モンスターハンター //赤銅髪の少女//   作:[ysk]a

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9:狩人の夕暮れ

 

 

 

 とりあえずはっきりとはわからないけれど、しかしどこか頭に引っかかる光景だった。

 なんだか痛む体が、まるで水の中を漂っているかのようにフワフワと心もとない。

 リズは、その半濁とした意識のまま、その身を揺らぎの中に浸していた。

 夢、なのか。

 現、なのか。

 境界が定かではない中、揺らぎはいつしかはっきりとした感触になっていき、気がつくとリズはいつものように村を歩いていた。

 手に持っているのは今回の依頼における支給品のアイテムだ。これを、村の外にある馬車まで運び、そこからさらに現地まで行って、キャンプのテントを張る、というのが今回の『ハンター見習い』である、自分の仕事である。

 隣では、見た目は身軽な、しかし作りは頑丈な鎧に身を固めた青年が、自分をオロオロと心配そうに見ている。

 大丈夫なのに、心配性なんだから。

 そんなお節介焼きの兄に、くすりと苦笑した。

 

『リズ、やっぱり俺が持つって! 重いだろ、今にも倒れそうだぞ!?』

『だぁかぁらぁ、私は平気だってば! 大樽だって運べるんだよ?』

『なっ……お、大樽!? あのでかい爆弾を!? 誰だそんな危ないことさせやがったのは!』

『あのね、ただの大樽。爆弾じゃありません。まったくもう』

『そ、そうか。それなら、いい。うん。……いやいや、よくないだろ俺!?』

 

 顔を真っ青にして詰め寄ってくる兄には、苦笑が絶えない。

 正直、これは過保護すぎると思うのだが、兄はというと全然そんなことは無いといって譲らない。むしろこれでも甘いほうだ、とのこと。だったら、たかが支給品の【投げナイフ】と【閃光玉】程度を運ぶくらいで心配しないで欲しいと、リズは心の中で呟く。口に出したりなんかしたら、それこそ小一時間の説教タイムの始まりだ。面倒ごとは少ないに限る。

 少女――リズは隣をそわそわと歩く兄を見上げて嘆息した。

兄は、こうみえても立派なハンターだ。

 耳鳥竜《イャンクック》の素材を用いて作られた胴と腰、安価でありながらも丈夫な造りの【バトルシリーズ】と呼ばれる脚の防具、そして、蒼い篭手といった風貌は、ちょっと見た目はちぐはぐであるが、その実用性及び耐久性は村長の折り紙つきである。

 特に、その青年の中でも異彩を放っているのが、その蒼い篭手。

 造りはいわゆる【レウスアーム】と呼ばれる腕装備なのだが、普通の【レウスアーム】とは使われている素材の色が違う。

 何を隠そう、これはいわゆる色違いの赤火竜《リオレウス》――蒼火竜《リオソウル》の素材を用いて作られた、【リオソウルアーム】なのだ。

 色違いの飛竜という存在すら超希少種であるのに、その飛竜の素材を用いた防具を付けているとなれば、おのずとその名は知れ渡る。

 このオルラド村で、【藍手のイヴァリーズ】といえば、知らないものなどいない。

 それに加えて、事実、兄のイヴァリーズは村長も認める一流――ではないが、いっぱしのハンターなのだ。

 リズはそんな兄を心から尊敬していたし、誇りに思っている。

そして何よりも、誰よりも、憧れていた。

 将来は、自分も兄の後を追って絶対にハンターになるのだと、幼いながらも確固とした夢を抱くほどに。

 

『今度は、どのくらいで終わりそう?』

『……ん~、そうだなぁ。期限は四日だけど、単に紅走竜の頭《ドスイーオス》を狩るだけだから、順調にいけば、そうだな。二日、くらいか』

『じゃぁ、明々後日くらいだね。夜には帰ってよ? ご飯作っておくから』

『そりゃ助かる。ついでに、ジャンポピザも作ってくれ。久々にお前が作ったのが食べたい』

『おっけー♪』

 

 にんまりと、楽しそうにリズは笑う。

 それを見て、兄も満足そうに微笑んだ。

 いつも通りだ。兄は約束どおり、二日後には帰ってきて、リズが用意しておいた料理をものすごい勢いで食べる。

 それを隣で満足そうに眺めながら、食事が終わったら村長のいる酒場に遊びに行くのだ。

 そして、村長の昔の話を聞きながら、兄に自分の夢を語り、そして家に帰ってきて眠りにつく。

 五歳の頃から繰り返されてきたその日こそが、リズにとって一番楽しい時間であり、思い出に強く残る時間。

 自然と、リズは狩りに赴く兄の危険への心配とそれから帰ってくる日の期待が入り混じった瞳で、少し斜め前を歩く、やや歩調の速い兄を見上げる。

 記憶にない、父親を真似てピアスを付けたというその横顔からは、これからの狩りへの期待感がにじみ出ている。

 肩辺りまで伸びた髪を、誕生日にリズからもらった髪留めで纏め、ざんばらで無造作な赤銅の髪は、歩くたびに風になびいて揺れる。

 その姿が、何故かリズには【父親】のように見えた。

 

『じゃ、行くか。お前は、キャンプのテント張ったらとっとと帰れよ?』

『い~っだ! 言われなくてもわかってるよ。この前みたいな怖い目には遭いたくないもん』

『あっはっは! アレか! 確かに、アレは傑作だった!』

『むぅ~~……』

 

 先日、好奇心から、見習いの手伝いを終えて現地から撤収する間際に、少し狩場まで脚を運んでみたときのことだ。

 ちょっとした好奇心で川が流れる平野を通り過ぎ、森の入り口まで行ったところで、いきなり変な猪――《ブルファンゴ》に追い掛け回されたのだ。

 いなくなったことに気づいたみんなが探してくれたときには、リズは木の枝の上で、ひたすらその木に向かって頭突きを繰り返すブルファンゴに怯え、大泣きしながら助けを求めていた。

 発見したハンター(もちろん、兄も含める)は皆、ファンゴを倒すことよりも、笑いを堪えることに必死な様子で、兄なんかはファンゴのことなどお構い無しに大爆笑していた。実の兄とは思えない、ひどい仕打ちである。

 もちろん、その後は支給品を運んでいた仲間から大目玉を食らった上、村に戻ってからも村長から特大の大目玉をくらった散々な一日だった。

 

『ったく……そんなんで本当にハンターになれると思うのか?』

『なるもん! 絶対に、お兄ちゃんがびっくりするくらいの一流のハンターになって、世界で一番有名になってやるんだから!』

 

 思い出し笑いを収めて、からかい気味に問うてくる兄に向かって、リズは本気で自分の夢を語り、心意気をぶつけた。

 きっと、熟練の者たちからすれば、可愛い子供の夢物語に過ぎないだろう。

 誰もが一度は願う夢だ。ハンターとなり、最も名高い名声を得、そして大陸中に名を轟かせる。

 そして、そこには必ず一つの言葉がついてまわるのだ。

 

―――『嬢ちゃんじゃ無理だって。そのうちわかるさ』

 

 納得できないのは当然だ。

 リズは本気でその夢を目指していたし、今はまだ《ブルファンゴ》すら怖いが、きっとこれからどんどん慣れていって、兄が戦ったという赤――いや、蒼火竜《リオソウル》とも勇敢に戦えるようになってやると、心に決めていたのだから。

 もちろん、この夢を口にしてしまってから、幼いながらも賢かったリズは、この次に兄から言われる言葉を想像して、思わず言ってしまったことを後悔した。

 きっと、お兄ちゃんもおじさん達と同じ事を言うんだ。

 そう思って、気まずげに視線を兄から外し、手元の《投げナイフ》に視線を落とした。

 

『そうだな。お前ならなれるさ』

『……え?』

 

 何を言われたのか、最初理解できなかった。次いで、その言葉の意味に驚いて、一瞬固まってしまう。

 

『俺が保証する。お前は、きっと世界一有名なハンターになる』

『お、お兄ちゃん……』

『まず、俺が世界一有名になって、んでお前がその俺の妹って意味で、な?』

『な……なにそれー!』

 

 悪戯っぽい笑みを浮かべる兄の言葉に、少しでも感動してしまった自分を呪ってしまう。

 本気で《投げナイフ》投げてきそうなリズと、こちらもまた本気で逃げ回るその兄。

 目撃した村人達がその光景に微笑み、これからまた狩りが始まるのだと悟る。この村にとって、この二人の漫才は、いわゆる恒例の前奏曲だ。誰もが、ソレを見てこれから狩りがあり、そして数日後の酒場は騒がしくなるんだということを知る。

 でも。リズは笑っていた。

 

『こらぁ! そことまれぇ!』

『なぁに怒ってんだよ! ちゃんと有名になれるだろ!』

『私の考えてるのと、意味がちっがーう!!』

 

 嬉しかった。

 最後の一言は、きっと兄流の照れ隠しだ。目がそう言っている。

 もとより、普段はあんなかっこいい台詞どころか、可愛いなどというお世辞すら言えない、ヘタレな兄なのだから。言ってしまってから、急に恥ずかしくなったのだろう。それでも、兄の言いたいことは確かに、正確に、リズの心に伝わった。

 そして、心の中で感謝する。

 まっすぐに、自分の夢を受け止めてくれたことに。

 素直に、それこそ夢物語である自分の夢を応援してくれたことに。

 

『まったく。だったら、本当に世界一になってよね、お兄ちゃん!!』

『……』

 

 追いかけるのをやめて、その背中に向かって大声で言ってやると。

 情けなく逃げていた兄はそのまま突然立ち止まり、動かなくなる。

 そして、リズがいけないこと言っちゃったかな?と、少し不安になりかけた頃に、青年は自信満々の笑みと共に、高々と宣言した。 

 

『上等だ! 絶対になってやるからな、期待して待ってろ!』

 

 蒼い篭手で拳を突合せ、その右手でリズを指差す。

 その言葉を聴いたとたん、じわじわと、なんともいえない嬉しさが込み上げてきた。

 溢れかえるほどに湧き上がるその感情は、いつしかリズの顔にも現れ始める。

 父親のようでいて、しかし兄である人。

 たった一人の肉親で、自分の最高の自慢と誇りであり、そして憧れの存在。

 時にはからかってくるし、意地悪だって何度もやられた。

 料理は肉を焼くくらいしかできないくせに、アレコレ作ってくれとうるさいし、しかも味に関しても無駄に文句が多い。そのたびに、悔しい思いをして納得いく味を作り上げたものだ。

 過保護なのもそうだ。いつも兄という枠組みを超えて、村長以上に厳格で頭の固いことも言ったりする。

 でも。それでも。

この感情にはやっぱり、嘘はつけないのだ。

 

『うんっ! 期待してるからね!』

 

まるで、アカヒマワリが咲き誇るように、その顔に元気が溢れるような笑みを浮かべて返事をする。

そう、嘘はつけないのだ。

リズが、そんなたった一人の兄――【イヴァリーズ・リーメイビ】のことを、誰よりも大好きなのだということについては。

 意識は、その懐かしい記憶を最後に復活した。

 覚醒した意識のもとへ去来するのは、鈍痛が絶え間なく襲ってくる現実。

 遠くで咆哮と銃声が響き渡り、ときおり激しい地響きが聞こえる。

 顔をしかめながら上半身を起こすと、リズはその激痛に思わず身を固めた。

 

「あづづ……っ!」

 

 火傷だけでなく、先の青走竜との戦闘で傷ついた裂傷なども無理やりに治癒した反動か。

 アビスのかけた回復薬グレートの効能は確かに現れていたが、その反面、リズには無視しがたいほどの痛みが副作用としてあらわれていた。

 

「……これって」

 

 荒くなった呼吸を落ちつけながら、リズは現状を確認しようと改めて自分の姿を確認する。

 盾が消し飛んでしまったのは記憶に残っているから、なくなっていることにはさほど驚かなかった。なにせあの貧弱な装備でまともに飛竜のブレス攻撃の直撃をガードしたのだ。無事だったらそれこそ奇跡である。それよりもむしろ、ナイフのほうが無事なことに安堵した。

 でも、盾に加えて防具までも使い物にならなくなっているのには、さすがにげんなりしてしまった。これを再び揃えるのに一体どれほどのお金がかかるか。こんな切羽詰まった状況でもそんな勘定をしてしまうあたり、根っから貧乏性が身についてしまったらしい。

 苦笑を浮かべて今度は傷の具合を確認してみる。

 青走竜に噛まれた傷は、何故か多少の跡を残しながらもすべて完治していた。痛みももうほとんど感じられない。

 だが、火傷を負ったと思われる全身の至る所からは、ややひどい火傷の跡も含めて覚醒してからずっと、無視できないような鈍い鈍痛が続いている。火傷は、火球を防ぎきった直後、かすかに意識があった間にちらりと確認しただけだが、それでも相当酷かったはずなのに、こうして見てみるとあまり大したことがないように思える。その割には痛みが半端ないのだが。

 よく今こうして生きていられるなぁと考えてみて、体の至る所が濡れているのに気づいた。

 

「もしかして……アビスさんが?」

 

 手にとって味を確認してみて確信した。これは回復薬だ。

 きっと肌に直接かけてくれたのだろう。でなければ、あの状況から生き残っていることが説明できない。

 そのことに深く感謝していると、今度こそ遠くから黒狼鳥の大きな雄叫びがはっきりと聞こえてきた。

 そして同時に気付く。

 

「まさかっ……!?」

 

 痛む体を懸命に引きずりながら、リズは岩陰から咆哮のしたほうへと覗いてみた。

 見ると、今まさにアビスの愛銃が黒狼鳥に向かって一撃を叩き込んだところだった。

 使われた弾丸はきっと徹甲榴弾だろう。着弾してから間をおいて爆発したことからそのことが伺い知れる。

 炸裂した徹甲榴弾の衝撃で一瞬黒狼鳥が体を揺らし、アビスはその隙に次の弾丸を装填していた。

 その間わずか数秒。まさに刹那が決め手となりうる予断を許さない極限の戦いだ。

アビスの攻撃から立ち直った黒狼鳥は、即座に再び補足したアビスに向かって猛突進をしかける。

 そんな黒狼鳥の突進をかなりぎりぎりの瀬戸際で避けると、再びアビスは愛用の獲物から一撃を繰り出す。

 とにかく、そんな息も詰まるような間断のない戦闘だった。いっそ壮絶と言えよう。

 隙を見つけては弾丸をたたき込み、黒狼鳥の猛攻を潜り抜けては再び弾丸をたたき込む。

 ひたすらその攻防を繰り返している。

 落とし穴などのトラップを使う暇もなければ、ましてや閃光玉を構える暇すらもない。

 これが果たして従来のアビスの戦い方なのかという疑問が、ふとリズの脳裏を掠ったが、しかしそんなことを気にしてなどいられなかった。

 

「あっ……!」

 

 たぶん、先ほど体当たりを受けた際に肋の当たりの骨にダメージが残ってしまっているのだろう。

 激しい中でも順調に戦っているように見えたアビスだったが、弾を装填している最中、突然地面に膝をついて蹲ってしまった。

 ごとりと、構えていたボウガンが地面にめり込む。左手を胸部装甲板に持って行ってることからも、肋骨をケガしているのは明白だ。

 もちろん、その隙を当の黒狼鳥が逃すはずがない。

一際大きな、遠く離れたリズでさえも思わず身をすくめてしまうほどに猛々しい咆哮を上げると、そこから猛然としたスピードで走り出した。

いや、その飛び出し方は、まるでアビスがそうなるのを待っていたかのようでもあった。少なくとも、リズはそう感じた。感じた瞬間、もう体は動いていた。

 ポーチから回復薬を乱暴に取り出し、もどかしげに瓶の蓋をこじ開ける。

 そしてそのままこぼれるのも構わずにがぶ飲みして飲み干すと、そのまま効果が表れるのを待つことなく瓶を投げ捨てて岩陰から、まるでボウガンから打ち出された弾丸のように飛び出したのだった。

 

 

 

 

 とりあえずアビスは、心の中で悪態をついてみた。

 

「(この腐れ鳥め……っ! ほんとに耳鳥竜の仲間なのかよ!!)」

 

 耳鳥竜など比較にならないほどの攻撃性、俊敏性、そしてなによりその知能。

 天空の覇者とも呼ばれるかの《赤火竜》と一対一でやり合っても、耳鳥竜は話にならないかもしれないが、もしかしたらこの黒狼鳥ならば勝てるんじゃないだろうかという想像が湧いてくる。

 そんな考えをしながら、黒狼鳥が尻尾を振りまわすのを避けてその隙に装填作業を行った時だった。

 

「(……ぐっ!?)」

 

 突如、脳そのものを突き刺すような、否、神経そのものを掴まれて、無理やりに引きちぎられているかのような激痛に思わず膝を折ってしまう。

 呼吸が一瞬止まり、それに連動して装填作業をしていた手さえも止まってしまい、あまつさえボウガンをその手から離して地面に落としてしまった。

 

「か……はっ……(くしょぉっ)」!!」

 

 悪態をつこうにも、痛みによって呼吸すらもきわどい。無理やりに酸素を貪るので精いっぱいだ。

 とにかくまずは呼吸を落ち着ける。乱れたままでは普段の行動すらもままならない。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

小さく、量は少なくともゆっくりと確かに呼吸を繰り返す。

 だが、アビスが回復しきるのを相手の黒狼鳥が待ってくれるはずがない。

 ようやく呼吸が整い、残り一発しかない、虎の子の拡散弾を装填し終えたところで、この戦闘で何度も聞きなれた方向が、アビスの鼓膜を貫いた。

 体が硬直し、条件反射で兜の耳側に両手をあてる。この際痛みなどにかまっている余裕などはなかった。

 飛竜の咆哮の直撃を受けたら、最悪腰を抜かしてしまって戦うどころではなくなる。これはたとえどんなに熟達したハンターであっても変わりはないのだ。例外は、先にも述べた飛竜の咆哮を無効化するといわれる防具のみである。

 とにかく、アビスは自身の激痛のことも忘れて耳をふさいでいた。そして、それが本日二度目の命取りとなる。

 咆哮の影響から立ち直り、改めて黒狼鳥に向きなおった時、アビスは今日の自分の運の悪さを思いっきり呪った。

 口の端から火球の名残である煙をちょろちょろと吐き出しながら、黒狼鳥が物すごい勢いでアビスに向かって突進してきていたのだ。

 

「(今更避けるのは無理、だが、直撃を今度受けたら間違いなく再起不能……か。なら、これっきゃねぇ!)」

 

そう瞬時に判断したアビスは、とっさに持っていたボウガンを縦に構え、最も外郭かつ堅い装甲を誇る背部を黒狼鳥に向けてショック態勢をとる。

 

「さぁかかってこい!」

 

 肺からありったけの空気を搔き集めて、かすれた声ながらも精いっぱい以上の気概を持って、黒狼鳥に負けじとアビスも吠える。

だが、一体だれが黒狼鳥のその先の行動を読めただろう。

 あと一歩も踏み出せば、ボウガンごとアビスを突き飛ばしただろうに、黒狼鳥はこともあろうか、その一歩手前の距離から宙返りをしたのだ。

 一瞬のその出来事に、目の前で見ていたアビスはおろか、いつのまにか近くまで走り寄ってきていたリズでさえも状況を理解できなかった。

 黒狼鳥はあと一歩の間合いで急停止し、そのまま慣性を生かして全身を前方斜め上へと跳ねあげる。

 すると、その急な加速方向につられて黒紫の巨躯は宙へと舞い上がり、あの雌火竜(リオレイア)が得意とするサマーソルトテイルをしてのけたのだった。

 驚異的な加速度と遠心力により振り回された、鋼鉄の刃をも物ともしない甲殻を纏った黒狼鳥の尻尾がしなやかな曲線を描いて翻り、残像を残しかねない勢いでその三叉の刺から毒液を撒き散らしながらアビスを打ちのめす。 

 その動作をかの雌火竜から見慣れていたアビスは、条件反射でとっさに後ろに飛びずさることができた。

だが、構えていたボウガンの背甲を根こそぎ抉られてしまった上に、ブルファンゴの体当たりなど話にならないくらいの衝撃を体全体に受けて、そのまま後方へと尻尾で殴り飛ばされてしまう。  

殴り飛ばされた刹那、衝撃で兜がゴーグルもろとも半壊し、防具の各所、特に胸部装甲が大きく抉られ、ボウガンのメインフレームの重鎧竜の甲殻も砕け散った。

なによりも最悪だったのは、そのメインフレームから《メキリッ》という嫌な音が聞こえたことだった。

 

「ぐっは……!」

 

 情けなく後方に吹き飛ばされて地面を二転三転し、アビスはその反動を利用して後転すると、体制を膝立ちに持って行った。

 ボウガンの中に既に装填されていた拡散弾が爆発しなかったところを見ると、どうやら反射的に行ったバックステップが功を奏したようだ。

 もし直撃を受けて真っ二つにでもされていたら、その衝撃によって至近距離から拡散弾の爆発に巻き込まれてしまい、今頃お陀仏だっただろう。

 すぐさまボウガンのダメージをチェックしてみて、アビスは思わず歯ぎしりした。

 運がよかったのは、命を拾ったことだけだったらしい。愛用の獲物の状態は、酷いものだった。

これではよくてあと三回、悪くて一回しか射撃はできないだろう。

 メインフレームが半ばから歪みかけていて、ロングバレルにいたっては完全にひん曲がっていて使い物にならない。

 薬室の側壁もひびが入っていて、これでは本当にあと一回が限度かもしれなかった。

 とりあえず完全に歪んでしまっているロングバレルを取り外して投げ捨て、ならばこの一発でケリをつけてやると心に決めると、アビスは愛用の獲物をここまで傷つけてくれた輩にむかって顔を上げた。そして、再び今日の自分の運の悪さ――いや、間抜け具合に舌打ちをすることになったのだ。

 空中で一回転した黒狼鳥はすでに着地しており、この戦闘中何度も聞いた威嚇音を響かせながらその嘴の中にちろちろと灼熱に燃えたぎる火炎の尻尾をのぞかせている。

 もしかしなくとも、火球を放つつもりでしかない。

 

「どちくしょうがぁああっ!」

 

 もはややけくそでボウガンを展開する。

 昇順もろくに合わせないまま引き金に指をかけて、引き抜こうと力を込めた、その時だった。

 黒狼鳥の背後、ブレス攻撃を放つために大地に下ろされた尻尾に向かって、何かが躍りかかるのが見えた。

 今日のうちにもはや見慣れたものとなったその影に、アビスは思わず引き金に掛けていた指を止めてしまう。

 まさか、まさかこんなことが起きるとは予想もしていなかった。

 満身創痍といえばそれまでだが、その実大小の火傷は数知れず、しかも先の青走竜戦でに負ったであろう傷も含めれば、意識を保っているのが不思議なくらいの重傷だったというのに。

 いくらアビスが回復薬を使用したといっても、この行動はあまりに命知らずとしか言いようがない。本来ならば絶対安静の状態から起きだしてきて、一体何をやらかしているのか。

 それほど、当の影――アイリーズ・リーメイビの登場はアビスにとって予想外だったのだ。

 そんなアビスの驚愕を余所に、リズは朦朧とした意識の中でもしっかりと黒狼鳥をとらえていた。

 

「……っ(まだ、まだやれる)!」

 

 一体いつの間にここまで近づいてきていたのか自分でもよくわからないまま、リズは顔を歪ませながらもその背後からナイフをスラリと抜き放つと、大地にぺったりと下ろされた黒狼鳥の尻尾に向かって躊躇なく飛びかかった。

 

「あぁああああっっ!」

 

 着地に合わせてしっかりと黒狼鳥の尻尾を大地に踏みつけると、リズは両の手で逆手に持ったナイフを大きく振りかぶった。

 そして意識を集中させる。

 長年培ってきた勘と、不思議と備わっていたいた特技を最大限に発揮するために。

リズは、ハンターになったころから特殊な勘を持っていた。

 それは『一体どこが一番効率よく、そして的確な剣筋となるか』というのを直観するという勘である。

 いうなればどこがもっとも切れ易いかを瞬時に見抜くという特技だ。

 リズが今まで明らかに力不足であろう《ハンターナイフ改》だけでやってこれたその理由は、実はこの特技にあったのである。

 足りない切れ味を、この『もっとも切れやすい場所を見抜く特技』を持って補完し、そしてその場所を寸分たがわずに切り裂く正確さと合わせることで、上位の武器並の効率に匹敵するような実績を残して狩りを続けてきたのだ。

 しかし、これは極度の集中と意識を持ってやらねばできない芸当でもある。散漫な集中力のままでは、せいぜい普段よりも剣筋がいい程度でしかない。

だが、それだからこそ。

リズが、この場面でしくじることなど、当然ながらあり得るはずがなかった。

 

「こんのぉおおぉおおおおおおおっっ!」

 

 見つけたその一点めがけて、リズは渾身の力をこめてナイフを振り下ろす!

 果たして、突きたてられたナイフは間違いなく堅牢な甲殻の隙間を的確に貫き、そしてその内部の肉へと容易く到達した。

 ズブリといった、ナイフが肉を貫く感触を感じたリズは、今度はそのナイフを全身を使ってナイフに体重をかける。

 

――GyYiIIIoooooooOOOOoooooooooooOOooooooooonNNNNNNN!

 

 突きたてられたナイフによる激痛から、黒狼鳥は口内に溜めていた火球を、目標のアビスではなく、まったくの明後日の方向へ向かって吐き出した。

 無残にも直撃を受けた大木が大炎上を起こし、その周囲一帯の大地が根こそぎ抉られる。

 その様をアビスは眺めながら、かの火竜のブレス攻撃に勝るとも劣らないその威力に驚嘆すると同時に、それを防ぎきったリズに対して素直に感心した。

 しかし、アビスも悠長に火事の惨状を見ているだけではない。

 尻尾にナイフを突き立てられた黒狼鳥は、その元凶を振り落とそうとやたらめったらに尻尾を振りまわしてはリズを振り落とそうと暴れ始める。

 しかしリズはがっちりとナイフを握りしめて、逆にその衝撃の反動と勢いを利用して、突き立てたナイフに寄りかかると、全体重と渾身の力をこめて真横に薙ぎ倒した。

 

「これでぇ……どうだぁあああっ!」

 

まるで梃の原理を用いたトロッコのレール切り替え機を切り替えるときのように、ナイフを突き立てた時以上の力と、全体重をかけて真横に薙ぎ倒されたナイフは、驚くほどあっさりとその尻尾を分断した。

バギッという骨を砕く音とともに、その黒紫に輝く甲殻に覆われた尻尾が、鮮血の跡を空に描きながらクルクルと舞う。

リズは尻尾を切り落とした態勢のまま振り落とされ、大きく飛ばされた尻尾に続くように空に投げ飛ばされた。

 

「よっしゃぁあ! よくやったリズっ!」

 

 空を舞うリズを心配しながら、しかしアビスはその隙を逃さなかった。

 自身の一部を切り裂かれた激痛から、地面をのた打ち回って悶絶している黒狼鳥のもとへ、アビスはもはや体中から痛みが麻痺したかのように全速力で体を走らせた。

 これが、この戦い最後の勝機であると悟ったからだ。

 それならば、たとえ神経を焼き尽くすことになるであろうこの灼熱の痛みさえ、容易く無視できる。

 それは、本来ならハンターの一般常識には当てはまらない行動だ。

 だが、その矛盾を抱える者こそがハンターであり、ハンターとは、すなわちそんな生き物だなのだ。

 時に命に臆病に、時に命に大胆に、己の狩人としての誇りを、たった一つの狩りにかけることをいとわない。

 たとえどんな瑣末な狩りであろうとも、自らが殺める命に感謝を捧げ、全身全霊をかけなければならない。

 それが、ハンターだ。

 この世界であらゆるモンスターと共生していく、ハンターの在り方なのだ。

 

「往生しろやぁああああ!!!」

 

 本来なら、へヴィボウガンを展開したままで走れるはずなどない。

 だが、アビスはそれすらも物ともせずに、軽々と腰だめに抱えて走った。

 早く早く、この隙を、この勝機を逃すまいと!

 ただひたすらに、黒狼鳥へと奔る!

 黒狼鳥は、ようやく尻尾を切られた痛みから回復したところだった。

 まさかこれほどの痛手を負うとは思いもよらなかったのだろう。

 隻眼の瞳からは、それだけで生物を呪い殺せそうなほどの激昂を感じられる。

 だから、これは当然の行動なのだ。

 声高らかに、倒れ伏した地面からであろうともその対象に向けて己の誇りをぶつけるかのような『威嚇』を行ったのは。

 そして、それこそが、この黒狼鳥の命運を分ける凶事となった。

 

――Gyi……!?

 

 大きくあけられた口は、さながら小さな洞窟である。

 その空間に、強引にねじ込まれる何かがあった。

 

「へっ。馬鹿が大口あけやがってよ」

 

 誇るべき嘴の中にねじ込まれたのは、半ばから装甲がはげ落ち、ところどころにひびが目立つ壊れかけのへヴィボウガン――黒鎧竜の咆哮(グラビモス・ロア)。

 その体内に孕むのは、一度炸裂すれば数度の爆発を持って追撃する、凶悪な爆弾。

 目と鼻の先でソレを構えるのは、半壊したゴーグルの中から素顔をさらし、不敵な笑みを浮かべる黒鎧の人間。

 瞬間、人間の半壊したゴーグルの赤いレンズが、妖しく煌いた。

 

「あばよ」

 

 カチリっという音とともに、何かが黒狼鳥の体内を尋常でない勢いで駆け抜ける。

 通る道すべてをズタズタに引き裂き、蹂躙し、抉りぬき、それは一瞬にして黒狼鳥の中心へとたどり着いた。

 アビスは引き金を抜いて即座にボウガンを引き抜くと、最後とばかりに渾身の力をこめてボウガンを振りあげると、おもいっきりその嘴を上からたたきつけて塞いだ。

 爆発は、ちょうどその瞬間に起きた。

 黒狼鳥の体内で炸裂した拡散弾が一斉に爆発し、内臓その他を無残に焼き尽くしながら、一瞬にして黒狼鳥の体躯を約三倍にまで膨れ上がらせる。

 その膨張は一定の大きさでとどまると、次には鼓膜を突き刺すような大爆発を起こし、腹部から肉片を各所に飛び散らせながら、黒狼鳥は四散した。

 ちょうどお腹が空洞になり、そこからおびただしいまでの血を流すさまは、まるで腹をえぐられて内部の内臓を残らず食い散らかされたかのような惨状であり、慣れないものが見れば胃の中のものを戻してしまっていただろう。

 どこからどうみても、致命傷かつ、もう助かりようのないダメージだ。

 いくら超回復を誇る飛竜種といえど、ここまでの致命傷を負ってしまってはもはや回復などとは言っていられないだろう。

 もはや息絶えるのさえ時間の問題、弱弱しく断末魔の声を上げ、命の灯火も風前となった黒狼鳥を見下ろしながら、アビスは兜を脱ぎ去った。

 

「……」

 

 アビスと黒狼鳥の隻眼が互いを見つめあう。

いまだに衰えない闘争本能の塊のような、そんな威圧感に満ちた視線を真正面から受け止めながら、アビスは不敵に笑みを深めた。

 

「いつまでも死に損ないが恨みったらしく見てんじゃねぇ。てめぇは、負けたんだよ」

 

――Gyi……oO……

 

 それが、黒狼鳥の最後の断末魔となった。

 弱弱しい断末魔を残して、見開かれていたその隻眼から徐々に力が抜けていき、そして、それは二度と開かれることなく、永遠に閉ざされることとなった。

 もはや肉塊となった黒狼鳥だったものを見下ろしながら、アビスは目をつむる。

 両者の間を一陣の風が吹きあげ、むせ返るような血の匂いを空へと巻き上げる。

 その間に、アビスは何を思ったのか。

 目の前の亡骸への黙祷か、それとも今は亡き親友への祈りか。

 静かに面を上げて、アビスは隻眼を開いた。

 気持ちは決まった。ならば、後は行動するだけだ。

 もはやただのガラクタとなってしまった相棒を見下ろして、ポツリとつぶやいた。

 

「やったぜ……相棒」

 

 思い出したように訴えだした肋骨の痛みに顔を一瞬だけしかめて、アビスは背を向けて歩き出した。

 これから守り続けようと心に誓った、お転婆なお姫様を迎えに行く、そのために……。

 

 

 黒狼鳥の死を見届けて、リズはごろりと寝転がった。

 肺から絞り出すように息を吐き出すと、どっと疲れが押し寄せてくる。

 

「(このまま眠ったら、どんなに気持ちいいんだろ……?)」

 

 地面から見上げた空は、変わりなく突き抜けるように遠く、そして阿保みたいに青くて広い。

 村を出た時に見上げたあの空となにも変わりないその様は、なんと雄大なことか。

 意気揚々と村を出発し、不安に眠れない夜を超えて、街に来て初めての依頼。

 なりはみっともなくても、立派にやり遂げられた。

 胸を張って、そう宣言できる。

 それが、とてもうれしくて。気がついたら、涙があふれていた。

 

「……おにいちゃん、私、できたよ」

 

 同じような依頼なら、村でもやった。

 でも、街での依頼は、今日が初めて。

 これで、ようやく兄を負うことができる。

 やっと、スタート地点に立てたんだ。

 そう思うと、感動で胸がいっぱいになった。

 

「ほれ、いつまでねっ転がってんだよ、お姫様」

「……ふぇ?」

 

 ふと隣をみると、あの黒鎧の兜を脱ぎ去ったアビスが、にやにやとリズを見下ろしていた。

 防具だってあちこちが抉れてはボロボロで、とても無事とは言い難い恰好であるけれど、とても元気そうである。

 

「あ、アビスさん……」

「ほれ、手出せ」

「わとと!」

 

 差し出した手を勢いよく引っ張られて、危うく転びそうになりながらも立ち上がる。

 眼尻にたまった涙をぬぐい、土を払って見上げたアビスは、にやりと男臭く笑ってみせた。

 

「やったな。見事依頼達成だ」

「……あ、うん」

「……」

「……」

「……」

「……ほらほら、落ち込んでんじゃねぇよ! ばっちし依頼達成したんだから、もっと胸張れや! ……少ないけど」

「むっ!?」

 

 本来ならここでもう鉄拳制裁ものであるのだが、ダメージの残っている今ではそんなこともできないため思いきり睨みつけるだけで済ます。

 アビスはそれを受けてからからと笑い、わしゃわしゃとリズの髪をかき交ぜた。

 

「わわわ!?」

「はっはっは。そうそう、お前にゃ涙なんかよりそういう強気な顔のほうが似合うぜ」

「アビス……さん」

 

 珍しいものでも見るかのように、リズは笑いかけてくるアビスをまじまじと見つめた。

 それに応えるように、アビスは右手を軽く上げた。

 しかしリズはいったいアビスが何を意図しているのかがまったくつかめず、ただじっとその右手を見やるだけである。

結局、そのまんま何のアクションも起さずにいるアビスのあげられた右手にいたたまれなくなって、リズはちょっと苦笑いしてみた。

 

「あ、あはは……えと、何をすればいいの?」

「ったく、わかってねぇな。こういうときは、お互いに手をたたき合うんだろうが」

「……そうなの?」

「常識だ。だからほれ、お前も出せ」

 

 本当にそうなのか非常に疑わしかったが、しかし悪い気はしなかったので言われたとおりに右手を上げる。

 そしてそのまま勢いよく「ぱぁんっ!」と二人は手をたたき合うと、どちらからともなく笑いだした。

 

「お、見ろ。迎えだ。やれやれ、早く帰って体を洗いたいな」

「あ、それは私も同感。回復薬が渇いてベタベタするんだもん」

「何言ってんだ。それよか汗だくになってベタベタになるほうが気持ち悪いっての」

「……どっちも大して変わらないじゃない」

「いーや、違うね。ぜんっぜん違うっ!」

「それ言ったら、さらに火傷もして血まみれになってた私はどうなのよ!」

「回復薬であらかた流せたからいいだろ」

「そぉいう問題じゃないっ!」

「若い小娘は細かいことでやかましいな」

「うっがあ! 屁理屈こねるんじゃないわよこのスケベ!」

「な……この俺様に向かってスケベだぁ!? ちょっと待て、いったい何を根拠にそんなことをいいやがるっ」

「酒場とか今とか、私を見る目がやらしい!」

「はん! あのな、リズ。そんな洗濯板といい勝負な胸なん……がっ!?」

「あぁ~ら、洗濯板が、なんです、ってぇ?」

「ぐ…がっ……ちょ……肋骨はマジで……やば………!」

 

 そんな、傍から見たら仲のいい親子のような二人のやり取りは、迎えに来た馬車の御者が声をかけるまで延々と続いていた。

 それどころか、そのやり取りは日が暮れかけたころ、馬車がようやく森と丘の地域を抜け出し、通商隊が使う道路に出たころになってようやく二人が疲労で寝付くまで、延々と繰り広げられていたという。

 

 初めての街における依頼を達成し、さらには予期せぬ強大な飛竜《黒狼鳥》を撃退したリズとアビス。

 二人は、瞬く間に街において有名となるだろう。

そして、この二人がこれからどう道を進み、そしてどんな出会いを果たすのか。

 

――それは、また、別の話である。

 

 




 
 以上です。
 数年も前のものを今更ながら晒すなど生き恥もいいところなのですが、個人的にとても気に入ってる作品なので、死蔵するのもアレだなぁと。
 この次のプロットは、一応リズの過去編、現代に戻って大剣使いと片手剣使いのコンビとの出会い、その二人とアビスの四人でいくつかのクエスト、兄の足取りをたどる、という形だったのです、新作が出るたびに設定が二転三転し頓挫したという悲しい背景があります。
 機会があれば書いてみたいものですが。

 ともあれ、ここまで読んでいただきまして有難うございます。また、別の作品でお会いできれば。
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