『何ぃ⁉︎』
視界が赤に染まったと思ったら別の場所に居た。前世の魔軍で食らった転移罠に酷似していて混乱したが、身体に魔力を流し無事なのを確認し少しは落ち着くことができた。
「おお……」
確認が終わってすぐに感嘆する声が聞こえ我に返る。
纏まらなかった視点を前に向けるとローブを着た男達が何やらこちらに向って唖然としていた。
「なんだ?」
声のするほうに目を向けると俺と同じように状況を飲み込めていないらしき男が三人。
一体どうなっているのか、首を傾げた。
俺は確か、大学の図書館に居たよな、それで…ていうかここはドコだ?
状況の確認と共に考え見渡していると、石造りの壁が目に入る。
レンガ調という奴だったか?見覚えの無い建物だが、あの世界の王宮の中の召喚室がこれに近い雰囲気だったか。間違っても図書館ではない。
下を見ると蛍光塗料を塗られて作られたかのような幾何学模様と祭壇。
確か賢者の並行世界又は異世界への干渉用の魔術陣に似たのがあったはず。その祭壇に俺達は立たされていた。
この事から俺達4人は召喚されたのだと判断する。
「おお、勇者様方! どうかこの世界をお救いください!」
「「「「はい?」」」」
異口同音で俺達は喋った。
「それはどういう意味ですか?」
何だろうこのフレーズ。ネット小説とかで読んだ事があるような気がしないでもないが、思い出せないということはそこまで面白いものではなかったのだろう。
「色々と込み入った事情があります故、ご理解頂ける言い方ですと、勇者様達を古の儀式で召喚させていただきました」
「召喚……」
問題はどれだけ被害を受けているのか、敵は何なのか、今は静かに聞いておく方が良いだろう。
「この世界は今、存亡の危機に立たされているのです。勇者様方、どうかお力をお貸しください」
ローブを着た男が深々と俺達に頭を下げる。
何か、ほんの少し嫌な感じがする。
「まあ……まずは話を聞いーー」
「嫌だな」
「そうですね」
「元の世界に帰れるんだよな? 話はそれからだ」
俺が話を聞こうと喋っている最中、遮るように他の三人が言う。
情報の価値を知らないみたいだな。話を遮るなと俺が無言の眼力で睨むと三人は俺に視線を向ける。
……なんで半笑いなんだよ。微妙に興奮しているのが分かった。その笑顔がちょっと気持ち悪いと感じてしまったのは秘密だ。
「人の同意なしでいきなり呼んだ事に対する罪悪感をお前らは持ってんのか?」
剣を持った男、パッと見だと高校生くらいの奴がローブを着た男に剣を向ける。
「仮に、世界が平和になったらっポイっと元の世界に戻されてはタダ働きですしね」
弓を持った子も同意してローブの男達を睨みつける。
「こっちの意思をどれだけ汲み取ってくれるんだ? 話に寄っちゃ俺達が世界の敵に回るかもしれないから覚悟して置けよ」
これは、アレだ。自分達の立場の確認と後の報酬に対する権利の主張だ。昔、傭兵団が盟主にして前線に出されて全滅したっけな
「ま、まずは王様と謁見して頂きたい。報奨の相談はその場でお願いします」
王は玉座に居るらしい。…まぁ、あって実際に話してみないと人なりはまぁ、分からないな
「本当に、壊れてる」
「…魔力の残り香は無い」
「壊れただけじゃ無いね。一緒に埋葬した装備品類が無くなってる。」
「許さない。兄貴の墓を荒らしたんだ、覚悟はできてんだろ。」
「…聞いてくれ。もしかしたら精霊、ひいては神が関係してるかもしれぬ」