next legend   作:ナンダム

3 / 5
慰めて、慰めて、慰めて。
愚かな勝ち犬は、自分の強さを忘れた。


Once again, to that legend
素直に応援出来ないや。


「…っくあぁぁぁ~。」

「ちょっと、何気ぃ抜いてんのよ。もしかして、また夜遅くまでゲームしてたの?」

「うるさいなぁ。これでも健康になった方なんだぜ?」

「いい?『伝説』を作るには体が一番大事な資本なんだからね?」

「はいはい、分かってるって。」

 

昼頃のビビッドストリート。

才気溢れる若者が通る道を、二人の「次世代の才能」が歩いていた。

そして、二人がたどり着いた先は…

 

「いらっしゃい!…あ、悠馬に葵じゃん!」

「こんにちは、杏さん!」

「うっす。…あれ、彰人さんは?」

「今は仕事だよ~。飲み物何にする?」

「あ、私オレンジジュースで!」

「俺は…、ブラックで。」

「おっけー!」

 

WEEKEND GARAGEは、元々杏と謙の二人体制で経営していく方針だった。

しかし、謙が突然の病に倒れ入院してしまい、今は杏一人で経営している状況だ。

 

「…お待たせしました、オレンジジュースとブラックコーヒーです。」

「あ、こはねさん!こんにちは!」

「ひゃい!…あ、あはは、こんにちは…。」

「もう、こはね!その子達はそんなに怖くないよ!それに、なんかあったら私が守るっていつも言ってるでしょ?」

「う、うん…。」

「…。」

「…え、えっと、今日の話し合いしよっか。」

「う、うん!」

 

 

「ありがとうございましたー!」

「また来ます。あざした。」

「ん、またねー!」

 

店主に挨拶を告げ、喫茶店を去る。

辺りはすっかり暗くなっていた。

 

「家送るよ。」

「おぉ、気が利くね~。悠馬もちょっとずつオンナゴコロが理解出来てきたんじゃない?」

「理解出来てたら苦労しないよ。」

「え?」

「なんでもない。ほら、行くよ。」

「あ、ちょっと待ってよ~!」

 

夜は始まったばかり。

 

☆★☆

 

____。…もうやめてくれ。

__っと!どういう事よこれ!

_人のせいじゃないよ…。

 

 

 

 

あんたのせいだからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!!!!」

「…東雲君、大丈夫?」

「彰人、大丈夫!?なんかすっごいうなされてたけど」。

 

「…あぁ、わりぃ、大丈夫だ。」

 

どうやら悪い夢を見ていたようだ。

ここ最近頻度が高くなっている。今日は病院に行った方がいいかもしれない。

 

「…全部忘れちゃう?」

「お前らはしっかり仕事しろ。あと、俺ももうすぐライブあるし…」

「今、何時か分かってる?夜中の2時。1時間も経ってないよ?」

「私達、東雲君が寝た後、お話してたの。そしたら、いきなり呻きだしたから…。私、心配で…。」

「…そうか、ありがとな。んじゃ遠慮なく。」

 

 

「あぁ、腰いてぇ…」

「それはこっちのセリフなんだけど。というか、もう一回初めてからの方が勢い強かったよね?」

「ふふ。でも、東雲君が元気になってくれたなら、良かったかな。」

「お前らなぁ…。」

 

疲れた時は酒を飲み、友人と喋り、女を抱き、よく寝る。

これが気持ちよく生きるコツだとどこかの居酒屋で聞いた。

まぁ、どうせどこかのオヤジが流した話だろうが…。

 

「案外的を得てんのが腹立つな。」

「「?」」

「何でもねぇよ。」

 

「彰人、白石、小豆沢。朝ごはんが用意出来た。食べるぞ。」

「「「はーい」」」

 

☆★☆

 

「そういえば白石、昨日言っていた話の事だが…。」

「あぁ、悠馬君と葵ちゃんの事?前から知り合ってたんだけど、昨日来てくれたんだよねー!」

「へぇ、俺らを超えようってコンビか。いい度胸じゃねぇか。」

「あれ、彰人やる気じゃん?」

「…思い出しちまうよな、あの日の事。」

 

伝説を創った夜。

喉で支配し、歌で魅了し、全身で掴み、放さない。

私達はなんにでもなれると思っていた。

それぐらい達成感もあったし、本気だった。

でも今は…

 

「私はあの子達の事、素直に応援出来ないや。」

「…小豆沢。」

「何でなんだろうね。…なんだか、上手く応援出来ないの。もちろん、あの子達が駄目って訳じゃなくて…。これは、私自信の問題だよね。」

「おいおい、これからライブなんだから湿っぽい話はやめてくれよ。気分下がっちまうだろ。…ご馳走様。」

「あ、ちょっと彰人!今の言い方は…。」

「俺はずっと昔に全部言ったはずだ。…なぁこはね。お前は、どうしたいんだ?」

 

…私は!

 

 

 

ワタシハ…?

 

ドアが閉まってからも、答えはでないままだった。

私、こんなに女々しい女の子だったのかな?

頑張ってる人すら応援出来ないのかな…。

 

☆★☆

 

「…俺だって抱いた女にこんな事言いたくねぇよ、クソッ。」

 

行き場のない憤りは、空を切る形で消えていった。




どうも、ナンダムです。
そろそろR18タグを付ける時なのかもしれません。
でも大人な四人のねっとりした雰囲気出したくて…(伝われ)

よろしければツイッターの方もどうぞ→https://twitter.com/nangokugandamu
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。