夜の怪物 作:なまはげ
コソコソ・・・
「ペロロ様のグッズ・・・ここならあるはず・・・」
トリニティ学園の制服を着た少女はそう言いながら夜道を歩く。
周りを見渡しながらコソコソと歩くその姿は、不審者のようだった。
彼女の名は阿慈谷ヒフミ。
ペロロ様グッズをこよなく愛する16歳。
『ペロロ様のグッズがブラックマーケットにある』
そんな情報を聞きつけやって来ていた
しかしこんな時間にこんな場所で歩いている所を見つかったら再び補習授業を受けることになるのは確実。
それゆえに、先程からコソコソと歩いているのであった。
「うぅ・・・怖い・・・ペロロ様ぁ・・・どこですか〜・・・あ!!」
そう声を震わせながら歩いていた彼女だったが、急に大きく声をあげる。
そこにはイスがあった。
暗い路地裏の中にポツンとひとつだけ、街灯がイスのみを照らしていた。
まるでスポットライトのように。
そうして路地の上に不自然に置かれていたイス、その上には念願の・・・
「ペロロ様のレアなぬいぐるみ!!!偽物じゃない!本当にあったんだ!!」
それを見つけた彼女は無警戒にもイスに近づき、そのぬいぐるみを抱きしめた。
しばらくそこで喜んでいた彼女だったがだんだん冷静になってくる。
「でもなんでこんなに丁寧にイスの上に・・・?」
その時だった。
後ろからカツン、カツンと音が聞こえる。
「ひっ、だ、誰ですか!?」
それは人の足音だ。
ヒフミは振り向きながら銃を構えようとしたが、抱き抱えたぬいぐるみが邪魔をして上手く構えられない。
ヒフミがモタモタしている間にも、足音は1歩1歩近づいてくる。
「と、とまってください!!!」
上手く構えられないまま、彼女はそう叫んだ。
その大きなぬいぐるみを地面に置けば銃を構えられるだろうが、ペロロ様を地面に置くなんて考えは彼女の頭の中にない。
カツン カツン
すぐそこまで来ている。
暗い道なのでその姿は見えないが、ぼんやりと姿が見えてきた。
右手に光る細長いものを持ち、左手にも何か小さなものを持っている。
何やら黒いローブのようなものを着ていて、体格が上手く見えてこない。
顔もよく見えないが、何やら仮面のようなものをつけているようだ。
「ま、まさか・・・」
ここまでの特徴をみて、彼女はある噂を思い出した。
『夜中に出てくる大柄な不審者』
『右手に刀、左手に拳銃を持ち』
『黒のローブとガスマスクのようなものをつけている』
これだけならばただの不審者だが、問題はその戦闘能力。
過去、この不審者と遭遇し撃退しようと戦ったものが多数いたが、全員敗北し気絶させられる。
そして目が覚めるとヴァルキューレ警察か、シャーレの元に運ばれていた。
そこで夜中に出歩いていた罰を受けさせられる。
なんとあの正義実現委員会の委員長や、ゲヘナの風紀委員長と戦って勝ったのだとか。
そこから、奴はこう呼ばれるようになった。
「まさか、『夜の怪物』!?」
街灯に照らされ、彼の顔が見えると同時に、彼の目が赤く光った。
『悪い子は、君か?』
その彼の低い声を合図に、ヒフミは全力で背を向けて逃げ出した。
だが、すぐに意識を失ってしまった・・・
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「う、うーん・・・」
目を覚ますと、白い天井が見える。
「ここは・・・?」
「ヴァルキューレ公安局だ。今何時だと思っている?」
狂犬がそこにいた。
ヒフミはそこでしばらくぬいぐるみ抱きながら説教を受けることになった。
最終編が良すぎたので書きました。
なお最終編の内容はほとんど使わないのでネタバレとかは無いです。