敵幹部でも主人公見たらテンションあがる…あれ?(冷や汗) 作:苦い経験100%
みじかーめ、顔見せ回的なもの
別所話-諍いと過ち
ラメント、仮設地下拠点。
ラメントは、地上に出る準備を進めている。
その下地として、地下勢力の拠点がそのままラメントの仮設拠点として使用されている
地下勢力としては、敗北した上に取り込まれた形である為、特に文句も口答えも無かった。
そんな仮設拠点の、暫定的に作られた訓練室。
何も置いていない、殺風景極まりない一室。あるのは灯りのみで、ただ暴れたい人が暴れるだけの部屋。
そこで、一人の白い進化者が暴威を振るう。
折角治療した筈の構成員を、床に叩きのめしたり、壁に投げ飛ばしたりとやりたい放題だ。
能力など使わない徒手空拳。
しかも右腕がないというのに無敗。
彼が相手にした構成員は、全員が長物を扱っていた。槍、鎌、斧といった武器がそこらに散らばっている。全て能力由来のものなのか、それらは次第に消えていった。
それを見て、勝者は落胆のため息を吐く。
「無駄、落第、無意味…ったく、こんなんじゃ仮想敵は当然、訓練はおろか遊びにもならないな。
裏切り者にも劣るカスしかいねぇとは驚きだ」
「し、しかしキュリアさん…裏切り者っつっても想定してんの、元幹部の人でしょ…?俺たちが訓練相手になるわけないじゃないですか…!」
「…それはオマエが弱いままで良い理由になるのか?」
「ひいっ!? ちょ、ちょっと待っ…!」
苦言を呈した構成員に、キュリアが躙り寄る。
「待つ? 待つってどれくらいだ? オマエが逃げるまでか、死ぬまでか、強くなるまでか? どうなんだ? さっさとオレ様の質問に答えろ」
「落ち着けキュリア、興奮しすぎだ」
「覗きとか悪趣味だな、トガノウ。オマエ、いつからオレ様より偉くなった? 人様に指図出来る立場に昇進したのか? だとしたら、祝ってやるからツラ貸せよ」
ぐるり、と白い眼光が訓練室の入り口へ。
そこには、トガノウと呼ばれたゴーグルを装着した金髪の男がいる。彼はキュリアを止めようと、訓練室の中に入りながら、自らが持つ能力を発動させた。
黄金色の電流が、彼の周囲を迸る。
同時、緑青色の閃光がキュリアの周りを踊った。
一触即発。殺し合い一歩手前。その空気に耐えかねてか、倒れていた構成員達は訓練室から逃げ出した。
キュリアはそれを気にも留めなかった。
彼は凄絶に笑いながら、トガノウと相対する。
「…最近の貴様は目に余る」
「ゴーグル付けてんのに?」
「ンッフ、くだらん挑発を…」
「ちょっと笑ってんじゃねぇよ」
「ぶべらっ」
キュリアのビンタがトガノウを吹っ飛ばした。
床に転がるゴーグル男を見ては、キュリアはため息を吐いて床に腰を下ろして壁へ寄り掛かる。
そして、遠い目をしながらぼやく。
「あー、───…やる気無くした」
「それは重畳。荒れた貴様を相手取るのは勘弁願いたい。第一、貴様は同胞だからな。無益な殺生は望まないさ」
「はっ、アイツが聞いたらキレそうな言葉だ」
「去った者を引き合いに出すな、面倒くさい。仲間意識は捨てろ。奴は端から与する気などなかったぞ」
「ははっ!オレが?アイツに?仲間意識!? 目ェ開けたまま寝言ほざくなよ、頭も痺れたかトガノウ。
違う違う違う…オレ様は、自分と真反対なアイツを、受け入れられるワケがないんだ。例え此処にいたとしても、背後から撃ち抜いて殺していたに決まってる」
「40文字に倍近い数で返すな気持ち悪りぃ」
トガノウの発言が事実だった。
はっきり言って、諸人から見てキュリアの抱くブラスへの感情は、気持ち悪いと見られても仕方がない。
異様な執着。否定に拘る偏執の結晶。宿敵を見てもそうはならないだろうというレベルの何か。
彼の敵意の源泉は、いったいどこにあるのか。
トガノウはそれを掘り返すことはしなかった。
だって怖いもん。今でさえ不機嫌なんだし。
それでもと、一応の推測はする。子どもに対するスタンス。非能力者への不満と憤りの有無。今の世界を変えたいと思うかどうか。面白いくらいに真反対。
ただ、それだけでこうも拘るのか、とも思う。
どうにも、生来の気質とは違う。何か、致命的に合わないところがあるのでは無いか?
トガノウはそう思考を巡らせていた。
「えぇ〜戦わないの!? つっまんないなぁもぉ!!」
そこに、飴玉を溶かしたような甘ったるい声。わざとらしい、人を小馬鹿にするようなそれは、男2人をイラつかせたのか、彼等は露骨にため息を吐いた。
トテトテ、と軽い足音。裸足で歩く甘い声の鳴らし手は、ひらひらとしたレースがあしらわれた黒いドレスのようなものを身に纏った少女の姿をしている。
彼女は、黒い長髪に紅玉のような目を持っていて、凛々しさとは真反対の面持ちだった。
少女は依然として甘ったるい声で言う。
「せっかくお菓子もジュースも用意してたのに! 癇癪電子に真四角雷、絶対見応え抜群のバトルが見れると思ったのに! 少しはわたしの期待に応えても良いと思うよ?」
「ボスの側にいなくて良いのか、クロユリ」
「良いの良いの。ザック、今はお休みしてるから。今日は抱き枕要らないんだって」
一転、拗ねたように唇を尖らせる少女。
クロユリと呼ばれた彼女もまた、キュリア、トガノウと並ぶラメントの幹部の1人なのだが、ボスであるアイザックのことを愛称で呼ぶあたり、距離感の違いが窺える。
そんな彼女が、キュリアを見て侮蔑を口にする。
「でもでも、本当にきみって気持ち悪い! もしきみが女の子だったら輪をかけて気持ち悪いし、大鎌破綻の一夜が2回になってそう! あ、キミが襲うこと前提でね!」
「すげぇなこいつ。人の尊厳を愚弄するために生まれたのかよ、頼むから死んでくれ。ラフレシアだって世界一でかいって取り柄があるんだぞ」
「らふれしあ? 何それ」
売り言葉に買い言葉、言葉の殴り合い。
それをトガノウは呆れたような目で見ている。二人は仲が悪いというより、単に揃って口が悪いだけなのかもしれない。そんな判断を下して、遠い目になる。
そして、ため息を一つ吐いた。
トガノウはそそくさとその場を去る。巻き込まれるのは嫌なのか、気配を消しながら。
Tips:クロユリとアイザックの付き合いはそんな長く無い。付き合いの長さは恐らくキュリア>ディラン≧クロユリ>トガノウ=エリヤ=アナーキスト>ブラスの順番だった。
短め番外編
-
学パロ世界線
-
ひたすらキスだけのブラスとアマネ
-
彼氏持ち女性陣トーク
-
野郎どもの猥談