盾の英雄記   作:トッポ(チョコ無し)

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「副長!大変です!局長との連絡が途絶えました。」
「は?」
「日本大学講堂爆破テロから局長との連絡が途絶え2日が経ちました。」
「2日…よし、俺が局長代理として指揮を取る。職員には『局長は機密性の高い任務を遂行するため、一切の連絡を絶った。副長が代理として指揮をとる。』と通達せよ」
「はっ!」
「……胃が痛い」


契約1

 あの食堂のウサピル定食は美味しかった。

 夜になる前に野宿の準備をしないといけないな。

 あの店主の態度から考えると、今暫くは宿に泊まることはやめておいたほうが良いだろう。どんな冤罪をふっかけられるかわからないしな。

 

 次の日の朝、バルーンに群がられていた。

 これが危険度の高い魔物だっだら死んでいたのだろう。気が緩んでいた。引き締めないといけない。

幸いにもこの草原には弱い魔物が大半らしい。戦場の勘をここで取り戻さないと。

 バルーンを殴り割るのも面倒になった。森の近くの草原には知っている薬草が群生していた。これを売るのも良いだろう。

 確か城下街の薬屋の卸問屋にて売っている薬草に知らない薬草しかなかった。特徴は覚えているので、後は草原で似た草を摘んでいると、盾が反応した。徐に採取した薬草を盾に吸わせる。

 

ーーー

 リーフシールドの条件が解放されました。

 

 そういえばウェポンブックを見ていなかったな。

 俺はウェポンブックを広げて点灯している盾を確認する。

 

 スモールシールド

 能力解放! 防御力3上昇しました!

 

 オレンジスモールシールド

 能力未解放……装備ボーナス、防御力2

 

 イエロースモールシールド

 能力未解放……装備ボーナス、防御力2

 

 リーフシールド

 能力未解放……装備ボーナス、採取技能1

ーーー

 

 ヘルプで再確認する。

 

ーーー

『武器の変化と能力解放』

 武器の変化とは今、装備している伝説武器を別の形状へ変える事を指します。

 変え方は武器に手をかざし、心の中で変えたい武器名を思えば変化させることが出来ます。

 能力解放とはその武器を使用し、一定の熟練を積む事によって所持者に永続的な技能を授ける事です。

 

『装備ボーナス』

 装備ボーナスとはその武器に変化している間に使うことの出来る付与能力です。

 例えばエアストバッシュが装備ボーナスに付与されている武器を装備している間はエアストバッシュを使用する事が出来ます。

 攻撃3と付いている武器の場合は装備している武器に3の追加付与が付いている物です。

ーーー

 

 なるほど、つまり能力解放を行うことによって別の装備にしても付与された能力を所持者が使えるようになるという事か。

 熟練度はおそらく、長い時間、変化させていたり、敵と戦っていると貯まる値だろうな。

 何処までもゲームシステムに近い世界だ。

 

 ウンザリした思いをしつつ、リーフシールドの装備ボーナスに興味を引かれる。

 採取技能1

 おそらく、薬草を採取した時に何かしらのボーナスが掛かる技能だろう。

 今、使える金は少ない。

 とすれば、やることは一つ。どれだけ品質が良くて労力の低い物を手に入れるかに掛かっている。

 俺は迷わずリーフシールドに変化させた。

 シュン……という風を切るような音を立てて、俺の盾は植物で作られた緑色の草の盾に変わる。

 ……防御力の低下は無い。元々スモールシールド自体が弱すぎたのだ。

 さて、目の前に群生している薬草を摘んでみるか。

 この種類のは根から取らないと効果が無くなったはずだ。

 プチ。

 良い音がして簡単に摘み取れる。

 何か本当に淡く薬草が光ったように見えた。

 

ーーー

 採取技能2

 タル草 品質 不可→普通 軟膏の材料になる薬草

ーーー

 

 アイコンが出て変化したのを伝えてくれる。

 短いが根が生えてきている。

 へー……簡単な説明も見えるのか、思いのほか便利だな。

 

ーーー

 採取技能1

 アエロー 品質 普通→良質 傷薬の材料になる薬草

 

 採取技能2

 満月華 品質 普通→良質 軟膏の材料になる薬草

 

 採取技能2

 魔力草 品質 普通→良質 軟膏の材料になる薬草 

ーーー

 

 薬屋にあった薬草はそのままで、作った軟骨を600gほどに分け小瓶に入れる。魔力草他4種類で魔力回復用の煙草を5箱分作り出した。

 そして俺は城下町に戻り、袋を片手に薬の買取をしてもらう。

 

「ほう……中々の品ですな。これを何処で?」

「城を出た草原だよ。知らないのか」

「ふむ……あそこでこれほどの品があるとは……もう少し質が悪いと思っていましたが……」

 

 等と雑談をしながら買取をしてもらう。銀貨1枚と銅貨50枚だった。

 薬の質や効力を考えても妥当な金額だろう。この店には安心して売れるだろう。

 腰のポーチから軟膏入りの小瓶を取り出して店主の前に置く。

 

「これは?」

「魔力草と月光華で作った軟膏。肉体の基礎回復力を強化し傷を癒す。注意点は微量ではあるが魔力草の効力によって魔力を消費する。また幻惑草によって傷の痛みを和らげているが故に使用量によっては中毒になる危険性がある。」

「ふむ…では1つ銀貨3枚でどうでしょう。」

「痛みがなく瀕死だとしても3日で動けるようになる代物だ銀貨5枚。」

「ポーションより即効性が無いでしょう銀貨3枚と銅貨300枚。」

「ポーションは劣化が早い。これは皮袋に入れていても劣化は遅い銀貨4枚と銅貨500枚。」

「この軟膏に効能が本当にあるのか分からない銀貨3枚と銅貨400枚。」

「ポーション作成に必要な魔力水が要らず井戸水や川の水で作ることができる銀貨4枚。」

「銀貨3枚と銅貨500枚。これ以上は無理だ。」

「では、交渉成立ということで。」

 

 合計銀貨4枚と銅貨550枚の売り上げになった。

 今までの収入としてはかなり多い。むしろ記録更新だ。

 酒場で飯を食っていると仲間にして欲しいと声をかけてくる奴がチラホラと出てくる。

 どいつもガラの悪そうな顔の奴ばかりでウンザリする。

 

「盾の勇者様ー仲間にしてくださいよー」

 

 上から目線で偉そうに話しかけてくる。

 冒険者、装備の手入れが雑。顔つきや肉体から考えられる年齢からすると伸び悩み始めた中堅レベルだろう。

 防具の隙間からネックレスが見える。あれだけよく手入れされているのを見ると宗教のシンボルなのだろう。弓と剣と…槍か?買取商からもっと情報を買い取ればよかったか。

 正直、相手にするのもわずらわしいが、他者を見下す視線で腹が立ってきた。

 

「じゃあ先に契約内容の確認だ」

「はぁい」

 

 チッ、落ち着け、ここで引き下がると何処までも着いて来るぞこの手の連中は。

 

「まず雇用形態は完全出来高制、意味は分かるな」

「わかりませーん」

 

 殴り殺したくなるなコイツ!

 

「冒険で得た収入の中でお前等に分配する方式だ。例えば銀貨100枚の収入があった場合、俺が大本を取るので最低4割頂く、後はお前等の活躍によって分配するんだ。お前だけなら俺とお前で分ける。お前が見ているだけとかならやらない。俺の裁量で渡す金額が変わる」

「なんだよソレ、あんたが全部独り占めも出来るって話じゃねえか!」

「ちゃんと活躍すれば分けるぞ? 活躍出来たらな」

「じゃあその話で良いや、装備買って行こうぜ」

「……自腹で買え、俺はお前に装備を買ってまで育てる義理は無い」

「チッ!」

 

 大方、俺に装備品を買ってもらって、無意味に後ろに着いてこようとしていたのだろう。

 挙句の果てにどこかで逃亡して装備代を掠める。

 汚いやり方だ。この手で何人もの新人を潰したのだろう。

 

「じゃあ良いよ。金寄越せ」

「あ、こんな所にバルーンが!」

 

 ガブウ!

 

「いでー! いでーよ!」

 

 酒場にバルーンが紛れ込んだと騒ぎになったけど俺の知ったことではない。騒いでいる馬鹿に噛み付くバルーンとネックレスをサッと引き剥がし、食事代を置いて店を去った。

 途中、黒の外装を纏った2人組がうちに来ないかと言ってきたが胡散臭過ぎた為、断った。

 まったく、この世界にはまともな奴は居ないのか。

 どいつもコイツも人を食い物にすることしか考えてない。

 とにかく、そんな毎日で少しずつ金を貯め、気が付いた頃2週間目に突入した。




「局長代理!旧フロリダ州にて国家を名乗る組織が!」
「局長代理!イギリスより併合の催促の電話が鳴り止みません!」
「局長代理!」
「局長代理!」
「局長代理!」
「…はやく帰ってきてくれぇ。局長ォ!」
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