失踪はしないのでご安心を
「快晴の空、青澄み渡った海、そして豪華客船。これは...最高だね」
「おい見ろよ!プールもあるぜ!マジで凄すぎるだろ」
隣では池がプールを見つけてテンションが上がっている
少し離れた所では須藤と山下が海の景色を観ながら騒いでいる
「こんな僕達子供にここまでの娯楽を提供する政府って凄いよね。堀北さん達もこんな豪華だとやっぱりテンション上がるよね」
「私はあまり興味がないわ。人が無駄に多い所は余り好きじゃないの」
「休める時に休まないと大切な時にかえって失敗するよ堀北さん。貴重な青春の思い出になるんだから。さ、僕と二人だけで楽しもうよ!」
「一理あるけれど貴方とだけは絶対に嫌だわ」
「あははは!そっか、悲しいね!」
「....丹羽が今日は怖いくらいテンションが高い....そんなに海が好きなの?」
そこまで好きと言う訳ではないが普段の平穏な生活と違った楽しみがあるから自然と楽しくなってしまう
こういうのは思い切り楽しむのが僕のポリシーだ
どうやら堀北さんは海にあまり興味がないらしく本を読んでいるが
「本当なら堀北さんとが良かったけど仕方ないね。綾小路さんで我慢しよう。じゃあ、綾小路さん暇だろうし船にある施設を散策しようか!」
「ナチュラルに堀北の代わり扱いを受けて私は腹が立っている....丹羽に着いて行くつもりはない......一人で行ってきて」
流石の綾小路さんも僕にキレているようだ
今回は完全に僕が悪い
「ごめん冗談だよ。綾小路さんとも実は行きたかったんだけどね..
.堀北さんの前で言うのは流石に不誠実だなって思ってね」
「私は貴方と付き合ってる訳でも好きなわけでもないのだけれど?それで不誠実になるのかしら?」
呆れたようにを指摘してくる堀北さん
「.....僕の中では不誠実になるんだよ」
「丹羽...嘘はつかない方が私は好ましい」
どうやら綾小路さんも僕の言葉を信じていないようだ
僕に自白を促すような事を言ってくる
いや別に自白も何も嘘などついていないけど....
「失礼だな。僕は本気で不誠実だと思っているし、綾小路さんとも行きたたかったのも本当だよ?というか前にも言ったけれど見た目だけだったら僕の嗜好にどストライクだからね君。もう少し自分の可愛さを自覚した方が良いよ」
「....いつも思っていたけれどそのメンタルだけは他に類を見ないくらい強いわね」
「...丹羽は顔に動揺が出ないから演技かどうか見分けがつきにくい」
本心なんだから演技じゃないに決まってるだろ
前の僕は全てにおいて完璧だったが今の僕には変わってない精神性ぐらいしか残ってないからね
メンタルだけなら僕に勝てる奴はいない
堀北さんに話しかける
「僕、基本的に嘘をつかないようにしてるんだ。それで.....綾小路さん、一緒に行かない?」
「....丹羽は私が可愛いと思ってた?」
「そうだよ。君の事も好きかもしれない」
「うっわ貴方、本当に屑なのね」
外野の堀北さんが何か言っているが気にしない
実際、見た目だけだったら堀北さんより好きだったし
「....しょうがないから一緒に行ってあげる」
無表情ながらも何処か嬉しそうな綾小路さん
どうやら僕は許されたようだ
.・・・思ったよりちょろいよなこの子
「じゃあ早速、船内探索行こっか」
$$$
「思ったより色んな施設があったね。まさか映画館もあるとは思わなかったよ」
「.,..ん、飲み物美味しかった」
あらかた見回り終わり元の場所に戻ってきた
つい先程船内アナウンスが聞こえて孤島に上陸するらしく
一旦着替える為に別れることにした
それにしてもバカンスが始まってからの僕のテンションは上がりまくりだ
単純にいつもと違う刺激があるのはとても楽しい
もしかしてこの孤島で何かレクリエーションでもやるのかもしれない
普段なら疲れるのでやらないが今の僕は3バカトリオに負けないくらいにモチベが高い
それはもう全力で楽しんでやろうじゃないか!
そう意気込んで孤島に降り立った僕に告げられた先生の言葉はあまりにも残酷だった
「これより本年度最初の特別試験を始める」
神は死んだ
ついでに僕のモチベも天に召された
「嘘だろ....?まだ初日じゃないか....なんて惨い事を...」
まだバカンス初日なのにいきなり試験をさせるとか鬼畜が過ぎる
「落ち込み過ぎだろ....てか落ち込んでる丹羽初めて見た気がするぜ」
「俺はキャンプの時の経験が活かせそうで凄いテンション上がってけどな!」
須藤と池がなんか言ってるがそんな事気にしないぐらいに僕は項垂れてた
期待し過ぎたせいで落胆の振り幅が思った以上に大きい
僕はなんて過度な期待を持ってしまっていたのだろうか?
試験開始宣言を聞いて頭が真っ白になったが僕の耳はしっかりと試験の説明を聞いていたらしい
教師か話していた試験の内容は
各クラスに試験専用のポイントが300支給され
このポイントを使い、水や食料、テントを含む様々な物資を購入することができる。そしてその時使用するポイントの数は、配布されるマニュアルに記されている
また試験終了後に残ったポイントは、そのすべてがクラスポイントとして夏休み明けに反映される
ルールとして著しく体調を崩したり、大怪我をし続行が難しいと判断された者はマイナス30ポイント。及びその者はリタイアとなる
また環境を汚染する行為を発見した場合。マイナス20ポイント
毎日午前8時、午後8時に行う点呼に不在の場合。一人につきマイナス5ポイント
他クラスへの暴力行為、略奪行為、器物破損などを行った場合、生徒の所属するクラスは即失格とし、対象者のプライベートポイントの全没収
島の各所にはスポットが存在し、それを占有したクラスのみが使用することができる
スポットをどう活用するかはクラスの自由だが、占有権は8時間しか効力を持たず、それを過ぎた場合は再度占有する必要がある
スポットを一度占有するごとに1ポイントのボーナスを得ることが出来る
スポットを占有するには専用のキーカードが必要である
1度の占有につき1ポイントを得る。占有したスポットは自由に使用できる
・他が占有しているスポットを許可無く使用した場合50ポイントのペナルティを受ける
キーカードを使用することが出来るのはリーダーとなった人物に限定される
正当な理由無くリーダーを変更することは出来ない
7日目の最終日、他クラスのリーダーを言い当てる権利が与えられ、的中させられたら+50ポイントを得ることができ、その際的中されたクラスは-50ポイントのペナルティが与えられる。尚この際的中刺せられたクラスのボーナスポイントは0になる。外した場合は自分のクラスにー50ポイントのペナルティが与えられる
皆よくこんな沢山の情報を一度の説明で覚えられるなぁ(遠い目)
というかこんな試験作った奴誰だよ
明らかにバカンス初日からこれは重すぎるだろ
まぁそんなどうでもいい話は置いておいて
どうやら今回の試験のテーマ[自由]らしい
試験なんかさせてる内は自由がないと思う僕は捻くれてるかもしれない
まぁ何事も切り替えが大事だし、ちゃんとここから頑張ろう
バカンスの事は一旦忘れて試験に来たと思ってやれば良い
「今回の試験は僕は力になれそうにないな....綾小路さんと堀北さん。二人によろしく頼むよ」
「.....貴方がいつの試験で力になったのかを私は知りたいわね...まぁ言われるまでもないわ」
「....バカンスまだ初日なのに」
いつも通り辛辣な堀北さんとどうやら僕と同じく少し落胆して、僕が今一番聞きたくなかった言葉を口に出す綾小路さん
折角切り替えて試験に臨もうとしてるのになんて事言うんだ
僕もつられてネガティブな気持ちが引きずってしまうだろ!
そのまま試験が始まり僕達は最終的に川の近くの森を拠点にする事になった
王様ことリーダーは満場一致で堀北さんに決まりクラス皆で協力して無人島生活が始まった
「丹羽、Aクラスのリーダーは戸塚という生徒だと思う」
無人島生活1日目
早速綾小路さんが問題をぶっ込んで来た
「そっか....ひとまず僕に何でもかんでも情報を共有するのはやめようか」
「???...仲間なのに?」
君の言う仲間って道連れの事だろ!
というか戸塚って誰?なんでAクラスの人知ってるの??
「午前中に無人島の散策をしていたらスポットに入る戸塚を見つけた、もう一人葛城という生徒も居たけれど恐らく囮の可能性が高い」
綾小路さんが僕を無視して淡々と自分が判断した理由と証拠を教えてきやがった
君は!!!そんな事をするのなら僕を巻き込むんじゃない!!
てっきり何か僕にお願いがあって来たのかと思ったじゃないか
期待だけして損した気分、というか気分どころか普通に損してるなコレ
「丹羽はこれを聞いて、どうしたら良いと思う?」
「まずは僕に謝罪して、僕に言った事を堀北さんに教えて丸投げすれば良いと思うよ」
「....?何で丹羽に謝罪???」
「君は一般男子高校生の思考をもう少し汲み取った方が良いよ。普通は夜に女子に2人きりで話したい事があると言われたら別の事期待してしまうからね」
性別的には女子であるだけの綾小路さんに分かれと言うのは酷かもしれないが堀北さんならこの説明で色々と察するよ
良くも悪くも純粋すぎるだろ一体どこで育ってきたんだ....
あとは単純に僕が知らなくても良い重要な情報をあえて伝えてきた事に対する謝罪も含まれるかな
「???....丹羽は普通じゃないけど?何処をどう見たら自分が普通だと思える?...もう少し自己を省みた方が良くなると思う」
「...君は僕に対して本当にデリカシーがないね。んん?どうやったらそんな可愛い口から僕の心をグサグサと突き刺さすような酷い事言えるんだい?」
ついイラッときて綾小路さんの頬を両手で引っ張る
無抵抗のまま無表情で頬が引っ張られているので少し滑稽だ
「.....いふぁい」
何食ったらこんな柔らかいほっぺになるんだろう
こんな見た目だけなら可愛い子にあんな残酷な事が出来るなんて
やっぱり育ちが特殊だと人の心とか道徳みたいなものが無くなるのかもしれないな
あまり虐め過ぎると後が怖いので頬から手を離す
「まぁ取り敢えずAクラスのリーダーを見つけられたのは凄い手柄だから堀北さんに教えてあげたら?僕には振らないでよ?僕の出来る事はもう無いからさ」
「....丹羽はこの試験でも何もしないの?」
無表情で呆れるような、或いは咎める様な視線を向けてくる無駄に器用な綾小路さん
「そんな顔をしないでくれよ。僕だって堀北さん程Aクラスに執着は無いけど上がりたいと思っているんだ」
というか何もしてなくは無いだろ
佐倉さんから情報聞き出したの僕だし
ま、綾小路さんからしたら僕は全く協力をしていない駄目な奴に見えるのだろう
「僕は.....余り頭が良くないんだ。男手としての多少の肉体労働しか頼りにしないで欲しいかな」
「....丹羽とゲームした時に分かったけど丹羽はそこまで頭は悪くない。きっと堀北の戦力にもなる」
.....過去に全力イカサマゲームをしたのは失敗だったな
「.....まぁ考えておくよ。今日は一先ず寝ようか。他の人が起きてきたら困るし」
僕は面倒くさくなったので問題を先送りにした
恐らく明日になっても綾小路さんは僕を働かせる為にあれこれ言ってくるだろう
まぁ迷惑も掛けてないし万が一にでも僕が必要な程のトラブルなんて僕らDクラスに起きないだろうし....