可能性の獣達が行くキヴォトス珍道中 作:ハイギガ粒子砲
というかこの場合オリ主タグって必要なんですか?
一角獣の目覚め
―私は眠る。
―彼が必要とする、その日まで。
―壊されようとも、彼が望むのなら、私は不死鳥のごとく蘇ろう。
―たとえ呼ばれなくとも、それでもいい。
―私は信じる。
―彼と、彼が信じた、可能性を。
私は
そしてすぐさま、そのおかしさに驚く。
私に、開く瞼は無い。
それどころか、何故か体が動く。彼に呼ばれるか、
だが……何かおかしい。まるで、私の体ではないかのように……
腕を伸ばし、目に入れる。
そこにあるのは、白い装甲に包まれた、まるで人のような……
そして私は気付く。
ここは、私のいた、薄暗い倉庫ではない。周りを見渡してみれば、かなり大きいビル群と人々が。
どういうことなのだろうか。私は、眠っていたはず……
うむむと頭をひねらすも、答えなど出るわけがない。周りからの視線も増えてきた。一先ず、移動しよう。
歩いていても、疑問は生えてくる。
なぜ、私がこうも簡単に歩けるのか。
なぜ、人ではなく機械や動物が歩いているのか。
なぜ、人に出会ったと思ったら、輪のようなものが浮かんでいるのか、そして女性しかいないのか。
そもそも、ここはどこなのか。
私は造られた存在とはいえ、ある程度の知識はあった。
ビルに付いている掲示板には恐らく日本語と思われる。しかし、歩いているのはどう考えても、真っ当な人ではない。
まさか、思っていたよりも日本という所は、魔境なのだろうか。
歩いていると、一つの小さい広場を見つけた。
人影もなく、周りに人もいない。考え事をするのに丁度いい場所だった。
中に入れば、謎の建築物が。
私はその中の鎖を繋がれた椅子らしきものに近づき座ろうとする。
しかしそれは何かが阻まれ、座ることが出来なかった。
何かと思い、自身の腰に当たる部分を触る。何かに手が当たり、掴んで見てみると、それは『ビームマグナム』だった。
再度困惑する。
いつの間に人が持てるサイズにまで……
今更ながら、私は人と同じ大きさに――いや、もう目を逸らすのは止めよう。
私はなぜ人になっている?
ホッと息を吐く。息をする、ということも新鮮だ。
困惑は、止まらない。
不意に何かが近づいてきていることに気が付く。それも一つや二つではない。
「おいおい、こんなとこで一人になって良いのかぁ?」
現れたのは、黒い服装の、銃器を持った女の子十数人。
そういえば今まで見かけた者も大なり小なり持っていた。ここでは当たり前なんだろうか。
「……聞いてんのか、ああん!?」
どうやら、自分に声を掛けてきていたらしい。
「……」
しまった、どう話せばいいのだろう。
私は感情を感じ取ることはできても、会話なんてしたことが無い。
彼が呼んだり声を掛けてくれたことはあるけれど。
「無視とはいい度胸だな……!まあいい、金目の物を置いていけば見逃してやるよ。ほら、さっさと出しな!それともハチの巣にされたいか?」
「……」
よく分からないが、相手には敵意があるように見える。
カネメノモノとやらも持っていないし、仕方ない。
私は手に持っていたビームマグナムを持ち直し、構える。
「てめえ、やる気か?」
「……安心して。殺す気はない」
あ、話せた。こう声を出せばいいのか。
「周りを見て言ってんのか?変な格好をしてるが、たった一人でこの人数に勝てるわけ……」
「り、リーダー、あ、あれ見て、あれ!」
何か言っていたが、無視してビームマグナムをチャージする。直接当てるつもりはないし、最大火力もいらないので少しの時間で事足りた。
「あん……?び、ビーム!?」
「なんかあれ、ヤバくないっすか!?」
「こ、コケ脅しに決まって――」
私は彼女達の足元―足元と言っても、かなり遠くに―に放った。
瞬間、大きな土煙が彼女達を包み込む。
大勢いるにもかかわらず、纏まって私に近づいて来ていたので一気に巻き込めた。
だがこれで終わらせない。
ビームマグナムを腰にマウントし、左腕から『ビームサーベル』を取り出す。
腕を見た時からあることは分かっていた。
そしてバーニアを吹かし、瞬時に近づく。
「げほっ、げほっ……なっ!?」
土煙が晴れる頃には私はもう懐の中。
持っている武器を斬って使用不可にする。それを人数分行う。
斬った後は次の標的に近づき同じことを繰り返す。
その作業は一分も掛からなかった。
「わ、分かった!もう何もしないから!み、見逃してくれぇ!!」
「……」
リーダーと呼ばれた者が何か言ってくるが、言われずとも何もしない。
私はビームサーベルを仕舞い、その場を離れる。
どうやら、予想以上に音が響いていたみたいだ。人が集まっていた。
離れたけれど、どこへ行こうか。
私には当てがない。どころか知識もない。
ここがどこで、なぜここにいるのか。まずはそれを知る必要がある。
とりあえず、また人がいない方へ駆けて行ったが、それではまたさっきのような者達に絡まれるかもしれない。
「あの人です!あの人がさっき光の剣を使ったんです!」
「なんでアリス着いて行っちゃったの!?関わらない方がいいって!」
……それよりも、今は後ろの者達と会話しよう。
「聞こえている。攻撃はしないから、出てきてほしい」
「あっ、バレてました」
「えぇっ!?ううぅ、私達はお姉ちゃんのせいで消えちゃうんだぁ……」
「えぇっ!?私ぃ!?」
出てきたのは三人の少女。
ピンク色と、緑色と、青色の小さい子ども。ピンク色と緑色は容姿が似ている。双子、というものだろうか。
その中の青色が近づいてくる。
「アリスはアリスです!ミレニアムのゲーム開発部に所属しています!」
そして彼女はアリスと名乗った。背中にはアリスと同じぐらいの大きな大砲を持っている。おそらく、レールガンの類だろう。
……この感じ、まさか……
「えっ、えっと、モモイだよ!で、こっちが妹のミドリ」
「こ、こんにちは……」
予想した通り、モモイとミドリは血縁関係のようだ。
二人も同じように銃を所持している。やはりここはそういう場所なのだろうか。
「あなたは、さっき光の剣を使っていましたよね!」
考え事をしていると、アリスが話しかけてくる。
光の剣?ということは……
「ビームサーベルの事か?」
私はビームサーベルを取り出し、刀身を出す。
「わああ……!」
「ほ、ホントに光の剣だ……!」
「綺麗だけど、ちょっと怖い……」
よく分からないが、こういうものは無いのだろうか。少なくとも、モビルスーツなどの事は知っていそうだが……
やはり、別の世界なのだろうか、ここは。
ビームサーベルを仕舞い、また考え込んでしまう。こんなに考えることは初めてだ。
「やっぱり、あなたは伝説の勇者なんですか?」
「勇者……?きっと、私は違う。私は……言うなれば、可能性の獣だ」
「可能性の……」
「獣……?」
モモイやミドリは首を傾げる。
そういえば私は名乗っていなかった。
「私の名は……ガンダム。ユニコーンガンダムだ」
一方その頃。
アナハイム「ガンダムどっか行ったんだけど!?」