盾の英雄記   作:トッポ(チョコ無し)

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英雄とは死んで初めて英雄となる


プロローグ

盾を持つ者にとって大切なのは背後に敵を通さない事だと思う。

盾で身を守り片手で使える武器で盾で守れない部分をカバーする。

実現し得ない理想だろうがし続ければ何とかなるものだ。

師や術の長老に死ぬと予言されても変えなかった。

勇者ワタル、人類戦線の盟主のフェイ帝国が召喚したと言われる異界のヒト。元の世界では、学生であり命のやり取りをした事が無いと言っていたが、俺達を救うためだと言って戦場に出てきている。

ワタルは勇者の他に見たことのある物を映像として他人に見せる事ができる能力を持っていたな。

幼い頃から剣と盾を振り回していた学の無い俺やメリーに色々教えてくれたっけ。

賢者、何千年も延命薬を飲み続けて生き続けた伝説の錬金術師。

彼が言うには一流の錬金術師は魔導を嗜むらしい。実際魔軍の一翼を一回の魔術で消し飛ばした事があった。嗜む程度の威力じゃ無かった気がするが、何千年と鍛錬していたからなのだろう。

全員で少しは錬金術を教えて貰ったっけ。

聖女アリア、人類戦線に入っている国々の信仰する宗教の最上位権力者。

前線一派の長であり魔軍幹部を勇者召喚前に幹部3人を単独で撃破し名実共に人類戦線最強だった。

彼女に死者蘇生の秘術は無いか聞いたが神しかできないそうだ。

妹のメリー、俺と同じ帝都のスラムで育った。

背が1番低い彼女が自分の身体より長いウォーハンマーを片手で使い勇者に引けを取らない戦いをしていた。重量軽減と空間拡張の付与された鞄を背負って、《剛腕》で知られていた魔軍の大幹部と殴り合いしてたっけ。…どうして俺と同じ種族なのにドワーフみたいな力を持っていたんだろう?

 

「ーーー!ーーーー!ーーーーー!」

 

意識が浮上していく

 

「まだ、死んでない!起きて、目を、開けてよ!」

 

ゆっくりゆっくりと浮上していく

 

「アリア!治せるか」

 

寒い。どうして寒い?

 

「ごめんなさい…ごめんなさい…私の…ここまでの損傷は無理なの…」

 

確か…

 

「!兄貴!目を開けてくれ」

「アリア!延命でも良い!回復の奇跡を!」

 

視界が戻る

 

「…お前ら、先に、周りを、」

「もう片付けた」

「メリー!魔力増強剤を」

「もう無い!」

 

涙を流しながら俺を治そうとする彼等が見えた。

 

「もう良い。俺は死ぬ。俺の身体のことぐらいは自分で解る」

 

俺がそう言うと皆は悔しさや怒りを堪えるように手を握り締め涙を流しながらも俺を見る

 

「ワタル、メリーを、頼む。朝が、弱くて、1人だと、起きれねぇ。」

「ッ…!分かった。」

 

大粒の涙を流しながら頷くのを見てアリアに視線を移す。

 

「アリア、ワタルと、幸せにな、結婚式の、準備、は、王様に、頼んだ。本当は、サプ、ライズに、したかった。俺が、エスコート、の、予定、だった。残念だ。」

「ッ…!」

 

大粒の涙を流し、何も喋れないのかコクコクと頷いていた。

 

「メリー、お前は、ダスティ、レーネ公爵、に、会いに、行け。」

「兄貴!ごめんな。私がドジったせいで」

「お前の、せい、じゃ、ないぞ。」

 

力を振り絞りメリーの頭を撫でてやった。

 

「賢者、殿」

「どうした…」

「皆を、見守って、頂け、ますか?」

「ああ、見守ろう。ワシは長い間見てきたがな。これ程悲しい別れは初めてだ。…2度経験したくは無いがな」

 

そう言って賢者はフードを目深に被った。

 

「あぁ、楽しかったな。」

 

視界がボヤけてきた為、攻撃で奇跡的に割れなかったポーションを消し飛んだ場所にかけた。

多少は延命出来ただろうか

 

「ゴホ!ははっ!楽しかったよ!ただのスラムのガキがここまで来れるなんて思ってなかった!」

 

千切れた腕や消し飛んだ脇腹から回復した血が噴き出す。

無理をしすぎたか

 

「はぁ、はぁ、お前らと居れて良かった。最高の時間だった!」

あっさりとそのまま死んだ。

 

 

「筈だったんだけどなぁ」

 

転生していた。

今世の名前は岩谷錵寅(いわたに かいん)、前世の名前のカインが入っていたり魔術が使えたり色々ツッコミたいところはあったが俺個人にとってプラスにしかならないから放置している

記憶が戻ったのが小学校低学年の頃であり、膨大な情報によって倒れ半月寝たきりになったが、流石は治りの早い子供の身体だった。

記憶が戻って動けるようになった後、前世で使っていたポーチが勉強机の上にあった。思わず悲鳴を上げかけたよ。ポーチは身体の中に収納することができ、前世で使っていた武器や防具、ポーションや生活用品、果ては保存食まで入っていた。恐らく容量は無限に近いと思う。

そこから色々と学ぶことにした。幸いな事にネットがあり調べることに事欠かず半日以上パソコンの前から動かなかった事もある。

今世の母に怒られてからはしてないが。

ワタルが実践型の道場があると聞いていたので調べて通った。

ワタルの名前も師範代のところにワタルの名前もあった。

ゲームなどの娯楽にハマり、故郷とも言えるあの世界をゲームとして作り大ヒットさせた。

大学はゲームを作りながら、ゆっくり過ごしていた。

最近は大学の大図書館で様々な書籍を読んでいた。

 

「ん?四聖勇者?」

 

何故かその本に興味を惹かれて読み込んでしまった。

大活躍の剣の勇者に仲間思いの槍の勇者、弓の勇者はロビンフットのように悪い国の王様を退治している。

王道のファンタジー小説であった。

盾の勇者のページに行く所で爆発音と共に視界が赤に染まった。




勇者ワタル
男 20
異界の勇者であり善性の塊。とある事件にて他人を殺す覚悟完了している。トラウマ持ち。元の世界では自作アニメクリエイター
自分の考えをアニメ風の映像にして他人に共有することができる

聖女アリア
女 21
勇者の前の大陸最強であり魔軍でも僅か8人しか居ない大幹部を3人単独で討伐している回復職。力こそ正義の魔人を2人屈服させ魔軍の和平派との連絡役として使用していた。
あまり神の存在を信じていない。

賢者
男 3900年以上
錬金術師の最高峰の存在でありながら魔術に手を出し人類最高峰となる。名前はあったものの永い時の間に摩耗し忘れ去った為賢者と名乗ることになった。

盾職カイン
男 23
今作の主人公。急造とはいえ城壁に刻まれる陣魔術が刻まれた防壁を一撃で壊す魔軍幹部の攻撃を受け止め妹のメリーと共に討伐した功績から盟主連盟より《防壁》の二つ名を襲名する。
死亡した状況は比較的硬い魔人と攻撃力の高い魔人で足止めをして足止めの魔人ごと魔砲の魔人にメリーが狙われ間一髪押し出せたが左の脇腹と左腕を消し飛ばされ死亡。

荷物持ちメリー
女 20
カインの妹であり相棒。城壁と同等の防御を持つ《鉄壁》の魔人を討伐した功績から盟主連盟より《崩城》の二つ名を襲名する
通常のヒューマンであれば持つことすらできない重量の最硬鉱石で造られた戦鎚を片手で振り回すことができる。
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