ハジメと現れた神の一柱オルステッドの激しい戦いの中、空気が震え会場内に、更に黒竜が現れた。
「竜人族だと?!」
ガハルドがティオの正体に驚いて叫ぶ。
それもそうだ、竜人族はもう既に滅びた種族だと認知されており、ガハルドもその一人であるので流石に驚いている。
他の帝国貴族達も同様でティオの正体と黒竜が現れた事に恐怖と驚きの声を上げる。
しかし、そんな雑音を無視して黒竜はたった一柱にしか目が向いていない。
〝死ねぇぇぇぇ!!〟
自分の真の姿がバレてもも構わないのか
キュゥィィィィン!!
放たれた息吹は帝城の壁を貫通し、強大な熱量と轟音と共にオルステッドがいた辺りのところを灰燼へとさせていく。
『…………』
ティオの息吹が放ち終わると、放たれた場所の惨状に会場にいる全ての者が息を呑む。壁と天井が息吹の勢いで破壊され、下界を嘲笑うかのように空に浮かぶ繊月が見えている。
黒竜になったティオは無言でオルステッドがいた場所を睨みつけている。
───これで、やれたのかと……。
〝……………〟
『流石に同族……そして、クラルスの一族の者がまだこの世にいるとは驚いた』
〝!──グルァッ?!〟
だが現実はティオの期待を裏切り、オルステッドの声が聞こえた途端、ティオの腹部に激しい痛みが伴い苦悶の声を上げながら、横へと倒れる。竜の体ともあって、会場内が大きく揺れる。
すると、どこからかオルステッドの声が響く。
『だが、
声の発声場所が会場の外だと分かり、ハジメ達、ティオ、会場にいる者もすべて、その方向へと視線を転じる。
『────』
思わず、この場にいる者の全てが息を呑んだ。そこには竜がいた。黒い和服を着ていた人間の姿とは違い、白く、月に照らされ神々しく光輝く竜鱗に巨大な白い翼、フリードの相棒である白竜──ウラノスとは遥かに違い上回っている巨大で強靭な体と近付かなくても感じてしまう膨大な魔力、そんな圧倒的な存在感にハジメすらも頬がピリつき、目も見開き冷や汗を流す。
『改めて、挨拶をしよう。下等な人間族共にイレギュラー達よ。儂の名はオルステッド。創獣神であり、
『!』
〝なっ───〟
オルステッドの挨拶と目的をハジメ達は驚愕し、ティオはオルステッドが始まりの竜人という言葉に力の抜けた声を漏らす。
「なっ、おい!ま、待ってくれよ! 我が神よっ。話が違うじゃねぇか! 俺との約束はっ!? 俺をこの世界の王として君臨させ、貴方様の眷属として強大な力を渡すって!」
そう焦った様子で叫ぶのは皇太子のバイアス。ティオの息吹の熱でボーラーの拘束が溶けて緩んでしまったのだろう。拘束から外れて、そのままオルステッドの方へと駆け付けたらしい。
そして、バイアスはオルステッドと交わしていた契約と違うことに異議を申し立てているが、オルステッドの返答は何とも冷酷なものだった。
「なぁっ、なんか言え──『あんな、沢山のヘマをして儂に泥を塗っておいてか?』……ほぇ?」
『小童。儂にどれだけの迷惑と恥を掛けたと思っておる? 貴様が樹海の侵攻の際に
「ひ、ひぃぃ!」
オルステッドの怒号が会場中に響く。バイアスは間抜けな叫びと共にズボンを濡らしながら、腰が抜けたのか後ろに倒れながら崩れ落ちる。その表情は怯えと恐怖に染まり、今にも泣きそうな表情である。
『我が主が楽しみされていた。
「………」
『しかし、貴様を傀儡にするのを選んだのは、紛れもないこの儂。ならば、選んだ傀儡の名誉挽回と共に最後まで使い尽くせる一石二鳥の策を考えた。故に喜べ』
そう口を開くとオルステッドは竜の姿でありながら爪をパチンッと綺麗に鳴らす。突如、バイアスに大きな変化が訪れた。
「グぶォ……ナ、なにこれぇブぇ?!」
バイアスの体が徐々に肥大化していく。至るところから血が噴射し、内蔵が飛び出す。ガハルドに似た鋭い目付きも顔も原型をなくしていく。腹部は大きく膨れていき、魔物のような角や翼が生えていく。歯もギザギザとした牙へと変貌していく。
「あぎゃッ。プギャっ、ナ、なにカが……」
苦悶の声を上げる中、爪が伸び、整った顔付きも段々と醜く変形していく。皮膚から竜鱗が生えるとバイアスを覆い始めていく。バイアスは苦痛や侵食により血をたくさんと吐き出す。
「た、たひゅ……けて……」
その言葉を最後にバイアスだったものは肥大化を停止すると、突然、宙に浮き出す。そして、空へと浮かび上がっていき、地上から五十メートル離れた地点で留まると
『Gdpmjmdpdpdpm/mgd@,',@,W,@w'j!!!』
理解不能の言葉を並びたてながら叫びだしたのだった。
『───』
〝───〟
「──おい、オルステッド。あれは何だ?」
沈黙。この場にいる誰もが、その光景を見て沈黙する中、ハジメがその沈黙を破るようにオルステッドを睨みながら空に浮かぶバイアスだったものを指差すと、オルステッドは苦笑混じりにハジメの言葉に応える。
『アレは自動的に魔力が溜まっていく造りであり、上限値まで達すると強大な魔力爆発を引き起こす生きた要塞兵器。名は
要塞兵器、魔力爆発という言葉に、ハジメ達は驚愕する。そして、ハジメよりも早く声を上げたのは皇帝のガハルドだった。
「爆弾だと!?まさか、帝都にアレを落とす気なのかてめぇ!」
『左様、ガハルド・D・ヘルシャー。言ったであろう? 儂の目的は帝国の消滅。この〝アルマゲドン〟を使えば、ここら一帯は更地と化すだろうよ』
「ん、だとぅ!」
怒りと焦りを含めた叫びに、淡々と話すオルステッドにガハルドは何も出来ない自分の無力さに血が大量に出そうなほと強く奥歯を噛み締める。
「ならよぉ、あの要塞を破壊すれば済むんだろう!」
バシュゥゥゥゥゥ!!
ハジメは〝宝物庫〟から弾倉を取り出して全弾を再装填を完了したオルカンで、アルマゲドンへと狙いを定めミサイル弾を全弾発射する。ミサイル弾はアルマゲドンへと飛んでいき、直撃するかと思われたのだが……刹那、ミサイル弾は破壊……いや、
ミサイル弾が分解されていく光景を見たハジメはその分解に見覚えがあり、眉をひそめながらオルステッドに悪態を吐く。
「ちっ、使徒までも配置してたのかよ」
『ふっ、イレギュラー。貴様なら、すぐさま〝アルマゲドン〟を破壊するだろうと思ってな。配置させて正解じゃった』
オルステッドがそう口をこぼすと、オルステッドの後方から月の光を反射するかのように輝きを放つ銀翼をもった五体の神の使徒が現れる。
「御機嫌よう。イレギュラー、南雲ハジメ」
「貴方に倒されたノイント姉様に代わり私達が」
「我が母の願いの為」
「存在してはいけない貴方を」
「排除、致します」
人形のように感情が籠っていない声音で淡々と冷酷な視線をハジメに向けて話す使徒達。そして、〝銀翼〟をハジメ達へと射出しようとするがオルステッドが腕を横に出し待ったをかけて使徒達の攻撃を中断させる。
「………何の真似ですか。オルステッド様」
『まぁ待て、彼奴等は儂の獲物。それに、木偶の存在が神である儂に口答えとはのぅ』
「………畏まりました。皆、私達は〝アルマゲドン〟の守護にまわりましょう」
攻撃の邪魔をされた使徒の一体がオルステッドを睨みながら苦言を呈すが、流石のオルステッドの言葉に逆らえず従うように他の使徒の指示にまわり、他の使徒達もそれに応えて〝アルマゲドン〟の守護にまわる。
『では、儂も………クラルスの小娘、イレギュラー、下等の人間共よ! 我が息吹を受けてみよ!──〝
その息吹はティオの放つ息吹よりも数倍の熱量が、威力が放たれる。遥かに格が違っていた。会場の壁など熱により一瞬で溶けていき、一気に会場の全てを飲み込んだ。そして、帝城の三割程も灰燼に帰し崩れてしまっている。
『終わっ………いや、そうか、そうじゃったなぁ! 貴様がいたのを忘れておったわ!』
オルステッドは息吹を放った直後、ジッと煙が舞って見えない会場を見詰める。最初は八割方は死んだと思っていたが、オルステッドはある懐かしい魔力を感じ取った瞬間、全員が生きてると確信する。
そうただ、自分の息吹を防ぎ、全員を守れる者なんてオルステッドには一人しか思いつかなかった。
『クリスタ嬢!』
オルステッドがその名を叫ぶ。同時に煙が晴れて、見えたのは会場を全てを包み込む光の大聖堂が会場を包み込む。そして、その大聖堂を展開を可能にする者はただ一人。
「ふぅ………ギリギリセーフ」
「初めてのことだったけど、上手くいって良かったわ」
そう、優花は今もシアの治療を行っている。にも関わらず、会場の全体を覆う程の防御魔法を展開できたのは、四つの聖杭を聖杖へと形態変化させ、魔法の展開の速度を高めたからである。
オルステッドの熱息吹は普通は〝聖絶〟や普通の防御魔法などは到底、耐えれられはしない。そんな息吹を耐えれるのはユエやアレスレベル相当の実力者、そして魔法ではたった一つ。
その名は………
───天性魔法〝
ドーム型の大聖堂を顕現し、全方位からの守護、自分に対して害ある如何なるもの完全に防ぐことができる完全防御魔法。しかし、デメリットも当然ありまずこの魔法自体の魔力消費が激しく、展開する大きさによっても魔力消費量が違う。
『やはり、生きておったかクリスタ嬢。いや、違うな……そうか、エクストラの言う通り力の継承か。まぁ、そんな事はどうでも良い。それに、天性魔法は魔力消費が激しいことを知っておる。故に、お前さんの魔法が何処まで耐えれるか我慢比べといこ────グオゥ?!』
再度、息吹を放とうとするオルステッドだったが、黒い何かが自分へ体当たりをして、息吹の邪魔をされてしまう。そして、邪魔をしたのは当然、
〝グルゥァァァァァ!〟
竜化したティオである。オルステッドに与えられたダメージなど無視して、優花の天性魔法〝聖域〟で防いだ後には、怒りに身を任せてオルステッドへと迫っていたのだ。
〝死ねぇぇぇ! オルステッドォォ!!〟
『ほぅ、クラルスの小娘の分際でこの儂を倒せると思っておるとは片腹痛い!だが、気が変わった!貴様のその眼を見込んで、特別に帝国が消滅するまでの間、儂が相手をしてやろう!』
〝黙れぇぇ!!〟
ティオを挑発するように叫ぶオルステッドはティオと空中戦を広げながら帝城からどんどんと離れていく。
「ちっ、おいティオ!(今のティオの実力じゃ、到底あの野郎に敵わねぇ)」
物凄い速度で帝城から離れていく二体の竜の姿を見たハジメは急いでティオ達を追いかけようと、〝空力〟、〝天歩〟を使おうとした瞬間、
「っ!?」
突如、ハジメへ狙いを定めた銀翼が集中して炸裂する。ハジメは咄嗟に体を大きく逸らし、ドンナーで避けきれないと判断した銀翼を狙い撃ち軌道をずらしていきながら、銀翼を全て回避していくと真上を睨みつける。
「……チッ、クソ木偶の坊共が」
「イレギュラー。貴方の相手は私達です」
一人の使徒がそう言いながら、二つの大剣を取り出す。
「( 今すぐでもティオのところへ向かいてぇのにっ)……クソがぁっ!」
ハジメは悪態を吐く。今、自分が使徒達の相手をしたら、ティオは間違いなく敗けて、最悪の場合死ぬ可能性だってある。
「(ユエに任せる? いや、ユエでも使徒五体の相手はキツイ。優花はシアの治療に他の奴等の守りに専念している)……ユエとの連携で早く倒すしかない」
ハジメは策を捻りだしていくが、焦っているせいか未だに良い策が見当たらず、ユエと二人で早急に使徒達を倒すしかないと考えにしか思いつかない。そうこうしている内に使徒達がハジメに向けて攻撃をしようした時だった。
「───〝綺羅〟」
何処からか声が聞こえた。と、同時に幾千の光の斬撃が使徒達を襲い、使徒達は口元を歪めながら攻撃をするのをやめ、回避に専念していく。ハジメは、その声に覚えがあった。そして、無意識に笑みを零してしまう。来てくれたのだ、この状況を打開する
「クハッ………遅せぇんだよ。アレス!」
使徒達がいる場所と違う上空を見上げて笑うハジメ。その視線の先にはゲートが展開され、そこから神官服を着た青年が現れた。
「すみません。駆け付けるのに遅れてしまいました」
ハジメに謝罪しながら笑みを浮かべる青年。その名はアレス・バーン。史上最強の神官。
「兄様!」
「アレスさん!」
「……アレス!」
「ホントに生きてたんだな。アレス・バーン!」
アレスの登場に、リリアーナ、優花、ユエが嬉しそうに声を上げ、ガハルドはホントにアレスが生きていることに驚きと喜びの声を上げる。
「リリィ、優花殿、ユエ殿。三人には心配をかけました。ガハルド陛下もお久しぶりです」
アレスはそう言いながら申し訳ないという表情をする。すると、上の方からも淡々としている使徒達だが、明らかにアレスが生きてることに驚愕していることがわかった。
「……アレス・バーン。オルステッド様の結界魔法〝
使徒はそう吐き捨てると、銀翼を大きく広げアレスとハジメを見下すように二人を睥睨する。しかし、アレスはどこ吹く風のように使徒を無視してハジメに話し掛ける。
「ハジメ殿。貴方はティオ殿のところへ」
「は? 何を……」
「ティオ殿のことが心配でしょう? 此処は私とユエ殿で相手をします」
「でも、アレス。そんな怪我をしてるのにか?」
ハジメが言うように、アレスの体は限界に近いだろう。怪我は再生魔法で回復しただろうが、服はボロボロに破れ、血など、至るところに付着しており、特に横腹を怪我したのだろう。出血の痕が酷く完治していない。
「ハハハッ。心配ありませんよ。再生魔法で治しましたし、それに私は貴方の
笑いながらそう言うアレス。すると、優花達のところにいたユエも二人に元に駆け寄ると、ハジメにギュッと抱きついた。
「……ん、アレスの言う通り此処は私とアレス、優花の三人で守るから、ハジメはティオのところに向かって」
ユエはそう言って、ハジメの頬に軽くキスをする。ハジメはアレスを、ユエを、そして奥にいる優花を見る。三人の表情は「任せろ」と自分みたいに不敵な笑みを浮かべている。
「お前等。………クハッ、そうかい分かったよ。此処はお前等に任せた。大事な
その言葉に三人は強く頷いた。ハジメも同時に頷き、再度〝空力〟、〝天歩〟を使って空を駆けていく。
「いかせませんよ、イレギュラー!」
使徒達はハジメへと一斉に〝銀翼〟を飛ばしていく。
「させる訳ないでしょう?───〝界穿〟」
呆れたように話しかけるアレスがゲートを展開してハジメに狙っている銀翼を全てをゲートの中に飲み込んでいく。
「っ。アレス・バーン!」
「しかし、こちらだけ目線を向いていても大丈夫ですか?」
「何を──「〝蒼龍〟!」──ッ!?」
言っている?と言いかける寸前に自分達を喰らおうとするかのように顎門をガバッと開く蒼い炎の龍が使徒達を襲う。が、使徒達も高速移動で回避する。
「……ん、流石は神の木偶。渋とい」
「大丈夫ですよ。彼女達は〝ネームド〟でもないですし、私達の相手になりませんよ」
「ん」
そんな会話をしながら、ハジメが使徒達から離れたのを確認するユエとアレスは隣に並び立つ。
「ふざけたことをっ………」
一人の使徒が魔法を放とうと銀翼で魔法陣を形成していく。
しかし、それは………
「
「っ!?」
使徒達へと急迫する二つの聖剣が使徒の魔法陣を粉々に破壊する。使徒はその二つの聖剣に目を見開く。
「まさか、相手が二人だけだと思った?」
その言葉と共に、隣立つ二人に一人の銀髪の天使が傍に駆け寄る。アレスとユエはその天使の姿に笑みを零して頷く。
「残念。三人よ」
優花である。優花はシアの治療が終わったと同時に、聖杭二つを聖剣へと形状変化させて使徒の魔法陣を破壊したのだ。
「……優花はシアは?」
「大丈夫、安心して治療は完璧よ。今は安静して眠っているだけだから」
「……良かった」
ユエは優花からシアの容態を聞いて安堵する。すると、次はアレスが優花へと話し掛けた。
「お疲れ様です。優花殿」
「いや、大丈夫ですよ。それに私よりも大変だったのはアレスさんでしょ?」
「ハハハッ、大丈夫ですよ。これぐらい、それよりもハジメ殿とティオ殿が帰ってくる前にこちらも終わらせましょうか」
「ええ」
「んっ」
三人はジッと上にいる五体の使徒と〝アルマゲドン〟を見詰める。そんな三人を使徒達は冷めた目で見下ろしている。
「何を言うかと思えば」
「後ろにいるお荷物を抱えながら」
「私達に勝とうなど」
「失笑」
「無様を晒しながら」
「「「「「死に絶えなさい!」」」」」
淡々と喋る冷酷な使徒達の言葉。そして、静かなる怒りを感じさせていた。そんな使徒達の言葉に対する三人の返答は……
「「「やってみろ!」」」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
帝国の夜空を〝紅〟が駆け抜けていく。それは、大切な
「ティオっ」
──速く
──速く
──速く!
その想いが増す度にハジメの速度が増していき、閃光へと成していく。しかし、それを阻む者は当然いる。
ハジメに迫ってくるのは竜だった。オルステッドの魔法だろう竜はハジメを喰らうかのように口を大きく開けながら、咆哮を上げる。しかし、
「グルゥゥアッ!!」
「邪魔だ!」
ハジメは邪魔する竜に悪態を吐きながら、〝宝物庫〟からパイルバンカーの杭を取り出すと同時に、竜の口へと魔力を付与させた杭を全力で投擲する。竜は物凄いスピードでコチラへと向ってくる杭に避けきれずに貫通してそのまま絶命する。
しかし、この時のハジメは冷静ではなかったせいか絶命した竜にある魔法が付与されていたことに気付けなかった。
「っ!?」
竜を殺してそのまま駆け抜けようとしたハジメだったが、突如、殺した竜から鎖のようなものが現れハジメに足に絡みつく。
「罠かっ ?!」
気付いた時にはもう遅く、ハジメは鎖を外そうとしている内に竜に刻まれていた魔法が発動する。
『〝獄竜門縛〟──展開』
「なっ───」
その機械的な声音と共に光がハジメを飲み込んだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「───ちっ!」
昏い光が収まり、ハジメはゆっくりと目を開けると自身のいる場所に舌打ちする。
「ここが、オルステッドの言っていた魔法結界……」
ハジメは瞬時に理解する。此処はアレスを封じていであろう魔法結界の同じものだと。そして、自分を逃げる隙を与えないように取り囲む無数の竜達の存在を。
「〝構造把握〟でも、理解できない、か」
ハジメはこの間にも、〝構造把握〟などでこの結界を調べるも、理解不能と判断される。今のハジメでは到底、理解できない魔法構築なのだろう。
───魔法結界は直接、破壊できない。
なら、自分がするべき事はたった一つ………
「……この結界の突破口はコイツ等の殲滅」
ハジメは〝宝物庫〟からオルカン、メツェライを取り出し、装備すると、自分を餌としか見てない竜達を睨みつける。その眼には物凄い重圧を感じさせる。
「クハッ……そんなに俺を喰いてぇのか?」
ハジメはそう吐き捨てながら、体から無意識に紅いスパークが放ちだす。その瞬間、竜達も感じたのだろうハジメが自分達に対する強大な
『……………』
「………」
臨戦態勢をとる竜達。ハジメも紅いスパークを放ちながらも両者沈黙する。
そして………
バシュゥゥゥ!!
「グルァ?───」
開戦の合図かのようにオルカンから放たれたミサイル弾が轟音と共に一体の竜の首から上を吹き飛ばした。吹き飛ばされた竜は首から上が無くなったままドサッと横に倒れて絶命する。
「てめぇ等が俺を喰らうんなら………」
ハジメは淡々と語りながらメツェライの銃口を竜達に向けると、それは獣。奈落に生き抜いた獰猛な獣のように目をギラつかせ、不敵な笑みを竜達に見せつける。
「俺がてめぇ等より早く喰らってやるよ」
ハジメの言葉を合図に、約千の竜達と一人の奈落の化け物の戦いの火蓋がきられたのだった………。
作品名を変えた方が良い?
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そのままで
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変えた方が良い