

 

 

 大地を踏み締め武器を振るい音を"集める"。

 

 

「私のするべき事はッ!コレッ!」

 

 

♩♩♩

 

 

 響き渡るは戦地に似合わぬ音色。しかしそれは志を共にする仲間には闘志をより高く燃やす稲妻の如き力強い音色、赤の旋律はは耳に届いた仲間の筋力を増大させる。

 

 

RrrrooooOOOッ!?!?

 

 

「………。」

 

 

GOAaaaaaaaA!?!?

 

 

 突然威力の増した攻撃に思わず怯む滅尽龍にすかさず盾で顔面をカチ上げると、流れるままに右前脚への切付け、更にここで蓄積された爆破やられが限界点へ、凄まじい爆発と共に遂に絶叫を上げたネルギガンテ。

 

 

「……すごい。」

 

 

 …思わず口から出てしまった。だって、余りにも全ての流れが完璧だったから、蓄積された爆破やられも、自身が得られる支援のタイミングも、相手の行動ですら全てが噛み合っていた。

 

 

「……お前のお陰だ。」

 

 

 私は貴方に合わせただけ、笛を吹いただけ、足を引っ張ったばかりじゃ居たくないから、私如きにかけるべき言葉ではない。貰うべき言葉では無い。…のにニヤケが止まらない…浅ましい自分に嫌気が刺すが、それ以上にこの高揚が、その言葉が嬉しくて堪らない…。

 

 

Urrrrr

 

 

 金剛石の様な棘は周りの細々とした棘と共にものの見事に粉砕され、外殻は欠落し、爪は折れ、肉が露出する。にも関わらず何事もなかったかの様に損傷したその前脚でしかと大地を踏み締め続けている。他の部位だって無事ではない。その筈なのに。

 

 痛くは無いのだろうか。庇う様な仕草も見られない。

 確実な損傷を受けても、未だその覇気は止まるところを知らない。

 

 …否、痛がる必要がない、萎む必要がない。

 

 この龍が後退する理由は無いのだ。

 

 

「……届かない…か…。」

 

 

「う…そ…?あれほどの損傷を受けながら!?」

 

 

 その驚愕は当然であった。

 焦げ分たれた肉は再び結合し、爆砕された棘は根元から外殻の再生と共に破壊前以上の成長を遂げる。そしてその程度に収まらず全ての部位の傷が癒えていく。

 

 時を待たずしてネルギガンテは動き出した。

 

 

OOOOOOOOOOOOOOOッ!!!!!

 

 

 高く高く雄叫びを上げる。高く高く天高くへと、二足で大地を踏み締め、翼を広げ、両前脚は在らん限りに広げられ、在らん限りに咆哮する。

 

 

 ふと、コチラを見た。怒りに満ち満ちた害悪の視線。

 

 

「…………握れ。」

 

「え?」

 

 

 唐突に差し出された手に驚くものの自分の手は何よりも早くその手を握り返していた。

 

 

rrrrr

 

 

 その手を握り返した時と同じくして、ネルギガンテは天高くへと、常識離れした瞬発力を持って飛び上がった。

 

 

 『不倶戴天』。同じ空の下で生かしておく事は出来ない。今この時より二人は真の『敵』となったのだ。

 

 

 損傷していた右前脚を振りかぶり怒りのままに急降下。これ以上に無いほど正確に落下してくる巨体を前にハンターは手を引き一歩前へ駆け出した。

 

 

 …恐ろしい粉砕音が背後しで響いた。一人なら身も氷付き、まともに動く事が出来なかった…。貴方の温もりが無ければ私は……。

 

 

 

????

 

 

 

 標的を見失い、いるはずのない方向へ首を振るネルギガンテ。その前方は彼の射出した金剛棘が至る所へ、あらゆる物を粉砕し突き刺さっていた。

 

 

RrrroOッ!?!?

 

 

 そんな隙を見逃す訳がない。すかさず追撃を加え、戦いのペースをコチラの方へと引き摺り込む。

 

 

 シナラもネルギガンテの眼前へと躍り出ると、巨大なその武器を顔面へ力の限り叩き付け、同時に閃く稲妻が迸る。

 

 

GOuGaaaaaaッ!?!?

 

 

 弱点部位を弱点属性でぶん殴られては流石のネルギガンテと言えど許容できるものではない。

 

 

 

 

 そして大胆にも敵の眼前で演奏を始めるシナラ。緑の旋律は仰け反り無効。龍の一撃は余波のみでも人程度軽く動かしてしまう。そんな些事で命を落としては笑えない。行動の幅を広げる大切な支援だ。が、そんな事をすれば格好の的以外に他ならない。

 

 

「………。」

 

 

GINyaaaaッ!!!??

 

 

 情けない悲鳴、そして続く爆発音。シナラがその視線を引き受けている間に効率よく攻撃を加えた結果、横から最後の一撃を頭部に与える事に成功した。

 

 

「フンッ!!」

 

 

 何も演奏の効果は仲間のみでは無い。勿論自分にも作用する。一発あたりの攻撃力ではシナラの持つ狩猟笛の方に軍配が上がる。そしてそれは適切な一撃が欲しい時にこそ輝く力だ。

 

 

GOooaaa!?

 

 

 太く、巨大に、頑丈に、捻れる様に横へと生えた悪魔の双角。その片割れが、粉砕された。

 

 

 このままでは反撃に移る事ができないと判断したネルギガンテは黒い翼を羽ばたかせ、風圧によって敵を吹き飛ばし体勢の立て直しを図るが、しかし、立て続けに頭を殴られたせいか脚がよろけ少しばかり羽ばたきが遅れてしまう。

 

 

「………。」

 

 

 すかさず頭部への盾による3連撃、更に強烈な振り下ろしにより強烈な一撃をくらい脳震盪による眩暈で行動が劇的に鈍化する。

 

 

 

 

 更にここで『王牙琴【雷鳴】改』に存在する全ての旋律を解放する。

 青の旋律は気絶無効。目の前のネルギガンテの様に意識が飛ぶ様な事が起きない様にする旋律ではあるが…ぶっちゃけそんな攻撃喰らった時点で終わりなのでおまけのおまけ、保険に一応と言ったら所ではある。

 

 

「………。」

 

 

 鈍化したと言えどそれは一瞬。今は自分たちのペースだからこそ上手く行ってはいるが、天秤が少しでもネルギガンテに傾けばあっという間に崩壊する。だからこそ死に物狂いで避けて、斬りつけ、殴り付けた。

 

 

 

 頭部から背中へ生え揃った金剛棘は粉砕され、荘厳な双角は破砕され、息も絶え絶え。どこからどう見ても満身創痍である筈であるのにも関わらず未だ倒れず、寧ろまだ前進しようとしているネルギガンテ。その耐久は尋常では無い。

 

 しかし。

 

 

Guooo……

 

 

 如何に再生に優れようと、如何に生命力に富んで居ようとも、こうも長時間に渡って着実に、確実に削られて行っては底が見えてしまう。

 

 弱りきった声と共に巨体が沈む。劇的なトドメは存在しない、しぶとく、泥臭く、どこまで行っても我慢比べに他ならなかった戦いには相応しいだろう。

 

 

「……終わったのですか?……信じられません。」

 

 

 そう言いながらへたり込んでしまうシナラ。空を見れば日は沈みかけていた。

 

 

「……ッ!!」

 

 

 突然ハンターの表情が驚愕に染まる。それはまるで何か大切な事を思い出したかの様な……。

 

 

「シナラ!まdGOOOOOOAAAAッ!!!

 

 

「え?」

 

 

 …消えた?どうして?あっいましたいました。驚きましたよハンター様突然眼前から消えるんですもの。……その赤い液体は何ですか?……どうしてそんなにグシャグシャ…何故ですか?…どうして…どうして私は声一つ出せないのでしょうか?

 

 

 

 

 

 …え?…いや…いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいいやいやイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤァァァアッ!?!?!

「イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤァァァアッ!?!?!」

 

 

 

 『古龍は殺せない』…その膨大な生命力は致命傷すら癒してしまうから。と、されているものの、古龍をそこまで追い込む事は難しい。迎撃戦に於いても致命傷を負う前に撤退する為に難しく、まして自分から古龍の元へ赴き致命傷を合わせる事例自体少ないので正確な情報では定かでは無い。

 

 

 結果的に立たなくて正解だったのは運故か。もし立っていればハンター諸共、掌撃の餌食となっていただろう。

 

 

GUrrrr…

 

 

「うるさいですねハンター様。少しシズかにさせます。しばしおマチください。」

 

 

GUrrr??

 

「コロす。」

 

 

 即死の攻撃を恐怖なく、厭わず、躊躇わず、懐に潜り込む。まるで自壊を恐れぬ目の前の滅尽龍の様に…。

 

 

AAAAAAAA

 

 

「ガハッ!?」

 

 

 奮闘虚しく。

 しかし彼女には強靭な外殻も、桁外れの生命力も持ち合わせては居ない、人であった。こうして生きているのもネルギガンテの狙いが甘かったおかげ。

 

 

「…ごめんない…不甲斐ない…こんなっ…すみません…。」

 

 

 ふと見上げれば何処かで見た光景、それは体を覆う巨影。

 

 

 古龍とは世界である。滅尽龍のあらん限りの破壊も全ては自然の中に組み込まれた言わば「破壊の秩序」。今ここで彼女が死のうと、街が壊されようと、多くの命が潰え様と、それは避けられない自然の法に他ならない。ただ一人の無法者を除いて。

 

 

 …あぁ、そう言えば前もこうなって、助けてもらったっけ…本当に私は……

 

 

GINyaaaaAAAッ!!!??

 

 

 首を狙った側面からの一閃、後の爆発。切り口は浅いがその後の爆発が的確に被害を拡大させ、その巨体を再び地に伏せさせる。

 

 

 死の秩序に真っ向から争う存在は唸りを挙げて理を断する。

 

 

「え?……生きて?……よ…よっよかったぁぁあぁ"ぁ"〜。」

 

 

 安堵から零れ落ちる大粒の涙。普段の彼女からは想像もできない。非常に幼くか弱い姿。声を掛けてやりたいのは山々ではあるが…

 

 

「………。」

 

 

 その視線は絶えずネルギガンテに送られている。底が見えたと思えばそれはただ暗くて見えてなかっただけ。他の古龍でもここまでは無い。【古龍喰らい】は伊達ではない。

 

……

………

 

 

Rrrooooo…

 

 

 

「………あ"?」

 

 

 二度ある事は何とやら。三度立ち上がるネルギガンテ。正しく途方も無い。未だ衰えることの眼光には未だ底の抜けの生命力を薪とし燃えている。。

 

 

「くっ、本当にコイツは!……ハンター様?」

 

 

 泣きは何処へやら、やけにドスの効いた声と共に武器を構えるシナラだったが、ハンターに手をかざされすぐさま前進を止める。

 

 

「………。」

 

「…どうして、止めるのですか?」

 

 

GUrrr……

 

 

 一歩、一歩と後ろへ後退る。その瞳は何処か苦しげで渋々といった様子ではあったが、これ以上は意味が無いと判断を下したのか、それはネルギガンテにしか分かり得ない。暗い森は傷ついた悪魔を確実に隠して行き、その眼光も遂に見える事は無くなった。

 

 

「……帰るぞ。……家に。」

 

「………ッ!!!はいっ!みんな、待ってますものね!帰りましょう…“私達の家に”。」

 

 

 

 

 

 

「……?。」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「こんな速度……いえ、ハンター様すみません…お手を煩わせてしまいました…。」

 

「……生き残ってからだ。」

 

「はい…!」

 

 

Ooorrrr

 

 

「………死ぬな。」

 

「見苦しい姿はこれで最後です。」

 

 

「………。」

(あっぶっないっ!取り敢えず無事やな?本当にシナラ居ないと詰むから。初手からこんなの要求されるとか頭お菓子☆(19乙))

 

 

 シナラを狙ったダイブがハンターによって外れた事により、ネルギガンテの排除の優先度がハンターへ集中する。

 

 

「………。」

(いいよぉ、俺に対してならいくらでもやりようがある。シナラはネルギガンテの圧倒的オーラのせいで初めはデバフ喰らって本領発揮できてないからな。それまでは何とか……しようとして27乙。ん?俺は?こんなの慣れたからな(8乙))

 

 

 地面を砕きながらの前脚による薙ぎ払いを行うネルギガンテ。ゲーム内では一回のみの行動ではあるが…

 

 

「……。」

(二回なんですねぇ!しかもコイツ1回目で場を荒らしてからの超ホーミングニ回目で確実に狩りに来るからギリギリで避けんと死。(6乙))

 

 

 外れた事を確認するや否やすぐさま棘の生えそろう巨大な翼を大地に擦り付けながら全てを巻き潰す突進を繰り出す。

 

 

「………。」

(これは何とわざと速度を落とす事でホーミング性能を高め、当たるタイミングで翼を広げてアッパー、カチ上げからの叩きつけデスコンボです。クソがッ!(6乙))

 

 

 これもまたギリギリまで引きつける事でアッパーを誘発、その瞬間腹部は無防備にさらされる為飛び込んで斬りつけ、即離脱。

 

 

「………丁寧に…。」

(深追いダメ絶対。(11乙)……どこいくねーん!やめろ!まだシナラ覚醒してないんだぞ!覚醒前は本当に…本当に不味いから!(24乙))

 

 

 突然ターゲットをシナラに切り替えると、素早いステップからあっという間にシナラの前に立ち塞がると左掌を構えて引っ掻き付ける。前世でいう所のネコパンチだ。

 

 

「……シッ!」

(全然シャレに何ねえんだよ!それ即死だからな?(19乙)出が早すぎなんだよ!)

 

 

 ギリギリで尻尾を切付け爆発を起こしネルギガンテを怯ませることに成功。再びヘイトがハンターへと向かう。

 

 

♫♫♫

 

 

「……!」

(おっしゃ!仰け反り無効!これで攻めに転じやすい!……攻撃欲しいなぁ!!旋律ガチャホンマ…気絶無効とか要らないから…。)

 

 

 尻尾を振り下げてからの薙ぎ払い、だが遠ざかる尻尾とは反対に前脚が土埃を上げながら迫ってくる!

 

 

「………。」

(何でそんな器用なことできるん?まずお前何で特殊個体なん?何でそんな頭良いん?泥掛けとか小細工使うなや!死ぬやろ!(死んでる))

 

 

 特殊個体『悉くを滅ぼすネルギガンテ』。プレイヤー間では「コトネギ」なんて呼ばれ方もしているが、そんな可愛いものではない。歴戦の通常種がいつの日か絶え間ない破壊と再生の中で取得した『金剛棘』を各部位に備える遥かに巨大で黒ずんだ体色を持つ個体。『金剛棘』は離別の証。その一生を戦いに身を投じる事とした覚悟の証。

 だからこそ、それは硬く、早く、より遠くへ飛散する。徹底的な殺意と共に。

 

 

「…………ここまでk。」

(ちょこのタイミングでネコパンチはっ!待って!それ王ネギの飛び込み早すぎてd。)

 

 

 また一乙を重ねる。

 

 

「…………。」

(を、避けますっと、知ってりゃ何とかなる。だから知らないの辞めて本当に計画壊れちゃぁうあうあう"〜(汚声))

 

 

 そうして時間は過ぎて行く。着実に積み重ねた死の上に、確実に積み上げられた生を支えながら。

 

 

「……。」

(ここでシナラの手を引きます。ここまで来たら後はお祈りです。シナラが覚醒するんでネギがデレてくれるのを祈ります。……長期戦は相手の方が上手だが、何と痺れを切らしたネギは行動が雑になる!これはアド!圧倒的アドバンテージッッッ!)

 

 

♩♩♩

 

 

「………!」

(ッシャオラ!攻撃アップ!待ってました!ホラホラホラホラどうした?足も足も翼もでまい(油断))

 

 

 激しい損傷を受けるものの、あっという間に再生すると本種最大の大技を披露する。

 

 

「…………握れ。」

 

「え?」

 

 

「……。」

(よかったぁ握ってくれた!…側から見れば俺キモ過ぎやろ。ママそれは置いといて(致命傷)コイツのホーミングはえげつないが、しかし、足元アンチなんだよなあ!(7乙))

 

 

 ネルギガンテからすれば突然姿が消えたも同然。辺りを見渡すその隙が決定打となった。

 

 

「………。」

(動かすな!やれ!削り切れ!凄まじい火力だ!よっしゃ両角破壊!何なら三音演奏入りました!気絶無効とかは余計やけどな。惨めだぁ…もうメスに求愛できないねぇ。コイツ雌雄同体だけど。)

 

 

 このペースを、この流れを無くせば恐らく次は無い。

 

 

「………クソg。」

(次は無いつってんだろ!ホセ!ホンマにしn。」

 

 

 また1乙を重ねる。

 

 

……

………

 

 

 このペースを、この流れを無くせば恐らく次は無い。死に物狂いで回避し、攻撃し、回避し、攻撃を続けて続けて、とうとう、その時はやって来た。

 

 

Guooo……

 

 

「………。」

(脳内ファンファーレ再生余裕でした。あ"〜疲れたよ"〜。シナラもへたり込んでらぁ、じゃお隣失礼し……何か忘れてる様な…確か…………あっ。)

 

 

…………

……

 

 

「ぐうぅぅ………ッ!」

(イッテェええええええ!!?!生きてる?俺生きてる!!気絶無効とか要らん言ってすみませんでした!靴舐めて生きてきます。はっ!シナラは!?…すっげえ大立ち回り、もっと早くそれやってほしかった。)

 

 

 それも長くは持たない。攻撃が掠り倒れ込むシナラ。急ぎ向かわなければ、彼女が死ぬ所は、何度見たって慣れない。慣れるものか、死なせてたまるか。そんなの俺だけで十分だ。

 

 

「…………。」

 

 

 …体は…何故か動く。まるで鎧が俺を動かしてるみたいだ。

 武器は…滾りに滾ってる。まるで本懐をなさんと必死になってるみたいだ。

 

 

「…良い調子だ。…これ以上に無いくらい。)

(…良い調子だ。…これ以上に無いくらい。)

 

 

 冴え渡った一撃は、それを捉えた。

 

 

……

 

「あ"?」

 

「…………。」

(こええよ。もうやめよう、な?ほらネギも逃げたがってる(多分)…ほら!逃げて!お願い!本当にしぶと過ぎ!耐久お化けはこれだから嫌なんだ!お前実質3乙しただろ!…マジ?めっちゃ渋々って感じだけど逃げは逃げ!ほら!俺らの勝ち!な?クエストクリア!終わり!おめでとう!解散!)

 

 

「……帰るぞ。……家に。」

(みんな結果報告待ち侘びてるやろし、帰還や帰還。お帰りじゃ!)

 

「………ッ!!!はいっ!みんな、待ってますものね!帰りましょう…“私達の家に”」

 

 

 

 

「……?。」

(…え?。)

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ハンター君

「え?」

 詰めが甘いことに定評がある。…今回はかなり死んだから仕方ない?

 

 

シナラちゃん

 古龍の領域内で、何なら特にヤバいやつの更にヤバい方の殺意にビビり散らかすも無事クリア。

 

悉ネギ

雑魚かぁと思ったら、負けまぁ〜したぁ。チクショォォォオ!!!

 




シナラ「私のするべき事はッ!コレッ!」

    〜気 絶 無 効〜

ハンター「(絶望)」
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