盾の英雄記   作:トッポ(チョコ無し)

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「老師、話とは?」
「うむ、結論から言うと、異界転移魔術陣は完成した。理論上じゃが。」
「どう言う事?」
「魔術陣に書き込む情報が多過ぎての、半径4kmに1mmのズレなく書き込む必要が出てきたのじゃ。」
「不可能ですよ」
「そうじゃ。じゃから御伽話から着想を得たのじゃ。陣を重ねるのじゃ。」


契約2

ひーふーみー……。

 2週間掛けて手に入った金額は金貨1枚と銀貨20枚に銅貨500枚だった。これの殆どが情報を買うのに使う事になるとは…始めたばかりは仕方ないが金欠だ。

 というか俺の手数じゃいける場所も知れてるんだよ。

 ダメージこそ受けないが一度だけ森の方へ行った事がある。

 

 レッドバルーンだったか。

 俺が素手で殴るとカンという缶を殴るような衝撃を受けた。

 そして5分前後でやっと割ることができたが、レッドバルーンが足の下の虫の様に集まってきた。

 いい加減ウンザリして森から去った。

 つまり、この草原に居る程度の魔物しか俺は戦うことが出来ない訳だ。

 ちなみに2週間でレベルは10まで上がった。

 クソ勇者共は今頃どれだけ上がってるか知らんがな。

 レッドバルーンは未だに俺の腕に喰らい付いたままガリガリと噛み切ろうと繰り返している。

 森に行ったのは一週間前だったっけ?

 一発殴ってみる。

 カンと良い音が出た。

 

「はぁ……」

 

 攻撃力が足りない。

 足りないから魔物を倒せない。

 倒せないから経験値を稼げない。

 稼げないから攻撃力が上がらない。

 嫌なループだ。

 

 酒場から草原に出るための裏路地を歩いていた。

 その日は今までと少し違う日となる。

 

「お困りのご様子ですな?」

「ん?」

 

 シルクハットに似た帽子、燕尾服を着た、奇妙な奴が裏路地で俺を呼び止める。

 なんていうかメチャクチャ肥満体のサングラスを着けた変な紳士。

 そんな奇妙な奴だ。

 中世な世界観から逸脱しており、こいつだけ浮いている印象を受ける。

 ここは無視するのが良いだろう。

 

「人手が足りない」

 

 ピタリ。

 俺の痛いところを的確に突く言葉だ。

 

「魔物に勝てない」

 

 イラっとする言葉を続ける奴だ。

 

「そんなアナタにお話が」

「仲間の斡旋なら間に合ってるぞ?」

 

 金にしか目が無いクズを養う余裕なんてまったく無い。

 

「仲間? いえいえ、私が提供するのはそんな不便な代物ではありませんよ」

「ほう……じゃあ何だよ?」

 

 ズイっとその男は俺に擦り寄ってきて声を出す。

 

「お気になります?」

「近寄るな気持ち悪い。」

「ふふふ、あなたは私の好きな目をしていますね。良いでしょう。お教えします!」

 

 もったいぶって、ステッキを振り回しながら変な紳士は高らかにシャウトする。

 

「奴隷ですよ」

「奴隷?」

「ええ、奴隷です」

 

 この世界にも奴隷の販売もあるのか。

 

「なんで俺が奴隷を欲していると?」

「裏切らない人材」

 

 ピク……

 

「奴隷には重度の呪いを施せるのですよ。主に逆らったら、それこそ命を代価にするような強力な呪いをね」

「ほう……」

 

 中々面白い話をするじゃないか。

 逆らったら死ぬ。下手に人を利用しようとか馬鹿な考えをしない人材とはまさしく俺が欲している物なのは確かだ。

 俺には攻撃力と手数が欠けている。だから仲間が欲しい。けど仲間は裏切る可能性が高いから金を掛ける訳にもいかない。

 だから仲間は増やせない。

 だけど奴隷は裏切れない。裏切りは死を意味するから。

 

「どうです?」

「話を聞こうじゃないか」

 

 奴隷商はニヤリと笑い、俺に案内をするのであった。




「契約の匂いがするぅ!」
「姉様、はしたないですよ。」
「仕方ないじゃ無い!勇者パーティの…アレが死んでから上質な契約が結ばれなかったのよ!それに薄いけど異世界からきているのよ!興奮してもしかたないじゃない!」
「信者が減りますよ?」
「今更よ!もう枢機卿達には見られているもの!」
「胸を張って言う事では無いですよ!」
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