盾の英雄記   作:トッポ(チョコ無し)

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「あった!『時空魔術と空間の関係性』」
「こっちにもあったぞ『転移者と世界の関係性』」
「これも関係ありそうじゃない?『旅の女神』」
「記憶にあった関係しそうな本は集まったの。」


名は堕ちた

城を出ると何故か集まっていた市民らしき人達がギリギリ聞こえる程度の声で罵ってくる。

暫くは城下街近くを拠点に活動する司会だろう

依頼品も出来てないだろうし

 

「おい、盾のあんちゃん」

「親父さんか。」

 

城を出て、町を歩いていると武器屋の親父に呼び止められた。

ちょうど武器屋に向かって歩いていたが、何のようだと言うのだ。

 

「聞いたぜ、仲間を強姦しようとしたんだってな、一発殴らせろ」

 

俺の話など最初から聞くつもりの無いのか親父が怒りを露にして握り拳を作っている。

この瞬間にでも殴りそうな気迫を感じる。

全盛期の俺よりも強いように感じる。

 

「主神に剣を向ける真似できるか!

ましてやあんな胡散臭い女を襲う程飢えてないわ!」

 

 仕方ないかもしれないが、どいつもコイツも俺の話を聞くつもりがありやしねえ。

 そりゃあ、俺はこの国、この世界からしたら異世界人で常識には疎いのかもしれないが、何があろうとも嫌がる女を犯すような真似は絶対にしない。

 あー……なんだ。武器屋の親父がハニートラップで10歳の少女を送ってきた国の王に見えてきた。

スキンヘッドが同じせいで無性に腹が立つ。

 今なら殴り殺せそうだ。

 俺も強く拳を握って睨みつける。

 

「う……お前……」

「ん?殴るんじゃなかったのか?」

 

 親父は握り拳を緩めて警戒を解く。

 

「いや。やめておこう」

「そうか、注文はしっかりと造ってくれ」

 

 この苛立ちを他人の空似である親父さんに向けても意味がないしあの屑王は死んでいるし…バルーンでも殴れば少しは気が晴れるだろう。

 

「ちょっと待ちな!」

「なんだよ!?」

 

 城門を抜けて草原に行こうとする俺に武器屋の親父がまた呼び止める。

 振り返ると小さな袋を投げ渡される。

 

「そんなカッコじゃすぐに盾の勇者だとバレるぜ。せめてもの餞別だ」

 

 袋の中を確認すると少し煤けたマントと麻で作られた安物の服が入っている。

アールホルドの服に合わせても違和感は無さそうだ。

 

「幾らだ?」

「銅貨5枚って所だな。在庫処分品だ」

「……分かった。盾の代金と一緒に払う。」

「ちゃんと帰って来いよ。俺は金だけは信じているんでな」

「あーはいはい」

 

 俺はマントを羽織ながら、草原へ出るのだった。

 それから俺は草原を拠点にバルーン系を討伐していった。

 

「オラオラオラオラオラオラオラ!」

 

 一匹、2発も掛かるが幾ら噛み付かれてもダメージを受けないので困る事態は無い。

 憂さ晴らしに一日中戦って、ある程度のバルーン風船を手に入れた。

 

 レベルアップ!

 Lv11になりました。

 オレンジスモールシールド、イエロースモールシールドの条件が解放されます!

 

 そして、念には念をで色々と仕込みや下調べを日中に行う。

 夕方頃になり、俺は空腹を覚えた。

面倒な事に肉のある魔物を狩れていなかったため、渋々、城下町に戻った。

飯屋に行く前に金を稼ぐために魔物の素材を買い取る商人の店に顔を出した。

 小太りの商人が俺の顔を見るなりへらへらと笑っていやがる。

 ……思いっきり足元を見るつもりだな。

 見るだけで分かる。

 先客が居て、色々な素材を売っていく。

 その中に俺が売ろうと思っているバルーン風船があった。

 

「そうですねぇ……こちらの品は2個で銅貨1枚でどうでしょう」

 

 バルーン風船を指差して買い取り額を査定している。

 2個で銅貨1枚か……。

 

「頼む」

「ありがとうございました」

 

 客が去り、次は俺の番になった。

 

「おう。魔物の素材を持ってきたんだが買い取ってくれ」

「ようこそいらっしゃいました」

 

 語尾にヘヘヘと笑っているのが聞こえないとでも思ったのか。

 

「そうですねぇ。バルーン風船ですねぇ。10個で銅貨1枚ではどうでしょうか?」

 

5分の1にするとは驚きだ。舐めすぎだろう

 

「10枚で銅貨1枚?さっきの客は2枚で銅貨1枚だった。足元見過ぎじゃないか?」

 

これで訂正しないなら…

 

「そうでしたかね?記憶にありませんが?」

 

何分、うちも商売でしてねぇ……等と言い訳を続けている。

 

「そうか、ちなみにこれの価値は鮮度によって変化するか?」

「鮮度ですか?えーっと、まぁ、多少はしますね」

「なら、これも買い取ってくれ」

 

俺はマントの下に隠れて噛み付いているオレンジバルーンを引き剥がして商人の手の上に押し付ける。ただし、噛ませることはしない。大声で衛兵を呼ばれたら面倒になる。

 

「このままお前を草原まで引きずって、買い取って貰おうか?」

 

 マントの下に隠していた5匹のバルーンを見せ付ける。

 そう、幾ら噛み付かれても痛くも痒くも無いなら、引き剥がして誰かに引っ付けることが出来るのではないかと閃いたのだ。

 我ながら名案であり、こうして交渉の役に立っている。

 如何せん。攻撃力が無いので、脅しが出来ないしな。

 コイツも理解するだろう。俺がそれを実行した時、自分が骨すら残らずバルーンの餌食になる未来を。

 

「高額で買えとは言わんよ。でも相場で買取してもらわないと話にならないからさ」

「こんな事をして国が――」

「個人の感情で買値を変動させる商人の末路はどうなるだろうね?」

「そ、それは!」

 

 途端に商人の顔が青ざめていく

 この手の商人は信用が第一、俺を相手ではなく、普通の冒険者相手にこんな真似をしたら殴られかねない。

 この街を出ても悪評は広がり続けるだろうし、2度と商売はできないだろうな。

 

「なぁ、俺もこっちに来る前は複数の国家間で商売をする総支配人だったんだ。君の気持ちもよく分かる。銅貨8枚で良い。君は相場よりも銅貨2枚儲けられる。なぁ、良い話だろ?」

「…正直な所だと断りたい所ですが、買取品と金に罪はありません。良いでしょう。それに、断ればさっきの話を広めるのでしょう。」

「俺はただ、聞いた話を話すだけだよ」

 

 諦めの悪い人物だと理解したのか、買取商は俺の買取契約通りに買い取ってくれた。

銀貨2枚と銅貨30枚を取り銅貨10枚を買取商に渡す

 

「これは?」

「次に来た時にこの国の情報を出来るだけ詳細にまとめて置いてくれ。これは依頼料だよ。」

「うちは情報屋じゃないんですけどね。まぁ、分かりました」

「ああ、俺の噂を広めておけよ。ふざけたことを抜かす商人にはバルーンを買わせるとね」

「はいはい。まったく、とんだ客だよコンチクショウ!」

 

適当に入った店の飯はなかなか美味かった。

 




買取商「あんなヤバい客は初めてだよ」
カイン「情報源ゲット」
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