モンスターハンター //赤銅髪の少女//   作:[ysk]a

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4:賢しきモノ

 

 

 それは、空を飛んでいた。

 特に理由はない。なんとなく。ただそれだけの本能。

 青黒い甲殻。鋭い嘴。傷ついた片目。

 それは忘れていなかった。

 自分の片目を傷つけたモノ。

 自分が認めた生涯の敵を。

 だからそれは、空を飛んでいた。

 なんとなく。そう、なんとなくだ。

 感じたのかもしれない。予感したのかもしれない。それとも、わかっていたのかもしれない。

 しかし、そんなものはつまるところ、【本能】であった。

 

 

――ギィォオオオオオンンン!!

 

 

 それは、はるか高空で高らかに啼くと、真下に向かって急降下した。

 そう。

 真下にある、【森と丘】に向かって……。

 

 

 

 

「リズ、伏せろ!!」

「っ!」

 

 言葉を聴いた瞬間に、体が動いた。

 刹那を跨いで轟く爆音、悲鳴。

今まさにリズに襲いかかろうとしていた一匹の青走竜の腹部が、爆発と共にはじけ飛ぶ。

徹甲榴弾だ。

対象に命中すると、その衝撃で雷管を刺激して内蔵されている爆弾を爆破。その爆発でもって二次的ダメージを与える、非常に殺傷能力の高いボウガンの弾である。アビスのもっとも好んで使う弾丸のひとつだ。

 

「油断するな! 数は多いぞっ!」

「わかってるわよ!」

 

 血潮と腸をぶちまけながら絶命する青走竜の下を、リズは駆けた。

 目の前に扇状に並ぶ三匹のランポス、左斜め下から走りよってくるのが一匹。そして今またアビスに頭を吹き飛ばされて、残りの後ろにいたランポスが一匹減る。これで残りは四匹。それをちらりとだけ視界にとどめ、リズは走りざまにナイフを横に振るった。

 先制のつもりで飛び掛ってきた右前のランポスの右の前足が切り飛ばされる。痛みと悲鳴で仰け反るそいつは無視して、リズはそのまま前転して飛び込んだ。

 

「はっ!」

 

 その回転の力を利用し、無駄なく起き上がりざまに逆袈裟に切り上げる。

 真ん中にいたランポスの腹が切り裂かれ、膨大な血飛沫が吹き上がる。そのまま、ランポスは出血多量で絶命した。

 それを確認する暇もなく、リズは流れるように体を反転させ、剣を薙ぐ。

 弧を描くように回転するその剣筋は、狙い過たずにすぐ近くに迫っていたランポスの首を切り落とした。多少骨につっかえた感じはあったが、まだいける。

 すばやく剣をふり、刀身についた血と脂を振い落とす。そこへアビスの援護射撃。リズに向かって威嚇をしていたランポスの頭部が、脳漿と血飛沫を交えながら弾けとんだ。

 

――ギギィエ!! ギェ!!

 

 残り一匹となった、つい先ほどリズに前足を切り飛ばされたランポスが高らかに吼える。

 それは仲間への合図。

 予想以上の強敵の登場に、仲間たちに危険を知らせる合図であった。

 

「うるさいっ!」

 

 もはや手遅れであったが、しかしリズはこれ以上の通達を阻止するために、即座にわめき続けるランポスの首を跳ね飛ばした。

 それを最後に、血の噴水という断末魔をあげながら、ようやくこのエリアにいたランポス達をしとめることができた。

 額に滲んだ汗と、多少降りかかった返り血を拭いながら、リズは剣を腰に戻した。

 

「お疲れさん。さて、準備してとっとと次に行くぞ。ベッキーちゃんの情報よりも数は多そうだし。それに、どうやら大将がでてきそうだからな」

 

 重火弓を背負い、ゆったりと余裕を持ってアビスが寄ってきた。

 先ほどの合図で、間違いなく自分たちの存在を知らされた。しばらくすれば奴らが軍団を率いてやってくるに違いない。

 その前にこちらから出向いて、その出鼻をくじこう。つまりはそういう考えだ。

 

「うん。その前に、剥ぎ取ってから」

「へいへい。俺は、ランポスは趣味じゃねーんでな。弾でも作ってるよ」

 

 緊張が冷めないのか、妙に硬いリズの言動を見て、アビスは少し離れたところに座ると、腰のポーチから調合用の素材を取り出した。

 

「(……性格ががらりと変わるな)」

 

 まず、そう思った。

 ハンターの中には決して珍しくないことだが、いつもの様子を考えると、すこし戸惑いもある。

 普段がまだ垢抜けないおのぼりさんな田舎娘だったせいもあるだろう。とにかく、今の戦いのリズの様子に、アビスは驚くしかなかった。

 冷静な判断力、一瞬で全体を見回す観察眼、そして、流れるような動き。

 どれも、とても新米とは思えないような、熟練された動きである。

 それに、ランポスとの戦い方もよくわかっている。

 奴らは集団、もとい徒党を組むゆえに、乱戦になると脆い面を持っている。

 特に、例えハンターをとり囲むような有利な陣形をとったとしても、やつらは決して一斉に攻撃してくることはなく、順番的な間断のないコンビネーションを仕掛けてくるのだ。

 それはつまり、仲間への同士討ちを心配してのことなのだろう。奴らが仲間思いかどうかは別としても。

 しかし、そこに穴がある。

 ガンナーであるアビスはまた違うが、剣士であるリズの先ほどとった行動は、実に利にかなっていた。

 隊列を組んでいた三匹の間に転がり込み、乱戦に持ち込むと同時に、そこから、互いの同士討ちを恐れて躊躇するランポス達をしとめる。セオリー中のセオリーであるが、これは存外に勇気のいる行為だ。ある意味、捨て身の特攻に近いものがある。

 それゆえ、大抵のハンターたちは二、三匹ずつ引き離して個別撃破、という安全策をとるのだが、まさか最初からそんな荒業を見せてくれるとは思わなかった。

 あらかた素材を剥ぎ取り、その死体に向かって静かに黙祷するリズを見ながら、アビスは感心する。

 

「(これは、ひょっとするかもしれねぇな……)」

 

 まだまだ荒削りな部分しかないが、しかしその中に眠る原石を垣間見て、アビスはなぜか自身が高揚するのを感じた。

 それはハンターとしての本能のようなもの。

 彼女といれば、間違いなく楽しくなる。

 そんな、予知のようなものだった。

 

「こっちは終わったよ。準備おっけ」

「よし、そろそろ行くぞ」

 

 弾丸ベルトに、今作った九発の徹甲榴弾を詰め、調合素材をポーチにしまう。

 リズも剣を研ぎ終えて、その口に薬草を齧っていた。

 

「どこか怪我でもしたか?」

「へ?」

 

 カリカリと、薬草の茎を噛んでいるリズにアビスは問いかけた。

 見たところ、どこにも怪我は無いようだが、もしかしたらと思ったのだ。

 

「ううん、どこも?」

「んじゃなんで薬草かじってんだ。ったく、紛らわしいな」

「あぁ、これ。ちょっと、癖になっちゃって」

 

 そういってえへへと照れ笑いを浮かべるリズ。アビスは苦笑を浮べてため息をつくしかなかった。

 

「落ち着くの。こうやって噛んでいると、散漫だった注意がひとつに収束してく気がして。お兄ちゃんがよくやってたのを、真似してるだけなんだけどね」

「そうか」

 

 遠い目をして、何かにあこがれているような人間の目をして語るリズを見て、アビスは何かを悟った。

 そして、これ以上この話題は続けまいとして、無駄に張り切った声を出す。

 

「さぁてと、そんじゃま、大将狩りと行くか!」

「はーい。あ、そうだ」

 

 何かを思い出したように、リズが勇んで先を行くアビスに待ったをかける。

 ガチャリと、重厚な装備と武器の擦れあう音を静かに森の中に響かせて、アビスは怪訝そうに振り向いた。

 

「さっきはありがとう! ただのスケベ親父じゃなかったんだね!」

「あらら……俺って、どう思われてたんだか」

 

 まるで、アカヒマワリのような、鮮烈に印象に残る笑みがまぶしくて、アビスはなんとなく顔をそらした。

 不思議な笑顔だ。俄然、やる気が出てくる。

 そんな自分の考えに気づいて、やれやれと小さくつぶやくと、「ほら、いくぞ」とリズに声をかける。

そして、初めての狩りにも関わらず妙に息の合う二人は、目標である【頭】がいるであろう森の奥へと走り出すのだった。

 

 

 丁度、リズとアビスが森のエリアに入ったころ。

 ミナガルデのギルド兼酒場では、ベッキーがぼろぼろに端が擦り切れた台帳とにらめっこをしていた。

 時間帯が微妙なことも合って、酒場の中は妙に落ち着いている。

 客はまばらで、酒を飲むものも少ない。もちろん、いつもの飲んだ暮れなどはいるが、それらも揃いにそろって酔いつぶれて眠ってしまっていたりした。

 そんな、給仕たちにはどこか違和感があって落ち着かない空間の中、ベッキーはじっと台帳をにらみつけるようにして見つめている。

 

「ほっほ、ベッキーや。そんなに眉間に皺寄せてどうしたんじゃ? いつもなら暇すぎて居眠りしてるというのに珍しい」

「あら、マスター」

 

 どこか飄々とした雰囲気を持つ、この酒場のオーナー兼、この町のギルドの総支配人であるマスターが、ベッキーの目の前のカウンターテーブルに座っていた。

 

「ポピ酒をもらえるかの?」

「昼間からお酒ですか?」

「ほっほ、わしにとっては水とおんなじようなもんじゃよ」

「もう」

 

 酒豪がよく使う台詞を敢えて使うマスターのジョークに苦笑を浮べながら、ベッキーは一旦台帳から離れて、言われたとおりに大きな木製のジョッキに酒を注いでくる。

 それを受け取ったマスターは、そのまま半分飲み干すと、どこか満足したように息を漏らした。

 

「さて、先程から随分と熱心に台帳をみとるが、なにか気になることでもあるのかの?」

「あら、ずっと見てらしたんですか?」

「気のせいじゃ。何も、かつて無いほどに暇な酒場を見飽きて給仕たちの様子を観察しとったわけではあらんよ」

「あらあら」

 

クスクスと穏かに微笑むベッキーに合わせて、マスターもカラカラと快活に笑う。

 一通り笑って、マスターがもう一杯酒を飲んだところで、ベッキーは自分が持っていた台帳を、気になる点に指を添えてマスターに差し出した。

 

「ちょっと、気になることがありまして。この報告なんですけれど」

「ふむ……? なるほど、黒狼鳥とな」

「はい。珍しくこの近くの【森と丘】の地域に現れまして」

「では、アビスが黙っておらんじゃろうて。それであのお嬢ちゃんについていかせたんじゃな」

「はい。まさかとは思いますけれど、一応」

「しかし、万が一遭遇したとすれば……アビスは私怨にを優先するじゃろう」

「そこまで身勝手ではないと思いますけれど……」

「ほっほ、ベッキーや。ハンターというもの、それも特に男というものはの、時として愚直なまでに、己のプライドに従順なんじゃよ」

「……はぁ」

 

 ベッキーは、いまいちマスターの言うことが理解できず、ちょっと小首を傾げてしまう。

しかし、マスターは何がそんなに楽しいのか、ひとしきり笑ってから一気に酒を飲み干した。

 ドン、と、やや強めにテーブルに置いたマスターは、心底楽しそうに呟くのだった。

 

「さて……今回はどうなることかの。楽しみじゃて」

 

 

 ランポスやゲネポスなどの走竜下目が、とても狡猾なモンスターであるというのは、ハンターであるならば誰でも知っている当たり前の知識である。

 正式学科名は、龍盤目鳥脚亜目走竜下目に属するモンスター達であり、そのなかでもランポス科に属するものが通称は【青走竜】と呼ばれる《ランポス》だ。

 青い鱗に黄色い嘴というわかりやすい特徴を持ち、その頭頂部にある鶏冠は固体によってその色合いが違う。

 同時に、人の家畜などを襲うといった、人間側からすれば害悪でしかない彼らであるが、一方で人々の生活においてはなくてはならない存在でもあった。

 例を挙げるならば、硬い鱗は鎧に、柔軟で丈夫な皮は衣類や鎧の繋ぎなどに、牙はその頑丈さからボウガンの弾丸の薬莢にと、ことハンター達の生活においては、その深部にまで浸透しているほどの存在である。

 そんな彼らこそが、新米の駆け出しハンター達にとっては最初の関門であった。

 総じて、走竜下目のモンスターは集団統率を取る【頭】の存在と、それが率いる群れというコロニーを形成して行動することが多く、単独で行動する存在はまったくといっていいほどない。

 彼らが獲物を狩る際には、最低でも三匹一組として行動し、獲物と接触するとすぐにその甲高い大きな鳴き声で仲間達に知らせると同時に、獲物を取り囲むようにして追い詰めるのだ。

そして、現在。

彼ら【青走竜】達は、まさにその獲物を追い詰めようとしていたのである。

 

「……まさか、ここまで頭が切れる野郎がいるとはな」

「どうするの? やっぱり、ベッキーさんの言ってた数よりも全然多いよ?」

 

 周囲三六〇度。リズとアビスが背中合わせに周囲を警戒するのを、ぐるりと取り囲むようにしてランポス達が取り囲んでいた。

 先ほどからゲェゲェとやかましくがなり立てているのがとっても耳障りで鬱陶しい。

事の顛末はこうである。

 最初、リズとアビスがエリアに入り、打ち合わせたとおり、リズが前衛、アビスが後方で狙撃するという連携をとっていたが、それをどうやら感づかれてしまったらしい。

 リズを身動きできないようにひたすら攻め立てる集団がある一方、どうにかその手助けをしようとしているアビスの元へ、三匹の青走竜が奇襲を仕掛けてきたのだ。

 恐ろしく狡猾で、危険察知能力の高い個体がいるのは、これで明らかになっている。

 それが、この集団の【頭】であることも、だ。

 しかし、アビスがそれを理解したときには、もはや手遅れであった。

 いいように逃げ道を誘導されて、結局は今のようにリズと共に【青走竜】達の包囲網の中に追い込まれてしまったわけである。

 

「このまま待っててもラチがあかねぇ。こうなったら強引に抜けるぞ。目をつぶれ!」

「へ!? ちょっと……!」

 

 そこでのアビスの決断は早かった。

 易々とは抜けられないと悟った次には、もう強引に抜け出ることを選択する。

 いきなりアビスは口早にその旨を伝えると、ポーチからひとつの丸い塊を取り出した。

 それを見て、瞬時に何かを悟ったリズはあわてて目を閉じる。

 

「よーくみとけよっ!」

 

 青走竜たちの気を引くように大声で怒鳴ると、アビスは手の中のものを勢い欲地面に叩きつけた。瞬間、目を貫くような痛みと共に、強烈な閃光がほとばしった。

 丸い塊――閃光玉の中にある光蟲達が、衝撃で割れた玉の中から、その内に溜め込んでいた光を一度に発散させる。

 突然の白光に目をやられた青走竜たちは、揃いにそろってふらふらしながら悲鳴を上げている。

 狙い通り。

 アビスはすばやく愛用のへヴィボウガン、【グラビモスロア】を構え、即座に引き金を引いた。

 既に装填されていた弾は、LV2の散弾。拡散範囲、拡散弾数共に中レベルで威力があり、反動もそこまで大きくない、かなり使い勝手のいい弾だ。

 それを、アビスはたった一角に向けて全四発を叩き込む。

 とたんに包囲網の一箇所が崩れ去り、そこが穴となった。

 

「走れ、リズ!」

 

 アビスが叫んだときには、もうリズは駆け出していた。

 身を低くかがめて駆け抜け、同時に腰から抜刀して切りかかる。

 一匹を袈裟懸けに切り倒し、そのまま振り下ろした剣をなぎ払うように切り上げて隣の二匹目を切り裂く。

 そして二度の銃声。アビスが新たに装填した通常弾の音だ。同時にリズの周囲の二匹が頭を打ちぬかれて絶命する。

 瞬く間に四匹。

 残り十六匹となった群れがそのことに気づいたのは、さらにそこから三匹をマイナスした数になったころだった。

 ようやく閃光玉の衝撃が抜けたのか、いつのまにか陣形を崩されたいたことに焦る青走竜達。

 次々にやかましくがなりたてながら、陣形を立て直そうとちょこまかと動き回り始めた。

 

「鬱陶しい!! 散れこのクソランポスどもっ!!」

 

 アビスの口汚い罵りと共に引かれる引き金。発射された弾丸は、とたんに破裂すると広範囲にわたってその微小な銃弾を雨のようにばら撒く。

 散弾は確かに威力が低いものの、広範囲への足止めにはもってこいの弾丸だ。

 それに、至近距離からの発砲であれば、通常弾以上の威力を誇るときもある。

 現に、散弾を打ち込まれた青走竜の一頭は、体の節々までにめり込んだ散弾のダメージによって、地面に倒れこんで悶えつつ、もうほとんど動けなくなっていた。

 もはや混戦状態だった。

 リズはさらに襲い掛かってきた五匹の青走竜相手に奮闘。

 アビスは残りの青走竜たちを掃討するために、リズを気遣いながら発砲とリロードを繰り返している。

 アビスの考えでは、とにかく先にここにいる青走竜達を片付けてしまいたかった。

 なぜなら、【頭】がここにくるときには、必ずさらに十匹近くの青走竜の援軍が現れるはずであるからだ。

 さすがにその状況で、リズと共にその包囲から抜けれる自信はない。

 せめて半分。いや、三分の二。それだけ減らせれば、勝算はできる。

 

「(ミスったのは、俺の予想だ)」

 

 敵を甘く見ていた。

 まず第一に、ベッキーの情報を鵜呑みにしてしまったこと。現場でこういった【予想される数の違い】が起こりえるのは、当たり前のようにあることだというのに。

そして二つ目は、それら大群団を統率する、恐ろしいくらいに頭の切れる統率者の存在だ。

まさかここまで統率が取れていて、頭のキレる固体がいるとは予想もしていなかったのだ。

 

「(ま、これがゲネポスやイーオスでないだけマシだな。だったら今ごろ俺らはあの世にいる)」

 

 一斉に【黄走竜】ゲネポスや【紅走竜】イーオスに襲い掛かられる光景を想像して、アビスは引き金を引きながら背筋が寒くなるのを感じた。

 そして、その射撃がついに青走竜達の集団を半分まで減らした時。

 

――ゲェッゲェッ!!

 

 どの固体よりも野太く、そして甲高い鳴き声が、あたりに響き渡った。

 

「ちっ……まぁ、ギリギリか」

 

 その鳴き声が聞こえてきた方――小さな湖の近くの丘の上に、そいつはいた。

 真っ赤で、どの固体よりも大きな鶏冠。

 鋭くとがった、どの固体よりも長く太い牙。

 そして、どの固体よりも一回りも二回りも大きな体躯。

 間違いなく、そいつこそが。

 

「きやがったな、【頭(ドス)】」

 

 それに答えるかのように、【頭(ドス)】はさらに甲高く、森中に響き渡るように咆えるのだった。

 

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