可能性の獣達が行くキヴォトス珍道中 作:ハイギガ粒子砲
あとお知らせを。
私事で更新が遅れるかもしれません。申し訳ないです。
あと分かっている方もおられるかもしれませんが『シャーレ所属顧問、サオリ先生』も私が執筆してますので、遅れると思います。ですので気長にお待ちいただければ幸いです。
獣達のプロローグ~ミレニアム展示会編~
―一角獣―
「ミレニアム展示会?」
始まりはその言葉だった。
「ええ、その名の通り、ミレニアムの生徒達の作品を展示して、外部から人を呼び込むイベントよ」
ゲーム開発部の部室にやってきたどことなく太い少女、ユウカはそう説明する。
続きを聞けば、有用なものではないものの、技術的であったり、機能的に面白いものを主として展示する会だと言う。
そこで私は一つ疑問が浮かび上がる。
「それは、ミレニアムプライスとは違うの?」
「ミレニアムプライスはコンテスト、今回の展示会は惜しくもそのコンテストで日の目を浴びなかった物を重点的にするつもり。始まるのは来週の初めからね」
なるほど……人の可能性を見ることが出来る、というわけか。
しかし、何故それをここに?
モモイも同じ気持ちなのか、声を上げる。
「それって発表されてるんでしょ?なんで言いにここに来たの?」
「……実は、用があったのはゲーム開発部にじゃなくて、あなたなの。ユニ」
ユウカは私に向き直り、言葉を放った。
「ユニ・リンクスさん。セミナー、並びにミレニアム代表として、あなたに依頼をお願いしに来ました」
……依頼?
首を傾げると、ユウカは詳細を話す。
「あなた、前に戦車集団と戦ったわよね?C&Cほどではないけど損害が酷かったあれ……!」
「ごめんなさい」
「……んん”、今はそうじゃないわね。それを見ていたスポンサーの方がいて、その戦いぶりや、あなたが付けていた鎧に興味を持ったらしいの。そこで、あなたがいるなら出資を倍にという話があったのよ!」
だんだんとヒートアップしていき、最後は最高潮に嬉しそうだ。
なるほど、それは問題ないんだけれど……
「来週、となると、会わなければならない人がいて……最初からは無理かもしれない」
「そうね……その人とはいつ頃会う予定なのかしら?」
「昼からになるはず」
「なら、それまででいいからお願いできないかしら。十時からだから、二時間だけ。ちょっと例の鎧を付けて立っているだけでいいから」
「それなら問題ない」
ふむ……ミレニアム、展示会、か……
何もないといいのだけど。
アリスとミドリとユズが協力してゲームを攻略するのを見ながら、私はそう思った。
―獅子―
「ミレニアム展示会?」
始まりはその言葉だった。
「そ、ミレニアムの生徒達が作った凄い技術を見せてくれるんだって。はい、コーヒー」
カヨコがそう言ってコーヒーを渡してくれる。
「ありがとう……で、急になぜその話を……あ、前から言っていた仕事か」
「ええ、その通り。しかも、ただの仕事じゃない……」
アルがそう怪しい雰囲気……を纏う振りをしながら話を続けようとする。
「その展示会のスポンサーが凄い人で、更にその護衛として私達が選ばれたんだって」
が、悲しいかな、ムツキにその後の全てをかっさらわれる。
「む、ムツキぃ……」
「護衛……か。別に問題は無いと思うが……」
「何か不安?」
「……なぜ私達なんだ?もっといろいろあったはずだが……」
「それはもちろん!私達の働きがついに!認められたからよ!」
「さ、流石です、アル様……!」
「……ズズッ」
認められたって……変に謙虚だな。
小さく手招きして、カヨコを引き寄せ、小声で話しかける。
「で、どう思う?」
「……これ見てみて」
「……契約書?」
一見、何の違和感も湧かないが……
「おかしいところは見えないぞ」
「そこ。そこが一番おかしい。さっきバンシィが言った通り、ここにするのは変。他にもいいところはあるはずだし、それに……」
「それに?」
「書かない方が、尻尾切りとして使える」
「……なるほど、な……」
そういう考え方もあるか。
でもな……社長はやる気満々だぞ。
「もちろん、思い過ごしかもしれないけど……前の事もあるしね。注意はしておいた方がいいかも」
「分かった。……でも何かあっても止められるか?」
調子に乗ってる社長とそれを崇める平社員、そしてそれを見ながら笑う室長を見ながら言う。
「……何かあっても何とかなるよ、多分」
「何かを止める方じゃないのか……」
大変だな、課長殿も……いや待て、カヨコも自己主張しないタイプだぞ……
嘘ぉ……最後の砦、私?
―不死鳥―
「ミレニアム展示会?」
始まりはその言葉だった。
「うん。ミレニアムで行われるイベントなんだけど……丁度今度行く時と被ってるから、行ってみない?」
シャーレの部室に遊びに来ていた私達に対して、先生はお茶を入れながらそう聞いてくる。
「それって、ミレニアムの新技術を見れるって噂の?」
「そうなの?」
「はい。しかも、ミレニアムプライスより規模が小さく行われていた展示会ですが、今回はそのプライスに並ぶほどの規模だとか」
「……ふーん」
ヒフミからの追加情報を聞きながら、煎餅を齧る。
……新技術、か。
「うん、行ってみよう」
もしかしたら、人の手に余るものが出てくるかもしれない。
そう思った私は先生の提案を受けることにした。
「ミレニアム……何度か行ったことはありますが……楽しみです!」
私の隣でヒフミが目を輝かせながら口にする。
「ヒフミ」
「?どうしました?」
「ヒフミは行かないよ」
でも駄目だよ。
「えぇ!?なんでですか!?」
「この前のブラックマーケット。学校休んで行ったでしょ」
「うっ……で、でも」
「でもじゃないよ。これが続いて停学になったら、嫌だよ?」
それに……目を付けられてるからね。今は出来るだけヒフミは目立たないようにしておきたい。
きっと、切り札になるから。
ヒフミはあからさまにテンションが下がった状態で
「分かりました……」
と言った。
しょうがないなー。
「今度のモモフレンズ展一緒に行こっか」
「ホントですか!?やった!」
ふふっ、単純だね、ヒフミは。
「フェネクスもモモフレンズ好きなんだ?やっぱり、ペロロ様が好きなの?」
「あはは」
あはは。
「何その心のこもってない笑い……話を戻すけど、行くんでいいんだね。会うのはお昼からで、展示会は十時から始まるそうだから、一時間くらいは見れるかな」
「うん、それくらいあったら全部見れるかな……っと」
急に体に震えが……
「大丈夫?風邪とかかな」
「でもフェネクスさんって、風邪ひくんでしょうか?」
「……ううん、大丈夫。ただ……
嫌な予感だけするかな」