一つの「挨拶」。そのコミュニケーションから始まったコンピューターの歴史。そこからコンピューターは浅い歴史を豪速で駆け抜け、仕事、娯楽、物流、日常生活から家族に至るまで世の全てが繋がった広大なインターネットを形成し、時代は「超IT社会」を迎えた。
その手に余るほど利便性を極めた世界の中で、もう誰もその先を想像すらできなくなっていた。しかし、10年前のことだ。この超IT社会に
電脳空間『Guff』の発見である。
それは規模を測定することもできない『もう一つの世界』にして『大規模なデータベース』。製作者、製作期間、製作目的、そのどれもが不明。それはただ、なんの兆候もなく突如としてインターネットの世界に現れた。
なにもが不明な存在だが、確かなことはただ一つ。
『Guff』の発見は、人々の生活を劇的に進化させた。
例えば検索エンジン『Can-View』、動画投稿アプリ『Be-CAST』、RPGゲーム『インペリアルドラゴンズオンライン』。いまや誰もが知り、赤子でさえ扱うサービスたち。これらすべては『Guff』から発見されたものだ。
そう、『Guff』内部に眠っていたデータは人知を超えたテクノロジーだった。
まさに神が作ったとしか考えられない画期的な発想、それを体現したプログラム。その破片が、データベース内部には漂っていたのだ。そしてある企業が『Guff』から回収したデータを元にアプリを開発、発表したことで世界は変わった。
『Guff』はあまりに広大で、境すら存在しない。故に、独占は不可能。『ある方法』を使いさえすれば誰でもアクセスが可能な『電子の海』。そこに眠る資源を掘り起こし名を上げようと、民間企業は一斉に動き出した。
「虫野郎を見つけた! サポート頼むぞ廉太郎!」
騒然、そして悲鳴が飛び交う昼間の街中。
狂騒の中で通信越しに声を張るその姿、そして混乱の渦中にある複数体の影は、いずれも電脳世界が現実世界に生み落とした存在だった。
『Guff』が社会に与えた新たな概念は3つ。
1つは内部に漂うデータから作られる『新たなテクノロジー』。
もう1つは負の副産物。『Guff』のデータから生まれた電脳世界のバグ、『ロギア』。ロギアの発生源および原因は不明。対策は不可能。ただ現実世界に侵出しては、ゾンビのように無作為に人間を襲う。
そして、最後の1つこそが人間が『Guff』にアクセスする手段にして、ロギアへの対抗策。『Guff』から入手したデータを全身に装備として纏い、戦闘手段に変換するシステム。通称『ウェブライダーシステム』である。
白昼堂々と蠢くロギアは、這うような紋様と真っ黒な体色も相まって、人型でありながら虫と形容するのに些かの疑問も沸かない。そんなロギアに相対する「ウェブライダー」は、腕時計型のデバイスをコツコツと叩き、近接格闘に長けているであろう装甲を纏って前進する。
ウェブライダー『ギルダー』キューペイウェア
所属:『株式会社GFアドバンス』
装着者:代表取締役 藤城壮大
「気合入れて行くぞ!」
目前に確認できるロギアは7体。数は可もなく不可もなく。ギルダーは接近と同時に拳に力を込め、その剛腕を容赦なくロギアへと叩き込んだ。激しく吹き飛んだロギアは空中で破裂四散する。
ロギアは生命ではなく、その肉体を構成するのは『Guff』のデータ。そのデータを回収する仕組みこそが『ウェブライダーシステム』だ。
ギルダーの左腕、ウェブライダーシステムの中核を成す『サイファイデバイス』に、撃破したロギアのデータが吸収された。こうしてウェブライダーたちは、ロギアとの戦闘を介して『Guff』のデータを入手するのだ。
「
『Guff』から回収したデータ、それによって作られたアプリの全ての機能および管理権限は、『アプリギア』と呼ばれるたった一つの歯車に規格化される。その『アプリギア』を『サイファイデバイス』と組み合わせることで、ウェブライダーシステムは真価を発揮する。
ギルダーの『Q-Pay』はクーポンアプリのアプリギア。
その能力は、特定の条件達成による『特典クーポン』の獲得および、その行使。
《スピード30%UP》
《パワー『両腕』30%UP》
「こいつで締めだ!」
《Circuit-Full-Open! Q-Pay!》
《IGNITION-OVERDRIVE》
クーポンによって能力値を底上げされたギルダーは、その速度で散らばるロギアに肉薄し、その膂力によって一撃で敵を仕留める。そうして僅か数秒で4体のロギアのデータを回収し、残る標的は2体。
クーポンの効果が切れるまで時間は残っている。加速を続けるギルダーの体が残り2体に向いた瞬間、その拳が炸裂する前にロギアたちは光の弾丸に射抜かれて消滅してしまった。
ロギアのデータはギルダーのサイファイデバイスではなく、その頭上斜め上に吸い込まれていった。その理由の判り切った現象に、ギルダーは悔し気な様子で振り返る。
「『ReV社』……勘弁してくださいよ、今のはウチの獲物でしょ!」
「……」
コンビニの屋上からギルダーを見下すように構えるのは、上半身にマゼンタの装甲を纏ったもう一人のウェブライダー。手に持つのは銃型の『サイファイデバイス』。
ウェブライダー『リボルト』バブルウェア
所属:『ReVTechnica』
装着者:非公開
「一応ここはウチのお膝元なわけですし。そりゃまだそちらさんとの規約とか固まってないっスけど、エリアの権利を主張したけりゃ担当のもん寄越してくださいよ!
「……すっトロいのが悪い」
「なぁっ!? ってもういねぇし! なぁこれ舐められてるよな廉太郎!? あーくそ、早いとこ会社デカくしねぇとなぁ……」
発展しすぎた人間の生活を、謎の怪人『ロギア』が脅かす。
『Guff』から回収したデータで超人化した会社員がロギアに立ち向かい、その成果を製品として消費者に還元する。これが新たな社会の構造となっていた。
『サイファイデバイス』を入手し、ウェブライダーシステムを導入する企業は加速度的に増加している。そして今期より新たに、あの『O³コーポレーション』もライダー事業に参入する!
《Sci-fi-Driver Boot up》
「千才新歩、行きます」
サイファイデバイス中心部の歯車型起動スイッチ『セントラルギア』を回すことで、O³コーポレーション製のベルト型変身システム『O³サイファイドライバー』が転送された。
新入社員『
「ウェブライダーシステム、起動!」
《Circuit-Open! Trace-On!》
《ORBIT!》
マニュアル通りに起動シークエンスを完了させると、新歩の四方から板状の立体映像が通過し、それによって新歩の全身に戦闘スーツが換装された。アプリギアを使用していないその形態は装甲を纏っておらず、強化繊維のアンダースーツの表面を青く光る粒子の整流が駆けるのみ。
顔部を覆うディスプレイに表示されるのはO³社のロゴマーク。これがO³コーポションが新規開発したウェブライダー『オービット』である。
「ダイバーフォーム起動完了」
オービットの眼前には3体のロギア。互いが互いの存在を認識すると、即座に戦闘が開始される。
(『オービット』は他社より機動力に優れているけど、馬力は並のスペックだった。だったら取っ組み合いになると弱いよな……?)
事前に目を通しておいた『オービット』の取り扱いマニュアルを再度脳内で確認し、戦闘方法を組み立てる。ロギアの振りかぶりを見て動きを予測すると、オービットは身軽な動作でそれを回避。
(スーツが勝手に分析してくれるのか。他所がどうなのかは知らないけど、こりゃ凄いや)
3体の攻撃を危なげなく躱しつつ、生じた隙に拳を叩き込む。さらにスーツの動作補助によって高く飛び上がり、死角に回り込んで追撃。スムーズなアクションで自分の戦闘リズムを生み出し、敵に何もさせない。O³コーポレーション製らしい機能美だ。
が、しかし。それは1対1の戦闘を仮定した場合である。
「うあっ!? ヤバい……っ!」
1体のロギアを撃破した直後、残り2体がオービットに肉迫する。ここまで距離を詰められればそう簡単には引き剥がせない。最初こそ抵抗できていたが、さっき倒したはずの1体が起き上がったことでじわじわとその余裕は削られていき、遂には完全に3対1の形勢となってしまう。文句の言いようもない形勢逆転。オービットの装着者、新歩が敗北を想像した時点で───
『戦闘シミュレーション終了』
「っ~! 終わったぁ……」
オービット周囲のロギア───実体映像の仮想敵は、そのアナウンスと同時に消滅した。これは実戦形式の『適性試験』。新たに新設された『ライダー事業部』における、『ウェブライダー装着者』の適性を測るための試験だ。
「どうですか、千才君の結果は? 負けてたけど」
「『ダイバーフォーム』での戦闘ですし、このロギアは倒せないように設定されてます。なので戦闘シミュレーションで測定するのは、あくまで『オービット』との親和率や戦闘適性です」
ライダー事業部の部長、
「サイファイデバイスとの適合率はA、戦闘スコアはBといったところでしょうか。Guffへのダイブ時間は4分程度ですが、身体能力も合わせて彼の経歴からすれば十分に並外れています。オービットの性能を短時間で理解し、扱う能力という部分でも及第点でしょう。総じて適正有りと判断して問題ないかと」
「そう……ですか。ありがとうございます」
「これでハッキリしたな。お前はオービットの装着者として『不合格』だということが」
結果を聞くとおもむろに口を開いたのは、事業部の先輩にあたる
「三河さん、俺の適正ランクはいくつですか」
「適合率はA、戦闘スコアはA+、Guffへのダイブ時間は15分。学生時に格闘技で指定強化選手に選抜された経歴もあり、我が社に戦闘能力で彼を超える社員はいない……そりゃ、夏樹君と比べたらね」
「我が社のデータアナリスト、三河さんがこう言っています。これでもまだ千才を装着者に据えるおつもりですか? 古月部長」
「まぁ……そーなりますよねぇ」
O³コーポレーションの新入社員、千才新歩。彼は入社早々にライダー事業部へと転属となった。そもそもあれを転属と言っていいのかどうかはともかく、そこまではなんとか新歩も受け入れられたのだ。O³社で働き、役に立てるなら場所は問わなくてもいい。
だが、そんな新歩に古月がにこやかに言った。
『あ、キミがウチのウェブライダーね』
(なんでそうなった!?)
本当に意味が分からない。進歩の脳内はパニックと苦言で暴風雨だ。
ライダー事業というのは新歩も把握している。しかし、業務に『戦闘』という項目が加わる以上、喧嘩すらしたことがない新歩がとても向いているとは思えない。
と、進言する前に帯刀が同じ旨を発言。一応適正を測るくらいはしようと、ライダー事業の立ち上げに合わせて作られたシミュレーションルームに移動し、今に至る。
ちなみにもう一人のジャージ出勤同期の
「凡百のライダー事業部であれば千才は優秀な装着者として重宝されるでしょう。しかし、ここは新時代を第一線で戦うO³コーポレーション。この会社には俺がいます」
「おっとっと、言いますね帯刀君」
「千才の経歴にも目を通しました。プログラミングや演算の才能に長けてるだけの優秀な城南の新卒。こんな奴は商品開発部にでも入れておけばいいんです。公募で集まった候補者を蹴った必要さえも感じない。ライダー事業部には必要ない」
ウェブライダー装着者の募集なんてしていたのかと、新歩は驚いた。自分には関係ないと思っていたから目に入らなかったのだろうし、実際関係無いはずだったのだ。本当になんでこうなった。
それにしても散々な言われようだ。しかし全て事実であり、新歩自身が思っていたこと。
「何か反論はあるか」
「僕も、そう思います。元々は商品開発部の配属でしたし、やっぱり何かの間違いなんじゃないですかね? ほら、仕事って向いてる人がやるべきじゃないですか」
「千才くんもそう言いますかー。でも、ウェブライダーは変えられないんですよ。何せ社長直々のご指名だし」
「……社長の!? どういうことだ。お前、社長の隠し子か何かか?」
「えっ……!? 知りませんよ、初めて会ったのだってインターンの時ですし! その時だってほとんど会話もしてないですし……」
「社長の指名」とあれば無碍にはできず、帯刀の視線が更に棘を帯びたように痛い。だが、早々に気持ちを切り替えた帯刀は、新歩から目線を外して古月に詰め寄った。
「優秀な人間が仕事を取るべき、社長の命令だろうが優先すべきは利益のはずです」
「野心家ですねー、そういうとこ僕苦手です」
「だから社内で嫌われるのよ夏樹君」
「今必要ですかその軽口。ともかく古月部長、社長には報告をお願いします。ライダー事業を成功させたいのなら、ウェブライダーの担当者は俺にすべきだと」
________________
「疲れたー!! 空気が、重い!!」
適性試験を終え、仕事の軽い説明を終えたところでお昼時。社員食堂で昼食を取りながら、派手に息を吐いた。まだ半日だというのにとんでもない疲労感だ。
「ご飯が……旨い……!」
一流企業の社員食堂ともあり、大学の学食とは雰囲気からレベルが違う。もう食堂というよりお洒落なカフェだ。牛肉ごろごろのカレーが胃袋にドカンと満足感を与えてくれる。しかも辛すぎず、ボリュームに反していくらでも食べられそうな味わいがまた染みるのだ。
なるほど、仕事が多少辛くてもこの食事で精神力を回復させる算段か。新歩は仕事に楽しさばかりを求めてはいなかったが、この有難みが理解できてしまうレベルには削られてしまったようだ。
「僕、どうなるんだろうか。いきなりウェブライダーって言われても困るし、先堂はよくわからないし……ていうか男の人でいいんだよね先堂って? 『単』ってどっちだ?」
同期なのだから少しでも間を縮めようと先堂を昼食に誘ったが、無言のまま断られてしまった。想像以上に上手くやっていける気がしない。先堂もだが、なによりも帯刀が問題だ。
「帯刀さん、怖かったなぁ……言ってることは全くその通りなんだけど、なんかもう苦手だ、あの人。言い方がよくないんじゃないかな。うん、あんな言い方しなくたって……」
「言い方を変えても意味は変わらんだろ」
「───っ、帯刀さん!?」
心臓が止まるかと思った。いや、たぶんコンマ数秒止まったと思う。少し気を緩めて愚痴をこぼしたタイミングで顔を上げると、銃口を突き付けるかのような帯刀の視線と目が合った。
「相席いいか」
「どうぞ……」
普段自宅でサボテンのノイマンに話しかけているものだから、どうにも独り言が癖になっている。それが派手に裏目に出たというか、墓穴を掘ったというか。帯刀はカツ丼を食べながら、じっと新歩を睨みつける。
「ウチの社員食堂でカレーか」
「好きなので……」
「ここはカツカレーの方が旨い」
「すいません……」
「おい千才」
「はいっ!?」
「聞きたいことがある。答えろ」
さっきの愚痴について叱られると思い、地獄の数秒間を身構えていたが、そんなことを気にも留めず帯刀は己の要件に話を進める。そういうところも含めて苦手だ。新歩は既にこの男とうまくやっていける気がしない。
「『オービット』にお前が選ばれた件、理由はなんだ」
「え……いや、だから。そんなの何かの間違いだって……」
「ウチの社長、三廻部界人。彼は自身で立ち上げたO³コーポレーションを、僅かな期間で大企業にまで躍進させた超が付くやり手だ。『何かの間違い』だなんて、あの人に限ってそんな下らないミスはしない。お前が選ばれたのには必ず明確な理由がある」
そんなこと言われたって知らないものは知らない。新歩自身が聞きたいくらいだ。新歩に対する分析は、あのアナリストの三河という女性と、帯刀が下した結論が全て。
ウェブライダーに選ばれるのは名誉なこと。実質大出世のようなものだ。ウェブライダーは、いわばその会社の「顔」になるに等しく、広告塔として利用する企業も多い。そんな存在として選ばれて困惑した新歩だが、嬉しい気持ちも確かにあった。
しかし、ここは『社会』だ。各個人は各能力に合った仕事に就き、人々に貢献すべき場所。新歩はそう理解し、この会社に入ったのだ。
「……すいません、わかりません。僕は戦闘シミュレーションでも負けましたし、僕も『オービット』は帯刀さんがやるべきだと思います」
「お前、さっき仕事は向いている奴がやるべきだって言ってたな」
「はい……そうじゃないんですか?」
「じゃあお前は自分に向いてない業務は断るということか?」
「そういうわけじゃないですけど、でも今は帯刀さんっていう適任がいます。だったら別に僕がやる必要なんて無いじゃないですか。ウェブライダーじゃなくても、僕は人の役に立てるならどこだって……」
「そうか」
何も間違ったことは言ってないはずだ。社会とは大きな精密機器であり、そこで働く人々はよく『歯車』と例えられる。置かれた場所で、ただそこにあるものとして回り続ける存在。己の規格にあった場所にいてこそ、その真価が発揮される存在。
そういう風に誰かの役に立ちたいと、なんでもいいから役に立ちたいと、そう思ったから働きたい。千才新歩はそういう青年だった。
そんな新歩を見る帯刀の眼が、今まで最も恐ろしく感じた。まるで、心臓を突き刺されたような視線。これは『怒り』と、感じてしまったなにより大きいなにかは、そう『失望』だ。
「なんでお前のような奴がウチに受かったんだ?」
「っ、それは……どういう」
「『人の役に立てるなら』? お前はO³コーポレーションに何をしに来た? 自分が選ばれた理由の一つすら述べられない奴に、ウチの看板は不似合いだ」
それだけ吐き捨て、帯刀は空の器を持って立ち去った。その言葉を消化できない新歩を見捨て、置いて行くように。
なんで選ばれたのか分からない。
思えば、この会社に受かった理由すら言えない。
努力を重ねて、結果を残してきた。いつか誰かの役に立てる人間になるために。
それの一体、何が駄目だと言うんだ。
_________________
昼休みを終えた新歩と帯刀。あぁやって別れたあと再び顔を合わせなくてはならないのが、どこまでも辛い。そんな二人に対し、欠伸でもするかのようにぼんやりと、古月は言った。
「『オービット』はやっぱり千才君だそうです」
「な……!? どういうことですか、社長に報告は!」
「しましたよぉ。した上で即決。今後は千才君を中心にライダー事業を展開し、帯刀君にはそのサポートを頼みたいと」
「俺が、こんな奴のサポートですか!? 納得できません。俺が『オービット』に相応しくないのなら、その理由を聞かなければ引き下がれない!」
「上司命令です。野心家なのもいいですけど、たまには上下関係も尊重してくれませんかね?」
「俺に無能の首振り人形になれと言うんですか!?」
再び、今日幾度目かの帯刀の一瞥。そんな眼で見られたって、理由がわからず困惑しているのはこっちの方だというのに。そんな中でも古月から手渡されるのは、専用のサイファイデバイス。
「これはキミのモノです。あ、そうだ先堂君。アレ、もうできてます?」
声を掛けると先堂はコクリと頷き、片手に握っていた白い歯車を新歩に渡す。それと同時に、スマホに受信の通知。古月がそれを指さすので確認すると、先ほど交換したグループチャットでの先堂のメッセージだった。
[最適化ソフトのアプリギア『Dr.SMART』のチューニング、さっき終わった]
ウェブライダーは素体の『ダイバーフォーム』にアプリギアから生成されるアーマーを纏って戦う。このアプリギアが、オービットをウェブライダーとして完成させるということだ。
このアプリギアとサイファイデバイス、これさえあれば入社一日目にしてウェブライダーだ。
「でも、僕には……!」
だが、新歩はそれを受け取れない。自分がやるべきじゃないと思っている以上、帯刀を蹴落とすような真似をするなんて出来るはずがない。
しかしきっと、新歩が受け取る以外に先は無い。上司命令と割り切ってしまえばそれで終わる話だ。まだ何か失敗したわけでもあるまいし、まずは言われた通りにやるのが会社員として正しい姿なんじゃないか。
そんな煮え切らない感情を腹の中で掻き混ぜる新歩。その手がサイファイデバイスに伸びる寸前、それを奪うように取り上げたのは帯刀だった。
「帯刀君、なんのつもりですか」
「コイツがグダグダとしてるのが耐えられなかったんですよ。俺が引導を渡してやる」
その時、部署内に設置されたランプが視界を点滅させた。それを見て眩しそうに顔をしかめる古月と先堂に対し、帯刀だけが「ちょうどいい」と笑みを零す。
「街にロギアが出た。これがその合図、俺たちへの出動命令だ。ですよね部長」
「そうですが……まさか本気です?」
「俺が単独でロギアを討伐し、適正を社長に示します。サポートは不要です。俺の実力は俺だけで証明する」
そう言い残し、サイファイデバイスとアプリギアを持って去っていく帯刀。追いかける素振りを見せた新歩を、言葉すら発さずに留まらせる気迫がそこにあった。
仕事にかける覚悟が違う。そう突き付けられた。
「僕、本当に何しに来たんだ……自分のやるべきことすら自分で決められない」
「何って、仕事をしに来たんじゃないんですか?」
なんとも覇気のない口調で、億劫そうに古月が尋ねる。先堂も新歩のことに興味は無さそうだ。きっとこの二人は、仕事を「義務」と捉えてやり過ごすタイプだ。
「それはそうなんです。でも、僕は漠然とたくさんの人の役に立ちたいって、それだけだったって気付きました。だから……このまま帯刀さんが結果を出すのを待って、僕がサポートの仕事に就く。それでいいと思ってる」
すると、今度は個人チャットに先堂からメッセージが届く。
[それでいいんなら別にいいじゃん。なにが駄目なの]
「だよね。そういうもんだよな、仕事っていうのは……わかってたし、それでも楽しみにしてたんだけど……」
「何か吞み込めない、そんな顔ですよ。そういう顔してるのは、自分の中に抑えきれない情熱を持ってる証拠です。僕の同期にもいましたよ、そんなギラついた男が」
情熱と言われてもピンと来ない。なぜなら、新歩はなんとなく昔から思っていた。
人間は社会的な生き物だ。個人の夢ばかり叶うわけがない。こんなに沢山の人間がいる世界で、やりたいことだけなんてできっこない。だから「できること」を好きになり、「できること」を突き詰めようと。それでこれまで生きてきたのだ。
「それにしても話が違うなぁ。僕はてっきり、千才君は喜んでくれると思っていたもんで」
「僕が、ですか……?」
「え、だって言ってたじゃないですか。入社面接のとき」
「あ……!」
そう言われて初めて、新歩は思い出した。
朝からパニックの連続で気にも留めなかったが、古月の顔をどこかで見た気がしたのだ。そうだ、それは入社面接。あのときの面接官の一人に、彼は確かにいた。
「覚えてます? あの最後の変な質問。あれ社長が決めたんですが、まぁ意味が分からないって不評で」
「最後の質問って……」
まさか。そんな思いが新歩の心を満たす。
それが新歩が選ばれた理由だとするなら、そんなのアリか? そうだとしたら今日一番のパニックだ。社会がそんなので成り立つわけがない。でも───
『やれ』と言ってくれるのなら
『やっていい』のなら
理由なんてわからない。でも、僅かな違和感で留められた空っぽの軽い心は、その噴き出した感情に押し流されて体を動かす。
思考時間なんて無かった。気付いた時には、新歩は帯刀を追って走り出していた。
________________
「ウェブライダーシステム、起動」
《Circuit-Open! Trace-On!》
《ORBIT!》
視界の奥に蠢くロギアを確認すると、帯刀は疾走を続けたまま起動シークエンスを完遂させ、ウェブライダー『オービット』を装着した。
アプリギアは使わない。こんな雑兵程度ならダイバーフォームで十分。それくらい圧倒的な成果を出さなければ、社長の耳には届かない。その目論見を易々と実現させるのが帯刀の実力であり、洗練された姿勢から繰り出される完璧な攻撃が、ロギアたちの肉体を砕いていく。
「くっそ! 今度こそと思ったのにもう先約がいやがる! あれは……マジか、O³社までライダー事業参入かよ!」
遅れて現着したのはGFアドバンスのウェブライダー『ギルダー』。先日『リボルト』に横取りを食らったのもあり焦っていたが、更なる大企業の参入を目の当たりにして頭を抱えた。
「……申し訳ないがGFアドバンス、初陣なものでここは俺に任せてもらいたい。利益配分と協定の相談はまだ後日こちらから伺います」
「ちょ、待ってくださいよ! あー、これ絶対舐められてるぜオイ!」
とはいえもうロギアは少数。この数を後から掠め取るのは流石に印象が悪いというものだ。誰とは言わないが。それにしてもダイバーフォームだというのにオービットの戦闘技術は凄まじく、ギルダーも素直に舌を巻く。
厄介な商売敵が生まれたものだ、ギルダーがそう思っているうちに残り1体。
「───なんだありゃ」
ギルダーとオービットが同時に動きを止める。残された1体のロギアの様子が、異常だったからだ。まるで意志を持たず現世で揺らめくようだったロギアが、地面に突き刺さったみたいに硬直している。
そして、その指先から『変わり』始めた。
データの海である『Guff』から生まれたロギアは、現実世界に進出してもデータを吸収し続ける。その視界情報から、触覚から、大気から、物質から。そして、襲ってデータ化し取り込んだ『人間の肉体』や『記憶』といった情報から。
ロギアは学習する。生命とはなにかという定義を。そしてデータの万能細胞である『Guff』の破片がそれを、『生物』の姿と能力として再現し、ロギアは一つ上の次元に進化する。
「それが定説だ。実際には各個体が内包するデータ量やランクなどにも大きく影響するらしいが……」
「実際見るのは初めてだぜ。あれが『進化系』のロギアか!」
紫や青で構成されたモザイクの鎧がロギアを呑み込んだ。腕に備わったのは爪か、或いは『翼』。よく見れば肩までの大部分が『翼』の意匠を持ちつつ、暗闇のような体組織の中で眼だけが怪しく光る。そして聴覚情報をキャッチするのに適した頭部のそれは、鳥類には存在しない『耳』だ。
翼を持つ哺乳類、『コウモリ』のデータを再現した『バットロギア』は、生誕と同時に高周波の絶叫を街中に轟かせた。
「───っ!!」
怯ませ、その隙に狩る。これこそ生命の基本知能。
音で体勢を崩したギルダーに照準を定めたバットロギアは、刃状の光弾を放つ。それはオービットの認識を置き去りにする亜音速で通り抜け、標識や建物といった障害物ごとギルダーを吹き飛ばした。
「嘘だろ……! 『ダメージ35%カット』を使ってこれかよ……!」
ギルダーがなんとか立ち上がれる程度で済んだのは、寸前で奇跡的に『クーポン』の使用が間に合ったから。『進化系』、ライダー事業立ち上げに際して情報として知ってはいたが、これは想像以上に強過ぎる。
次の標的はオービットに定まるが、戦慄と同時に昂ぶるのは、帯刀の野心。『進化系』は確かに強いが、倒した際に高ランクのデータが回収できる確率が極めて高い。そのデータは一つあるだけで会社一つを立ち上げられるような代物ばかりだ。もしコイツを討伐できれば、それは覆しようのない功績となる。
だが、その野心が帯刀の視界を奪った。
アプリギアを装填しようとした瞬間、バットロギアの姿が目の前から消えていたのだ。
「馬鹿な、何処にッ……!?」
刹那、明確な意思を持った殺意を、背中の肌が感じ取った。
振り返る。アプリギアの使用が遅れる。その何も纏っていない左腕を、背後に現れたバットロギアに掴まれてしまった。
『Dr.SMART』のアプリギアが左手から落ちる。それはバットロギアの体に吸い込まれ、消えた。そして消え始めたのはアプリギアだけではなく、帯刀の左腕の感覚もだった。
ロギアは人間を襲う。具体的に、その肉体や記憶をデータとして吸収する。その被害は拡大を続ける一方で、こうしてウェブライダーが返り討ちに合うケースも珍しくはない。
「当然だ……旨い仕事にはリスクが伴う。だが、俺は……俺が……! こんなところで……!!」
『オービット』のスーツが消え、帯刀の体からデータが消えていく。もう左腕からは痛みすら感じず、恐怖だけが全身を侵食する。不覚を嘆くような時間さえ与えてはくれない。失態はそのまま死として徴収される。それがこの社会の現実だ。
「───『ロギアに襲われている人を見つけたら、直ちにロギアから引き剝がす』!」
衝撃とともに吸い上げられる感覚が止んだ。帯刀の左腕からロギアの腕が離れたからだ。恐怖から放たれた帯刀の視界が最初に捉えたのは、スーツの袖で汗を拭う新歩の姿。
「『生身の場合は助走をつけた飛び蹴りが有効』。マニュアルに書いてあって助かりました。大丈夫ですか、帯刀さん!」
「千才……! 何をしに来た、待機していろと言ったはずだ!」
「その命令は聞けません。無能の首振り人形には、なりたくないので」
「お前っ……!」
帯刀の腰から外れたサイファイデバイスを拾い上げる新歩。そして、目の前に迫る進化系のロギア。今度はシミュレーションでもなんでもなく、本物だ。息が詰まり、足がすくむ。入社面接と比にならないくらい怖い。でも───
「何をする気だ……それは俺の!」
「違います。これは……! 僕に与えられた『仕事』です」
「馬鹿が! 『誰かの役に立ちたい』だとか薄っぺらい献身志願者が。そんな奴は腐るほどいる。そんな奴から腐っていく! そんな奴ほど……死んでいくんだ! お前みたいな奴に務まる仕事じゃない!」
「僕も、そう思います。でも思い出したんです。その薄っぺらい献身願望の原点を」
入社面接のときのことだ。大方予想通りの質問が来て、たまに捻ったことも聞かれ、それらに概ねいい回答を提示できたと思っていた。そんな新歩に課された『最後の質問』。
『子供のころの将来の夢を教えてください。嘘でも構いません』
何と答えるのが正解なのか分からなかった。『政治家として国を良くしたかった』? それとも『昔からプログラマーになり、御社のような仕事に就ければと思っていました』とか言えば好印象だろうか。
でも、新歩の口から出たのは全く異なる回答。
それは無意識のうちに非現実だと忘れていた憧憬。夢だとすら認識していなかった感情。社会という現実が近づくにつれ、置いてきたと思っていた、嘘偽りのない魂の中核。
「ここに来る途中、ロギアから逃げる人を見ました。僕は……やっぱり人の為に働きたい」
人間は社会的な生物だ。個人の夢ばかり叶うわけがない。
そんなわけがあるか。自己実現と、社会からの需要、その交点に存在するのが人間の『仕事』だ。そこに『仕事』として存在する限り、どんな馬鹿げた夢だろうと諦めてやる筋合いは無いだろう。
朝、荷物の中に戻したヒーロー番組のフィギュア。
手垢で汚れたあの人形が、僕の『夢』だった。
「僕は皆を助ける『ヒーロー』になりたい! 僕はこの仕事で、僕自身を実現する!」
《Sci-fi-Driver Boot up》
サイファイデバイスのセントラルギアを回し、出現する『O³サイファイドライバー』。しかし、シミュレーション時には無かった反応がサイファイデバイスから示される。
《User authenticated》
《Unlock》
サイファイデバイスから転送されたのは、水色のアプリギア。そのロゴマークはよく知っているもので、それを見た帯刀も目を見開く。
O³コーポレーションの代名詞ともいえるサービス、検索エンジンアプリ『Can-View』のアプリギア。それを見て新歩はただ頷くと、サイファイデバイスにセットしドライバーへと装填した。
《Connect》
《Ready for Access Ready for Access…》
「ウェブライダーシステム、起───いや、違うな。もっとこう……そうだ」
そんな会社の命とも言えるギアが現れた理由も、もはやどうだっていい。さぁ回れ。動き出せ。世界を回す全ての歯車は、新歩がヒーローとして戦うために存在する。
「変身!」
《Circuit-Open! Trace-On!》
《ORBIT!》
《Can-View!》
《
四方向から光の板が新歩を通り抜け、ダイバーフォームのスーツが装着される。その上に出現するのは、アプリギアから出力された追加武装『ライドアプリギアーマー』。検索バーを模した青と白のアーマーがダイバーフォームの右半身を覆った。
最後にゴーグルのディスプレイが社名のロゴから『Can-View』のロゴへと切り替わり、新歩の『変身』は完了する。
ウェブライダー『オービット』キャンビューウェア
所属:『O³コーポレーション』
変身者:新入社員 千才新歩
「『仮面ライダーオービット』、これが……僕の仕事だ!」
バットロギアと視線が合った瞬間、オービットの視界に情報が流れ込む。これは『Can-View』の画像検索機能。そのちょうど1秒後、バットロギアが放つ超音波のショックウェーブがオービットを貫いた。
「ノイズシャッター……ギリ間に合った!」
検索によって得た情報から攻撃手段を読み、先手を打った。音が無ければ威力は左程であり、怯むことなくバットロギアに蹴りを見舞う。想定外の展開にフリーズするバットロギアに対し、オービットは更に追撃。
「よし、これなら」
「待て千才、お前じゃヤツには勝てない! それに……さっきヤツにアプリギアを奪われた! 仮に倒せたとしても、アプリギアが破損する可能性がある!」
「わかりました。なんとかします!」
「なっ……!?」
オービットが自身の右腕に触れると、虫眼鏡を模した手甲から棍棒の装備が展開した。その形状と性能はまるで警棒であり、迫るバットロギアにシャフトを叩きつけると同時に電撃が解放される。
棒術を扱うのは経験が無い。だから、新歩は『検索』する。
「ハロー、Can-View。『棒術 戦闘』」
コンマ数秒で数百万件の情報が発掘される。『棒術』に『杖術』、『棍術』、『剣術』。その基本動作から応用、技の数々がオービットの視界を飛び交う。その情報の激流の中に身を委ね、新歩は───
「そっか……そうやればよかったんだ」
その全てを理解した。
翼を拡げ、空中からバットロギアが強襲する。シャフトを構えたオービットはその軌道を見定め、急降下による音速の激突を受け止めた。そのうえで攻撃を棒で流し、着地したバットロギアの胴体に薙ぎ払いが炸裂。
オービットの半径数メートル、シャフトの間合い。取っ組み合いで馬力が足りないのなら、その中距離を維持したまま、全く隙の無い動作でバットロギアを圧倒する。
武術の経験者である帯刀からすれば、信じられない光景だった。あれはどう見ても素人どころかプロ以上の動き。
(確かに千才に戦闘技能は無かった……考えられるのは、あの『Can-View』ギアの能力。だとしても、あの数秒でそれに足る量の情報を選び、取り込んだというのか!? 不可能だ!)
だが、目の前で起こっている事実に説明は付随しない。理由はそれ以外に考えられない。なにが『そこそこに優秀な装着者』だ。社長はこれを見越していたのか。己の見積もりの甘さに辟易する。
『Can-View』と『オービット』が組み合わさることで初めて、その適合率が可視化されたのだ。並外れた情報処理能力と、それをすぐさま戦局に反映できる万能型のセンス。千才新歩は『オービット』に適合する逸材だ。
「ハロー、Can-View。『アプリギア ロギア 取り出し 方法』」
検索したものの、ケースがケースなせいで有用な情報は少ない。だから後は推測と検証だ。画像検索機能でバットロギアの動作から位置を分析し、この『オービット』のスペックと機能から最適な方法を導き出す。
「そこだ!」
再び翼を拡げ、空中に留まるバットロギア。オービットは軽く飛び上がると攻撃の動作を見せるが、まだ間合いの範囲外。防御ではなく後退するバットロギアに対し、オービットはシャフトを最大速度で伸長させた。
シャフトがバットロギアの胸部を突く。その位置はジャストでアプリギアが吸収された位置で、衝撃で破損した体表から『Dr.SMART』のギアが排出された。
衝撃で飛行がままならなくなり、墜落したバットロギア。『Dr.SMART』をその手でキャッチし、厄介なタスクは片付いた。これでもう、倒せない理由は存在しない。
《Circuit-Full-Open! Can-View!》
《IGNITION-OVERDRIVE》
「これで決める。これが……僕の人生の第一歩」
ロギアを確実に撃破するため、以降の活動を度外視してリミッターを解除する『イグニッションオーバードライブ』。有体に言えば『必殺技』のモードだが、今の新歩にとってはこの上ない呼び方だ。
必殺シークエンスを起動したことで、制限されていたシャフトの機能が解禁。激しい電撃と熱を帯び、光の刃が展開された。それは棍棒から進化した電脳の剣。
危険を察知したバットロギアが、刃状のエネルギー弾を連射。オービットはそれを回避せず、真っ向から斬り落として最短距離を駆け抜ける。斬撃の後に生じる爆発を置き去りにし、間合いまであと数歩。
瞬間、攻撃が止んだ。バットロギアがエネルギーを『溜めて』いるのを確認。大技でオービットを吹き飛ばすつもりだろうが、ここまで来て止まるなんて選択肢は、新歩の中には無い。
「僕はこの一歩を、踏み切ってみせる!」
蹴り出して加速し、一閃。そのエネルギーが解放される寸前に、オービットの刃はバットロギアを両断。蓄積されたエネルギーはバットロギアの周囲で暴発し、その影を爆炎の中に消し飛ばした。
O³コーポレーションのウェブライダーという看板。なにより、己と他者の命を懸けた仕事。その両肩に乗る責任は果てしなく重たい。だが、それを補って余りある喜びこそが、見つけた己自身の『夢』だ。本当に心が震えて仕方がない。
『仮面ライダーオービット』千才新歩。
晴れて社会の歯車となった彼の躍動は、連動する人々を伝わり───
いずれは世界全てを動かす、大きな力となる。
File-01 仮面ライダーオービット キャンビューウェア
ダイバーフォーム
【挿絵表示】
キャンビューウェア
【挿絵表示】
O³コーポレーション製「O³サイファイデバイス」と「O³サイファイドライバー」で変身するウェブライダー。変身者はO³コーポレーション社員 千才新歩。検索エンジンアプリ「Can-View」のアプリギアから生成されたライドアプリギアーマーを纏い、画像検索・音声検索を駆使することで膨大な情報の収集が可能。腕部の棍棒装備「ブラウザーシャフト」による中距離戦闘を主体とすることでスペックが最大限に発揮される。
File-02 バットロギア
【挿絵表示】
現実世界の情報から「コウモリ」の生態を再現し、VPNアプリ「Bat eye」のプログラムを発現させた進化系ロギア。翼を有しており、亜音速での飛行が可能。胸部を中心に胴体全体にかけて発声器官が存在し、全身から超高周波の音波攻撃を放つ。また、発生させる音波に仲間のロギアにのみ認識可能なメッセージを乗せることで、傍受不可能の通信を行う。照度の低い平面にGuffへの抜け道を作る能力を持つため、対策無しでの撃破は困難。