「アンタ……」
武器屋に顔を出すと親父がラフタリア達を連れた俺を見て絶句しながら声を絞り出す。
分かる。分かるが、俺は服屋を知らない。知っていたらとっくに向かっている。
「まて、言いたい事は分かるが待て、まずは話を聞いてくれ。」
「ほー?ならその訳を聞かせて貰おうか。嘘だったら」
そう言うと親父さんはカウンターの下からウォーハンマーを取り出した。
店に並べられている商品の武器と違い、使用され、修理された痕跡があった。おそらく親父さんが冒険者か兵士かしていた頃の得物なのだろう。ごく自然な形で持っていた。
「俺は、服屋の場所を知らない。親父の所以外で連れて行ける店は薬屋のじいさんの所ぐらいなんだよ!だから!そのハンマーを下ろしてく!うぉ、馬鹿野郎!振り下ろすんじゃねぇ!殺す気か!」
親父さんは振り下ろしたウォーハンマーの石突きに手を置き睨む様に見て来た。
「…俺はお前さんを信用はしている。できるだけ力になってやろうとも考えてる。だが、7人も一度に、うちに連れてくるな!ただでさえ周りの何も知らねぇ奴らが“あそこは犯罪者を匿っている”なんて噂があるのに今度は奴隷まで来たら次は何を言われるか。そこのちびっこ「ラフタリア」あ゛「なんでもないです。」…ラフタリアだけならまだ誤魔化せたかもしれねぇが、なぁ、羽の生えた少女に俺より背の高い嬢ちゃん、おまけに角の生えた坊主、目立ちすぎなんだよ!」
目立つ、それは考えていなかった。俺よりデカくて浅黒い蒼髪の女性、灰色の翼に灰色の髪の少女、捩れた角に黒髪の少女にしか見えない男の子、真っ白なエルフに赤髪に狼の耳を持つ兄妹、怯えている様にしか見えない茶色の髪の少女を連れて歩く珍しい革鎧を着て深緑のマントをつけた黒髪黒目の男が武器屋に入った。役満どころじゃねぇーな、これマズイどころの話じゃねぇな。
「すまん。親父さん、自分達の事を客観的に見ていなかった。この埋め合わせは武器や防具の購入で行わせてもらいたい。」
「…はぁ、前から思ってたがなんでも損得で考えるのはやめた方が良いぜ」
「善処する」
親父さんは再度大きなため息を吐きながらカウンターの下から地図を出し服屋の場所を教えてくれた。
武器屋に居る事だしついでに王道の片手剣から変わり種の鎌や鎖、果ては礫を買い込み店を出た。この王都でのやらないといけない事は後二つだ。終わればアルフェ王国の傀儡化の作業だ。
仕込みは久しぶりにするな。いつも副局長に任せきりだったな。上手く出来れば良いが。