モンハンは狩ゲー?いや死にゲー   作:Ωが来た!

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 獣竜種 竜盤目 獣脚亜目 前脚拳竜上科 ブラキ科

 モンハンのこう言うところ好き



21乙目・脱線

 

 

Gurrrr…

 

 

「………。」

 

 

 睨み合いは依然と続く。視線は交差し、その意識の殆どを相手に向ける、或いは向けざる負えない……はたまた、思わずして目を向けてしまう。

 

 あれだけ苛烈に攻め立てていたのであろう砕竜には、もはや目もくれることはない。…興味すら失せてしまっている。

 

 

BGurraaAッ!!

 

 

GAAッ!!?

 

 

 そしてそれは余りにも迂闊。雌伏に耐え得た機会を逃すはずが無く、舐め腐るなと言わんばかりに、横面目掛けて反撃の拳を振り上げれば!BOMと気味の良い音を響かせた!

 

 

………ッ!?!?

 

 

GYaryArrrrrrr!!

 

 

 砕竜は、その呻めきは、確かに震えていた。

 

 その拳は確かに届き、その下顎を半ばから粉砕せしめたが、それではこの化け物には届かない。その事実が、己など眼中に入れなかった理由が、その意味が、絶望的に歴然と存在していたが故に。

 

 半ばから粉砕されようとも、もはや表すことも難しく、水々しく粘着質な咆哮を伴って、震えた砕竜を再び地に伏せさせた。

 

 

GgYarAyArrrrrrr!!

 

 

gsrooooAAA!?

 

 

 時に、ネルギガンテの発達した前腕の筋力は凄まじく、あの【健啖の悪魔】『イビルジョー』に喰らいつかれて尚、その凶悪な顎を無理矢理抉じ開け、反撃に転じることが出来るほど。それが出来る生物は、これ程までに真っ向からそれを達成しうる生物がどれほどいると言うのか…。

 

 

「……!」

(投げ飛ばし…あれ落ちるくね?……なぁ!?!…本当にパワー系過ぎる…脳筋は脳筋でとことん突き抜けてんな…。)

 

 

 構うのも鬱陶しいと言いたげに、叩きつけた顔面を地面にめり込み、擦り、抉りながら、勢いそのままにしてぶっ飛ばす!

 

 その飛距離たるや否や、ほぼ同サイズか少し小さいくらいであるはずが嘘のよう。擦られ、回転し、しかし殺しきれない勢いは止まらず、果てに砕竜は火山を転げ下り落ち、踠きばたつかせ、悲鳴…と呼ぶには厳つ過ぎる声を上げながら煙と岩に消えてしまった。

 

 

「……邪魔者…だった訳か。」

(え〜、ブラキ退場です。…よくやった!澄まし顔かましてるが、顎ぶっ飛ばしたのは効いてるは…治ってますやん、何この化け物(真顔))

 

 

 さて、本命と言わんばかりに此方を見つめる。

 

 唸りはすれど、咆哮は無い。咆哮とは最後の警告を表す。…その最後は、とうの昔に過ぎ去ってた。

 

 

 

………

……

 

 

 

GYaaaaaA!?

 

 

「……。」

(ホラホラホラホラ!ホラァ!あ〜あ!せっかく生やした自慢の角が折れちゃったねぇ!メスに求愛出来ないねぇ!そんな無様な君を!一体誰が振り向いてくれると言うんだい!……性別ないけど。)

 

 

 ハンター自身の予想に反して、天秤は此方へ傾き続けている。

 

 確かに死んだ。だがそれも未だ二桁台に突入する事はなく、そんな状況がハンターを煽りカスへ変貌させる。

 

「……。」

(あかん、こんな事なかったから歯茎が出ちまうw…待て待て油断するな、多分こいつは本調子じゃない。まだまだ前回の戦いを引き摺ってる可能性があるw)

 

 

 歯茎出てますよ。

 

「………。」

(歯茎が止まらんw(意味不明)あっと不倶戴天は前に飛び込んで、と…やっぱり理解してなかったか、あれだけキョロキョロしてたからなバレバレだ。…もう通用しないやろうけど…次を無くせばいいんだよ!オラ!4ね!)

 

 

 今更になって理解してももう遅い。いくら古龍、それも特殊個体と言えど、その行動は看破され身体的にも万全ではないとくれば、劣勢は必然だった。

 

 古龍は確かに一線を画せど、何処まで行っても生物なのであるから。

 

「……本当に?…………。」

(え?本気?……本当に?!…勝てちゃったよ。…なんかアン戦の前座ギガンテ味を感じて怖い。本当に大丈夫?こっから地下からゴグマとか出てこないよね?……………。)

 

 

 力無き、振り絞るような鳴き声を上げながら横たわるネルギガンテ。

 その姿はゲームでよく見た死に様であり、故に一際目を引くモノがそこに広げられていた。

 

「………。」

(………ネルギガンテの…肉球ッ!……これは死亡確認や!そうやから!…そろりそろり…と…。)

 

 

 仰向けに転がされた掌、凶悪な鋭爪に似合わないそれ。野生感が強いが、ほのかに赤みを帯びたいかにも肉厚なそれに目を奪われ、とうとうジリジリそろそろと…。……ムチブニと。

 

「…!…まだ、暖かい。」

(なんだこれぇ!?お前が持ってていいもの違うやろ!けしからん!けしからんぞ!)

 

 

 最低限近づくとそこに身を屈め、腕を伸ばしてその感触を確かめれば、非常に弾力がありやや硬質、しかしそれも張り詰めた肉故の感触であり手触り自体も程がよく。…これは……、査定の結果はG級もやむなしか?

 

 

…………

 

 

「……ふむ…。……ッ!?」

(…ん?視線を……ッ!?……おれ…しぬのか?……。)

 

 

 気付くのが遅いと言わざるおえない。この至近距離、いや接触すらしている距離感では、何をされても反応する事はできない。

 下手に動けば次の瞬間には叩き潰されている自分が目に見える。

 

「………?……!」

(なにも起きない?…てか…敵意を感じない?…あのネルギガンテから?嘘だろ?俺もう死んでるのか?…覚悟決めろ、ゆっくりだ、ゆっく…あっうそ…)

 

 

 余りにもネルギガンテに注意を割きすぎた。後ろへ後退りをするもののここで躓く凡ミスを発生させてしまう。このまま無様に仰向け倒れ…

 

 

「……!…不味い!」

(とはならん!そんな凡ミスはっ!しない!……力入れすぎてね?え?うそだろ!?)

 

 

 後ろへの力を打ち消すために、前へと体を振れば確かに戻った。…力を込め過ぎ無ければ。

 

 目の前には肉球。飛び込みへの進路は、もう変えられないようだった。

 

 

「………。」

(ネギの肉球ダイブした奴なんて、人類史上俺が最初で最後だろうな。)

 

 

 ………

    …………

……

 ……

 

 

「………。」

(え?何この時間、許されてるの?…ちょっと失礼…今度こそ慎重に後退りを…、このくらいか?…うおっお、起き上がった…一体何が起きてる?これは…どう言う事態なんだ?)

 

 

…rrrr

 

 

 十分に距離を取ると同時に起き上がったネルギガンテは少しの沈黙の後、自身の掌、ハンターが触れ、倒れ込んだそれを見ると、次はぐるりぐるりとハンターの周りを歩き始めた。

 

 絶えず視線を送り、何処か興味深そうに…気付けば、そう、本龍ですら意図していなかったのだろう、その距離は目と鼻の先になっていた。

 

「……なんだ。」

(うわっ、ネルギガンテの鼻息つっよ…、コイツ何処見てる?…もしや…俺の手か!?…ほれほれ…本気かよ…。……やってみるか?駄目だったら、それまでだし、凄く死にたくはないが、やる価値は…………あるはずた。)

 

 

 ハンターが手を、盾を装着した右手をゆっくり振ると、その首は、その視線は確かに釣られていた。

 ……覚悟を決めてやるべきか?…このような事態に遭遇する確率を考えると、そしてそれが自分であるなら、やってみるべき…結論に至ったようだ。

 

「……鱗は、冷たいんだな。」

(うおっ、ひんやりしてる。)

 

 

………!…………

 

 

 双方にとって奇妙な体験は、ネルギガンテから断ち切られた。触れられている鼻先を逸らすとそこからは、何もなく、振り返る事なく、起きたことを考えると余りに呆気なく飛び去ってしまった。

 

「………なんなんだ?」

(何だってんだよ、誰か教えてくれよ、本気で。……にしても鼻息エグかったなぁ。降りるか、んで、帰るか。)

 

 

 それこそ本当に何もなく、街に帰ることができた。

 

 ……それと滑落して行った砕竜であるが、落ちたであろう場所はあるのだが、何もない辺り、生きてはいるらしかった。……いくら生きようと、この世界の生物の生命力には度肝抜かされてばかりである。

 

 とは言えど、それは人間にも当てはり引いてはハンター自身もその中に入るのだが。

 

 

 

………

……

 

 

 

「はいこれ、お土産の石鹸。火山帰りは硫黄臭い言われるからね、適当な場所で体洗うといいよ。」

 

「…ありがとう。」

(言われてみればくせえな。……結局全然騒ぎにはなってなかったな…。本当は良くないんだが、黙ってるかな……あのネギがあれ以上の事をする事はない。…気がするんだよな。)

 

 

 石鹸をもらいながらも、事を思案する。ネルギガンテ出現を知るものは誰一人としていなかった。確かに噴煙と曇天により空からの観測は難しく、モンスター自体にも特段変化がないと来た。

 

「…本当に帰っちゃうのかい?もう少し居ても良くないか?」

 

「……これ以上空けられない。」

(いやそうしたい気持ちはあるけどね、色々と残して来た憂いが多すぎてな。)

 

 

「それもそうだね、それじゃ!また何処かで!」

 

「……。(手を上げる)」

(ほな!)

 

 

 その別れの挨拶を最後にして、チャーターした竜車に乗り込む。

 その中身はこの数日で集めに集めた物品で一杯だ。様々な鑑定済み護石、その他副産物。する事もなく、寄る理由のある場所も無いため直帰であるが、何処か忙しなく…。

 

「………。」

(何だこの胸騒ぎ…何か致命的な間違いというか、このまま進んではいけない道を歩むような感覚は…。警戒はしておくが、それはそうとして護石でも観とくか。)

 

 

 それはまるで戦闘前のような胸騒ぎ。…警戒は抱けどできる事はない、せいぜい鑑定済み護石のラベルを読んで、効果を確認するくらいだ。

 

「……!」

(『属性やられ耐性』レベルは1、ゴミ、ゴミ、これもゴミ。これは…なんだ見たことないぞこれ?『効果強化』…???…使用者の持つ効果を強化する?…アバウト過ぎないか?…面白そう、これ付けとこ。んで次は…『飛び込み』うん、ゴミ。)

 

 

 中にはもはやスキルと呼んでいいものか?と迷うところの物もあった。

 

 

 

………

……

 

 

 己の掌を見る。

 

 …未だあの感触は拭えない。不快にあらずしてしかし、何であるか?

 

 アレは一体なにか?このザワメキは何にか?己は、アレを、どう感じている?

 

 わからない。それを表す手段も、思考も、持ち合わせていない。……ただ、経験ならば、己が目にして来たそれには、似た事象が存在する。

 

 ふたつだ。ふたつは何をしていた?珍妙な行動と、触れ合い、見つめ合い、それらが帰結するのは…極上のふたつが言った求愛なるものであるならば?

 

 ふたつは互いに示しあっていた。アレがそれを示していたなら、己も示すべきなのか?…しかしそれを持ち合わせていない。

 であるなら作れば良い、あの時己は咄嗟に息を吹きかけた。少しでも己を残す為に、できるだけ近く、強く。…それが答えで、応えであるならそうとしよう、うむ、そうするべきだ。

 

 あの時、あそこまで他者と触れ合ったのは初めて出会った。そこに破壊は無く、今まで感じたことのない穏やかな空間。

 知る由もなく知る必要も無い経験ではあるが、悪い気はせず、寧ろ良きとすら思える。

 

 今一度、見えなければならない。

 

 そうすればわかるかもしれない。ふたつの意を。

 

 

 

 もう少しだ、もう少しで解る。もう少しで…ふたつになれる。

 

 

………?

 

 

 成れる。成れる?…成れるのだ!等々現れた片方が!

 

 決して見逃してなるものか!必ずや、己とアレは必ず!

 

 

 

 

ふたつになるべきなのだから!

 

 

 求める気持ちは尚止まず、ふたつの執着は悪魔的融合を果たしてしまった。もとより、成るべきでは無いにもかかわらず…。

 

 

 

………

……

 

 

 

「……。」

(…果たして俺は、本当にこの扉を開けるのか?…物凄い嫌な予感がしてならない。……ちょっとだけ…覗くか。)

 

 

 極めて静かに扉を開けて様子を伺う。……明かりはなく、また人も居ないようだった。

 

 

「…なんだ?」

(…なんだよ、何も無いじゃん。てかなんで自宅に入るだけなのにこんなピリピリしないといけないの?…おん?)

 

 

 どたどたどたどた!

 

 階段を駆け降りる音がする、誰かは何となく察するが、何処となく既視感が…。

 

「ハンター様!もう!帰ったのでしたらもっと主張して下さい!」

 

 ごもっとも。

 

「…ああ。……っ!……。」

(これに関しては何も言い返せん。…なんか脳内警報がカンカンになってるんだが?…んお!飛び込んでこないでよ…。)

 

 

「ハンター様!ハンター様!お待ちしておりました!私はずぅっと!お慕いしておりますから!〜〜〜〜ッ!……………。」

 

「……?」

(息を吹き掛けられたかと思えば今度は息を吸われるのか…、何が良いんだかね?…なんか静かになったな。)

 

 

「…ハンター様???…なにをされたんですか?」

 

「……???…採掘だが。」

(何を?そりゃ多少のイレギュラーはあれど基本は採掘よ。何だ?この悪寒は?

 

 

「そうですか…。そうでございますか…。…かしこまりました。では!まずは夕御飯と致しましょう!準備は整っておりますから!」

 

「……そうか?……ルーツはどうした。」

(何をだ?俺は何を見過ごしている?…いやまずはもう一つ、ルーツだ。アイツも真っ先に現れそうなものだが…。)

 

 

「ああ〜、私が帰って来た時点でハンター様の部屋に閉じ籠りっきりですが、食事は扉の前に置くと消えて、暫くするとカラの食器が出てくるので心配は入りません。そして…恐らくは本を、読んでいます。……あの調子ですと読破するまでは出てこないでしょう。」

 

「…相当だ。」

(……何だそりゃ、今日は二人飯か。)

 

 

「はい、かなり入れ込んでいる様子で…。ささ!装備は預かりますから!」

 

「そうか。」

(ちょっと気が引けるが、断ってもやるんだろうな…。さて、今晩は何かな?)

 

 

……

………

 

 

 奥へと消える彼の背を見送る。彼から預かった装備を握る力が、強くなっていく。

 

「それは、いけません。影をちらつかせては、欲しくなってしまいます。……目の届くところで。私の目しか届かない所に…。」

 

 

 切ないの…、途方も無く苦しくて、考えたく無くて、でもそれは良く無くて…でも、しょうがないよね?貴方が離れてしまうことが、誰のものでも無い貴方が、誰かのものになるというのなら、私は…、私は…ワタシも… 私のモノにしたって、仕方がないこと… ですものね?愛しい愛しいハンター様?

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「………ッ!?…(ガチャン!)……!?!?」

(何だ?何か壮絶なことが起きた気がする…なっなっなっ!?なんだこれ!?!?何で鎖!?大の字でベットに括り付けられてる!?!?てかここは何処だ!?俺何で半裸なんだ!?おいここ俺の家じゃない!?……。あれ?おかしいなぁ

 

 

 溺れた側から息を吸うかの如き目覚めの後。目まぐるしい異常に混乱し、さて落ち着けとばかりに動作確認を行う。まずは…。

 

 

 右手を動かす。 ガチャン

 

 左手を動かす。 ガチャン

 

 右足を動かす。 …………

 

 左足を動かす。 ガチャン

 

 

「……?」

 

 

 右足を動かす。 …………

 

 

…まさか。」

(おかしいだろ…なぁ!何処言ったんだよ!俺の右足ッ!?(・・・・・)

 

 

 ………

 

 

「ハンター様?起きましたか!はぁ…良かった。何分人に使った(・・・・・)のは初めてで…。ハンター様と言えど声が震えてしまうのも仕方がありません。ですが、良かった…震えた貴方も、今や私だけ…。」

 

 

 闇の奥から声がする。姿は見えず、この状況に於いては場違いな程に明るく、何処か満足げに。

 

 

「……シナラ、やったのか。」

(シナラ…お前まさか………ッ!?…落ち着け!クールになれる、なに、膝から下が無いだけだ。……うん、致命傷ですねっ!)

 

 

「はい!あぁ…イケズなハンター様、ああも主張されては、私も黙っていられませんでした。…いけません、それは断固としていけません!貴方が誰かのものになるくらいなら!いっそのこと!」

 

 

「大変心苦しかったです。ですが貴方の自由の為なのです!ハンター様を追う者は多く、そしてアレの目をくらます為には、必要なことだったのですから…。しかし心配には及びません、不自由などと言う心配はいりませんとも!私がお側に居ますから…。」

 

「……ルーツは…。」

(おい待て、ルーツはどうなった!?…いや別に身を案じてる訳じゃなくて寧ろ案じてるのは世界の方なんだが。)

 

 

「厄災に付き纏われ続けたその心労お察し致します…。そして申し訳ございません、貴方の武器を、勝手に使用してしまった事について。」

 

「……どうなった。」

(……まてまて、嘘だよな?)

 

 

「いかにその名を冠すれど、生き物という事に変わりはなく、少し仕込みを入れれば、コロっと眠るもので… 細かく(・・・)して箱に詰めて、貴方の剣を突き刺しました。あとは海にでも撒かれればと川に流してしまいました。」

 

 

「……そうか…死んだのか…。」

(え?ぐっっろ…流石に死んだよな…。てかナチュラルに家宝流さんでくれ。)

 

 

「いえ、生きてます。あちこちで破壊を招きながら確実に近づいていましたので、そこでハンター様の右足を頂戴し、なぜかやって来たネルギガンテをぶん殴って腹に詰める事で何とか撒くことができました。」

 

 

「……何だと…街は…?」

(え?…え?パワーワードのオンパレードすぎるって、今世界はどうなっちゃってんの!?)

 

 

「不思議とあの街には現れませんでした。貴方と共に通過した地点を淡々と襲っては居ましたが。」

 

「……そうか。」

(はっ、何だよそれ、俺のせいじゃんか、絶対死人出てるよなぁ…、ああクソッ!何だってんだよ…。俺は何を間違えたって言うんだ?)

 

 

「そうです!せっかく2人になれましたし!2人でしか出来ないことをしましょう!…せっかくの男女水入らずなんですから。」

 

 

 光が灯る。暗闇が照らさせると同時にその部屋の異様さに気付く。

 

「……どう言うつもりだ。」

(あっ、盾だ。防具もある。…ちょっと待て、何でこうもいつも通りなんだ?)

 

 

 そう、いつも通り。拘束さえなければ、いつでも装備をまとめて狩りに行けてしまう様な、窓も有る。装飾もまるで我が家の様に、ただここにいる自分のみが異物とでも言う様に。

 

「どう言うつもり?…こう言うつもりです♡」

 

 

「………ッ!?」

(ななな!?女性の下着姿は俺には刺激が強すぎる!…落ち着けよ、俺の足を飛ばした女だぜ?…うっほ、やわ…。)

 

 

「流石に、貴方様の前でいきなり全裸は恥ずかしく…。下着からにはなりますが、気に入って頂けましたか?」

 

「…そうだな。」

(……こんな道中じゃなかったら、馬乗りシチューも美味しかったんだろうけどなぁ…。)

 

 

「もう!本当ですか!?…もっと…ですか?もっとしないと、見てもらえないのでしょうか?……ハンター様……。」

 

 

 やや膨れっ面に問い掛けながらも、直ぐに俯き、自信のない声色で縋るようにその名を呼ぶ。

 ふいに両頬に手を伸ばして顔を固定する。

 

 シナラは…彼女は、女の象徴たる双球を眼前の男に、その傷だらけの胸板へ押し付ける。

 

 ようやく見えた彼女の瞳。濁りなく、曇りなく、光あり、爛々と、しかし渇きつつある。……いと愛しげに彼を包み込み、そして何処か晴れやかに、情気した肌はいと艶やかに。

 

 その表情は獲物を前にした捕食者の様に、白い吐露と共に蕩けた舌を出す様はどの様な事にあっても劣情を誘い、実に淫靡であった。

 

 

 事はまだ、始まったばかりだ。

 

 

 





 この後ずっこんばっこん…では済ましません。
 ハンター君にはもっと漬物みたいになってもらわないと。
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