敵幹部でも主人公見たらテンションあがる…あれ?(冷や汗) 作:苦い経験100%
学パロとキスでせめぎ合ってたらいきなり追い上げた彼氏持ちsのトークで笑ってしまった
注意
・八割くらい自重してないです(真顔)
・時間軸は未来だけど少しあやふや
・メリークリスマス(遅刻)
十二月の後半。すっかり寒さも厳しくなった、慌ただしい時節。何処も多量の仕事に追われる中であっても、此処───蘭善四区の酒屋『だんだら』は盛況だった。
娯楽の揃う区である四区にて、酒を求める人々は必然的に二つの店に分かれる。
安く、大量の『ハニービー』か。
それとも高く、上質な『だんだら』か。
老舗の酒屋でありながらも客数の多い此処は、往々にして祝いの席や、女性の集まりに使われる。
その理由としては、高い安全意識と治安の良さ。
加えて品揃えと味の良さがよく挙がっていた。
よって今回の客達である二人の女性は、後者の『だんだら』座敷席に集まり、それぞれ注文を終える。
「あたしは、山菜天ぷら盛り合わせ、抹茶塩で。
あと、炒りなめこと、おぼろ豆腐。お酒は『皆殺し』と『神河川』と『残響三十年』でお願い、瓶丸ごと」
一人は黒髪にピンクのメッシュを入れた凛々しい顔立ちの女性、ヒヒガネ・クサビ。
「ボクは唐揚げとカプレーゼ、あとコブサラダ一つ。
お酒はレモンサワー、度数低めで」
一人は緑髪で外ハネが多いショートカットの快活な顔立ちの少女、フジワラ・アマネ。
「もっといいお酒頼んだら? 折角、全方向オート威嚇型ヤマアラシ彼氏からも外での飲酒許可出たんだし」
「ヤマアラシというかドラゴン…?*1
…明日デートの予定なので、セーブです。二日酔いで遅刻ーとか、頭痛くて集中できないーとか、嫌なので…」
「なるほど、そりゃあたしでも自重するや」
二人は忘年の飲み会…とは行かずとも、それに近い酒の席にいた。とは言っても、二人揃って彼氏持ちな為、主要な目的は一年の振り返りよりも恋人の方にあるが。
「しかし、ブラスがあんたのこと飲み会に行くの許したの意外だったよ。過保護が治ったとか?
あ、敬語外していいよ。どうせ酒入ったらグダるし」
「だったら…んんっ…多分、主任と一緒だからじゃないかな。他の人とだったら絶対許可出ないと思う」
◆
真っ暗なフードを目深に被った、
注文を取りに来たバイトは、少なくとも、その光景を見て固まった。
『ご注も゛っ゛…!?』
『あ、大丈夫です僕ら脱獄犯とかじゃないんで』
『……………ウーロン茶二つ、あといたわさ』
『意外とチョイス渋いんだね。あ、キムチーズパジョン二枚と、カラマヨ明太一皿、あと焼き鳥丼温玉付き二つと…鯵の姿寿司、それとジャンボチキン南蛮タルタル多めで』
『多くね? 食い切れます?』
『君も食べるんだよ。普段から食べてないよね、これくらいはお腹にちゃんと入れないと』
『えっ』
『か、かしこまり、ましたー…ぇー…こわっ…』
彼氏どもは滅茶苦茶近場の席で待機していた。
◆
「うーん、束縛。不満とか出ないの?」
束縛、男女の仲によく挙がる問題だ。
程度の差はあれ、自由を縛られて不満を持たない人はいないだろう。誰と会うか、誰と何をするか。
そういった行動への干渉が原因で、破局するカップルは少なくない。更に言えば、破局なんてまだいい方で、下手をすれば刃傷沙汰になるこもある。
アマネは恋人───ブラス・リッターからそれを受ける側であり、施す側だ。
飲酒のことについてはお互いのやらかしが原因であるため、何とも言えないところではあるのだが。
しかし、緑髪の少女は考えながら話す。
「不満はあんまりないかなー…というか、考えたことも無かったかも。大事にされてるなぁ、とか…ボクがいなくなるのが本当に怖いんだなぁ、とかは考えるけど」
「ねぇ『あの冗談』やった後、大丈夫だった?」
「……〜〜〜……ッ…」
「オーケー、凄く良くわかった」
『あの冗談』とは、アマネの講じた一計だ。
その一件でよほど酷い目にあったのか、クサビに言われた彼女は、顔を俯かせてプルプルと震えた。
これに至った経緯と、その結末は簡単なこと。
彼女はブラスの心の音を聞けた。
心の奥底に秘めた欲望すら、時折捉えた。
アマネはそれでブラスの『酷い独占欲』を聞き取っていたし、彼女は怖いもの見たさに一度それを煽った。
好奇心ではなく「こんなにボクのことを独り占めしたいだなんて、かわいいなぁ」なんて気持ちで。
それを表に晒して欲しいと吐いた
即ち、キスマークの詐称だ。
化粧品で作った、わざとらしい位置の赤い華。
結末としては───散々に『好き』放題にされた。
「……もうあんなことはやりません…」
「やっぱ酷い目にあったか」
「…翌日動けなくなりました…ブラスはブラスで、罪悪感でアフターケアが更に手厚くなりましたし…」
「現実で官能小説みたいなことしてるね」
思い返すだけでも恐怖と充足が蘇る。
本来なら相反する感情が両立する程の甘い猛毒。
少女が想起するのは当時のこと。
病的なまでの独占欲。抱き締める力は痛い程。手を握れば安心するまで離さない。事に至れば泣けども続行。謝りでもすれば、息が絶え絶えになるほどに。
逃げようものなら足首掴んで捕まえて、ゆっくり自分の元へ引き寄せ、額を合わせて抱き締める。
酷く怖いのに、何故か同じくらい甘い。
離れられない、逃げ難いとは多分ああいうこと。それはそれとしてブラスはあの時、多分一番イイ笑顔をしていたのではなかろうかと思う。
「……でも…その、ちょっと嬉しかったなぁ…とか」
「うっわ」
『げほッごっほッ!?』
『大丈夫ですかお客さま!?』
『せ、盛大にむせたね…大丈夫?』
熱っぽい顔ではにかむ少女。
それを見てクサビは割と真剣にブラスに引いた。煽られたからとはいえ、陶酔に至るまでやるか普通。
優しい態度でえげつない独占欲。
一度とらえたら離さない牢獄。
初めての贈り物がチョーカーな時点で推して知るべし。それでも、恐らくどうであれ、フジワラ・アマネはその牢に自ら入ることを選んだだろう。
破れ鍋に綴じ蓋どころでは無い。
もはやここまで来れば溶接だ。
上司として思うところがないわけでは無いが、それはそれとして───クサビは少し本音を吐露する。
「少し憧れるかもね、そのくらい激しく愛せるのも」
「ふふん」
「八割皮肉だから」
「えっ」
なんてことを話していたら、注文の品が来た。
二人はそれぞれ運ばれた料理に舌鼓を打ち、酒を喉に通して少しの酩酊を味わう。
酒が入れば口も少しは軽くなる。
そんなこんなで暴露したのはクサビの方だった。
「この前シャル*2に子ども欲しいって言ったら『先に式挙げない?』って言われたー…」
「…順当だと思うんだけど…というか式上げてなかったんですか!?」
「んや、入籍手続きは済ませてたよ? あの作戦の前に、遺書書くのと一緒にね? 遺書だけに。
その後、色々ごたついちゃったから、挙式はまだ全然なんだよね。あたしはさ、もう式とか良いから…シャルとの『家族』が今は欲しくて…」
机に頬を預けながら、赤らんだ顔で、少し寂しげに微笑むクサビ。
「…分かってる、あたしの気が早いだけって。
でも元々いた家がクソだったからさー! 家族への憧れってやつがさー!! シャルが連れ去ってくれたから余計にさー!!」
『言われてますよ店主』
『…僕の不甲斐なさに腹を切りたい…』
ぐびぃ、と酒を嚥下するクサビ。
しかし、続く言葉に酩酊は無い。
「…式挙げるにも色々面倒なことが待ってるってのも理由だけどね。あたし家出た身だし、勘当されてるんだけど、納得してない家の奴等がシャルに『あたしを誑かした』ってちょっかいだしてたみたいでさ」
「え」
「ま、そんなん関係ないけどねー! シャルはあたしのこと大好きだし、あたしもシャルのこと離したくないし! それにシャルが全員鉢植えに埋めたし!!!」
『何やってんだあんた!?』
『下半身鉢植えに埋めて往来に放置しただけだよ?』
『何度ジャッジしてもチェンジだバカ!』
少しばかりテンションがハイになったが、クサビは落ち着きを取り戻す。乱れた黒髪をささっと整えてから、水のようにどぎつい酒を飲み下した。
「ま、そんな訳で、式挙げるのはもう少し先かな。
子どもに関しては要審議。
…アマネの方はそういう話ってまだなの?」
「ボクは……んー……うぅーん……?」
問われてアマネも水を飲む。
だが、中々答えがでなかった。
彼女にしては珍しいことだ。ことブラスに関したことならば、思考を待たずに答えを返せるのに。クサビは少し首を傾げつつも、天ぷらを口に入れて待っている。
ややあってから、アマネは質問に答えた。
「…式は挙げる予定なんですけど、子どもは迷ってます。
その、ボクらまだ二十歳にもなってないし…」
「…そっか、そうだった。
本当ならまだ高二、三か大学生だもんね、二人とも」
「うん、流石に今はまだ早いかなーって」
「色々過程すっ飛ばしてる御両人なのに?」
「じゃ、お会計お願いしますね」
「ごめんごめんごめん、冗談だから」
慌てて取り繕うクサビに、アマネはボクも冗談です、と悪戯っ子のような笑みを返す。
「でも、早めに会えるなら会いたいなって感じかなぁ…その為にも、他のこと見て回ったり、勉強とかしようってブラスと一緒に色々やってる」
「うん、良いと思う。親になるって、多分あたしらが思っているよりも大変なことだろうしね。
特に二人は色々取りこぼしてきたんだし、ゆっくり拾ってからでも遅くないと思うよ」
「……だといいんですけど」
アマネは、その小さな手を、片方はブラスから貰った黒のチョーカーに、もう片方は自分の腹部に添える。
その仕草の意味は分かりやすい。
愛おしさと我欲が溢れ出た結果だ。
意味を察したクサビは、酒のアテはこの甘さだけで十分だったかなと思いつつ笑う。
「ま、今はまず、二人の時間を楽しみなよ…あんなこともあったんだし」
「はい、そうします」
「式は呼んでね」
「絶対!」
その後も二人は飲み続ける。話す内容は冬場になるとシャルが布団から出ないだの。ブラスが料理に失敗すると一日中落ち込むだの、そんな他愛もない話ばかり。
そんな宴もたけなわの中、夜も耽る。
そろそろか、とずっと近場の席にいた彼氏達は、そっと会計を済ませてからさも『今来ましたよ』みたいな雰囲気で二人を迎えに来た。
名残惜しいが、酒の入った話はここでおしまい。
それぞれの恋人に手を惹かれ、二人の女は元の居場所へと、自身が心から安らげる場へと戻っていた。
そんな帰り道の中、クサビはクスリと笑って呟く。
「次はバレないように尾行しなよ、シャル」
「うぇっ!?」
「アマネはともかく、あたしから身を隠すなんて10年はやーい。と、いうわけでお仕置きー」
「わ、ちょちょっ、痛、いッ!
ここ往来だって首噛まないでよ!!」
「んー…ふふっ、イイ顔!」
ぺろり、と赤い舌を出して女は笑う。
消せないマーキングが欲しいなぁと思いながら。
Tips:実のところ
アマネの理性崩壊:キス魔+被虐欲求。酸欠で殺す気?ってくらいにキスをしてくる。呼吸が薄くなったところを見計らって『酷さ』を強請るし、それ欲しさに挑発じみた煽りを囁いたりする。冷たく当たられた体験が根強く、酷くされることで『自身はその人のものである』という実感がないと不安。それはそれとして先天的に『大事な人から手ひどくされたい』被虐嗜好持ち。
Tips:彼女に着てほしい服は?
ブラス:「白のアオザイ」…ボーイッシュで快活な子がタイトな服を着てるのが好きだとかどうとか。本人には言わないが実はバレてるらしい。色々と南無三
シャルル:「ディアンドル」…普段落ち着いた服が多い為、元気っぽい服を着てほしいとは本人の弁。なんなら髪型も自分でセットしたい派。割と健全な思考だが、多分クサビにガバッと襲われる。
短め番外編
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学パロ世界線
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ひたすらキスだけのブラスとアマネ
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彼氏持ち女性陣トーク
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野郎どもの猥談