可能性の獣達が行くキヴォトス珍道中   作:ハイギガ粒子砲

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今回きりとか考えて短めです。


邂逅②~ミレニアム展示会編~

―獅子―

 

最悪だ……こんな時に会うなんて……

どうする、逃げるにしたって人ひとり抱えて逃げるのは難しい。Gに耐えられるかどうか……戦うにしてもそうだ、守りながらなんて……いや待てよ、戦うなんて決まっていない。

だが……話を聞いてくれるか?

っクソ、悩んでいてもカヨコは起きない。急いで病院にでも連れて行かないと……!

 

目を合わせた状態で、動かない私達二人。

だが、目の前の一角獣によって沈黙は破られた。

 

「……聞きたい。この爆発を起こしたのは、あなた?」

「それはっ」

 

違う、と言おうとしたが思えば特に確認もせず、ぶん投げて撃って爆破したのは私だ。

 

「……確かに、爆発の原因の一つが私だ。だがそれを説明をしている暇はない、こいつをすぐに―」

「その子を、守るために?」

 

だから爆発を起こしたのか、と聞いているようだ。

私は迷いなく、

 

「ああ」

 

と言った。

 

一角獣―ユニコーンは少し微笑み、すぐに引き締めた顔になって、私に近づく。

 

「そう、分かった。すぐに連れて行こう。他に怪我人は?」

「よく見てないが、爆発する前には私達二人の近くにいなかった」

 

もしかして、私達を狙って……?いや、考えるのは後だ。

今はカヨコを―

 

 

《おいおい、誰もそんな仲良しこよしなんて望んでないんだよ。争ってもらわないと困るんだよなぁ》

 

 

―マズい

 

全身に悪寒が走る。

抱えているカヨコをユニコーンに押し付け、叫ぶ。

 

 

 

「いけ!!!」

 

 

 

―一角獣―

 

少女をこちらに投げたかと思うと、いけと叫ぶバンシィに、困惑が止まらない。

肝心のバンシィはしゃがんだまま動かない。

と、思いきや、右腕を上げ―

 

「なっ―!?」

 

―BSを放ってきた。

間一髪横に避け、当たらなかったが……

 

「どういうつもり!?この子を助けるんじゃないの!?」

「……ぐ……ぁ”……」

 

……苦しんでいる?

顔には苦悶の表情が浮かんでいる。どういうことだ……?

だが、バンシィはゆっくりと立ち上がり、BSを撃ってくる。

くっ、今はとにかく逃げるほかない!少女を右手に抱え、すぐに後ろを向いて走る。

怪我人がいるため、無理にブースターは起動できない。今はこの子の安全を優先する!

BSを回避やシールドによる防御などでなんとか捌く、が……!

 

「守りながらは、さすが、にぃっ!」

 

バンシィはゆっくりと近づいて来ているが、その分射撃の圧が凄い。しかし、彼女は飛べるはず……いや、今はただ感謝しておこう。

このまま逃げるとしても、何処に?急がなければこの少女も無事か分からない。

出来ればこの少女を誰かに預けられたら……!

 

 

「ど、どういう状況よ、これ……!?」

 

 

声が聞こえた。それもトイレがあった場所から。

そこにいたのは、赤いコートを肩から掛け、ライフルを抱えた少女。

 

「ってバンシィ……と、そっくりさん?って何でカヨコが!?何で!?本当にどうして!?」

 

あの感じ、バンシィとこの子の知り合いみたいだ。

ならば……!

急いでその少女に近づく。

 

「なんでこっちに!?と、とりあえず、カヨコを返し―」

「容態がマズい、この子を連れて逃げて!」

「―なさ、ってえええええっ!?もう訳が分からない!!!」

 

抱えていた少女をすぐに引き渡し、近づいて来ているバンシィに走り、ブースターを吹かし、突っ込む。

 

「バンシィ!」

「ユ、ニコーンっ……」

 

飛び掛かり、押さえつけるようにして動きを止める。

バンシィは変わらず苦しそうな顔だ。

 

「どうしたの!?どうにか止められないの!?」

 

そう問うが、苦しそうに声を上げ、何かを食い止めるような表情しかしない。

どうすれば……!

 

「……もう、耐えら、れそうに……」

「!バンシィ!?」

 

だんだん押し返される力。

それもそのはず、バンシィデストロイモードを起動している。ユニコーンモードの私ではパワー負けしてしまう……

私も、デストロイモードに……!

 

「駄目だ……っ、デス、トロイだけは……!」

 

だがそれは、目の前のバンシィに止められてしまう。

 

「サイコフレームの、共振を使って、お前を、壊そうとさせられる……!お前も、やられては、周りがどうなるか……!」

「なんだって……!?」

 

ということは、やはり操られている……!

そこまで言って、バンシィは力をさらに増幅させてきた。今まで強い意志で封じ込めていたんだろうが、もう限界のようだ。

 

「……」

「ぐぅっ!」

 

ついに一言も発さず、私を投げ飛ばした。

……バンシィの言う通りなら、NT-Dを発動させずに、止めなければいけないのか……!

デストロイモードは、五分程度しか活動できない……だがそれは、パイロットがいたらの話……サイコフレームによる精神の負荷、高機動によるG……それらは私達にはあって無いようなもの、ということは……

 

「……あえて言おう、最悪だと」

 

腰からビームマグナムを取り出し、銃口を向ける。

なんとかして、動きを止める。それしかない……!

 

まず一射、牽制に撃つが横に、それも大きく飛ばれ避けられる。

ビームマグナムの性質は操られていても分かっている様子、やりにくいな……

持ってきた弾薬は一マガジン、つまり五発だけ……バルカンが無いのが痛すぎる。

 

「ちぃ……!」

「……」

 

対してバンシィは速射が出来るBS、何度もこちらを撃ってきて面倒だ。

避け、防ぎ、なんとか凌いでいるがデストロイモードの恩恵か火力、弾速が高めだ。面倒にもほどがある……!

なんとか隙を見て次々と撃つが見事に避けられる。

巨大な当たり判定のため、避けるのに時間を取り、その分時間を稼ぐがそれでもたったの四発、すぐに撃ち切ってしまう。

撃ち切ったビームマグナムを横に投げ、左腕のビームサーベルを取り出し、発振させる。

そして一つの疑問が浮かび上がる。

 

斬ってしまっていいのか?、と。

 

その一瞬の思案は戦闘中には大きな隙になる。

 

「……!」

「がっ、かはっ……!」

 

その隙を突かれ、バンシィはすぐさま懐に飛び込んできた。

私は急な接近に対応できず、ついには地面に叩きつけられ、VNで動きを封じられる。

 

「ぐ、うう……!」

 

いや、まだだ、右手にビームサーベルがある、これをバンシィに向けて発振すれば……!

 

『ああ』

 

バンシィの、確固たる意思を持った声を思い出す。

……駄目だ、今の体がどれほど耐えるか分からない、不用意には……!

だが、それならどうする、このままではVNで砕かれるぞ……!

 

 

そんな時だった。一筋の光が轟音と共にバンシィを吹き飛ばした。

 

 

「な……!?」

「おう、こんなところで倒れてていいのか?」

 

そして、一人の少女が私に近づいた。

 

美甘ネルだった。

……ということは、今の一撃はカリンか。

ネルは私に話しかける。

 

「いい用にされてたじゃねーか、あの赤いのはどうした?」

「デストロイモードの事を言っているなら、使えない。操られて、あんな風になるかも」

 

バンシィを指差して説明する。

 

「ふーん?知り合いか?」

「まあ、そんなところ。他のメイドは……」

「カリン以外は避難の手伝いだ。私には向かねーからな」

 

で、とネルは話を続ける。

 

「私は手加減出来ねー、それでいいか?」

「かまわない、殺さなければ」

 

そう言葉を皮切りに、ブースターでバンシィに飛び込む。

バンシィはBSで迎え撃とうとするが、カリンの狙撃で邪魔される。

私はビームサーベルを発振させ、BSを斬ろうとする。怪我はさせない……!

バンシィは後方に飛んで回避する。

 

「オラオラぁ!」

 

しかし、私の背中を踏み台にして跳んだネルが放った銃弾の雨は気付けず被弾した。

だが、多少怯んだだけで効いた様子は無かった。

 

「ちっ、効いてねえみたいだな」

「デストロイモードでは機体の硬度が劇的に上がる。カリンのライフルでも、少しきついかも」

「……なんで光ったら、硬くなるんだ?というかなんで光るんだ?」

「それは…………なんでだろう」

 

ビームの光が見え、すぐに回避し反撃する。

実力者のネルと、カリンの狙撃でかなり楽になったが……まずいな。

ネルに警告しておこう。

 

「ネル!」

「どうし、たっ!」

「サイコフレームの共振が強くなっている!私もいつまで耐えられるか分からない!操られるかもしれないってこと!」

「……クソっ、言いたくはねーが、被害を止められる気がしねーぞ……」

『リーダーは被害を大きくする側じゃ?』

「うるせぇ!」

 

……待て。

バンシィは、サイコフレームの共振で操られていると言っていた……だが、サイコフレームの共振は遠くの距離までは無理の筈……ということは!

 

「操るには、近くに何か……例えば機械があるはず!少なくともこの会場にはある!それを破壊すれば……《よく気付いたなぁ?だけどお前、もう耐えられないんじゃないか?》っ、誰!?」

 

次の瞬間、全身に悪寒が走る。

このままでは、バンシィと同じに……!

すぐに装甲をパージさせる。

ドッと疲れが身体を襲う。けど、これなら操られることはない。

 

「……!」

「ぐっ……うぅっ……」

「ユニ!」

 

だがその隙を突かれ急接近してきたバンシィにVNで吹き飛ばされ、壁に激突する。

生身で対応できるわけ無いのは分かっていたが、それでも想像を絶する痛みだ。

その痛みに耐えられず、私は意識を暗闇に落とした。

投降頻度遅いのあれなので、一週間に二、三千文字を二話くらいか、二週間に一度長いのか、どっちがいい?

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