もしもの時、勇者達の身を奴隷とし、波の戦いにて最前線に送れ
それは私が女王陛下の影より言い渡されたお願いという名の命令でした。私はハッキリ言うと怖かったのです。なぜ奴隷に身を奴させる必要があるのか、もしもとはどの様な状況なのか、分からないのが怖かったのです。
そのもしもは私の耳に勇者を召喚したと言う噂が入ってきたその日だったのです。
盾の勇者が仲間を強姦したと。詳しく調べると盾の勇者様の仲間と言うのが協商網で“フォブレイの親譲り”、女好きとして有名なフォブレイの鞭の勇者様、タクト=アルサホルン=フォブレイ王子と男女の仲であると噂のマルティ第一王女の偽名であるマインでした。
そして、この日のうちに協商経由でアルフェ王国からも他国への牽制としての勇者奴隷の依頼を出してきていた。
これもまぁ、10年に及ぶ凶作によって国際的地位も低下し続けとうとう国としての体制を維持できなくなりかけている現状の打破の為だったのだろう。アルフェ王も他国に食い散らかされたいとは思わないだろう。税も平時と比べ3割増えていました。10年の凶作で他国に依存している状況で僅か3割の増税とはかなりの政治能力があると言えます。私もアルフェ王とメルロマルク女王のどちらを優先するか迷い、実際に会ってみる事にしました。それから3日程盾の勇者様は城下街に姿を現しませんでした。
女王の影がまた、接触し次の命令をしていきました。ハイ。そうです。
盾の勇者への奴隷を融通せよ
それが新しい命令でした。
どちらの依頼を受けるにしてもまずは勇者様に会わなかといけないと思いました。ハイ。
実際に会った盾の勇者様は一見、優しくなんでも頼み事を聞き入れてしまう様な雰囲気を出しておりましたが、一言話すと人というモノをほとんど信じる事ないどの様な言葉にも必ず欺瞞や罠が仕掛けられていると思っている私共、商人と同じ気配を感じました。
メルロマルク女王陛下の依頼を受ける事にしました。盾の勇者様はこれからも私の所で奴隷を買うと確信したからであります、ハイ。
何よりも驚き感心し、見習いたいと思ったのが、奴隷を購入し心を掴むそのカリスマ性、あれは生まれつきもあるのでしょう、しかし、知識と経験動作の一つ一つが他人の心を掴む動作をしていたのです。
ああ、何度思い出してもあの人心掌握術は素晴らしいモノでした。
え?その後ですか?確か、私がアルフェ王国の現状と位置をお教えいたしましたが?