仮面ライダーオービット   作:壱肆陸

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task.2 相互性レスポンシビリティ

 O³コーポレーション ライダー事業部 活動報告

 

 新たに開設したライダー事業部に配属されたのは、部長「古月充伍」、営業部から転属「帯刀夏樹」、新入社員「先堂単」と「千才新歩」。現時点で以上4名。ウェブライダーシステム「オービット」の装着者には千才新歩が抜擢。

 

 市街地に進化系のバットロギアが出現。帯刀夏樹がその討伐に向かうも敗北し、左腕を負傷。遅れて現着した千才新歩がCan-Viewのアプリギアを使用。オービットとしてバットロギアの撃破に成功。

 

 千才新歩はシステムを「仮面ライダー」と呼称。その意味は不明。

 

 

__________

 

 

 一流大学を卒業。格闘技では指定強化選手に選抜。

 人生の肥やしとなる要素は、全て努力と才能で勝ち取ってきた。

 

 帯刀夏樹はエリートだ。

 

 O³コーポレーションに入社して5年。営業部のエースの座を手にした彼に、転機が訪れた。新設されるライダー事業部に転属が決まったのだ。ライダー事業といえば今や社会の最前線。人々の平和を守り、アプリ開発の中核を成すウェブライダーは、会社員でありながらスター扱い。ここが人生のゴールだと、彼は確信した。

 

 しかし、彼は「オービット」には選ばれなかった。

 その好機を逃がすまいと、自分から資格を掴みに行った結果が、この何も感じず動かせもしない左腕だ。「オービット」に選ばれたのはあの天才、千才新歩だった。

 

 

「こんなところで、終われるか……!」

 

 

 病室で歯を食いしばり、猛る感情を叫びにせず呑み込む。

 こんな屈辱があるか。俺の人生は、まだ終わっちゃいない。

 

 

__________

 

 

 ウェブライダーシステムを擁する「ライダー事業部」の業務は大きく分けて2つ。1つは人間世界に出現するロギアを倒し、治安の維持とデータの入手を行うこと。しかし雑兵のロギアならまだしも、進化系ロギアの発生は非常に稀かつ強力であるうえに、付近の大企業や警察組織の存在で出る幕が残っていない場合がほとんどだ。

 

 よって、多くのライダー企業は2つ目の業務である「Guffの探索」に力を入れる。

 

 ライダー事業に新規参入し、早速成果を残したO³コーポレーションの「オービット」といえど、Guffの探索は必務。アプリギアを使わない「ダイバーフォーム」に変身した新歩は、データで構成された別世界Guffへと潜入していた。

 

 

(お、あった。これがGuffのデータ……思ったよりわかりやすい)

 

 

 そこは不思議な空間だった。目を凝らすとそこかしこに数字や文字が見え、妙な浮力というか、多重力というか、とにかく動き辛く感じる。厳密には違う感覚なのだが、敢えて言語化するのなら、やはりよく例えられる「海」という表現が近かった。

 

 そこに漂う、解像度の異なる靄のような塊がある。オービットがそれを掴むと、腕を通ってベルトの「サイファイデバイス」に吸い込まれた。これでデータの回収は完了だ。このデータは人類の叡智を超越した存在であり、これらを寄せ集めることでアプリギアの開発が行われている。

 

 広大なGuffに存在する「物質」は全てデータであり、それらをサルベージして現実に還元するのがウェブライダーの仕事。話によると探索に特化したウェブライダーによる「Guffのマッピング」も行われているとか。

 

 

(っ───ヤっバい! 急に来たこの感じ……!)

 

 

 数分の間Guffを泳いでいたオービットに、酔いと倦怠感と疲労が一気に襲ってきた。

 

 「身体をデータ化する」という技術はGuffの叡智を利用しても未完成甚だしく、Guffに長時間潜入していると人間としての機能に不具合が生じてしまうのだ。徐々に手足が動かしづらくなったり、平衡感覚が保てなくなったりと様々だが、行きつく先は呼吸の方法の忘却や脳機能の損傷による「溺死」だ。

 

 

__________

 

 

 

「───お疲れ様です。すいません、全然探索できませんでした……」

 

 

 サイファイデバイスの脱出機能を使い、現実世界に浮上した新歩。大した成果を得られなかったので、恥ずかしそうにライダー事業部へ帰還した。

 

 

「んー、お帰りなさい。早かったですねぇ。ちょっと待ってね、今いいとこなんで……」

 

「グラビアの袋とじは後にしてくださいね古月さん。お疲れさま千才君。メディカルチェックの結果は?」

 

「すごく疲れたくらいで、特に異常なしでした。ま、4分ちょいだったので……」

 

「Guffの離脱後に体に残る『バグ』は、放置すると病状として定着する場合もあるわ。今後もメディカルチェックは怠らないようにね」

 

 

 O³コーポレーションのデータアナリスト、三河(みかわ)眞花(まどか)。設立したてのライダー事業部をサポートしてくれる心強いヘルプだ。美人だし優しい。一方でジャージ姿の同期は、一瞥もくれずに新歩に会話アプリ『Bubble Talk』で個別メッセージを送る。

 

 

[二束三文]

 

「うっ……ごめんて」

 

 

 『BubbleTalk』といえばライバル社であるRevTechnicaの製品なのだが、そのことを指摘したら一言[クソ便利]と帰って来た。先堂は本当に一挙手一投足が不安になる。

 

 

「せめてあの時みたいに、『Can-View』のアプリギアが使えたらなぁ」

 

「ギア装着時のGuff潜入は危険よ。アプリギアは元々Guffのデータだから干渉して余計に動き辛いし、最悪データが損傷するわ。メインシステムは分離してるにしても、『Can-View』になにかあったら責任取れる?」

 

[甚大な損害。株価暴落。謝罪会見。クビ待ったなし]

 

「き、気を付けます……」

 

 

 先堂が真顔で送るメッセージは一々怖い。綺麗な顔なのにこっちは優しくない。先堂はGuffのデータ解析やシステムの開発を担当するそうだが、今ゲームをやってるようにしか見えないのは新歩がロクなデータを持ち帰らなかったからだろうか。

 

 部長の古月は堂々とグラビア雑誌を広げているし、大丈夫かこの部署と新歩は渇き笑いを浮かべた。

 

 

「そうだ。帯刀さんの容態は……どうなんですか?」

 

「……さっき本人から連絡が来ましたよ。命に別状はなし。ただロギアにやられた左腕、感覚が戻らないそうです」

 

 

 その報告を聞き、胸が痛まないわけがなかった。あの時に決断ができていたら、帯刀がロギアと戦うこともなかったはずなのだ。

 

 

「っ……僕のせいで……」

 

「勝手やった夏樹君の自業自得よ。千才君の責任じゃないわ、気にしないで」

 

「あら三河ちゃん厳しい。まぁそういうことです千才君。ロギアに奪われた感覚が戻るかはわかりませんが、頭を冷やすのも兼ねて彼にはしばらく休みを出しておきました。労災名目にするの大変だったんだから全くもう……」

 

 

 そう言うと古月は、新歩と先堂にメールを送信した。苦い顔をした先堂からも察せられるように、そこに記されていたのは主に今後の仕事の内容。

 

 

「しばらくはこの仕事を、三河ちゃんのヘルプ込み4人で回すことになりますねぇ。どうです三河ちゃん。これを機にウチに来ませんか?」

 

「お気持ちだけ受け取っておきますね。私も営業やらシステム監修やらでてんてこまいなので」

 

「そう言わずに~ここ男ばっかで見栄え最悪なんですよお」

 

 

 そこで新歩は初めて、先堂が男性であることを知った。確かに背は高いと思っていたが、姿勢が悪いせいでわかりにくいのだ。同期の新情報をインプットしながら仕事内容のメールを開くと、その情報量に面食らった。

 

 オービットの動作試験に能力値測定。オービットの性能改善及び新装備の開発。Guffに関する講習会や研修。プロモーション戦略の会議。警察関係者との会合。山のようにあるマスコミからの取材。さらにはO³社所有トレーニング施設でのフィジカルトレーニング……これで氷山の一角だ。

 

 

[死ぬ]

 

 

 先堂からも悲痛のメッセージが飛んできた。これは人の事を心配している場合ではないかもしれない。

 

 

__________

 

 

「死ぬ……!」

 

 

 3日目。想像を優に超える激務だった。まさか入社直後に分刻みのスケジュールを追うことになるとは。ヒーローになりたいという自身の願望を仕事と重ねたはいいが、やりがい云々の話ではなく身体的に辛いものは辛い。

 

 

「先堂、昨日は何やった?」

 

[Dr.SMARTギア活用の開発。『Can-View』の方が性能いいし、今後はサポート運用する]

 

「あ、元々オービットで使う予定だったあの……あと今から一緒の現場でしょ、確かえっと……あぁ、遂に来たか。これは気を引き締めないとな……」

 

 

 次の仕事は会社の外。新歩の運転で先堂と共に向かった先は、O³社から車で30分ほどの位置にある別の会社。都心に高層ビルを構えるO³コーポレーションとは違い精々2階建ての建物だが、それでも会社という「城」は立派に見えるものだ。

 

 

[新人2人だけって正気じゃない]

 

「部長がドタキャンしたからね……なんかの接待だって。『任せる』じゃないんですけど部長……!」

 

 

 株式会社GFアドバンス。「九十九キャピタル」をスポンサーとする、学生発のアプリ開発ベンチャー企業。ふたりがここに訪れた理由はただ一つ。この会社もまた、ライダー事業部を擁する企業であるからだ。

 

 

「こんな小さい会社にわざわざ有難うございます! 自分、一応ここの社長とウェブライダーやってます、藤城(ふじき)壮大(そうだい)です」

 

「あ、僕は。じゃない私は……」

 

「あーいっすよ多少砕けた感じで。あの『変身』ちゃんと見てました。O³社の『オービット』さん、今後ともよろしくお願いします!」

 

 

 GF社のウェブライダー『ギルダー』。その変身者の藤城は、バットロギアの攻撃でダウンしていた間に新歩の戦いを目撃していた。新歩は笑顔で求められる握手に応じ、スーツに着替えさせた先堂と共に席に着く。藤城の後ろにももう一人、表情の硬い男性社員が。彼は小さく挨拶をすると、スマホのホログラム名刺で自己紹介を行った。

 

 

五來(ごらい)廉太郎(れんたろう)さん。CTO(最高技術責任者)の」

 

「どうも」

 

「あ、ご存じですか。自分と廉太郎は学生ん時からのダチで、自分が表から、廉太郎が裏から会社を支えてるんす。ウチみたいなちっこい会社がライダー事業やってんのも、廉太郎のおかげなんですよ」

 

「確かに凄いですね……この辺はReVTechnicaさんの『リボルト』が強いですし」

 

「いろんな意味で滅茶苦茶強いっすよねー。そもそも都心ですし、ウチはしばらくGuff探索でやってたんすけど、『Q-Pay』のヒット以降パッとしなくて。このままじゃスポンサーの九十九さんにも申し訳立たないんで、無理言って『Q-Pay』のアーマー開発してロギア退治始めたんです」

 

 

 ロギアの討伐は業績へのスキップロードだ。ただし、帯刀がそうなってしまったように、失敗したときに襲い掛かる代償は大きい。ただ単に、激しい競争率、生死に直結する業務だけあってリターンがデカいというだけの話だ。

 

 

「あ、そういえば聞きたかったんですけど、あの時言ってた『仮面ライダー』って、なんなんです? O³社さん独自のシステムだったら別に答えなくていいんですけど」

 

「いやぁ……そういうわけじゃないんです。僕が勝手に付けた渾名みたいなもので……なんというか、その」

 

「もしかして、ヒーロー番組の『仮面闘士』シリーズから取ってます?」

 

「っ……! わかるんですか!?」

 

「やっぱりっすかー! あの時『ヒーロー』って言ってたから、まさかと思って。自分は今も甥っ子とよく見てますよ。ちなみに……どのシリーズがお好きなんすか?」

 

「僕は『レイバード』が世代だったんですけど、あれから再燃して家で見返してます! 改めてみるとドラマパートが大人向けだし、設定なんか凄く難解で……!」

 

 

 嬉々として語る新歩に、スマホを触れない先堂は「オタクがよ」という顔で呆れを伝える。五來は彼のこういう所には慣れているのか、眉一つ動かさず話を聞いていた。

 

 会社を代表しての訪問だ。来る前は吐くほど緊張していたが、藤城は想像よりも遥かに接しやすかった。

 

 

「俺はこの会社を世界一にしたい。でもそれ以前に、千才さんの仰る通りウェブライダーは『ヒーロー』であるべきだ。自社のテクノロジーで社会の平和を守る者同士、力を合わせていきましょう」

 

 

 接しやすいだけじゃない。彼は社長としての矜持と責任を抱えて、ライダー事業と言う戦場に参戦した猛者だ。その瞳の奥に燃やす野望を隠す気もなく、信用してほしいと格上の大企業相手に手を差し出す。

 

 

「……はい! よろしくお願いします、GFアドバンスさん!」

 

 

 新歩に経験はない。それでも、理由は明文化できないが、確信できた。彼は信用に足る人物で、この会社との関係は必ずO³社の利益になると。

 

 

「まぁ詳しい取り決めとかはまた後日でいっすよ。新人さん二人にはしんどい話でしょ?」

 

「うっ……やっぱお気づきでしたか。申し訳ありません」

 

「じゃあどうします? お時間あるようなら、折角だしウチの紹介でも」

 

「───壮大、それもまた後日に回せ。ロギアが出た」

 

 

 ロギアの出現感知は市民通報や監視映像による自動報告が主だったが、最先端の会社にはロギアの反応をキャッチするレーダーが配備されている。この会社も小規模ながらその例に当てはまっているらしく、五來のスマホがその感知を報告した。

 

 反応が余りに近い。社内が騒然としながらも、社員たちの姿勢に混乱はなかった。冷静にロギアへの対処の準備を始め、最悪の場合の避難まで視野に入れて動いてるのがわかる。藤城も額に汗を流しながら、一瞬で切り替えて眦を吊り上げる。

 

 

「近場も近場なんで……ここは任せてくれませんかね? 『ギルダー』の性能、お見せしますよ!」

 

 

__________

 

 

 それはGFアドバンスのほとんど目と鼻の先のエリア。レーダーが観測した通り、建物の影となった人通りの少ない区画に、複数体のロギアを確認した。

 

 

「さーて、人んちのそばで群がりやがって。害虫駆除だぜ」

 

「壮大。最近は戦闘数に対して節約し過ぎだ。手堅くランクの高いクーポンを使うことも考えろ」

 

「悪かったな貧乏性で!」

 

《Sci-fi-Knuckle-Watch Boot up》

 

 

 藤城が起動させたのは、O³のものとは異なるスマートウォッチ型サイファイデバイス「サイファイナックルウォッチ」。国内屈指のデジタルコングロマリット「九十九エンタープライス」のコア企業「九十九電脳工業」が開発した、準新型の量産機種だ。

 

 

[あのサイファイデバイス、警察にも提供する話があるとかないとか]

 

「本当!? 九十九も色々やってるんだな……」

 

「うっし、そういや千才さん。システム起動時の『アレ』、特許とか取ってないっすよね? 気に入ってんですよアレ。自分も使わせてもらっていいですか!」

 

 

 ナックルウォッチに『Q-Pay』のアプリギアをセットし、四方に出現した光の板の中心で藤城は拳を掲げ、新歩に対する親交の証を叫ぶ。

 

 

《Ready for Access… Ready for Access…》

 

「変身!」

 

《Circuit-Open! Trace-On!》

《GUILDER!》

《Q-Pay!》

 

No bargain. No life.(お得なくして人生なし)

 

 

 黄土色のラインが通うダイバーフォームの胴体と脚部が鎧に覆われ、ナックルウォッチのない右腕に能力を司るデバイスが装着された。これがGFアドバンスが誇るウェブライダー改め、『仮面ライダーギルダー』。

 

 

「っしゃあ! 気合い入れて行くぞ!」

 

 

 ギルダーがロギアに向けて走り出した一方で、新歩はその奥の存在に気付いた。ロギアの群れから離れた一体の浮浪兵。そいつが追いかけて行ったのは、確かに人影だった。

 

 

「いけない! 逃げ遅れた人かも!」

 

 

 ロギアたちをギルダーに任せ、新歩は先堂と共にそちらへ向かう。

 鈍い動きでにじり寄るロギアを前に、逃げ出す素振りを見せない男性。左腕をギブスで固定したその男性は、右手に乗せたアプリギアのようなものをロギアへと放る。

 

 左腕でピンときた。だが、顔を確認しても信じられなかった。

 

 

「帯刀さん!?」

 

 

 そこにいたのは、休養中のはずの帯刀だった。

 帯刀は新歩と先堂の姿を見ると、僅かに顔をしかめて右手をポケットに仕舞う。

 

 

「……そうか、GFアドバンスへの訪問と被ったのか。間が悪い」

 

「まだ入院中って聞きましたよ!? こんなところで、ていうかロギア相手に何してるんですか!」

 

「お前たちが関わる問題じゃない」

 

「そんなわけないでしょ、それは僕らの仕事です!」

 

「いっちょ前に専門気取りか新人の癖に。いくらウェブライダーに選ばれようと、実情は経験も皆無で社会人としては赤子そのもの。責任の取り方も知らないお前たちは、先輩の言うことに従っていればいいんだ」

 

「っ……! まさか、まだ『オービット』装着者の座を……!?」

 

 

 アプリギアを吸収したロギアの様子がおかしい。身体の各部から再生していくように、広がり侵食する紫色の組織。翼と耳の意匠。その姿には見覚えがあった。まさにこの間倒したはずの進化系、バットロギアだ。

 

 

[同じ形の進化系は存在しない。やっぱり生きてた]

 

 

 先堂のメッセージの通り、バットロギアの生存の可能性は荒唐無稽の話ではなかった。あの戦闘で回収したデータを解析したところ、まずデータの量が想定より少なかったのと、アプリのプログラムに一塊の「欠損」が存在したのだ。しかし、ライダー事業部は警察ではない。あの状況下で脱出できる可能性は限りなく低いと判断し、深く追求することはしなかった。

 

 それが実際に生きていて現れたとなると、話は別だ。退化するまで追い詰められたロギアを復活させたのは、さっき帯刀が与えたアプリギアと見て間違いない。

 

 

「自分の意志でロギアを復活させたんですか!? 意味が分からない……正気じゃない!」

 

「俺は正気だ。失態で左腕を失おうが、俺の人生はまだ終わっちゃいない。こんなところで終われないんだよ!」

 

「だからって!」

 

「他人の心配より、今は自分の人生の心配をしたらどうだ?」

 

 

 完全復活を遂げたバットロギアが新歩を見つけた。あの敗北は記憶というデータとして蓄積されている。そして、生命に片足を入れた進化系は、僅かながら「本能」や「意志」を持つ。

 

 バットロギアが発現させたのは、至極真っ当な感情。自分を負かした相手に対する、煮え滾るほどの「怒り」だ。その殺意が向けられる先は、新歩以外にあり得ない。

 

 

「先堂逃げてっ!」

 

 

 新歩の前にいた先堂が、震える体を動かせずにいた。障害物を消そうと腕を振り上げるバットロギアの攻撃軌道から、新歩はタックルで先堂を退かした。荒い息を吐いて転がる先堂の目の前で、新歩の頭上を真空波が掠める。

 

 

「させっかよ! 生きてやがったか蝙蝠傘!」

 

「傘の表現は不要に思うが」

 

「そういうのはスルーで頼むわクソ真面目さんや」

 

 

 バットロギアの顔面に叩き込まれたギルダーの左拳。雑魚ロギアを全て処理し、付近の大きなロギア反応に駆け付けたのだ。そのパンチはクーポンによって増強されており、バットロギアの体を容易く弾き飛ばした。

 

 

「酷ぇっすよ千才さん! O³社さんに見られてると思って張り切ってたのに」

 

「すいません……っ、帯刀さんは……!?」

 

 

 いつの間にか姿を消した帯刀を追いたいが、バットロギアは依然ギルダーを無視して新歩に襲い掛かる。生身相手に容赦なく放たれるエネルギー弾。ギルダーは前の反省からそれを受けず、加速して新歩を抱え、回避した。

 

 

「相棒があぁ言ってんだし、貧乏性は中退だ。使うぜお高いクーポン!」

 

 

 右腕の『Q-パブリッシャー』のテンキーでクーポンを選択し、ダイヤルを回してクーポンを発行。ギルダーが行使したクーポンは4種類。

 

 

《パワー『両腕』30%UP》

《跳躍力50%UP》

《自動修復10%》

 

《Q-Arms[サーキュラー] 3分間使用権》

 

「お得に決めんぜヒーロー優待。貧乏なりのバトル豪遊だ!」

 

 

 『装備の使用権』が行使され、ギルダーの両手元に召喚されたのは、黄色い光を放つ円盤状のカッター。中国に伝わる格闘武器「圏」をベースにした『Q-Arms[サーキュラー]』を握り、ギルダーはバットロギアに斬りかかる。

 

 迎撃で放たれるエネルギー弾を、今度は真っ向から斬り落とした。多少の被弾は一切気に留めず、クーポン効果による毎分10%の損傷修復でゴリ押し、回避の選択を挟まず距離を縮める。

 

 ギルダーのステータス変化に脅威を感じたか、バットロギアが翼を拡げ、飛行を始めた。装備によって拡大した間合いも僅かなもので、一瞬のうちに敵は手の届かぬ高度へ。

 

 

「飛ばれた……! 結局アイツはアレが厄介なんだ!」

 

「ご心配なく千才さん! クーポンってのは───」

 

 

 ギルダーは左手のサーキュラーを、飛行するバットロギアへと投擲した。安定した軌道を描いて敵の胴体を裂いたサーキュラーは一度高度を落とし、跳躍したギルダーがそれを足場にもう一段跳躍。

 

 右手にもう一つのサーキュラーを構え、その高度はバットロギアの頭上を取った。

 

 

「どんな理不尽だろうが覆していいっつう、小市民への免罪符だ!」

 

 

 増強した跳躍力、そして腕力で繰り出される一撃。光量子ブレードの新次元の切れ味が残像を描き、バットロギアが展開した片翼を断ち切った。

 

 サーキュラーは斬撃武器としての威力もさることながら、光量子の刃の円径や形状は可変で間合いは自在。投擲すれば設定した通りの軌道を描き、側面に展開される半重力フィールドによって盾や足場としての活用も可能。

 

 

「現状は時限でしか使えないが、『Q-Arms』シリーズの性能はウェブライダー業界においても最先端を誇ると自負している」

 

 

 五來が初めて、新歩と先堂に対して明確に言葉を向けた。藤城に比べて内向的な彼は淡々と、それでいて誇らしく、彼なりのやり方で『自社紹介』を行う。

 

 

「俺たちの技術は世界に届く。世界一という壮大の夢を、俺が絵空事(フィクション)じゃ終わらせない」

 

 

 ナックルウォッチで変身するライダーの性能は、データ上オービットのような最新型に比べれば劣る。それを補うための『Q-Pay』による天井無しの強化。繰り出せる平均値は低いものの、一発逆転を狙う肝の据わった戦闘理念(コンセプト)

 

 

「これが、GFアドバンスの『ギルダー』……!」

 

 

 強力な進化系相手に、ギルダーは見事に立ち回ってみせた。王手だと、そう確信した矢先に、墜落したバットロギアの体が()()()()()()()()()()

 

 

「なっ、地面に潜ったのか!? 蝙蝠だろアイツ!」

 

「違う。恐らくあれは『影』に潜行したんだろう。流動化した地面に潜ったというより、平面の中に消えたように見えた」

 

「そうか、あの能力で前も逃げたのか……」

 

「まぁ確かに蝙蝠なら影に入れるか」

 

「蝙蝠は影に入れないぞ壮大」

 

「知っとるわ。ジョークだよジョーク」

 

「鮫が影に潜るのは映画だけだ」

 

「ジョーズじゃねぇよ! 上手(ジョーズ)なこと言ってんじゃねぇよってか!?」

 

 

 藤城と五來が言い合う光景は、会って僅かだというのに新歩の目からも馴染んで見えた。命も夢も天秤に乗せて信頼できる仕事のパートナー、その理想図だ。

 

 その反面、新歩はどうだ。先輩である帯刀が事実上の謹慎を破り、ロギアを復活させるという暴挙に出た。もしロギアを新歩に充てがい、オービットを再び手に入れようとしているのなら……それは擁護しようのない犯罪行為。

 

 

「帯刀さんが何考えてるのか、全然わかんない……」

 

 

__________

 

 

 逃げたバットロギアの対処は急務だ。あの影への潜行能力の対策は考えるとして、新歩が今気になって仕方がないのは帯刀のことだった。ライダー事業部に戻り作業を行っている最中も、今一つ身が入らない。

 

 

(先堂は新装備の開発テストか……)

 

 

 古月は接待から帰ってこないし、いま部署内にいるのは新歩と三河だけだった。彼女は正式なメンバーではないというのに、半数が新人でガタガタのライダー事業部に手厚くサポートをしてくれている。

 

 

「三河さん、少しお時間いいですか?」

 

「いいわよー。オービットの戦闘データ解析? それともバットロギアの行動シミュレーション? なんでも聞いて。教えたげるから」

 

「あ、いえ。帯刀さんのことなんですけど……」

 

 

 露骨に嫌そうな顔をされた。帯刀のことを「夏樹君」と名前で呼ぶくらいだから、てっきり親しい仲なのだと思っていたのだが。

 

 

「帯刀夏樹。27歳。男性。昨年度までは営業部にいて、そこでの成績はトップを独走。超が付くレベルの野心家。イケメンだから女性社員人気は高いけど、反面男性社員や近しい人間からは引くほど嫌われてる」

 

「まぁそこまではなんとなく知ってます……気になるのがその『野心家』ってところで、どうしてそこまで立場にこだわるのか。どうしてあんなにウェブライダーになりたかったのか……わからないんです」

 

「まぁ確かにウェブライダーは人気職といっても、評判は二分されるわね。やってることは会社の宣伝を兼ねた素人の自衛。一歩間違えれば責任問題になる危険性も孕んでる。夏樹君にとってはそんなの臆する要素にならないんだろうけど」

 

「人生を賭け皿に乗せてでもウェブライダーになりたい、ってことですか。やっぱり帯刀さんは僕とは違って、そこまで譲れない事情が……!?」

 

 

 そこまで言い進めたところで、急に三河が目を丸くした。これぞ「キョトン」を体現したかのような顔で、真剣に思い悩む新歩に対し簡潔に事実を伝える。

 

 

「ないわよそんなの」

 

「へ……?」

 

「私は知らなきゃ気が済まない性分だし、本人に聞いたことあるの。夏樹君はただ出世したいだけ。『金と地位と名声、それが人生における誉れ』だって。それで命張れるの逆に凄いわよね」

 

 

 拍子抜けだった。何か事情があるなら話し合いの余地があるかも、そう思った新歩が浅はかだったのだろうか。

 

 いや、それは社会に生きる者として至って普通の観念だ。誰もが金を稼ぐために働き、人の上に立つために出世したい。社会貢献を望む者よりそう考える者の方が圧倒的に多く、帯刀もそうであったというだけの話。

 

 

「そうですか……でも、だからってロギアと手を組むなんて……!」

 

「待って何それ。夏樹君が? ロギアと? 初耳なんだけどその話。ソースどこ??」

 

 

 本日二度目の「キョトン」で、三河は新歩に問い詰める。この話を共有すべきか迷っていたのだが、もうこうなっては隠す理由もなく、帯刀がバットロギアにアプリギアを与えていたことを三河に話した。

 

 それを聞いた三河は、落胆を表現するように頭を落とした。それと同時に短い呆れ笑いをすると、全てに納得して平常に戻る。データアナリストの彼女は一連の出来事の解析をもう終えたようだ。

 

 

「えーと、確か……あぁそうこのフォルダ。いま千才君のPCに論文いくつか送るから、それ読んどいて」

 

「え、待ってください。話が全然……」

 

「千才君なら読めば理解(わか)るわ。あと夏樹君がロギアと手を組んだって話、結論から言って『100%無い』。私の分析が正しければね」

 

 

 何が何だか分からないまま新歩はPCを確認。英語で記述されたそれらの論文の内容は、主に『ロギアの生態と行動シミュレーション』について。そこで報告されていた事実は、今日までの研修では習わなかった専門領域の学術データ。

 

 

「そうか……!」

 

 

 ここでも三河の分析は正しかった。それらの論文の要点を流れるように把握し、新歩は帯刀の真意をも理解した。

 

 

____________

 

 

 スマホの着信音は病院か会社からの連絡だろう。それらを無視し、呼び出しの音楽が鳴り響く路地裏でアプリギアを掴む帯刀。時刻は夜、太陽を月が隠して一面が『影』だ。

 

 

「来たか。遅かったな」

 

 

 影から這い出るのはバットロギア。ギルダーとの戦闘で受けた翼への傷は深く、何かを求めるように帯刀へとにじり寄る。帯刀がその残った右腕で、バットロギアの行動に応じて胸ポケットから何かを取り出す。

 

 ただ、それは捧げる餌ではなかった。

 展開して筒のようになったそれを握り、指紋認証を完了させ、帯刀は瞬時に放つ。それが『敵』に『銃』であると悟られるよりも早く。

 

 

「───!?」

 

「餌は旨かったか? だが、それで釣られるとは存外安いな進化系」

 

 

 敵意を剥き出しにした帯刀が持つのは、警察が使う対ロギア専用武器をO³コーポレーションがカスタムした『O³スマートガン』。その銃弾を胸部に撃ち込まれたバットロギアが苦痛の呻きを上げる。

 

 しかし、これで倒せるほど進化系は脆くない。だから帯刀は敵が立ち上がる前に、そのグリップ先端のスロットに白色のアプリギア『Dr.SMART』を装填した。

 

 

「『PDT』を知っているか、進化系。生命に成りたいのなら覚えておけ、27年先輩からのお優しいアドバイスだ」

 

 

 バットロギアが牙を剥く。常人では一方的に狩られるだけの、敏捷性、膂力、そして殺人衝動。それらを紙一重で捌き、帯刀はもう一発の銃弾を放つ。その銃弾は吸い込まれるようにバットロギアの右肩に命中。そして、激しい衝撃を纏って破裂した。

 

 

光線力学療法(PDT)……外科手術前に患者に投与した光増感剤は腫瘍部のみに集まり、腫瘍部は可視化され、且つ光に弱くなる。つまり『標的を目立たせ脆くする』っていう寸法だ」

 

 

 もう一発。今度は脇腹を銃弾が抉る。

 バットロギアは気付く。自分の肉体の数か所が、怪しく輝いているという事実に。

 

 

「お前に与えた餌はDr.SMARTの機能を拡張した『端末』だ。ロギアには『核』があり、そこを穿つことで最小の力でも殺すことができる。お前が消化した『端末』は『核』に作用し可視化させ、Dr.SMARTギアの攻撃と呼応して炸裂する!」

 

 

 全ては帯刀が用意した策。だが、ハッキリ言って無謀な賭けだ。まず『診断』の結果で現れた核の数が多過ぎる。通常は一つの核が、進化系になったことで拡散しているのだ。弱点の喪失、理に適った進化だと納得しながら舌打ちする。

 

 そして、そもそも生身で進化系に挑むというのが土台無理な空論だ。事実、片腕しか使えない帯刀は、怒り狂うバットロギアの攻撃を避けることさえ至難。そこから弱点を狙った攻撃の難易度は計り知れない。

 

 それでも帯刀はやるしかない。その逃避を許さないのは、会社でも、社会でもなく、自分自身の『生き様』。

 

 残る弱点は2つ。バットロギアの追突が、帯刀の体を跳ね飛ばした。体内で何かしらが壊れたのを感じた。出口を求める血液をさっさと吐き出し、帯刀は敵を見る。苦痛を顔で訴える暇があるなら、一発でも多く撃て。

 

 

「俺は『仕事狂い(ワーカホリック)』とよく言われる……1/3は働かなきゃいけない人生だ、狂って当然だろう。俺は仕事に人生を賭けた。お前を殺すことに命を賭けた! 覚悟が足りてねぇぞ怪物!」

 

 

 超音波攻撃がバットロギアの胸から放射される。音は耳栓で対策していたが、衝撃はそのまま喰らってしまい、帯刀の体勢は膝から崩れ落ちる。倒れた帯刀からデータを奪おうと距離を詰めるバットロギア。

 

 至近距離まで到達した瞬間、彼は目を開き、顔を上げた。銃口を突き付け、撃ち抜くは脳天の『核』。わざわざ弱点のことを説明したのは、自分では見えない頭の核から警戒を逸らすためだ。

 

 残る弱点は1つ。しかし、ここまで接近され、攻撃を喰らって動けもしない帯刀に勝ちの目は無い。

 

 

「……俺の負けか。『賭け』、はな」

 

 

 バットロギア越しに網膜へ差し込む青い光は、駆動音に振り替えったバットロギアを撥ね飛ばした。O³コーポレーション製バイク型特殊機装『エクステンストライカー』を見て、帯刀は賭けの敗北と戦闘の勝利を確信した。

 

 

「帯刀さんっ!」

 

「首元を撃て、千才!」

 

 

 バットロギアが立ち上がる前に、帯刀の右手から投げられるスマートガンを受け取り、新歩は即座に引鉄を引いた。全ての『核』は砕かれ、バットロギアの活動が停止する。

 

 目を閉じかけた帯刀が感じたのはアスファルトではなく、人の腕の感触。倒れる前に彼を受け止めたのは、息を切らした後輩の姿。

 

 

「……早かったな」

 

「救急車は呼んでます。意味が分からない……なんでこんな無茶を……!」

 

「その分だと……やはり、俺の作戦は見透かされていたようだな。三河さんの目は誤魔化せんか……」

 

 

 新歩が論文から得た情報は二つ。

 『ロギアの核の存在』と『ロギアは一度取り逃がした相手を追跡する傾向が高い』という事実。

 

 帯刀は一度右腕のデータを奪われた。その味を覚えて、尚且つ知能の高い進化系なら、必ずもう一度帯刀を襲いに来る。そう踏んだ帯刀は、病院や会社から離れ、人の少ない場所にバットロギアを誘導していたのだ。

 

 それだけじゃない。わざとGFアドバンス付近に出現させ、ギルダーに討伐或いはダメージを与えてもらうように仕向けた。全ては帯刀が自身の手でバットロギアを倒すため。それが帯刀の『賭け』だった。

 

 

「先堂が吐きましたよ、作ったばかりのDr.SMARTの装備を帯刀さんに渡したって。なんで言ってくれなかったんですか!? こんな回りくどいやり方しなくたって……帯刀さんが無茶する必要なんて無かったでしょ!?」

 

「先堂に伝えろ、約束を破る奴は仕事でも信用を失くすとな」

 

「帯刀さんは出世したいんじゃないんですか!? お金だって地位だって、こんなところで死んだら意味ないじゃないですか!」

 

「……俺は別に、120歳まで生きたいわけじゃない」

 

 

 新歩の叫びに、帯刀は落ち着いて返事をする。出血多量で、今すぐにでも病院に行かなければいけない重症だというのに、背後に迫る死神を全く恐れていないように話を続けた。

 

 

「生命は、死ぬときは死ぬ。人生は思いがけない場所で途切れる。それは仕方のない事だ。だから俺は、いつか死ぬとき……誉れを胸に死にたい。俺はいつか満足して死ぬために生きている」

 

「だったらなおさら……!」

 

「俺は失敗したんだ。オービットはお前のためのシステムだった。俺はそれに気づかず、判断を誤った結果がこれだ。しかもロギアは逃走した……これも俺のミスだ」

 

「っ、それは僕のミスです!」

 

「新人がミスをするのは当然だ! だから新人のミスは俺のミス、俺が取り返さなければいけない。公表すればライダー事業部の仕事は捜査で滞る……俺のいない事業部がその仕事量を抱えるのは不可能だ」

 

 

 言われてみれば、ここ最近は激務の連続だった。これに加えてバットロギアの対策もしなければいけなかったと思うと相当無理がある。何より事業部の初動、できれば周到に仕事をこなしていきたい時期だ。

 

 

「俺が犯した失態を新人に尻拭いさせるだと……? そんな屈辱があるか。それは俺の汚点だ! 俺の人生はまだ終わっちゃいない……ならば、刺し違えてでも俺の失態は俺が始末する! ……結果、賭けに負けてお前を動かすことになったがな……!」

 

 

 帯刀夏樹という男の全てが、そこで語られた。

 

 思えばこれまで数々の厳しい言葉をかけられたが、どれも新歩の事を考えた正論だ。『誉れ』や『誇り』を第一に据えた価値観で、どこまでも自分や他人に厳しく、理想と異なる現実を許容できない。そんな生き方を、新歩は

 

 

「武士か!!」

 

 

 僅か3文字で一蹴した。

 

 

「なんですか死んでも本懐を遂げるって! その価値観が通用するのは鎌倉時代までです!」

 

「っ……! 江戸までは通じるだろ」

 

「大体ですね、言葉足らず過ぎます! 誰だって色々勘違いしますよ! 合理的過ぎて報連相が雑なんです! それでどうやって営業部トップになったんですか!?」

 

「千才お前……タイプが違くないか……?」

 

 

 息を切らし、汗を流し、声を荒げる新歩の目は涙を溜めていた。そこでようやく帯刀は、自分がお座成りにしていたモノに気付く。

 

 

「帯刀さんは……会社で出来た初めての先輩なんです。仲間なんです! 僕は、帯刀さんを信じたかった……っ!」

 

「……すまない」

 

「次からはちゃんと相談してください……一応僕はウェブライダーで、事業部の心臓です。相棒の失敗は僕らも一緒に抱えます」

 

 

 でも、知ることができて本当に良かった。やっぱりこの人は凄い先輩だと、新歩は確信した。救急車も呼んだし処置は間に合うはずだ。今度はこの人と一緒に仕事ができる。

 

 しかし、エンドロールにはまだ早い。

 バットロギアが立ち上がった。核は全て破壊したにも拘らず、その体は絶命には至っていなかったのだ。

 

 

「なっ、そんな……!?」

 

「落ち着け千才、最悪の可能性を目の当たりにしても冷静に対処しろ。進化系の『核』は、もはや『心臓』ではなかった。そういう仮説もあったという話だ」

 

 

 ロギアの『核』の研究は少ない。探すのが困難であり、狙うのも非効率だからだ。ましてや進化系の『核』についての報告は極端に少なく、帯刀は推測で動くしかなかった。

 

 バットロギアは路地裏から逃げ出す。復活したとはいえ『核』という急所を全て砕かれた状態だ。満身創痍に変わりはない。飛行もせず、不安定な足取りで走り出した。

 

 

「追え千才! こうなる可能性もあったから、俺はお前の目の届く範囲で行動を起こした。美学の対価にできるのは自分の命だけ、ここから先は仕事だ。被害が出る前にオービットで叩け!」

 

「じゃあ帯刀さんは、僕をオービットだって認めて……!?」

 

「オービットはお前のためのシステムだったと言っただろ。最初から認めるも何もない、オービットは千才新歩だ」

 

「そういうことだったんですか……ほんと、分かりにくいんですよ……!」

 

 

 サイファイデバイスを構え、走り出した新歩。バットロギアの走力は既に一般人並みだ。いずれ追いつくが、問題はヤツが向かう先。

 

 

「アイツ……人のいる方に!」

 

 

 どこまで狡猾なんだと、新歩の腹の奥が沸騰するのを感じた。させてたまるか。人質なんて取られる前に、必ず仕留める。新歩はスーツの上着を脱ぎ棄て、脚に力を込めて加速する。

 

 到達した人込み、夜の街。バットロギアの出現で騒然となる空間に、ヒーローは先回りした。障害物や建物を利用したアクロバットで人々の頭上を越え、人々と怪人の間に新歩は降り立つ。

 

 

「帯刀さんが命を懸けて追い詰めた。お前は絶対に逃がさない! それが、僕の仕事だ!」

 

《Connect》

《Ready for Access… Ready for Access…》

 

「変身!」

 

《Circuit-Open! Trace-On!》

《ORBIT!》

《Can-View!》

 

Find yourself(あなた自身をみつけよう).》

 

 

 集中する人々と電子機器の視線。そのヒーローの存在を世界は知る。闇夜を斬り捌く空色のフォトンライン、全知のアプリ『Can-View』を纏った新世代戦士(ニューカマー)

 

 これが、O³コーポレーションの『仮面ライダーオービット』だ。

 

 バットロギアは一度小突けば倒せるくらいに疲弊している。しかし、このロギアの能力は健在だ。力を振り絞って放った光弾が街灯を破壊し、生じた影に潜行してしまう。

 

 

「っクソ! しまった!」

 

「追えと言ったはずだ、千才……!」

 

「帯刀さん!? 何してるんですか動いちゃダメですよ!」

 

「前回の戦闘時……俺はヤツが影に逃げるのを見た。僅かに見えたあの影の先は、『Guff』だ」

 

 

 影に入ったのではなく、『影に抜け道を作った』。しかしGuffに逃げ込むロギアだって聞いたことはない。何から何まであの個体は特殊過ぎる。

 

 

「もう一度言う、Guffに潜ってヤツを追え。追って確実に仕留めろ!」

 

「追うのはともかく、撃破は……Guff内ではアプリギアが使えません! 大体僕は4分しか潜れないのに……!」

 

「ウェブライダーがなぜ『ダイバー』ではなく『ライダー』なのか、知っているか?」

 

 

 確かに思っていたことだ。新歩は憧れのヒーローから『仮面ライダー』の名を付けたが、意味的にはGuffに潜る者(ダイバー)の方がしっくり来る。

 

 

「少し前、ライダー事業部に転属が決まったとき、社長から聞いた話だ。ウェブライダーは本来Guffを乗りこなす者(ライダー)として作られた。千才、お前なら『オービット』の潜在能力を引き出せる。責任は全て俺が取る、安心して行け」

 

「そんなの……!」

 

「人に信じられたかったら先ず人を信じろ。三河さんほどじゃないが、俺は人を見る目には自信がある」

 

 

 そこまで言われたら引き下がれるわけがない。覚悟を決め、アーマーを着たままGuffへの潜入機能を起動させる。バットロギアがやったように、足元に開通するGuffに通ずる『穴』。

 

 オービットが一歩を踏み出す。その体が吸い込まれるように、オービットはGuffへと沈んでいった。

 

 

__________

 

 

 オービットの全身がデータの海水に覆われる。瞬間、体が軋むのを感じた。違和感の発生源は考えるまでもなく右半身、アプリギアーマーだ。身体が重い。関節が微塵も動かず、無理に曲げれば足が砕けてしまいそうだ。

 

 

「勝手に着衣泳を想像してたけど、動き辛いってもんじゃない……! こんなので追いかけるなんて……!」

 

 

 だからどうした。ここでバットロギアを取り逃せば、責任を取るのは帯刀だ。あそこまでして帯刀が守ろうとしたライダー事業部を失ってたまるか。それに、帯刀がくれた信頼を新歩が裏切れるはずがない。

 

 

「動け! 僕は、GFアドバンスの二人みたいに、帯刀さんと働きたい! あの人に責任なんて取らせない!」

 

 

 イメージするのは潜行じゃなくて波乗り。目に見える数字を、文字列を、『Can-View』の能力で解析しろ。全神経をこの空間に同期させろ。『Guff』の全てを理解しろ!

 

 

「僕は平和と仲間を守る! さっさと動けッ! 仮面ライダー(マイヒーロー)!!」

 

 

 その時、世界が変わった。

 見える空間が一変した。そこはまるで『未知の世界』には見えなくなった。

 新歩は全てを知っている。この空間の性質を、敵の場所を、この世界の全てを。

 

 

「───行くよ。世界の果てまで追いかけて、アイツをぶっ倒す!」

 

 

 遊泳ではなく、オービットは飛行を始めた。

 データの海を掻き分け、最短ルートを駆け抜ける。もう動き辛さは微塵も感じない。より深く、より速く、障害物を搔い潜って追跡する。

 

 そして、辿り着いた。4分をとうに超える時間を経て、Guffの奥地に存在する未開拓エリアに。そこに広がっていた光景は、Guff内部に存在する「砦」。

 

 Guffに建造物が存在する事実には、今は驚かない。重要な事実はそこにバットロギアがいて、たった今砦の内部に逃げ込んだということ。

 

 

「見つけた!!」

 

 

 オービットは加速する。砦の内部に躊躇なく侵入し、視界の中心にバットロギアを捉えた。オービットと同じく飛ぶようにGuffを移動するバットロギアは、砦の中の構造を利用して更に逃げ回る。

 

 バットロギアが発現させたのは「VPNアプリ」。砦の内部を暗号化し、改竄し、抜け道を作り、自身の姿を隠匿する。砦はまさに忍者屋敷のように変容し、あらゆるセキュリティがオービットの行く手を阻む。

 

 だが、オービットはまだ動じない。『Can-View』の能力を最大以上に活用。検索によって通り道に存在する罠を予見し、パスワードのロックを突破し、二重三重に張り巡らされた仕掛けを易々と踏破した。

 

 

「やっと追いついた……!」

 

「───!?」

 

 

 バットロギアには理解できなかった。万一に備え、自分の領域に逃げ込んで万全を期したはずだ。それなのに、いくら罠を仕掛けようと通じず、いくら身を隠そうと一瞬で看破されてしまう。

 

 バットロギアは砦を飛び出した。恐怖で思考を放棄し、ただ逃げ出した。

 

 

《Circuit-Full-Open! Can-View!》

 

「ハロー、Can-View……」

 

 

 ベルト中央のギアを動かし、連動して『Can-View』ギアも回転。歯車が廻り、オービットのテクノロジーが駆動を始める。そして、より深くに逃げていくバットロギアの進路に向け、オービットは手を伸ばした。

 

 

「『捕らえろ』ッ!」

 

 

 Guffの全てがオービットに従う。Guffのデータが物質や建造物を構築するように、バットロギアの眼前に形成された『網』。放射状に展開されたそれは、獲物を捕らえて離さない蜘蛛の巣(ウェブ)

 

 バットロギアは理解した。自分が本拠地に逃げ込んだつもりが、全くの逆だった。Guff(ここ)はオービットが支配する『巣』だ。

 

 

《IGNITION-OVERDRIVE》

 

 

 Guffの空間そのものに押し出され、オービットの推進力が加速度的に上昇する。データの世界で波に乗り、青のラインが指し示すまま、動きを完全に封じられたバットロギアに繰り出すのは超加速飛蹴撃(ライダーキック)

 

 バットロギアの中心を貫く必殺の一撃。Guffの中で決着の爆発は起こらず、ただその肉体は一片残らず塵となって消失。その全てのデータが、オービットへと吸収された。

 

 

__________

 

 

 バットロギアを撃破し、回収したデータからも確実な討伐が確認された。これでライダー事業部の初仕事は完全に遂行されたことになる。とはいえそんなことで一々気を抜いている暇はなく、今日も今日とて激務は継続だ。

 

 あの後、帯刀は病院に搬送され、一命をとりとめた。脱走や装備の持ち出しの件もあってえげつないくらい怒られたらしいが、今回の行動でも謹慎にならなかったのは、それを見越して古月が上に掛け合ってたからだとか。

 

 帯刀の左腕の件だが、やはり奪われたデータは戻らなかった。ロギア被害者を復元できる技術は存在しないのが現状だ。しかし、本人の意向もあって回復し次第すぐに職務復帰するそうだ。

 

 束の間の昼休み。食事に安らぎを求め、新歩はきつねうどんを注文した。疲れたせいか重たいものが胃に入っていく気がしない。

 

 

「相席いいか」

 

「あ、はい……んっ!? 帯刀さん!?」

 

「俺が会社にいるのがそんなにおかしいか」

 

 

 おかしいと言いかけて口を閉ざす新歩。帯刀は先日の大怪我など無かったかのように平然と立って、両手でカツ丼を乗せたトレーを抱えていた。いくらなんでも早過ぎて人間かどうか疑うレベルだ。

 

 そして気まずい。先日の件を経たからと言って、別に仲良くなったわけじゃない。

 

 

「あの、帯刀さん……やっぱり謝りたいです。左腕、僕のせいでそんなことになったのに、元にも戻せなくて……僕が早く決意できてれば済んだのに……!」

 

「あー……前も食堂で話したな。あぁは言ったが、別にお前の言ったことは間違っちゃいない。『他人の役に立つ』というのは仕事の大前提であり、給金と地位を貰うのなら、その行動の全ては『献身』でなければならない。その原則を忘れて見返りだけを求めた俺は、本当なら職を追われて当然だった」

 

「それは……その……?」

 

「早い話が全部自業自得だ。お前に責任は無いからさっさと食え。汁を吸って触感を失ったうどんを俺は認めない」

 

 

 言語化できるほど確固とした価値観と覚悟を持つ彼は、やはり鎌倉武士か何かなのだろうか。当然のことを言っている彼は何も動じることはなく、入社日と全く同じ様子で左手の箸でカツ丼をかきこんでいた。

 

 

「って、あれ……帯刀さん、左腕動いて……!」

 

「あぁ、邪魔だったから切除して義手にした」

 

「っ!!??」

 

「メンテが面倒なこと以外に不便は無い。流石に戦闘だと話が変わるが、そういう仕事はお前に任せればいいんだろ?」

 

「思い切りが……良すぎませんか?」

 

「片腕じゃ後輩2人を引っ張れないからな。それに、失ったのが左腕なら、俺はまだお前の右腕になれる。『オービット』の右腕として、俺の人生は……千才、お前に賭けるぞ」

 

 

 新歩の底から上昇してくる喜びと、戦慄。なんて頼もしく、恐ろしい信頼だろう。これが仕事だ。新歩はこの信頼に応えなければいけない。応えたいという決意を、新歩は笑みとして返した。

 

 

「……それはそうと、カツ丼好きなんですね」

 

「揚げ物はいいぞ。お前もうどんにかき揚げでも乗せたらどうだ。ごぼ天も旨い」

 

「きつねも一応揚げ物ですよ」

 

 

___________

 

 

「なぁ聞いたか廉太郎。O³さんとこが蝙蝠野郎倒したってよ」

 

『映像がネットに上がっていた』

 

「やるなぁ千才さん。俺らも負けねぇように気張らないとな」

 

 

 サポーターの五來と通信でやり取りをしながら、ギルダーはGuffを泳ぎ進んでいた。ギルダーは元々探索系として開発されたウェブライダーなので、潜行可能時間はかなり長い。

 

 噂によると、バットロギアはGuffに逃げ込んで、それをGuff内でオービットが撃破したという。隅から隅までワケのわからない話だった。ライダー事業に現れた特異点、そんな彼らと関わりを持てたのだから、その名に恥じない成果を出さなければと気合いが入る。そして、ゆくゆくはそれさえも追い越してやる。

 

 

「廉太郎、記録しろ。未開拓領域だ……こりゃ『樹』か?」

 

 

 漂うデータを回収しながら沈み、ギルダーはそれを発見した。

 視野の底から天辺までを貫く歪な大樹。部分的に半透明な幹と、規則的に伸びる枝。Guffでは稀にこうしたオブジェクトが発見されるが、こうも巨大なものは珍しい。

 

 大樹の破片をデータサンプルとして回収しようと、接近を試みるギルダー。これは大きな発見だ。ここから画期的な進歩に繋がる可能性は高い。

 

 

『待て壮大……!』

 

「あ? どうした」

 

『止まれ! 視界の右上だ!』

 

 

 カメラで視界を共有している五來が警告を送る。聴き慣れない焦燥を含んだ声色が指し示す方角、大樹の枝の上。そこに存在していたのは───『人型』だった。

 

 どう見たってウェブライダーではない。かといってロギアでもない。その『人型』は、枝の上に座り、樹からぶら下がる『果実』のようなものを喰らっていた。

 

 

「人……!? しかも、Guffのデータを食ってやがるのか!?」

 

『退避しろ壮大! 前例も報告も存在しない、完全な未知の存在だ! 危険過ぎる!』

 

 

 警告に従い、緊急脱出機構に手が伸びるギルダー。しかし、一瞬だけ躊躇った。誰も知らない事実、新発見、それは会社の成長への直通切符なのだ。

 

 ここは『深海』だ。その一瞬の迷いが、悲劇を生む。

 

 

「───縺頑掠縺�€ゅ◎繧薙〒縺贋シ代∩」

 

「ッ…………わりぃ、廉太郎……っ!」

 

 

__________

 

 

「おい壮大! 壮大ッ!! 応答しろ! 応答してくれ壮大ッ!!」

 

 

 映像も通信も切断された。五來にはGuff内の一切が把握できない。聞こえたのは認識のできない言語と、藤城の『謝罪』だけ。

 

 回帰しない通信の復旧を待たず、五來の前に何かが落下した。

 それは二人の夢でも、思い出でもなく、もっと残酷な現実。

 

 Guffからただ一つ帰還した『サイファイナックルウォッチ』が、床を転がった。

 

__________

 

 

 Guffの大海、その深部で、塵となったデータに『人型』は食らい付く。最後に残った『Q-Pay』のアプリギアを呑み込むと、『人型』は水面に向けて言語を発する。

 

 

「譁ー蝙九′豁サ繧薙□縲ゆス墓腐縺�」

 

 

 興味深い進化をしたバットロギアが死んだ、その理由がわからない。そう尋ねた。それに対する返答は『思考はお前の役割じゃない』。

 

 

「菫コ縺ョ蠖ケ蜑イ縺ィ縺ッ縺ェ繧薙□」

 

 

 『人型』は己の役割を問う。返答はいつも決まっている。『この世界の秩序の維持。イレギュラーの掃討。外敵の排除』。Guffの免疫機能、その役割は名前として設定されている。『人型』の名は『デバッガー』。

 

 侵略に現れたウェブライダーを殺し、奪われたデータを取り返す。逆に略奪する。全ては『生命』の学習のため。その定義を解明するため。そう生まれたのだ、生命ですらない彼らは。

 

 

「菫コ縺ッ菴墓凾縺セ縺ァ豬キ繧定ヲ九k繧薙□」

 

 

 返答は帰ってこない。いつもこうだ、ここに漂っているのは真実だけだ。いつからだろう、この世界のことを考えると、処理しきれない情報が巡るようになったのは。

 

 デバッガーは判断する。止まることのない人間共の侵略、ロギアの死滅、それを解決する手段はただ一つだけであると。思考は役割の外だ。その短絡的な結論と、説明不可の要因に従い、デバッガーは海を脱する。

 

 

 無造作に廃棄されたPCから、『彼』は浮上した。

 現実世界に即した姿。奪ったデータから模倣して男性のモンタージュを姿として設定し、デバッガーは息をする。こういうのを人間の諺では『郷に入っては郷に従え』というらしい。

 

 

「縺頑掠縺�───違う、こうか。単純な言語だな。改めてお早う人間(クソ)世界。まぁまずは……皆殺(みなごろ)すか、ウェブライダー」

 

 

 




File-03 仮面ライダーギルダー キューペイウェア
キューペイウェア
【挿絵表示】

Q-Arms[サーキュラー]
【挿絵表示】

九十九エンタープライズの技術開発カンパニー、九十九電脳工業製の「サイファイナックルウォッチ」で変身するウェブライダー。変身者は株式会社GFアドバンス代表取締役社長 藤城壮大。クーポンアプリ「Q-Pay」のアプリギアから生成されたライドアプリギアーマーを纏い、右腕の特殊ユニット「Q-パブリッシャー」で発行したクーポンを使うことで、肉弾戦の能力値や装備を強化して戦う。クーポンでのみ使用が可能な「Q-Arms」シリーズは、時間制限と引き換えに破格の性能を誇る。

File-04 O³スマートガン

【挿絵表示】

対ロギア専用携帯式特殊光弾銃のカスタムタイプ。ライダー事業部の社員全員が常に携行を許可されており、指紋でのライセンス認証によってのみ展開が可能。プロダクションモデルではオミットされた「アプリギアスロット」及び「アプリギアとの連携機能」を備え、ロギアに対して多彩かつ強力な攻撃を行える。内部の記録装置には登録社員の個人情報が記載されており、社員証としての機能も搭載されている。
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