可能性の獣達が行くキヴォトス珍道中   作:ハイギガ粒子砲

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ユニコーンは白髪ポニテ緑目イメージで、ヘイローはパイロットスーツの左胸にある奴。


一角獣の戦闘、そして終わり

大量の戦車。

そこから聞こえるのは、今日聞いたばかりの声。

 

「あれの声は、襲ってきた子の……」

「えっ!?じゃあもしかしたら、報復しに来たんじゃ……!」

「そう言っても、まだ数時間しか経っていない。……まだ数時間しか経っていないの?……ともかく、すぐにそう行動を起こしは―

「出てこい角野郎!ぶっ潰してやる!」

「―早いね」

「ど、どうしよう!?」

 

……あれの目的は私。ならば。

 

「ミドリ、頼みたいことがある」

「なんですか?」

「私の装甲を取ってきてほしい」

「装甲って、あの鎧みたいな」

「そう。それまで私が時間を稼ぐ」

「えっ、一人でですか!?危ない―って待って!」

 

私はシールドとガトリングを持ち、向かっていった。

 

 

 

重い。

歩いている時には気付かなかったが、とても疲れる。これが、疲労。

気付いてはいたが、装甲が無いと身体能力がかなり下がるようだ。シールドは一度近くに投げ捨てる。

そして最前の戦車の前に立つ。

……ん?

 

「てめえは……朝の!ふんっ、あの鎧はどうしたぁ!?」

「……」

 

私は相手の声に応えず、ただ目の前の戦車にビームガトリングガンを構える。

多くの戦車と言ったが、数えてみれば五つ。

どこから持ってきたのか知らないが……

人を傷つけるというのなら、真正面から打ち砕くっ!

 

私はビームガトリングガンのトリガーを引く。

しかし―

 

「……っ!?」

「あっはははっ!どこ狙ってんだ!」

 

銃弾はあらぬ方向へ飛んで行ってしまう。

反動にも耐えられない。

 

「次はこっちだ!」

「……くっ」

 

ビームガトリングガンを捨て置き、近くの物陰に隠れる。

隠れる瞬間に横を砲弾が掠め、近くの建物の柱を破壊する。

素人の為か、五機の内二機の射線がこちらに向けれていない。

全く、元の体ならばかすり傷すらほとんどつかないだろうが……今では大きな脅威だ。

 

「おいおい、これで終わりかぁ!?」

「……どうしよう」

 

時間を稼ぐとは言ったものの……このままでは、不味い、か。

戦車の駆動音が聞こえる。近づいて来ているんだろう。

……一か八か、やってみよう。

私は目的の場所まで走っていく。

 

「体が丸見えだぞぉ!」

 

それはもちろん分かっている。

だが、それでも、力の限り走る。

 

「っ!」

 

砲弾の一つが左腕にぶつかる。

痛い。

これが痛み、か。

しかし、鋭い痛みと多くの血が出るだけで動く。

……よし。ならば、問題ない。

私はまた駆ける。

 

「何がしてえのか分からねえが、このままじゃ潰れるぜぇ!?」

「……いや、ならない」

「あぁん?まあいい、お前らやっちまえ!」

 

位置からすれば、さっきより増えた四機がこちらを狙っている。

だが……

 

「これがある」

 

一気に砲弾四つが飛んでくるが―

 

「……ふっ、ぐぅうう……!」

 

―さっき投げ捨てたシールドを持ち上げ、体を丸め潜める。

ギリギリ全弾防げたようだ。

しかし、シールドはボロボロに。後二、三回だろうか、耐えられるのは。

 

「これで終わりだぁ!撃てぇ!」

「……私より、後ろを見た方がいい」

 

だが、防ぐ必要はない。

次の瞬間、建物が崩れる。

 

「なぁっ!?」

 

さっき破壊した柱で崩れるのは分かっていた。指令塔があれならば、気付かないことも。

ここの住民なら建物が崩れたぐらいなら大丈夫だと聞いた。

これで終わり――なら、良かったが。

 

「てめえ、一度ならず二度までもぉ!」

「……まだ、か」

 

巻き込めたのは二機だけの様だ。

私も、頭を使うことは苦手……どころか、考えたことが無い。

さて、次は――その時だった。

 

「光よ!」

 

横から光の刃が一台にぶつかる。

この声は……

 

「ユニっ!」

 

そう言って駆け寄ってくるのはゲーム開発部の皆だった。装甲はアリス以外の皆が手分けして持っている。

その後ろから見慣れない男の人が。

 

「一人でよく頑張ったね」

「……もしかして、あなたが?」

「うん、君と会う予定だった大人だよ。気軽に先生って呼んでね。よろしく、ユニ」

「……よろしく」

「おめー、なかなか根性あるじゃねえか」

 

さらに後ろからネルが獰猛な顔をしてやってきた。

 

「後は私達に任せて。ユニは休んで……」

「いや、残りも任せてほしい」

 

私は首を振り、先生からの提案を断る。

 

「だけどユニ、左腕が……」

「……皆、渡してくれる?」

「う、うん。でも……」

「私が直接聞きたいことがある。……信じて」

「……せ、先生」

「……うーん、ネル、すぐに動けるように、準備して」

「おう、任せろ」

「一回だけ、許すよ。ただし、危ないと思ったらすぐに退かせるからね」

 

私はそれに首を縦に振り、シールドを手から落とし、皆から装甲を受け取る。

念じるようにすると、全身に装着できた。

 

さて……

 

「……流石に、これ以上は暴れさせられない」

 

使おう、あれを。

 

「『NT-D』」

 

そう呟く。

目の前には口にした言葉と同じ文字が現れる。

すると全身の装甲が変化……『変身』する。

装甲の隙間から『サイコフレーム』が露出し、脚部はヒール型になり、頭部の角が割れる。

そして、サイコフレームから赤い光が輝き始めた。

 

「うわぁ……!」

「これは……一体……!?」

「ヘイローも赤くなって……!?」

「なんの、光……!?」

 

ユニコーンガンダム、デストロイモード。

残りは三機……一機はアリスの射撃で中破している。

まずは……よし。

ブースターを吹かし、ビームガトリングガンまで飛んでいく。

そして中破している戦車に―熱源感知で人とエンジンが無いところを探しながら―撃ち込む。

穴だらけになった戦車からは少女達が慌てて出ていく。

 

「ひぃっ!?」

「なんだよあれぇ!?」

「お、お前ら慌てるな!流石に戦車の火力なら……」

 

何か会話をしていたようだが気にせず、ブースターで近づく。戦車の速度では追いつけない。

一機はさっきと同じように破壊する。

リーダーと呼ばれた者が乗っている戦車には、ビームガトリングガンとは反対の腕でバックパックからビームサーベルを引き抜き―

 

「……ふっ!」

 

―斬り刻んだ。

 

 

 

辺りはもうオレンジ色になる頃。

少女―不良達は大人しく捕まっていた。

私はリーダーに質問する。

 

「聞きたいことがある。あの戦車は、一体どこから?」

「あ、あれは、あんたにやられた後、変な奴が出てきて、渡してきたんだ。お前を、ガンダムを壊せ、って言いながら……」

「どんな見た目だった?」

「わ、分からねぇ!奴は暗い場所にいて、顔も分かんなかったんだ……嘘じゃない!」

「そう……もう大丈夫。ありがとう」

 

不良達はそうして、ヴァルキューレと呼ばれる警察組織に連れていかれた。

 

……ふむ。

考えていると、ミドリが声を掛けてくる。

 

「どうして、そんなことを?」

「……あの戦車には、あるエンブレムが着いていた。それが、見覚えがあった」

「見覚え……ってことは、元の世界の?」

「うん、あれは……

 

アナハイムのエンブレムだった」

 

「噓……」

「それってどういうこと?この世界には無いはずだよね?小さかったら、分かんないけど」

「それは……おっと」

 

私の考えを喋ろうとすると、ついふらついてしまった。

その様子を見て、先生が口を開く。

 

「会話もいいけど、今日はもう休んだ方がいいよ。後の処理はやっておくから」

「……確かに、そう。申し訳ない、先生。来てもらったのに……」

「いいんだよ。生徒第一だからね」

「じゃあアリス達が鎧を持ちます。重たくはありませんか?」

「さっきまでは大丈夫、だった……疲労状態だと多分、駄目なんだと思う」

「こ、壊れた盾は私がエンジニア部まで持っていきます」

「ユズだけだとちょっと重たいし、私も着いていくね!ミドリ、アリス、任せたよ!」

 

そう言ってモモイとユズは歩いて行った。

私達も部室へ戻ろうとすると、一人の少女が前に現れた。

 

「私も手伝ってやるよ」

「ネル先輩!?」

 

ネルだった。ネルは近づいてきて、私が持っていた装甲を奪い取るようにして抱える。

 

「ったく、ホントは暴れてやろうかと思ってたのによ、お前が全部やっちまったせいでストレス解消出来なかった」

「アリスに十五連敗してたからでしょうか?」

「アリスちゃん、しーっ!」

 

そう言うが、ネルの顔は笑っていた。アリス達の会話は聞こえていなかったみたいだが。

 

「だが、面白いモンも見れた。お前、なかなか骨のある奴だしな……今度私と戦おうぜ」

「えっ!?ユニさん、この人強いんですよ!止めた方が……」

「ユニがネル先輩に決闘を挑まれています!」

 

そんな会話をしながら、私達は部室へ戻っていった。

 

 

そうして、私の長い一日が終わったのだった。




一方その頃。
「……ク、クク……また、お前達が敵になるのか……ガンダム……!」
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