ありふれた職業で世界最強if優花   作:白San

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ヤバイ。書こうと思ってもFGOが………(^q^)


八十一話 樹海での戦い

 

ハジメが錬成した鍵によって全ての枷を外された亜人達が、飛空艇フェルニルに度肝を抜かれながらも物珍しげにあちこちを探検しているころ、ハジメ達はブリッジにてパル達ハウリアの話を聞いていた。

 

ハジメは腕を組ながらパルに問いかける。

 

「それで?、何故こんなところまで出張ったんだ? それに、アルフレリックの孫娘が奪われたとしたら、フェアベルゲンまで帝国の手が伸びたんだろう?」

 

「肯定です、ボス」

 

ハジメの質問にパルは背筋を伸ばして答えていく。

 

何故、ハジメはパルに話を聞いてるかと言うと、自分達が樹海から離れる際に数人の小隊を作っていた方が良いと考え、その時に抜擢されたハウリアの一人が俺の目の前にいるパルだ。歳は十歳の子供だが、十歳と思えない程の指揮能力や気概を見せ、訓練の際に確認した。後方支援の要領の良さ、分析が出来ることから抜擢したのだ。

 

「それは、本当なのですか? 帝国はどうやって樹海の霧を攻略をしたのですか?」

 

思わず、といった感じで疑問を口にしたのはリリアーナだった。まぁ、聞くからに帝国が王国に隠れて力を得ているなら由々しき事態だろう。

 

「………」

 

「あ、あの……」

 

パルはリリアーナのことを案じて無視をするが、後ろの近衛兵達が殺気を放ってきた。どうやら、何故亜人風情がリリアーナの言葉を無視するなって感じらしい。ハジメは溜息と共に片手でパルに喋っても良いと合図す。

 

「………ボス良いのですか?」

 

ハジメの指示に、パルは頷きながら確認を取る。ハジメはそれを了承すると、近衛兵達限定に〝威圧〟を発動しながらリリアーナに視点を転じる。

 

「あぁ、構わない。後、リリィ?」

 

「は、はい。どうしましたか? ハジメさん?」

 

ハジメの呼びかけにリリアーナは反応し、ハジメの方へと視線を転じる。

 

「あんま、キツイことは言いたくないが、まだ世界の常識が変わってない今、一国の王女が不用意に亜人に話しかけると周りが騒がしくなる。パルもそれを考慮して無視をしたんだ。わかってくれ」

 

「うっ……そう、ですね。要らぬ口を挟みました」

 

リリィはそう言ってショボンとしながら頭を下げる。そんな様子にハジメは苦笑いしながらも、そのまま近衛兵達の方へと睨みつける。

 

「そういうことだ。アンタ等もリリィを守る為とはいえ、そんな殺気をぶつけんな」

 

「……ッ、了解した」

 

ハジメがそう言うと、近衛達の指揮と呼べる男が応答するも、その表情は嫌悪感を顕にしてるのがよくわかり、ハジメは呆れて溜息をした。

 

「はぁ……」

 

リリアーナもそうだったが王国は帝国とは違うも亜人に対しては差別意識があるのはわかる。が、変に亜人のすることに対して敏感になるのをやめて欲しいとハジメは思う。

 

「よし、パル話してくれ」

 

「了解です……事の始まりは魔人族の襲撃からでした」

 

パルはハジメの呼びかけに反応して、少し思案しながらポツポツと事の出来事を話していく。

 

「なるほどな……やっぱ魔人族は帝国と樹海にも手を出していたか」

 

「肯定です。帝国の詳細は分かりませんが、樹海の方は強力な魔物の群れや魔人族の兵隊が来ましたがあらかじめ作っておいたトラップ地帯に誘導できなければ、俺達もヤバかったです」

 

パル達曰く、樹海にも魔人族が魔物を引き連れてやって来たらしい。【ハルツィナ樹海】は大迷宮の一つとして名が通っているからフリードのように神代魔法の獲得を狙っている以上当たり前と言えば当たり前だ。

 

当然、樹海に侵入した魔人族達を、フェアベルゲンの戦士達が許すはずもなく、最大戦力をもって駆逐しに向かった。しかし、亜人族と樹海の魔物以外は感覚を狂わされ、視界を閉ざされる濃霧の中でなら楽に勝てると思われた当初の予想は、あっさり裏切られることになる。魔人族はともかく、引き連れた魔物達は、樹海の中でも十全の戦闘力を発揮したのだ。ほとんどの魔物が昆虫型の見たこともない魔物だったらしく、その固有魔法も多彩かつ厄介でフェアベルゲンの戦士達は次々と返り討ちにあってその命を散らしていった。

 

その魔人族は、瀕死状態の亜人族に、かつてのハジメと同じく「大迷宮の入口はどこだ?」と聞いて回ったらしい。しかし、彼等が敵に情報を教えるわけもなく、また、そもそも知らないこともあり、魔人族は、ならば長老衆に聞けばいいとフェアベルゲンに向かって進撃を始めたのだそうだ。

 

余りに強力な魔物の軍勢に、同胞を守るためにもフェアベルゲンの長老会議は、大樹の情報を教えることにした。紛争を避ける為に。自分達にとって大樹も本当の大迷宮も大して価値のあるものではないのだから、と。

 

しかし、同じ大迷宮を求める者でも、ハジメとその魔人族では決定的に違う点があった。それは亜人族に対する価値観だ。その魔人族も例に漏れず、いや、むしろ一般的な差別意識を通り越して、亜人族に対して憎悪すら抱いている程だったのだ。

 

曰く、この世界は魔人族によって繁栄していくべきであり、神から見放された半端者の獣風情が国を築いているという時点で耐え難い屈辱だということらしい。その表情は自らの神を信望する狂信者のそれだったという。

 

そして、その魔人族は、その思いのままフェアベルゲンに牙を剥いた。大迷宮に行く前に亜人共を狩り尽くしてやる、と。

 

亜人族は死を覚悟した。しかし、その時だった。俺の為に大樹の周りを守備に回っていたハウリアが参戦した。

 

────アルフレリックッ! 我等も手を貸そうッ!

 

そして、一気に状況を魔人族の勢いを覆したという。参戦したハウリア達は、まずフェアベルゲンの外側から各個撃破で魔物達を仕留めていったらしい。魔物達の動きと固有魔法を実地で確かめて戦略に組み込むためだ。ハウリア族が強くなったといっても、それは自らの種族の特性を上手く扱えるようになったというのと、精神が戦闘を忌避しなくなったというだけで、劇的にスペックが上がったわけではない。なので、未知の敵と正面から戦うような愚は決して犯さなかったのだ。

 

相手を決死の覚悟が必要な難敵と定めて、闇討ち、不意打ち、騙し討ち、ハッタリと使えるものは何でも使って確実に情報を集めた。

 

そして、配置が終わったチェスのように、一斉に攻勢に出たのである。濃霧の効果がなくとも、兎人族本来の巧みな気配操作によって確実に魔物を仕留めていった。

 

そのうち配下の魔物がいつの間にか相当減っていることに気がついた魔人族が、魔物を集め始めた。各個撃破が出来なくなったハウリア達は自分達を囮にして、今度は新たな集落の周囲に設置しまくったトラップ地帯に誘導を開始した。

 

そして、何とかハウリア族が戦っている間に戦線に復帰したフェアベルゲンの戦士達と協力して、魔人族の殲滅に成功したという。しかし、事態はそれだけでは終わらなかった。ハウリアの参戦により窮地を救われたフェアベルゲンだったが、その被害は甚大だった。とても樹海の警備に人を回せるような余裕はなく、復興と死者の弔い、負傷者の看病で手一杯だった。

 

そして、その隙を突くように、今度は帝国兵が樹海へと侵入してきたのである。

 

ハウリアも警備に当たってたが突然のことに驚くも侵入してくる帝国兵と相対したらしい。

 

「……帝国の目的は人攫いか?」

 

「肯定です」

 

「チッ……」

 

パルにハジメは目を細めながら聞くと予想通りのことで舌打ちをしてしまう。しかし、ハジメにはある疑問が脳に浮かんだ。

 

「しかし、パル。お前等が警備にいたのに何故、亜人族が攫われたりしたんだ? 帝国兵ぐらい魔人族を退けたお前達なら大丈夫な筈だが……」

 

「それは………」

 

「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」

 

ハジメの疑問にパルは口を噤み、そして船内にいる亜人族も顔を俯かせているのを見て、ハジメは再度、パルに問いかける。

 

「……何があった?」

 

「帝国兵にとんでもない集団がいたんです……」

 

それは突然のことだったらしい………。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

魔人族の襲撃から三日といったところだった。

 

ハウリアとフェアベルゲンの戦士達も休憩も禄に出来ずに侵入した帝国の対応をしていた。

 

「クソッ……魔人族の後に攻めるなど。帝国めっ」

 

そう苦言を吐き捨てるのは一度ハウリア達とハジメに仕掛けた熊人族のレギンだった。

 

レギンはあの件から神水で回復した族長のジンと共にハウリア達に謝り他の族長達のように良好な関係を築いていた。レギンは帝国兵達を抑える為にフェアベルゲンの戦士達に鼓舞するように声を上げる。

 

「樹海の戦士達よっ! 帝国兵を族長やハウリア達が抑えていている。 なら、俺達も絶対に帝国兵をフェアベルゲンに通すな!」

 

「「「「「「「おぉぉぉぉ!!」」」」」」」

 

レギンの掛け声に戦士達は雄叫びを上げる。

 

しかし、そんな時だった。

 

「?」

 

ドゴォォォン!

 

大きい何かがレギン達の横をもの凄い速さで横切り、そのまま、樹木に大きな音をたて激突する。

「……ッ、何が起こっ………なっ?!」

 

レギンは自分達に横切った何かを確認する為に樹木の方へ駆け寄り、その何かを見て驚愕する。

 

「ぐっ………」

 

「族長?!」

 

それは、熊人族の族長のジンだった。

 

「………ッ! 族長! 一体何が?!」

 

「……お、前達……逃げろ」

 

ジンを支えながら叫ぶレギンにジンは薄目で片目を上げながら逃げろと言う。しかし、レギンはジンの言ってる意味が分からず、再度問いかけようとした時だった。

 

「族長! 一体何………「がはっ」…が」

 

レギンが言い切る前に自分の傍まで吹っ飛ばされていたのはハウリアの一人だった。レギンはそのハウリアの姿を見て、一瞬で脳全体からヤバイと判断する。

 

そして、二人を吹っ飛ばされた地点に目を向けると、其処には………。

 

「………ッ、なんなのよ! この帝国兵」

 

「ネアッ! 余り其奴に近寄るな! シアンが吹っ飛ばされたんだ! 普通の帝国兵じゃない!」

 

「Gaaaaaaaa!」

 

ハウリアが二人がかりでも苦い顔をしてしまう程に奇声を発せながら圧倒していた帝国兵がいた。服装も普通の帝国兵よりも軽装である筈なのに、動きが人間離れしていた。そして、よく見ると、後方からも同じような帝国兵達が二十人程いて、全てハウリア達が対処に回っていた。

 

「何だ?! コイツっ?!」

 

「余所見をしないで、殺られるわよっ!」

 

「クソッ、何で俺の気配に気付いたんだ!」

 

「族長! コイツ等、私達の気配遮断が効いてません!」

 

ハウリア達は自分達より力が強く。動きが尋常に速く。切り裂こうとしても刃が余り通らない硬い肉体を持ち、ハウリアにとってアドバンテージである〝気配遮断〟が効かない。脅威の力を持つ帝国兵達に苦言を呈す。

 

一人のハウリアが族長であるカムに声を上げるがカムそれどころではなかった。

 

「ムッ、流石に二対一だとキツイな……」

 

「「Gaaaaa!」」

 

カムは他のハウリアより前線に立ち、ヤバイ帝国兵二人と相対していた。帝国兵は連携などはせずに野生の獣のようにその脅威なパワーでカムに突貫する。

 

「………」

 

突貫する帝国兵達にカムは冷静に攻撃を的確に避けて行きながら小太刀を使って帝国兵達を切り裂いていく。だが、皮膚に刃が通らずに薄く切れただけでありノーダメージに近いものでカムは舌打ちしながら後退をする。

 

「………」

 

(何だ、あの帝国兵は動きや耐久力を見る限り、人間ではない。簡単に言えば〝我等に近い何か〟か?)

 

カムはそのまま、帝国兵達と戦いながら、この異様な帝国兵達の考察をしていく。これはハジメの教えの一つであり戦いながらも相手の動きや技を考察しろという教え守っているからだ。

 

「なっ、数がっ?!」

 

しかし、考察に頭を使い過ぎていたのか、自分を狙う帝国兵達の数が増えていることに動揺するも、すぐさま、気を取り直し冷静さを取り戻す。

 

「ッ、囲まれた?!」

 

冷静さを取り戻したカムだが、帝国兵達はカムを狙って四方から囲むように襲ってくる。カムは咄嗟に地面の土を握り締め、帝国兵達の目を狙って周りに飛ばす。

 

「「「「「Gugya?!」」」」」

 

帝国兵達の目に土が入り、目を抑えてる内にカムは〝気配遮断〟を駆使して、この場を脱する。そして、すぐさま帝国兵達の方へと振り返り構えを取りつつも安堵の息を漏らす。

 

「ふぅ………」

 

しかし、状況は変わらない。異様な強さを持つ帝国兵達のせいで自分達の置かれている状況はま危ない。それに、もしかしたらと別働隊の帝国兵がフェアベルゲンに侵入したかもしれない。

 

「クソッ……」

 

カムは悪態をつくも、フェアベルゲンの心配は後に回し、今はあの帝国兵達をどうにかしないかと策を巡らす。

 

「………」

 

(奴等は連携が出来ずにただ、目の前の敵をなりふり構わず狙うだけだな……ならっ)

 

カムはある策を思いつくと、帝国兵達と相対してるハウリア達、後方支援に回っているハウリア達を呼びかける。

 

「前線組は帝国兵達をB─2のポイントに誘導! 後方支援組は罠の 準備と強化を! 安心しろッ その帝国兵は知能がないから誘導がしやすいっ」

 

「「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」」

 

カムの掛け声に帝国兵と相対していたハウリア達は応答と共に行動を開始をする………。

 

そして、案の定。カムの予想通り帝国兵達はまんまと誘導されて、其処のポイントにあった罠と後方支援組が更に用意した罠に引っ掛かり、ダメージを与えていく。

 

「今だ! 皆よっ狩るぞっ!」

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

今がチャンスと踏んたカムは近接が得意なハウリア達と共にどんどん罠に掛かり動けずにいる帝国兵達の首からを上を跳ね飛ばして狩り尽くしたのだった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「………と言うことです」

 

「……そうか」

 

ハジメはパルの話を聞き、帝国の悪辣さに怒りを覚えて目を細める。

 

「だが、何で亜人達が攫われた? いや、待てっ。話を聞く限り、その帝国兵達が囮としたら……」

 

「肯定です。アイツ等、あの帝国兵はただの囮で別働隊がいました。そして、奴等、樹海の特性をクリア出来ないからって、とんでもない力押しで攻めて来ました」

 

「力押し?」

 

怪訝なハジメに合わせて、先程質問したリリアーナが身を乗り出して、耳を傾ける。

 

「はい、ボス。奴等、樹海が感覚を狂わせるなら、フェアベルゲンが確認出来る場所まで、樹海を燃やしてなくせばいいって、発想に至ったんですよ」

 

「なっ、樹海に火を放ったのですか?!」

 

「……外道が」

 

思わず声を上げるリリアーナ。それにハジメの後ろに立っていたアレスも流石に帝国の所業に嫌悪感を顕にしながら悪態をつく。

 

パルはチラリとリリアーナとアレスを見やって頷く。

 

「俺達も急いでと戻りましたが、駆け付けた時には、戦士達も魔人族とあの帝国兵達のせいで戦う事ができませんでしたから禄に抵抗が出来なかったようです」

 

ハジメはパルの言葉を聞いて、ポツリと言葉を漏らす。

 

「………それなら回避が出来ねぇよな」

 

まさか、魔人族が侵攻直後のタイミングで、前代未聞の方法でやって来るのは誰も流石に予想は出来るわけない。しかし、ふと思う。ハジメは何故、帝国がここまで大胆に行動を出たのか気になってしまう。

 

「ここまで大胆なやり方……なぁアレス? 帝国は此処までするような国なのか?」

 

ハジメは五年も身を隠していて情報を集めていたらしいアレスに聞いてるみことにした。

 

「……そうですね。これは私なりの見解ですが、帝国は此処まで行動するとしたら……「帝国にも何があった訳か?」……はい。私の見解ですが」

 

アレスの見解により、帝国に何かあったと予想し、パルに問いかける。

 

「どうなんだパル?」

 

「ボスと其処のお兄さんの言う通りです。偵察部隊から幾人か普通の帝国兵をさらって、尋問した結果、どうやら帝国でも強力かつ未知の魔物が大暴れしたようで。帝都でも相応の被害が出たようです。アイツ等〝消費した労働力を補填する必要が〟なんて言ってやがりました」

 

吐き捨てるような言葉に誰もが息を呑み、ハジメと後ろにいるアレスは目を細めていく。

 

「そ、そんな」

 

そんな言葉を口にしたのはリリアーナだった。かなり動揺していた。それもそうだろう。これから支援を含めて協議しようと向かっていた先が同様に襲撃にあい、無茶をしてまで、労働力に努めている状況だから。

 

しかし、パルの話を聞くと、帝国が攫ったのは労働力としては使えないと思うハウリア以外の兎人族達も攫われた聞き、内心舌打ちしながら一つ溜息を吐く。

 

「なるほどな……労働力の確保とか言ってる割にゲスの欲望が透けて見える」

 

「えぇ……胸糞の悪い話です」

 

愛玩奴隷として認識される兎人族が帝国でどんな末路を辿るかは自明の理だ。

 

「……カムはどうした?」

 

「族長なら仲間を数人率いて、亜人達の救出に……」

 

「えっ?」

 

パルの答えにシアが声を上げる。

 

パルの話だと、カムはパル達やほとんどのハウリアを警備に残しアルフレリックなどの族長達に亜人達を救出に向かうと言伝を入れて、自分が選出した少数の精鋭部隊を率いて帝都へと向かったらしい。しかし、帝都に到着して、都内に入った頃から、連絡が途絶えたと言う。伝令役との待ち合わせ場所に誰一人も現れなかったからだ。

 

───カム達に何かが起きた。

 

そう考えたハウリアと族長達は、もはやじっとしてはいられないと、更に選抜した部隊を──パル達を送り出したという。

 

パルの話を聞いて、一同が沈黙する。

 

ハジメは頭をガリガリと掻きながら、席から立ち上がる。

 

「まぁ、大体の事情は分かった。取り敢えずお前達は引き続きカム達の情報を集めんだろ?」

 

「肯定です。ですから…「わかってる。俺達が亜人族達を樹海に戻す」……!」

 

「ボス、ありがとうございますっ!」

 

パル達が一斉に頭を下げる。

 

「………」

 

そんなパル達の様子をシアは何かモゴモゴと言いたそうなことに気付き、何が言いたいかハジメは察するが今は亜人達のことなど色々しないといけないので自分の口から言うまで待つことにした。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「パル」

 

ハジメはパル達に樹海に残るハウリアから伝言を預かった後、個人的に聞きたいことをパルに聞く。

 

「お前達が戦った異様な帝国兵のことを知りたい。何か情報を掴んでるか?」

 

ハジメの質問にパルは聞いた情報を思い出してるのかウーンと腕を組ながらウサ耳をパタパタさせ、思い出したのかウサ耳をピンッと立つと口を開く。

 

「そうですね………あの帝国兵は俺は後方支援でしたがアレは人間とは思えませんでした。なんだろう……理性が外れた獣人みたいな………」

 

「獣人ね………その他は?」

 

「他に………あっ、尋問した。帝国兵にあの帝国兵のことを聞いたんですがアイツ等もあんなのが居るのは知らなかったらしいです」

 

「知らない……か」

 

尋問されてる辺り、嘘だと思えない。ハジメはその帝国兵は本当に知らないだろうと判断する。

 

「はい。後、こう言ってましたね自分達はただ〝バイアス様〟の指揮の元で動いた。と」

 

「………そうか、パル情報ありがとな。引き止めて悪かったな」

 

バイアス様。ハジメはその名を聞いたことないが、帝国でも上層部分の位置に居る奴だろう。アレス辺りに後で聞いてみるとハジメは良いと考えた。情報を聞けたハジメはパルに引き止めてしまったことに謝る。

 

「いえっ、ボスの役に立てたのなら光栄ですっ!」

 

「そ、そうか……」

 

パルは引き止めたことに嫌がらず逆に嬉しそうにしていたことにハジメは乾いたような苦笑いする。

 

そして、ハジメはパル達を別れた後、帝都から少し離れた位置にリリィ達と近衛兵達を降ろしてから、ハジメ達一行は【ハルツィナ樹海】へと向かったのだった……。




編集しました。八月二日

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