蟲惑魔とGX世界   作:メリルメリルメリル

13 / 19
実技試験の見学

 

 

~デュエルアカデミア実技試験会場~

 

 

「ここが試験会場……中等部の大デュエルスペースよりも広いね~」

 

「ここは本来大きな大会で使うような場所だから中等部のとは比べ物にならないわ」

 

 

 ここまで辿り着くのに目新しい物ばかりでついついそちらに目移りして今と同じように明日香が簡単に説明してくれて、何より釘付けになりかけてたところを引っ張って連れてきてくれたから本当に助かった。

 見学をするにも手続きが必要だったりして、その時も助けてもらって明日香がいなかったら……この場所に辿り着くのはたぶん出来なかったと思う。

 手続き難しいし、会場外から嫌でも目に入る圧倒的存在感を放つブルーアイズアトラクションシリーズは強力だった。

 流石世界に3枚しかない攻撃力3000の幻のレアカード。

 

 

「今は受験番号61番までがデュエル中ですって」

 

「あらら、トラブルがあったからちょっと時間調整間違っちゃったね」

 

「ちゃんと来れたし良いじゃない。

 それにしても……あら、電車の方はやっと動いたみたいよ」

 

「動いたんだ。

 だけど、あのまま乗ってたら最後の方見れるか見れないかって感じだったかもね」

 

「そうね。ありがとうサラ」

 

「ん~……それは僕のセリフかなぁ~………」

 

 

 そんなやり取りをしつつデュエルに目を向ける。

 

 

 

 

「スタンバイフェイスにトラップカードバトルマニアを発動します。

 この効果により君のフィールドの全てのモンスターは攻撃表示となり、攻撃可能であるならば攻撃しなくてはならない」

 

「なんだって!?」

 

「このままでは当然君のジャイアントウィルス達も私の機動砦のギアゴーレムに攻撃しなくてはならない。

 さあ、どうする?」

 

「ぐぅ……そんな、手札に上級モンスターは無い…………だ、だがまだライフはギリギリ残る!

 メカ・ハンターとジャイアントウィルス2体で機動砦のギアゴーレムに攻撃!」

 

「トラップカード城壁を発動します。

 このターンのエンドフェイズ時まで機動砦のギアゴーレムの守備力は500ポイントアップします」

 

「そんな!?ぐわあああああああ!!!」

 

 

 

 

「月の書を発動!マハー・ヴァイロを裏側守備表示にする!

 マハー・ヴァイロが裏側になった事で装備魔法は全て墓地にいく!」

 

「今引いたカードに助けられましたか。

 ですがそちらのフィールドはがら空き、手札は2枚。

 ここから逆転できるでしょうか?」

 

「あぁ、できるさ!

 バーサークゴリラを攻撃表示で召喚!

 バトル!裏側守備表示のマハー・ヴァイロに攻撃!」

 

「バーサークゴリラを温存していましたか」

 

「マハー・ヴァイロ撃破!

 俺はこれでターンエンドだ!」

 

 

 

 

「手札よりインスタント・フュージョンを発動します。

 この効果により魔装騎士ドラゴネスを特殊召喚。

 魔装騎士ドラゴネスを生贄に、エンジェルナイトパーシアスを攻撃表示で生贄召喚します」

 

「げぇっ!?俺のゴブリン突撃部隊の守備力は0なのに!」

 

「バトル、エンジェルナイトパーシアスでゴブリン突撃部隊に攻撃します」

 

「ぐうぅ!!!」

 

「エンジェルナイトパーシアスは守備力を超えた分だけ貫通ダメージを与える。

 そして、戦闘ダメージを与えた事により効果を適用しカードを1枚ドローします」

 

 

 

 

 といった様子で試験用のデッキは弱いって聞いてたけど、思ったより強そうだし何より……

 

「明日香ちゃん明日香ちゃん。

 あれがモンスター主体の防御型デッキかな?

 ちょっとあれ、冗談抜きで僕のデッキと相性良くないんだけど」

 

「貴女の蟲惑魔デッキは下級モンスターを横に並べてアドバンテージを稼ぎつつ足りない部分は装備魔法なんかで補強するのが基本戦術ですものね。

 確かにバトルマニアなんかで攻撃を強要されると厳しいかもしれないわね」

 

「うん。五階堂くんったら僕とデュエルする時だけ召喚制限-猛突するモンスターを3枚デッキに入れてくるくらいには苦手なんだよね~」

 

「3枚ってよっぽどね」

 

「トリオン姉さんで破壊する時に2枚目発動するとかされると凄く困るんだよね。

 あと亜空間物質転送装置とかも落とし穴を受けないし絶対勝つって強い意志を感じてほんと嫌になっちゃうよ~」

 

「よくデュエルしているところ見るけどそんなに対策されていたの?」

 

「うん。僕以外とする時にど……」

 

「ん?明日香も来ていたのか?」

 

 

 唐突に明日香が呼ばれて2人でそっちを見るとそこには明日香よりも大きい男の人間さん……

 それよりも制服からしてブルーの先輩になるなんだろうな。

 

 

「亮。カイザーと呼ばれる貴方が来ているとは思わなかったわ」

 

「カイザー?何かの異名を持ってる凄い人?」

 

「そうね。亮、この子が例の精霊の子よ」

 

「ほう、確かに聞いた通りの見た目だ」

 

「サラ、亮はデュエルアカデミア高等部で一番強い人なのよ」

 

「おお~凄い!【コールゲート!】」

 

「え!?」「むっ!?」

 

 

 ん?驚かせちゃったかな?一声かけてから開ければ良かった。

 発動したコールゲートからマジックバインダーを取り出し、バインダーから目的のカードを取り出し発動するとサインペンと色紙が現れる。

 

 

「カイザー先輩、良かったらサインください」

 

「む……良いだろう」

 

「やったー!ありがとうございます!」

 

 

 蟲惑魔式全身で喜びを伝えるチャームを披露すると微笑ましいものを見るような優しい雰囲気を向けてきたのでこのカイザーさんは優しい人だ。

 書き終わったサインを受け取って大事に抱きしめるようにして「ありがとうございます」ともう一度感謝の言葉を伝える事を忘れない。

 自分の感じた好意的な感情を言葉でそのまま伝えるのは良い印象を与えやすい。

 

 

「……受けた亮も亮なのだけど………

 サラ、貴女カイザーの事知らないのによく即断できたわね」

 

「だってさ、僕は以前その『凄い人なんだろうな』で見逃した大物があの海馬瀬人だったんだよ?」

 

「海馬瀬人だって?それは……逃した魚があまりにも巨大すぎるな………」

 

「でしょ?ここで見逃したら手遅れになるかもしれないから気になったら貰う事にしているの。

 カイザーは1番強いんでしょ?凄いプロデュエリストになるかも。

 それでホラ。これクロノス先生のサインで、コレがペガサスさんのサイン、こっちがフランツさんで……」

 

「フランツさん?」

 

「あのペガサスからフランツと来たならばI2社のメインデザイナーのフランツ以外はいないだろう」

 

「確かに凄い人だけどよく知っていたわね」

 

「……さんとアトラ姉さんに万丈目~……これは明日香のサインだよ」

 

「ほう。よく書けてるじゃないか」

 

「止めなさい!」

 

「……えっ?何で!?」

 

「確かに頼まれたから書いたけど恥ずかしいから見せないで!」

 

「あぁ!ご、ごめん!もう見せないから返して!僕の宝物なの!ヤダー!」

 

「………」

 

 

 カイザーさんに渡して見せた明日香のサイン入り色紙が明日香にひったくられ、3分程高く持ち上げられた色紙を取り返そうとピョンピョンしつつ説得を続けた末に返してもらえた。

 身長差ありすぎるしフィジカルにモノをいわせたら怪我させちゃうかもしれないし、魔法を使うのは反則だから説得するしか無かったんだもん。

 

 

「ふぅ、良かったぁ~……」

 

「もうしないでよね」

 

「うん、約束。明日香が嫌だって言うならもう絶対にしないよ」

 

「なら良いわ」

 

「お前にしては珍しくやかましいな」

 

 

 今度は聞き慣れた声で話しかけられ、案の定そこには万丈目がいた。

 あと取巻くんペアを両脇に添えたいつもの布陣が出来上がっている。

 

 

「万丈目!見てたの?あはは、ちょっと恥ずかしい……」

 

「おいサラ!お前万丈目さんの誘い断っておいて何でここにいるんだ!?」

 

「え?だって先に明日香から誘われてたし。

 それに万丈目が言いにくそうにしてたから別件だと思ったんだもん。

 遊びに誘うんだったらもっと気軽に呼んでくれて良いんだよ?

 僕も映画一緒に見よってよく誘うじゃん?

 予定あるからってだいたい断られちゃうけど……」

 

「それは……すまんな。

 俺はエリートでなくてはならない、その為に遊んでばかりいられんのでな」

 

「ううん。万丈目が……うん、僕は万丈目をよく見てるからわかるよ。

 だから気にしなくていいけど……あんまり無理しないでね?」

 

 

 エリートは努力とかそういう姿を見せないモノだから、万丈目がどれだけ頑張っているか知っているとか言ったらダメだと思いとどまろうとしたけど、やっぱりできなかった。

 心配なモノは心配だよ。ちゃんと休めてるの万丈目? 

 

 

「そうか……約束はできんな。………お前、女子用の制服なんだな」

 

「うん。どうかな?似合ってる?」

 

「………俺達は向こうの方の席で見ている」

 

「え?スルー?もう、まったく……

 僕達はいろんな角度で見てるから気が向いたら座るよ。

 それより、じゃじゃーん!見て!カイザーのサイン!」

 

「カイザー?……丸藤亮のサイン!?

 アカデミア最強のカイザー亮がここに来ているのか!?」

 

「ここにいるぞ」

 

「か、カイザー亮!?」

 

 

 カイザー亮先輩は僕と明日香が色紙の争奪戦しはじめたところで数人分の間隔をつくるように離れて小動物でも眺めてるかのように見守っていたんだよね。

 その僕達と亮先輩の間にできてたところに丁度万丈目達入ってきていた。

 たぶん亮先輩の後ろ姿しか見えてなくて僕と明日香にだけ意識が向いてたんだろうね。

 

 

「カイザー、亮…………行くぞ、お前達」

 

「ま、待ってください万丈目さん!」

 

 

 万丈目は亮さんに剥き出しの敵意を向け、今は戦うような場面じゃないと切り捨てたのか矛を納め席の方へ行ってしまった。

 

 

「そうだ。遅れましたけど初めまして、僕の名前はサラ。

 今年アカデミア高等部に入る蟲惑魔一族の一番下の落とし子です。

 よろしくお願いします。丸藤先輩」

 

「丸藤亮だ。

 サイバー流であり師範からリスペクト教えを継いでいる」

 

「リスペクト……う~ん、リスペクトデュエルの教えって僕達蟲惑魔とちょっと愛称悪いんだけど、それでも仲良くしてくれると嬉しいな」

 

「何故、愛称が悪いんだ?」

 

「僕達は種族的に獲物を罠にかけて動けなくなったところを狩るってやり方だから、正面から堂々と戦うっていうのがどうも苦手で」

 

「なるほど。しかし本当にそうだろうか」

 

「え?」

 

「確かにデュエルを見た訳ではないから断言はできないが、リスペクトとは他者を思う事ができているかという部分が強い。

 極論だが、例え妨害等を山のように使ったとしてもそれが相手を貶す意図がなければ問題はないだろう。

 少なくとも先程の明日香とのやり取りを見る限り、俺にはリスペクトが苦手なようには感じなかったがな」

 

「それは……うん、そうなのかな?ありがとう」

 

 

 

 

 リスペクトも含めて簡単にだけどお互いの事を話した。

 どうやら丸藤先輩は弟の丸藤翔が受験を受けている事もあって来ていたらしいのだけど、弟君は受験番号100番より下だったらしくてとっくに終わっていたみたいで反応に困った。

 

 その後は受験デュエルの感想を言い合ったりしながら一緒に観戦して、次々と試合が進んでいって受験番号1番三沢大地のデュエルももうすぐ決着がつきそう。

 

 

「う~ん……やっぱりどう考えても僕のデッキあのモンスター主体の防御型デッキっていうのと愛称良くないんだけど……」

 

「そうね。2000のラインを一度場に出されると装備魔法でどうにかするしかないものね」

 

「一応融合でどうにかできるけどしない方が強い事が多くて……げっ、破壊輪!?破壊輪嫌い」

 

 

 いくら分身で本体にダメージ無いからってあんな残酷な首輪で爆発するなんて酷すぎない!?

 というか皆して自分のモンスターに付けたがるじゃんそれ!?

 

 ……あ~あ、三沢君が自分のブラッド・ヴォルスが爆発する事で勝利を納めちゃったあ~あ。

 三沢君の中のブラッド・ヴォルス君成仏しておくれ。

 ブラッド・ヴォルス君本人はそんな事になってるなんて知らないだろうけど。

 

 

「あの破壊輪、2ターン前からセットされていた。

 確実に削りきれるタイミングまで温存していたか、上手いな」

 

「えぇ。試験用デッキ相手とはいえ彼、かなりやるわね」

 

「その言葉、僕にもダメージ入るんだけど……」

 

「苦戦はしても負けはしないでしょ?」

 

「負けはしないだろうけどさぁ~……

 まあいいや、それより三沢君のデッキどう思う?」

 

「シンプルに強いな」

 

「強かったわ。

 けれど、ずいぶんとありきたりな戦術だった気がするわね」

 

「僕は三沢君は本当のデッキを使ってないんじゃないかって思ったよ」

 

「どういう意味?」

 

「……なるほど、そういうことか。

 つまり受験番号1番である三沢大地は自分が基礎をできていると伝えるためにあのデッキを用意し使ったんじゃないかということか?」

 

「ん。……って言ってもこれは獲物を狩る時の野性的な勘だからなんの確証は無いんだけどね~」

 

「貴女のそういった直感って外れた事無い……」

 

『受験番号110、遊城十代くん』

 

 

 引き上げる空気を出しながら会話していたら散々聞いた順番が来た事を伝えるアナウンスが流れ、目線を向ければクロノス先生が準備しているのが見える。

 

 

「110番?」

 

「ねえねえ、クロノス先生がいる」

 

「本当、実技担当最高責任者のクロノスが直々に?」

 

「……ほう」

 

「……でも110番って事は電車のトラブルに巻き込まれた受験生がいたね」

 

「本当に万丈目くんみたいな子だったりしてね。……110番なのに」

 

 

 そんなやり取りをしつつ見やすい位置に移動し終えたところで丁度デュエルが始まった。

 

 

「E・HEROということは融合デッキのようね」

 

「でもフェザーマンを守備で出すだけって手札事故かな?

 大事な受験なのに可哀想……でも楽しそうだし何かある?」

 

 

 う~ん……あれ?なんかあの子ヘカの量凄くない?

 ………ッ!!!

 

 

「……どうした?いきなり?」

 

「あ、いや、ごめん。ちょっとヘカに驚いて……」

 

「ヘカ?」

 

「ヘカじゃ通じないか……魔力って言えばわかるかな?」

 

 

 え?この距離で何で今まで丸藤先輩のヘカの量に気付かなかったの???

 

 いや、そんなことわかりきっているか。

 

 外にいたあの人間の枠組みを遙かに超えたヘカの持ち主のせいでこれほど凄い量でもたいした量じゃないって感覚が麻痺していたよ。

 その気配が今はそこそこの速度で移動して離れていっているから気付くことができた。

 

 万丈目も明日香も多いのだけど、それ以上に丸藤先輩と110番……遊城十代くん。

 あの子のヘカが多すぎて……

 けれどそれすらも霞んで見えるあのヘカ……もしかして本当にキングオブデュエリスト?

 

 …………まさかね。

 

 

「……あれ?押収?

 あんなの使ってた試験デッキあったっけ?」

 

「無かったと思うのだけど……ッ!?」

 

 

 大嵐で自分の黄金の邪神像を破壊して邪神トークンを2体特殊召喚ってこんな動きするデッキ絶対になかった。

 ということはあれって……

 

 

「あれは入試用のデッキなんかじゃないわ。

 ………あの子可哀想、クロノスのお気に召さなかったようね」

 

「見物だぞ」

 

「え?」

 

「暗黒の中世デッキ、110番のおかげで伝説のレアカードが拝めるかもしれない」

 

「伝説……でも、見れるのかな?」

 

「どういう意味だ?」

 

「確かに自分のデッキ使ってるけど一応試験はしてあげてるんじゃないかな?

 だって押収で相手の手札に戦士の生還があってモンスターは手札と墓地に無しってわかってるのに死者蘇生を選ぶ?」

 

 

 E・HEROはどうあがいても融合を使わないと強いモンスターが出せない。

 その事はアカデミア中等部で何度か対戦した事ある経験から知ってるしワイルドマンとワイルドジャギーマンが僕の天敵だと認識している程度には良く知っている。

 

 それくらい知っているE・HEROなわけで、押収を発動した時点で、

 伏せが1枚。これは大嵐で破壊したドレインシールド。

 フィールドには守備表示のフェザーマンのみ。

 手札は融合、ヒーロー・シグナル、戦士の生還。

 そこに死者蘇生があったけどそれを押収でって、僕だったら絶対融合だよ。

 そうしておけば他のヒーローを引こうが融合を引こうが融合召喚する事ができないじゃん。

 

 

「選ばないわね。どうせ融合してしまうのだし死者蘇生と戦士の生還で役割が被ってしまっているわ」

 

「でしょ?僕だったら絶対に融合を選んでた。

 けどそれじゃあ逆転の余地がなくなっちゃうからそうしたんじゃないかなって思ってさ」

 

「なるほど、だから使わないかもって話ね。

 これはあくまでも試験だから……」

 

 

 なんて話してたら邪神トークンを生贄に捧げ、巨大なゴーレムが姿を現す。

 もしかしてコレがそれ?

 

 

「なんか出た……すっごく強そう」

 

「クロノス教諭は気紛れだから……亮、アレがクロノス教諭の伝説のレアカード?」

 

「あぁ、そうだ。アンティーク・ギアゴーレム。

 クロノス・デ・メディチがこのカードを召喚して未だ負けた事は無い。

 あの受験生に先生を本気にさせる力があるとは思えない……

 サラの指摘した押収といいやはり理由があるのか?」

 

「とりあえず形を装っているだけで本気でふるい落すつもりなのかもしれないわね。

 気の毒に……アカデミアの鉄の扉が閉じる音が私には聞こえたわ」

 

「……その表現カッコいいね。

 うん、僕にも聞こえた気がするよ。

 クロノス先生は伏せカード無いしE・HEROだからシャイニング・フレア・ウィングマンとか出せさえすればどうとでもなりそうではあるけど~……

 あの手札じゃちょ~っと無理かなぁ~」

 

「……一応言っておくが別に勝たなくても合格はできるぞ?」

 

「え?そうだったの?……って、アンティーク・ギアゴーレムって貫通効果を持ってるんだ。

 僕も一度出されたら厳しいかも……

 ちなみに僕の場合は落とし穴カードで落とす以外はライトニング・ボルテックスか装備で突破するしかないけど明日香だったらどうする?」

 

「私の場合荼吉尼で除去するのが1番手っ取り早いわね」

 

「サイバー流に攻撃力の制限など無意味だ」

 

 

 なんかサラッと伝説のレアカードを倒す手段が出てくるなぁ~……

 まあ価値の高いカードがそのまま強さに直結している訳でもないし、現状みたいに伏せカード無しっていう何も障害が無い前提で話している訳だし当然か。

 

 

「……そう考えるとさ、デッキは本人のかもだけどやっぱり試験なんだねこれ」

 

「そうみたいね。……もしかたらこの会場の時間が押していたりするのかしら?」

 

「なんか防御型が当たる事多かった気がするしそうかもね~。

 ……さあ、ここで強欲な壺を引き当てスパークマンと沼地の魔神王を持ってくるんだ。

 そうすれば勝てる」

 

「無茶苦茶ね……」

 

「仮に押収で融合を持ってかれていたら天使の施しを引いて融合とその2枚を引き当てるしかないから、それよりはまだ可能性があるよ!

 きっとたぶん奇跡的に!」

 

「そこまていくとどんな確率になるのかしらね」

 

「サイバーエンドなら答えてくれるが……」

 

「アカデミア最強であるカイザーのレベルをただの受験生に求めるのは酷すぎるわ 」

 

 

 ……え?今のわりと冗談で言ってたのにカイザー亮はそれくらい普通にしてくるの?

 

 

「なにそれ怖い……ん?精霊の気配?……あのクリボーっぽいのからする」

 

「初めて見るモンスター……あの羽の付いたクリボーは精霊なの?」

 

「うん。十中八九精霊……って、勝手に殺すな!」

 

 

『命をかけて俺を守ってくれた友達を雑魚呼ばわりは許さないぜ!』じゃないよ遊城くん!

 そりゃあんなパンチが迫ってくれば悲鳴は上げるかもしれないから『悲鳴はシグナルとなって俺のデッキのモンスターを呼び覚ますぜ』っていうのは良いけど、友達なら勝手に殺さないであげてよほんと……

 

 

「はぁ~……何で皆してただの分身が破壊されただけなのに死んだって考えなのかなぁ?

 もし本当に死ぬなら姉さん達を死地に送るデュエルなんて絶対にしないもん……」

 

「その事実は知らない人の方が多いから……」

 

 

 ……というか結果的に大嵐から守れてバーストレディに繋げられたから良いけどさ、何で1ターン目にヒーロー・シグナルを伏せてなかったんだろ?

 もしかしてデュエリストとしての直感的な感じ?なら辛うじて理解できるけど……

 

 

「どうしてダメージが通らないのかしら?戦闘ダメージを発生させない効果?

 ……それにしてもとんでもないレアカードなのかしら?

 実技担当最高責任者のクロノスが知らないカードが存在するなんて」

 

「先生とて到達できないところはある。デュエルの世界は底が知れない」

 

「うん、そうだね。

 それよりフィールドにバーストレディ、手札には戦士の生還がある」

 

「フレイム・ウィングマンかフェニックスガイは出せるけれど、どちらも足りないわね」

 

「フェニックスガイなら戦闘破壊されないし一応ライフも残るよ」

 

「リミッター解除なんかを引かれなきゃだけどね。

 融合、来るわよ……え?フレイム・ウィングマン?」

 

「あ~つまり収縮とか引いたのかな………おおお~。

 摩天楼ースカイスクレイパーーを引いたんだ。ビルのてっぺんに立ってるのカッコいい」

 

「ここで引いてくるって、ちょっと面白いんじゃないあの子。

 これでフレイム・ウィングマンの効果も加わり3100ダメージであの子の勝ちね」

 

「……あのさ、この試合1から10までクロノス先生が使った押収が敗因になってる気がするんだけど気のせい?」

 

「流石にそれは………」

 

「……クロノス教諭が押収のコストでライフを1000払ったから。

 そして押収で融合を選ばなかったから……確かにそうだな」

 

「それでも勝ち取った……あの子、名前はなんて言ったかしら?」

 

「遊城十代くんだよ」

 

 

 一方的ではあったものの、これが僕に深い傷となるほど強い衝撃を与える出来事に大きく関わる事になる遊城十代との初めての出会いだった。

 この時はまさかあんなにも心をグチャグチャにされるだなんて思いもしなかった。

 





 前回の後書きで書こうとしてたけど忘れてたので一緒に。

 ・アニメだと十代だけが電車の遅れで遅刻してましたけど、それだけ大きな遅れが出ておいて十代だけって絶対変です。
 十代以外にとって重大な何かがあって皆早く来るってなればそうなるのではないかという考えであの試験デッキ内容の開示としました。
 十代はデッキ内容を知らない方がワクワクするからって理由で知ろうはしないんじゃないかなって。
 それプラス単純に家から会場が遠くてあれでも朝6時頃に家を出た結果だったのかもしれません。


 ・遊戯がサラにつつかれて気付かなかった理由。
 サラに敵意は一切なかったのと、本当に軽くつついただけという表現が当てはまる程度の刺激しか与えていないから気付きませんでした。
 もしかしたら虫かなにかぶつかったかな?とキョロキョロしたかもしませんがまさかヘカでどうこうとは考えもしません。
 もし敵意剥き出しだったらたったそれだけの衝撃でも経験から気付いていました。


 ・メイン級のキャラはサラ目線で警戒に値するだけのヘカの持ち主です。
 ですが1番は武藤遊戯なのです。
 武藤遊戯の前ではユベルと融合前の十代じゃ比較するのに軽すぎるのです。


 以上。

 全く遊戯王関係無いけどロックマンエグゼの発売がもうすぐでメチャメチャ楽しみです。
 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。