敵幹部でも主人公見たらテンションあがる…あれ?(冷や汗)   作:苦い経験100%

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些細な会話イベに隠れた覚醒フラグほんとやめろ

 

 ボク───フジワラ・アマネが思うに、というか彼の家族や彼を慕う子ども達から見ても、ブラス・リッターとは無理をしがちな人間である。

 

 1人でなんでも背負おうとする悪癖持ち。

 というより、1人で何でもやれるようにしないとって意識が板についている感じ。だから、自分に出来ないことが発生すると、内心焦ってたりする。

 

 今ボクらは刑事さんの背に続いて、現場を一通りに見ているわけだけど…ブラスの心がうるっさい。金管楽器を壊す勢いで無茶苦茶に乱打してるみたいな音がする

 そんな心の音がブラスから聞こえる。まぁボクは彼の心の音しか聞けないのだけれども。

 

 ……少し可愛いと思ってしまう自分がイヤだ。

 ボクこんなヘンタイさんだったかなぁ!?

 

 でも、ボクの心情の8割は心配だ。以前よりかは、悩みを1人で抱え込もうとはしていないけど、何というか彼の中の『まだいけるライン』がボクから見たら『いけるわけないだろ頼れバカー!!ライン』というか。

 と、いうわけなので先回りをする。一応、経歴上だとボクが先輩なんだし、後輩はしっかりとフォローしないと。

 

「えいっ」

「んぐがっ!? なんっ、なに!?」

 

 振り向きざまに、ブラスの鼻をギュッとつまむ。

 眉間に皺なんか作っちゃって、ばか。

 …鼻つまんだのは決してキュートアグレッションではないと信じたい…

 

「焦らないの、1人でもしゃもしゃ悩んでるでしょ」

「いや、別に悩んでは───」

「ボクに隠しごとは出来ないよ、聞こえるもん」

「うぐっ……や、焦ってるというかさ」

 

 ブラスは観念したように言う。

 後ろめたそうに、頭の後ろに手をやりながら。

 

「…初仕事だってのに何にも出来ないのは、悪い気がするっつーか、局には家族のこと良くしてもらってるし、その分ちゃんと返さないとって思ってるし…それに、何より…俺が加担しちまった分も、償わないとだし」

 

 …ブラスは、人質で脅されてラメントに加担したこともある。そのくせ、子ども達を汚れ仕事から守ったりしてたけど…人質取られてる人の行動力じゃないと思う。

 ともかく、彼の焦りの根っこは分かりやすい。

 単純だけど仕方ないこと。罪悪感と恩義が絡みついてる。特に前者の方が強いのかな。彼は『やったことはやったこと』だと考える節もあるし。

 

 ボクは『仕方ないことじゃないか』と思うけど。

 でも、それはボクが被害に遭ってないからの物言いだし、彼はそう思うような人じゃない。それにある意味ではボクの方が被害を出しちゃったのだが。死にたくなってきたなぁ!

 …とにかく、彼に後悔は根付くだろう。

 それが少し悔しい。ラメントという組織が彼の心に染み付いてることに、苛ついてしまう。ボクの〝  〟を、曇らせないで欲しい。

 

「…前にも言ったでしょ、ボクがいる。色んな人がいる。だから、キミ1人が全部をやらなくていいの!! もちろん、出来ることが多いのは良いことだけど…もう少しボクに背負わせて欲しいというかさ」

 

 ……少し恥ずかしいので、彼の耳側で小さく言う。

 これは、ボクの偽りない本音だ。

 

「…キミはボクに全部じゃなくて『良かったこと』しかくれないの? …寂しいよ、そんなの」

「……───ッ! ッ!! ッッッッッッッ!!」

 

 わぁ、すっごい顔。

 …いや本当にすごい顔だな。握り潰した紙みたいな顔になってる。どんな表情筋してるのこわっ。

 でも音が変わった。グラス・ハープみたいな音。多分だけど、迷っているのだろう。

 ボクはここぞとばかりに畳み掛ける。

 今のボクらに出来ることをやるしかないんだ。

 

「ボクが知ってる人の中だと、キミが一番強い!」

「…っ」

「だから、何かあったら守ってね?」

…今ならまた隕石斬り殺せそう

 

 真顔でブラスはそんなことを言ってのけた。

 …またって何?

 

 そんな風に話していると、アンニュイな刑事さんが手をしっしっと振りながらうんざりとした声色で言う。

 

「オイもういいか、30過ぎたおっさんだとちょっとアオハルの眩さに耐えらんない、なんか辛くなってくる」

「来いよぉ…カプ厨(こっち)来いよぉ…!」

「おっと新規求めるゾンビ発見伝、じゃねぇよ。

 ユカタン、お前今回こういうの嗜める立場だろ」

「学校生活奪っちゃったんだ、少しだけお目溢ししても良いでしょ…とは思ったけど、そっちの言うことも正しいし…うん、ごめん。以後気をつけます。皆揃ってね」

 

 ……アオハルかぁ。

 確かに学校には通えなくなっちゃったけど、もし通えていたらブラスと会えてないんだよね。

 あ、すっっごいヤダ。絶対ヤダ。

 ボクこんなに首っ丈なのか。どうしよう、なんか少し照れくさくなってきたかも。

 

 頭を横に振って、意識を切り替える。

 それと同時に、ユカタンさんが話を始めた。

 

「まぁ一通り見てもらった通りだけど、今回の爆破による周辺被害はほぼゼロ。せいぜい壁屋根が焦げた、欠けた程度。朝聞いた話と変わってないね、そこは良いとして…」

 

 現場を見て回って、やって来たのは瓦礫の山。

 崩れた建物の残骸は、ここに落ちたみたい。その周りには瓦礫の撤去をしている人たちがいるけど、顔色を見るに進行ペースは芳しくないらしい。

 

「問題はここなんだっけ? 瓦礫の山もそうだけど、そこかしこにある残骸のせいで、捜査が難航してるとか。金属探知機回した?」

「ああ。けど『非金属』の手がかりを壊したくねぇってんで重機使った撤去を上が止めてる」

 

 刑事さんが面倒そうに言う。

 でもなるほど、そういうことならきっとボクの出番だ。

 とん、とブラスから貰ったチョーカー越しに、喉を指で叩く。そのままゆっくりと息を吸って『探す』という意識をはっきり思い浮かべた。

 ボクはユカタンさんに手振りで「いつでも大丈夫です」と示すと、頷いた先輩が手を叩く。

 

「はいはーい! うちの子が能力発動しまーす!! 被害出る系じゃないからそんな警戒しないでー!!」

「うーし、不安なら散れ鑑識の好々爺ども!」

「ちょっ、許可降りたんかい!?」

「んなもん後だ後!! 警部になんか言われたら俺のせいにしとけ、バックれっから!」

 

 …本当に能力を使って良いのだろうか。

 そうボクが躊躇した瞬間だった。周りから声が聞こえる。小さな声だけど、それは何度も聞いた覚えがある。

 「化物」「恐ろしい」「信用できない」。

 …分かってはいたけど、ちょっとヘコむ。というか、色々フラッシュバックしてきた。鼓動が一気に早くなる。

 でも、今へこたれたってしかたない。

 ボクは、喉を開こうとした。

 

 

 ◆

 

 

 

 

 ───四日前 某所

 

 そこには、廃棄された倉庫があった。

 もう誰も立ち入らないであろう、廃棄された場所。使い道のない、ただ打ち捨てられたものが堆積しただけの施設。

 今はここに、利用者がいる。

 少年、女、男、そして幾つかの人影があった。

 

「ぁが、…あ、ぁっ、…ぎ、が」

 

 身なりの汚い少年が、椅子の上で揺れる。縛られた身である彼は、何度もガタガタと体を動かす。逃走の意思は明確だが、彼の体は縄で厳重にも縛られている。

 そんな少年の頭に、手が伸びる。

 幾度か絵を描いた人のそれだ。筆を何度も握ったのか、すっかりたこが出来ている。

 それでもその指は細く、女性的だ。

 

「やべ…やりすぎた」

 

 その手の持ち主である、高い背丈を持つ女は、目を覆うほどに伸びた黒髪の境から、爛々とした水色の瞳を覗かせる。

 それは震える少年の瞳孔を覗き、消沈する。

 彼女は深い溜息を吐いて「どーすっかなー」と、場にそぐわない発言を続けていた。

 彼女が少年に『何か』したのは明白だ。

 だが、その成果は芳しく無かったのだろう。

 すっかり勢いを無くした水色の瞳は、再び長い髪の向こう側へと隠れて、そのまま姿を見せなくなる。

 そんな狂気的な実験を想起させるような一連。

 

 そこには、目撃者がいる。

 

 彼は不満気な目をしていた。彼は右腕を失っている。彼は真新しい白衣を羽織っている。彼はボサボサの白髪を持っていて、それでいて目元には濃い隈が出来ている。

 すなわちキュリア・リズットは、宙に緑青の光で構築された球体を7つほど出し、それを以て女を取り囲む。

 そして、低い声で彼は凄んだ。

 

「わざわざ顔見せてやったんだ。だってのに、悪趣味なもん公演された上に成果ゼロ? ふざけてんのか、ぶっ壊すぞオマエ」

「待って待って、いやマジで待てお前。同士討ちのトリガーが緩すぎるだろ、どの時代の野蛮人だ」

「死んでから言え。火傷と欠損はセーフだ、死ねねぇ。オレ様の辞書にもそう書いてある。オマエのにも書け、ラガ」

「暴君がすぎるだろ、革命必至の悪徳領主?」

 

 横暴の化身のような物言いをするキュリアに、ラガと呼ばれた女はドン引きして肩を落とす。

 彼女は自らが「何かした」少年の髪を掴む。

 呻いて歪む彼に意を介さず彼女は言う。

 その声色はひどく暗く、じっとりとしている。まるで呪詛そのものだ。

 

「というかさぁー…別に協力的じゃないし、むしろ敵だし、さっさと使えるようにしただけだよ? 悪趣味なんかじゃないじゃん、ちっとも。

 非能力者(オールド)に味方するなら仲間じゃないし、生きてるゴミだよ。

 あと、()()を戦わせようとしてたカスにはガタガタ言われたくないんだけどぉ…」

 

 女はキュリアのかつてについて言及する。

 だが彼はそれを「だからなんだ」と一蹴した。

 更には女に対して指を刺しながら言う。

 

「何も思ってもねぇだろ。けど攻撃はしたいもんだから、尤もらしいことを言った。そういう奴の目だ」

「あはぁー…、なんのことかなぁ」

 

 ヘラヘラと、目を隠したままラガは笑う。

 その間にも少年は苦しんでいた。

 もがくように細い首を振る。彼が呻きながら溢す声は、紛れもなく『悲嘆』だ。

 

「ちが、…たいせつ、なんだ…、いや、だ…わすれたくな…きもちわるくない、だいじなんだよ…なん、で…かえして、かえしてくれ…!」

 

 彼は何か、大切なものを奪われたらしい。

 吐き気に耐えながらも返せと叫ぶ。彼は女と争ったのか、体のあちこちに生傷があった。

 負けたから、彼は大切な何かを奪われた。

 それが見て取れる結論だった。当たり前のように、大切なものがあっさりと強者が奪った。

 

 その結論に、キュリアは何も言わない。

 同類であるはずの少年が、同類の女が傷付けても何も。

 迎合しないのであればそれまでだと、そんな態度が彼の『同類の枠』を語り尽くしていた。

 

「で、どうすんだこいつ」

「まぁー…、後少しで『爆ぜる』でしょ。

 似たようなの作ってあるし、またどっかに置く。

 陽動のオーダーはそれで果たせるかな」

「……で、置くのは誰の仕事だ?」

「え、おまえらだけど…」

「オーイそろそろマジ殺すぞ〜〜〜〜〜??????」

「沸点低くて草、メンタルヘリウムかよ」

「誰が-268.9°Cで沸騰する心だ、毎日毎時毎秒ブチギレてるってか、その舌今すぐ焼いてやろうか」

 





Tips:Q.服装のこだわりは?

ブラス:「こだわりってほどじゃないけど、ダサい組み合わせとかにならないように無地のやつを選びがちかな。あとやっすいやつ。俺よか服選びたいやついるし、そっちに金回したいから…って言ったら母さんはまだしもジャック達にも怒られた…」

アマネ:「そんなにこだわりはないかも? あ、でも割と重ね着選びがちかも。あとは気持ちパーカー多めで…それとまぁ…こだわりというか…タイツを履くなら30デニール……あ、味しめたりとかしてないからぁ!!」

Tips2:キャラプロフ1人目 ブラス・リッター
https://privatter.net/p/10704229

短め番外編

  • 学パロ世界線
  • ひたすらキスだけのブラスとアマネ
  • 彼氏持ち女性陣トーク
  • 野郎どもの猥談
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