モンハンは狩ゲー?いや死にゲー   作:Ωが来た!

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 こんなご供養小説を読んでくれてありがとうございます。
 今回は純戦闘回です。上手くできた気がしない…


四乙目、pride

 

 火、それは人類を導く希望の光であり、良き相棒でありながら、しかし驕り、自惚れて仕舞えば我が身を焼く敵になり得る気の難しい隣人だ。

 

 

 黄金の双眼に狩人を写し、滾る炎を射出する。『ブレス』、多くの竜種が行う基礎動作でありながら、個性の塊たる行動だ。

 

「…………。」

(あっちぃ!避けたのにこの熱風、本当に怪物だな……なにっ!。)

 

 避けられる事は想定内、難なく横へと身を転がす。しかし避けられると事も想定内だ、爆炎の向こうから竜の右から左への横振りの尻尾が振り向けられる。込み上げる黒煙を薙、毒棘を蓄えた一撃が……

 

「………ッ!」

(頭を下げれば大丈夫ッ!オラッ!そこ!)

 

 回避、振りかぶった反動で此方に出された頭部を斬りつける!

 

 

KOoAaaa…!

 

 

 苦悶の声を上げる女王、すぐさま頭を引いて左へ振りかぶった尻尾を右へ振り払うも、これもまた脚元へ潜り込む事で回避され、甲殻どころか鱗も無い腹を斬られてしまい堪らず怯む女王。しかしやられたばかりでは彼女の誇りが許さない。

 

GOOOOOッ!

 

「………ッ!クソ!」

(え?マジ!お前この体勢で無理y。)

 

 強靭な脚力に物をいわせ、翼を器用に使いバランスを保ち、尻尾を前へ縦方向にぶん回す!直下の地面を抉り飛ばし!空中で360°の大回転!

 前世でも、そして今世でもリオレイアと言えばの代名詞『サマーソルト』が炸裂した!

 

 

 

 一乙目

 

 

 

「………意地、見せてもらった。」

(サマソルは大技だからある程度体勢が整わないといけないと思っていた…実際ゲームでも予備動作があったが……流石上位個体、意地と根性を見せてきやがった!)

 

 再び対峙、飛び出す火球、今度は後ろに回避、そして響く地鳴り、黒煙を割って出るは女王の顎、人一人程度は余裕で収まるその口腔に、掌より大きい鋭牙を揃える自然の凶器、燃える炎を迸らせ、喰らいつかんと振り下ろす!

 

「……ぐぅ〜ッ!フン!」

(いなせ〜ッ!くそッ!)

 

 対する狩人は右手に構える盾を女王の横っ面へ押し当て何とか攻撃を受け流し、無防備に晒された頸筋!…では無く得物を喉元へ斬り上げる!

 

KOoAaaa…!?

 

 驚く女王、その場凌ぎに刃から逃げる為に持ち上げた力を利用して、体を素早く半回転、あたりを無差別に薙ぎ払う。

 

「……グッ!?」

(やめろ!狙いの無い攻撃が一番避けずr。)

 

 回避をしようとも狙っていない攻撃は合わせ様にも合わせられない、つまり運要素が絡みやすい。そしてまぁ、単純に付いていなかった…。

 

 

 

 ニ乙目

 

 

 

 火球を後ろに回避し、降り掛かる顎を受け流し、無防備の喉元を斬り上げる。ここまで順調問題なし。

 

「……、…ッ!」

(外に出ても尻尾が長いから逃げられず、その場で回避は運が絡む…ならば更に攻める!すなわち潜り込む!)

 

 逃げるのでは無く、かと言って止まる事で無く、更に懐へ飛び込むハンター、踏まれないようすぐさま脚を切り付け頭上の腹へと刃を滑らせる!

 

KOo!nGoooAaaa…!

 

 無理矢理な体勢で動いた為思う様に動けずに、更に脚を切り付けられた事で踏ん張りが効かずに大技にも移れない、それでも転倒しないのは流石だが、碌な反撃もできずに大きく仰け反る。

 

「は?」

(よっしゃ押してる!体力制じゃ無いから弱点を狙えばすぐに沈む、……は?)

 

 大きく仰け反る、確かに痛みに耐えかね仰け反っていた、その口腔に在らん限りの反撃の炎を溜めて……

 

 

 

 三乙目

 

 

「………根性か……。」

(怯みカウンターブレスとかゴリ押しにも程がある…流石モンスターの生命力だからこそできる事だ…。)

 

 ゲームなら三乙で終了、ゲームでなくとも三乙目で危険と判断され即座に問答無用で撤退だが、多くの場合一乙で身を退く。理由は単純、生き残っただけで奇跡、そんな奇跡を棒に振る輩などいないからだ。

 

 

 

 行く度に及ぶ対峙、試行錯誤を重ねる。

 

「ッ!グボァッ!…。」

(毒棘デカすぎ!毒とか無くても死ねる。)

 

 さっきは毒棘に串刺された、毒は気にするな…。

 

 ある時は捕まり、その身を食いちぎられた、行動を更に注視しろ…。

 

 また突進に轢かれた、受け身を取ればまだ戦える、早く慣れなくては…

 

 噛みつきに炎を付与され焼かれたところを轢き潰された。範囲が広くなる。その顎を確認せねば…。

 

 度重なる死、しかしその屍の上に得た経験を持って女王を確実に、追い詰める。

 

 黄金の双眼は色褪せる、翼は破れ、鱗は剥げて肌を晒す、傷は焼き切れ激痛を生み、その動きを鈍らせる。

 

 狩人の双眼は光を灯す、防具は焦げて入るもののそれっきり、剣の血糊は焼け焦げ霧散し、的確な攻撃は刃こぼれすら起こさない。故にその切れ味が落ちる事はいまだに無く、狩人の戦意もまた落ちる事は決して無い。

 

 睨み合いのうちに初めに大地を駆けたのは狩人、反応できても回避ができない。火竜の息吹の度に喉は焼き切れる。それでも息吹を吐き続けれるのはその驚異的な再生能力によるごり押しだ。だが、疲弊し切った今、十分な再生は行われず、残されたのは巨体による突進のみ。女王は最後の抵抗とばかりに地を駆ける!

 

「………倒す。」

(最後っ屁に当たってたまるか!終わりだ!)

 

 

……

 

………

 

 閑寂、無風を乱し、接近す、

 

…………

 

 争い嗅ぎつけ飛来せし、無法者、

 

……………

 

 紅蓮に滾る誇りをぶら下げ、

 

………………

 

 飛来せし、気高く、傲慢な非道は灰を被り、空の悪漢は銀翼の下に天を焦がす。

 

 

ズドーーンッ!

 

 

KAaaaaaaOOOOOOッ!!!!

 

 

 

 響き渡る爆音は静寂に対する宿怨故に!

 

 調和こそ我が敵!支配こそ苦痛!安寧こそ仇敵!

 

 全ては翼の下に我の物。上げる雄叫びは不気味に響き、紅蓮に燃る大災難が大襲来!

 

 【極熱の爆鱗竜】『紅蓮滾るバゼルギウス』  乱入 

 

 

 

 十六乙目

 

 

「は?。」

(は?、バージーギース?(錯乱)えっ、デッカ、え?そんn)

 

 余りに一瞬、余りに呆気なく、努力は爆炎に燃やされ、理解が追い付かないハンター、しかし女王は待ってはくれなかった。

 

 

 

 十七乙目

 

 

「はッ!しっかりしろッ。」

(はっ!しっかりしなければ…無理だ!理解が追い付かん!バゼルギウス?それも特殊個体!?何でここにいるん?てかこっからなの!?いやおかしいって頭おかしいって!ア"ッ。)

 

 混乱する思考、雑念混じるその頭で片手間に狩りをするほどの技量は無い。

 

 

 十八乙目

 

 

 

「………いつも通りか。」

(落ち着け…、何も全て無駄になったわけでは無いんだ、リオレイアとは戦える、紅蓮バゼルが来ることもわかった。その上ですることは?狩る。狩って生き残る、いつも通りだ。)

 

 そう、結果いつも通り、この世界に生まれてこの方まともに行った事を数える方が断然楽、何しろそんな事無いからだ、思考を狩猟に向け、何とか要らない思考を隅に追いやり、再び対峙する羽目になった女王を捉える。

 

 

 

 文字通り死んで覚えたリオレイア戦、何も奇跡が起きて追い詰めたわけでは無い。全て彼の努力の賜物だ、多少のイレギュラーはあれど先程と同じ状況へと持っていく。

 

「……何処だ?」

(時間的にもう来てもおかしく無いが……。)

 

 当たりを支配する静寂、ボロボロながらもその目には生きる光を絶やさない女王の呼吸、目を離す事は許されない。視覚は向けつつ他の五感を限界まで研ぎ澄ます。

 

 

ウォ〜〜ォ〜〜…

 

 微かに、ほんの微かに聴こえる風切り音。

 

……GUO!?

 

「………。」

(流石にお前も気付くよな、……あの巨体でこんなに意識しないと聴こえないってそれはダメでしょ……。)

 

 瀕死とは言え睨み合いの静寂に於いてはやはり感付く女王、不意に目線を逸らすと同時にハンターも同じ方向を視認すると、そこにはずんぐりとした巨体に、大量の赤熱した何か丸いものを大量にぶら下げた、見るからな危険な飛竜が真っ直ぐ此方へ突っ込んでくる!

 

 

ズドーーンッ!

 

 

K"AaaaaaaAO"OOOOOッ!!!!

 

 

 しっかり見ていれば回避は困難では無い。何より二度もやられる程弱くあるつもりもない。

 

 突っ込んだ先はリオレイア。圧倒的な質量と爆発に押された陸の女王のその肉体は見るも無惨な肉塊へと姿を変え、それを成した爆鱗竜は次なる"敵"へと視線を向ける。

 

「………"戦い"か、受けて立つ。」

(これは狩りじゃない。あのイャンガルルガと同じ戦いだ、食う気なし、消し飛ばす気マンマン、手加減なんてしてくれない厳しい戦いになる……。)

 

 三度その姿を観察する。成る程、リオレイアよりも一回り大きく全体的に丸くい体格に、鈍く輝く銀の鱗、空の王よりも巨大な銀翼と、陸の女王よりも筋肉質な脚を備えている、しかしそれだけだ、その爪は太いが丸く、鋭利な牙も無ければ頭部も小さく、攻撃的な棘や、甲殻の出っ張りですらない。特徴的な部位といえば、大きく横に張り出た首と尾先の下面にぶら下がる、大量の赤熱した『爆鱗』くらいであろうか。

 

 

 だだし侮っては行けない。パッと見れば愚鈍で丸っこいデカいだけの飛竜だろう。しかし目撃者は口を揃えて【危険】だと言う、それも、言いようのない不安から来る危険と言う。例えるならば空襲サイレン、聴く分にはただの音、ただの音の筈なのに言いようも無い不安と焦燥が押し寄せる、すなわちそれなのだ。

 

(こいつには本当に苦労したよ、バゼルギウスの性質も相まってな…。)

 

 『爆鱗』、鱗とついているが、実の所『爆腺』より分泌された体液が固体化したもの、人で言うところの汗に近い物、なので生成は早く途切れる事なく生えていく。

 

 

KAaaaaaaAOOOOOOッ!!!!

 

 

 明らかに尋常では無い、別の意味で身震いする咆哮を挙げながら、翼を広げて突進する。そしてバゼル種を代表するその不気味な声は、あらゆる生物を不安にさせる。

 

「………。」

(レイア程の速度では無いが、威圧が凄い…。)

 

 回避し振り返るとそこには悠々と大空を滑る様に飛ぶ爆鱗竜。不意に方向を変えるとハンターの頭上を飛び回り、大量の爆鱗を降り注ぐ。

 

「ッ!クソ!」

(一番ダメだって!無差別爆撃とかダメだって!うおッ!)

 

 空襲、その姿は正に生ける爆撃機そのもの。最後に体重と速度にものを言わせた飛び込み攻撃!

 炸裂と爆炎の嵐は一瞬にして焦土と化した、バゼルギウスの代名詞。一度戦闘の気配を感じ取れば、音もなく接近し、奇襲と共に両者もろとも爆炎の渦に叩き込む!正に非道!傍迷惑!

 

 とある学者はこう言う「【金獅子】、【恐暴竜】、【爆鱗竜】、ハンター達の中では『三馬鹿』として語られるこれら【古龍級生物】たちの中で、一番タチの悪くて生態系に影響を及ぼすのは、間違いなく爆鱗竜だろうと。その特殊個体にもなれば、それはそこらの古龍なんか目じゃ無いくらいの被害をもたらすだろう。」と。

 

(あたり一面真っ黒焦げだ…、一発で家が吹き飛ぶ訳だ…。)

 

 唖然とするばかりでは意味がない、恐れるばかりでは話にならない、突っ込んだ際に大きく隙を晒したその瞬間、焦げ付く地面を蹴り付け駆けるていく!一気にその距離を詰めると切先を向けて突進する!

 

 狙う部位は脚、翼は高くて狙えず、ゲームでは『性感帯』とまで言われた首や尻尾は、今では凡ゆる爆発と衝撃に耐えうる盤石な鎧と成った。故に狙うは装甲化されていない脚と腹!

 

HUOOOoon!!!

 

 情けない声を上げる爆鱗竜、巨大故に動きは鈍重、飛ぶにも助走が必要様で、肉弾戦は得意では無い、のだが……

 

「(……あっ。)」

 

BOOOON!

 

 

 十九乙目

 

 

「……クソ!」

(ファ!?ランダムで零れ落ちる爆鱗で爆死!?回避不可だろ!ふざけるのも大概にしろよ!)

 

 

 鋭く無い爪、小さい頭部に弱い顎、棘も無く、その力を活かせる部位もない、そんなバゼルギウスを強者たらしめる爆鱗は、その行動に関わらず、勝手にボロボロと落ちていく。

 

 爆死、爆死、また爆死。少し圧死を挟んでまた爆死。

 

 尻尾を斬ればまた爆死、頭部を斬ればまた爆死、脚を斬っても、腹を斬っても爆死、爆死爆死の爆死地獄……、救いと言えばレイアがスキップされている事か?、正しく爆ぜる道を超えた先、等々刃は遂に悪漢を追い詰める。

 

 

guuuuuooooo

 

 

「………本番…。」

(蒼くなった、滾りに滾ってかた様子だな……。)

 

 蒼く輝く爆鱗をばら撒けば、大地は勿論、焦げた樹木にまで"くっ付いた"。着弾した爆鱗はその体積を数倍にまで膨らませ弾ける様に爆発する!

 

 

 

BOOON!!!

 

BOON!!!!

 

BOOOOON!!!

 

 

 

 爆発なんてお構い無し、最後に視界に映るのは、爆鱗を撒き散らしながら全てを無視して突っ込むバゼルギウスの姿であった。

 

 

 

 四十五乙目

 

 

ブルルルルル……

 

 まるでヘリコプターの様な音を立て、爆鱗を回転しながら撒き散らす飛び上がるバゼルギウス。その意味を知るハンターは急いで踵を返して逃げようとするも、そこには破裂寸前の爆鱗が!

 

「……ダメか…。」

(あっ詰んだ。)

 

 振り返れば真下へ突っ込むバゼルギウス姿が…

 

 一瞬の無音、かの炎帝の繰り出す爆発に匹敵する強烈な衝撃が走る。

 

 

 

 五十一乙目

 

 

 

 何度も見た此方へ突っ込むバゼルギウス。しかしハンターの姿が何処にもない横か?前か?はたまた後ろか?

 

「……ここだ!」

(上だボケ!)

 

 突っ込むタイミングで上へ跳び頭部にしがみ付く絶技をかます。触れた頭はほんのり暖かくもあるが、そんな事はどうでも良い、取り出す得物はハンターナイフ、取り回しが良いので多くのハンターが愛用する品であり、だからこそこの状況で輝くのだ。振りかぶって鱗の隙間目掛けて突き刺す!突き刺す!突き刺す!

 

「…静かにしろ!…フン!」

(クソ!いい加減黙っとけ!)

 

 疲弊により動きが鈍る、正に千載一遇の大チャンス。ただでさえ鈍重な動きに拍車がかかり、脚を縺れさせたのかバランスを崩す。

 

「……ッ!」

(おら!沈めッ!!!!)

 

 更に降ってきたチャンスを逃すまいと『コロナ』に持ち替えトドメを狙う。突き立てる先は狂気と怒りに満ち満ちた赤い"目"。

 

KAaaaaaaOOOOOO!!!!

 

 無敵の怪物などいやしない、全ては自然に生きるただの【生き物】であるのだ。例えそれが何であろうとも…意外にも最後は呆気ないものだ。

 

 大量の血と共に吹き上がる煙、高温の刃に触れた血は触れたそばから気化して行く。その様子はさながら、地に伏せた巨竜の魂がその肉体を捨て、天に昇って逝くかの様だった……。

 

 

 狩猟完了

 

 力尽きた回数 0

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ハンター君

 (乱入)いや〜キツいっす

 スキル根性は結構精神論。でも精神崩壊しないのはこれのおかげ。

 

リオレイア

 バゼルが侵略の兆しを見せて焦ってた。無事死亡。

 

紅蓮バゼル

 神出鬼没でかなり厄介、まだ現大陸に出現して間もないので観測隊も予想外、縄張りを求めて広範囲を飛来する。基本的にジャイアン。

 

 




 イビルとかラージャンは使い古されてたのでバゼル君に登場させてもらいました。でも一番の理由はバゼルギウスが大好きだからですね。
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