ありふれた職業で世界最強if優花   作:白San

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投稿、遅れてすいませんm(_ _)m


深淵七話 深淵突破

 

浩介は右手で小太刀を持ち手前に構えながらミレディへと駆け出す。同時に左手で〝宝物庫〟から取り出していた〝紅爆〟を四本取り出すと魔力を注ぐと思いっ切り巨大騎士ゴーレムのミレディの頭部を集中的に狙ってに投げる。

 

浩介が投げた〝紅爆〟は風を切るような速さで飛来し、ミレディの頭部に直撃すると魔法陣が起動し、凄絶な爆音が部屋全体に響き渡りると共に紅の爆発がミレディを襲い、その周りには爆煙が舞う。

 

「あれって、やれたかな?!」

 

「いやまだよ。奈々、私達も向かうよ!」

 

奈々が「浩ちん、ナイスゥ〜!」と喜色を浮かべ、妙子は自分達も浩介の支援しようと呼び掛ける。すると、爆煙が舞う中から赤熱化した右手がボバッと音を立てながら現れると横薙ぎに振り払われ爆煙が吹き散らされる。

 

煙が晴れた奥からは、爆発によっての熱に少し焦げついた鎧が見え、大した損傷ないミレディの姿が現れた。

 

「これは、ハジメンのアーティファクトだね〜。流石の威力〜。でも、まだミレディさんはピンピンだよぉ〜」

 

「じゃあ、これもか?」

 

「っ?!」

 

楽しそうに笑うミレディだが、何処からか浩介の声が聞こえて、気配が察知出来ないことにミレディは辺りを見回し、消えた浩介を探す。

 

「何処に───」

 

「ここだっ。殺取(あやとり)蛇行刃(じゃこうじん)〟!」

 

突然に上から聞こえた声に、咄嗟に上を向くミレディ。そこには落下してくる浩介が見え左手には黒い糸が見える。そして、浩介は左手に巻き付く糸を一つの糸へと纏めると左手を振るう。

 

一筋の黒い糸が真っ直ぐとミレディを襲う。

 

「!」

 

自分に目掛けて放たれた黒い糸に、ヤバイと判断したミレディは顔を守るように右腕で守るように盾にする。そして、浩介の放った黒い糸はミレディの右腕に直撃すると、金属音が鳴ったと同時に右腕の装甲を貫いた。ミレディは装甲が貫通されたことに驚くもすぐに後退する。

 

「ちっ、目を狙ったが防いだか……」

 

「ふぅ〜、危ない危ない。あの爆発は目眩しで、その黒い糸が本命か〜」

 

浩介は、防がれたことに舌打ちをしながら一つの浮遊ブロックへと飛び移る。ミレディは、浩介の攻撃に驚きと称賛を送りながらも浩介に左手に巻き付いている黒い糸に警戒して、ミレディは左腕のフレイル型のモーニングスターを浩介に向かって射出した。しかし、それは投げつけたのではない。予備動作なくいきなりモーニングスターが猛烈な勢いで飛び出したのだ。おそらく、ゴーレム達と同じく重力魔法を使い重力方向を調整して〝落下〟させたのだろう。

 

浩介は、近くの浮遊ブロックに跳躍して一直線へと自分に迫るモーニングスターを躱す。モーニングスターは、浩介がいたブロックを木っ端微塵に破壊しそのまま宙を泳ぐように旋回しつつ、ミレディの手元へと戻る。

 

「危ねぇ、ホントに恐ろしいな重力魔法」

 

「ふふ〜、凄いでしょう。君もその黒い糸もだけど気配を感知させないなんて相当だね」

 

「いや、影が薄いのは自前です………」

 

浩介から放たれた言葉に、シンと部屋全体が静まる。自分が失言してしまったと分かったミレディはデカイ甲冑から「ッスー」と息が漏れると手のひらを合わせ謝るポーズを取って「なんか、ゴメンネ……」と謝罪する。迷宮のボスにあるまじき行動と優しさに浩介の心は少なからずダメージが入る。

 

「……よし! じゃあ、再開しよっか!」

 

「ああ……そう、だな」

 

互いに切り替えるように戦いを再開しようと声を上げるミレディに、浩介も賛同し、胸を抑えながらゆっくりと立ち上がる。

 

「そして、難易度レベルもアップゥ〜!」

 

楽しそうに声を上げるミレディは、指をパチンッと鳴らすと大剣を掲げたまま待機状態だったゴーレム騎士達が、ミレディの声が合図だったかのように一斉に動き出した。通路でそうしたのと同じように、頭をハジメ達に向けて一気に突っ込んでくる。

 

浩介は、〝黒弦〟を使って突っ込んでくるゴーレム騎士達を防ぎ、拘束して切断していく。それの光景を楽しそうに見れていたミレディは全体に聞こえる声音で問い掛けた。

 

「ミレディさんのゴーレム達も動きだしちゃったけど、どうなるかな〜? 勝てるかな〜?」

 

「ハッ、俺も妙子達を舐めて貰っては困るな」

 

ミレディの煽りに対して笑って返す浩介は笑って返す。その表情に何かを感じ不安がよぎる。そして、その不安は突っ込んでいった内の数体ゴーレム騎士達が自分の元へ吹き飛ばされて来たからだ。

 

「嘘?!」

 

浩介以外はあまり危険視していなかったミレディは驚きの声を上げ、妙子と奈々の方へと視線を向ける。そこには、妙子が風の刃を纏わせた(トルネーグ)を振り回して迫りくるゴーレム騎士達を切り刻みながら吹き飛ばしていた。隣では、奈々がくるり身を翻しながら手に持った水瓶をゴーレム騎士達に投げつけ凍結させていく。身動き出来ないゴーレム騎士達は妙子の鞭の餌食となるのだった。

 

「水を使って魔力消費を少なくしている……ユエちゃんから教えて貰った感じかな〜」

 

その光景を見ていたミレディは、二人の戦いを見て此処の迷宮の対策はされていると察し、焦るどころか寧ろ感心していた。

 

「あはは〜、みんなやるねぇ〜。でも総勢三十体の無限に再生する騎士達と私。果たして君達はハジメン達にみたいに見事に捌けるかなぁ〜」

 

嫌味ったらしい口調で、ミレディが再度、浩介を狙って、モーニングスターを射出した。妙子がゴーレム騎士達の対処を奈々に任せ鞭を大きく振るって風の斬撃をモーニングスターを狙って飛ばす。浩介はその場から大きく跳躍する。風の斬撃はモーニングスターを直撃してしまい軌道が少しだがズレる。同時に跳躍した浩介がモーニングスターの鎖へと着地すると、そのまま鎖をつたって行きながらミレディの元へ駆ける。

 

「ふふ〜、それは悪手だね〜」

 

そんな言葉と共に、ミレディは浩介がつたって走っているモーニングスターを大きく揺さぶる。

 

「チッ!」

 

足場を揺らされた浩介は、舌打ちをしながらもミレディの元へと駆けていきながら、〝紅爆〟を取り出してミレディに目掛けて投げ飛ばした。

 

「二度目は効かないよ〜」

 

そして、浩介のやろうとしてたことを予想していたのか、咄嗟に右腕で〝紅爆〟を弾くミレディ。〝紅爆〟は右腕に阻まれ適当な場所で爆発する。そして、逃がさんと言わんばかりに、そのまま右手のヒートナックルを浩介に向かって殴り付ける。

 

「クソッ」

 

浩介は迫りくるヒートナックルを見て、すぐに近くの浮遊ブロックへと跳躍しながら移動していき妙子と奈々がいる浮遊ブロックへと戻る。

 

「浩介、大丈夫?!」

 

「浩ちん!」

 

「危なかったけど、無事だ」

 

心配しながら駆け寄る二人に浩介は大丈夫と伝えると、二人は安堵していた。そんな三人の浮遊ブロックに、遂には、妙子と奈々の二人で捌ききれないほどのゴーレム騎士達が殺到する。

 

「殺取〝螺旋刃(らせんじん)〟!」

 

浩介は、自分の影から〝黒弦〟を生成させる。そして、二人を守るように〝黒弦〟を螺旋状に投げ飛ばす。

 

投げ飛ばされた〝黒弦〟は螺旋状にぐるぐると回りながら大気を飲み込んでいき、一つの竜巻を起こす。襲い来るゴーレム騎士達は竜巻によって加速された漆黒の刃を以て切断し切り刻んんでいく。回避しようとしたゴーレム騎士達も竜巻によって吸い込まれていき、為す術なく切り刻まれていった。

 

瞬く間に三十のゴーレム騎士達が無残な姿を晒しながら空間の底面へと墜落した。時間を経てば、また再構築を終えて戦線に復帰するだろうが、しばらく邪魔が入らなければそれでいい。そう、親玉であるミレディを倒すまで。

 

「わぁ………凄いねそれ。ミレディさんも流石に驚いちゃった」

 

ミレディは、浩介の無双劇に驚愕して喋り方が変わってしまうも、「そうでなくっちゃっ」と呟くと楽しそうな雰囲気を放ちながら言葉を続ける。

 

「なら、更に難易度アップといこっか〜」

 

ミレディは、そう言いながら目が一瞬光ったかと思うと、彼女の頭上の浮遊ブロックが猛烈な勢いで三人へと迫ったのだ。

 

「「「?!」」」

 

「操れるのが騎士だけだと思わないことだよ〜」

 

流石は〝解放者〟の一人であり、七つの神代魔法の内の一つを行使する一人。攻撃がえげつない。ミレディのニヤつく声音を無視して浩介は咄嗟に二人を抱き上げ近くのブロックへと移動する。

 

しかし、この状況は集中的に狙われてマズイと判断した浩介は咄嗟に二人に声を掛けた。

 

「っ………二人共! 散開だ!」

 

「「うん!」」

 

浩介の意図に察した二人も、浩介が煙幕玉を自分の立つ浮遊ブロックに叩きつけて煙が立った瞬間に三人は別々の方向へと駆ける。そして、浩介はどうにか目標の浮遊ブロックに足を掛けた。

 

当然、ミレディは浩介の足場を〝落とそう〟とするが、いつの間にか背後にまわっていた妙子と奈々がミレディを狙い定める。

 

「「させない(よ)!」」

 

妙子は、(トルネーグ)に刻まれた魔法陣に魔力を流して風の刃を形成させ、大蛇の牙がミレディを襲う。奈々も腰から六つの水瓶を取り出して背中目掛けて投げ飛ばす。同時に、詠唱を完了させておいた魔法を解き放ち六つの氷の槍がミレディに向かう。

 

「〝大蛇(オロチ)〟!」

 

「〝氷槍・六連〟!」

 

ミレディは背後からの魔力反応に気付いたようで浩介への攻撃を一旦中止する。

 

「ふふーん、それでミレディさんに効くかな〜?」

 

ミレディは自身の言葉を証明してやるとでも言うように振り返ると同時に、左手に巻き付けたモーニングスターで妙子の〝大蛇〟を弾き返し、奈々の〝氷槍〟は右手のヒートナックルの熱で溶かしていく。

 

「中々のコンビネーションだけどまだまだだね〜」

 

余裕の声で、自分を見上げる妙子と奈々と見下ろすミレディ。そこへ予想外に近い場所から声が掛かる。

 

「だろ。俺達三人(・・)のコンビネーション」

 

「?!」

 

驚愕し、ミレディが慌てて声のした方向に視線を転じれば、そこには、いつの間にか〝黒弦〟でギリギリバレない程度で自分を拘束させた浩介がいた。

 

「い、いつの間ッ────」

 

「俺の影の薄さを舐めんなっ!!」

 

ミレディの驚愕の言葉は、浩介の怒りが混じった叫びによって遮られる。

 

そして、

 

「殺取〝縛弦刃(ばくげんじん)〟!!」

 

浩介が〝黒弦〟を引っ張りながら叫ぶと共にミレディを拘束していた〝黒弦〟の締め付けが段々と増していく。ミレディの動きを封じながら、鎧からはミシミシと何かが軋む音が聞こえ、浩介を既に妙子と奈々の元へと降りながら移動していた。浩介自身も巨大なゴーレム騎士を抑えているのか指からは血が流れ出る。だが、手放さずに最後の仕上げに掛かり、その技の名を呟いた。

 

「〝断爆〟」

 

同時に、浩介は空いた指で弦を弾いて微細な振動を全体に送らせていく。ミシッミシッと軋む音が大きくなる。そして、バキンッと何かが破壊された音が響き、それに続いて〝黒弦〟に巻き付けていた〝宝物庫〟から全て取り出しておいた〝紅爆〟が一斉に爆発する。紅の爆発がミレディを襲い轟音が響き渡る。

 

「……浩ちん、いけた?」

 

「手応えはあったが……」

 

「これで、終わって欲しいけどね」

 

奈々が手応えを聞き、妙子は終わったことを願う。浩介の表情は微妙だ。案の定、両腕が破壊されたままのミレディが、何事もなかったかのように近くの浮遊ブロックを手元に移動させながら、感心を含んだ声で話し掛けてきた。

 

「いやぁ〜、大したもんだねぇ。ちょっとヒヤッとしたちゃった〜。まさか、神代魔法も無しにミレディさんをここまで追い詰めるなんてミレディさん驚いちゃったよぉ〜」

 

三人を褒めるミレディ。だが、そんな彼女の言葉は浩介の耳には入っていなかった。その表情は険しい。なぜなら鎧は全て〝黒弦〟で拘束していた筈だ。なのに破壊されているのは両腕だけで、胸部は装甲だけが剥がれているだけで、奥には漆黒の装甲が見えて、そこには傷が一つもついていなかったからだ。浩介には、その装甲の材質に見覚えがあった。

 

「んぅ〜? やっぱりハジメンの親友だから気付いちゃった? そいえば君とツインテールの子の武器も使われてるからね〜」

 

ミレディは浩介の視線に気がつき、ニヤついた声音で漆黒の装甲を指差す。そして、見透かしたように浩介と妙子の武器の材質に使われていると分かっているミレディに、浩介は表情を歪ませ嫌々しくその鉱石の名を呟いた。

 

「やっぱり、アザンチウムか………」

 

アザンチウム鉱石は、世界最高硬度と靱性を誇る鉱石だとハジメから聞いている。だから、金属をも切断する〝黒弦〟を以てしても傷一つつかないわけである。あのアザンチウム装甲を破るには、今の浩介の魔力を全部〝黒弦〟に注ぐという一か八かの賭けか現在使えない仮面(深淵卿)しか方法がないのである。それに、浩介は自分はもう〝紅爆〟を使い果たしており、奈々の水瓶も残り少ない状況に眉間にシワを寄せた。

 

「ふふ〜。君達はこの難関をどう対処するのかな〜。さぁ難易度を上げていこっかぁ!」

 

ミレディは浮遊ブロックから素材を奪い、両方の腕を繋ぎ合わせて再構築を行うと、モーニングスターを射出しながら、自らも猛然と突撃を開始した。

 

「っ、どうする?!浩介!」

 

「手はあるが……それには、なんとかしてミレディの動きを封じるぞ!」

 

「了解!」

 

火力不足というどうしようもない事情に、妙子は焦った表情で浩介に問う。浩介は一か八かの賭けに出るためにミレディの動きを封じるようにお願いする。その言葉に信用して妙子と奈々は頷くと迫り来るモーニングスターを回避すべく近くの浮遊ブロックに飛び移ろうとする。

 

しかし、

 

「させないよぉ〜」

 

ミレディの気の抜けた声と共に足場にしている浮遊ブロックが高速に回転する。

 

いきなり足場を回転させられバランスを崩す三人。そこへモーニングスターが絶大な威力を以て激突した。三人は、木っ端微塵に砕かれた足場から放り出される。浩介は、ジャラジャラと音を立てながら通り過ぎる鎖にしがみついた。妙子は鞭を使って、奈々と共にどうにか眼下の浮遊ブロックに不時着する。

 

そこへ狙いすましたように、ミレディがヒートナックルを猛然と突っ込んだ。

 

「タエッ───くぅぅ!!」

 

「奈ッ──っう?!」

 

奈々が残り少ない水瓶を消費して咄嗟に〝氷壁〟を造りだして直撃は避けたものの、インパクトの瞬間に発生した強烈な爆発と衝撃に、奈々と妙子は名前をお互いに呼び離さないように手を繋ぎ合うも二人の口から苦悶の声が漏れる。それでも、妙子は奈々を離さないように抱き締め、すれ違い様に(トルネーグ)が放たれる風の刃でミレディの右腕を狙って、一部を切り裂いたが切断までとは行かず、妙子は悔しげな表情で奈々と共に浮遊ブロック表情着地する。

 

「これで仕留め切れないか……二人共やるねぇ〜」

 

感心してるような口調で二人を称賛するミレディ。しかし、今度は逃がさないと言わんばかりにモーニングスターを射出しようとする。が、そこへ黒い影がミレディの真上に現れる。

 

勿論、

 

「終わりだぁ!!」

 

浩介である。ミレディが妙子と奈々の二人を相手している間に〝影潜り〟でミレディの本体にまで移動した浩介はそのまま全魔力を注いだ〝黒弦〟を右手に巻き付けている。

 

「なっ?!」

 

突然、浩介が自分の目の前に現れたことに驚愕の声を上げるミレディ。防ごうと右腕を動かすも、浩介の〝黒弦〟が放たれる方が速かった。

 

「殺取〝絶・蛇行刃〟!!」

 

放たれた全魔力を注いだ〝黒弦〟は、一筋の閃光となってミレディの胸部の装甲へと向かう。浩介もその光景を見ていた二人も貫けると信じていた。

 

しかし……

 

「〝禍天(かてん)〟」

 

ミレディのたったの一言から発動した魔法によって絶望に染まる。放たれた〝黒弦〟は、ミレディが出した漆黒の球体によって方向が狂い完全に速度を落とされ最終的にミレディに届かなかった。

 

「は───」

 

浩介は言葉を失い、目の前の状況が理解できずに声が漏れる。するとミレディから声が掛かる。

 

「びっくりしたよ。私にここまでさせるなんてね。でも、これで終わり」

 

軽くはない。真剣な口調でただ、自分をここまで追い詰めた相手に敬意を以てミレディは浩介に右手を突き出した。浩介は魔力を使い果たしており、避けようとしても上手く体が動けずにそのままミレディの拳が直撃する。

 

「カハッ────」

 

ミレディの右ストレートを直撃した浩介は、喰らった衝撃で肺から空気が吐き出され、声にならない声が漏れる。骨が折れたのか全身の至るところが痛い。意識も遠のいていき、妙子と奈々が何かを叫んでるが何を言っているのか分からない。

 

頭が回らず、目の前も暗くなっていき何も見えない。

 

ただ、これだけ理解できた。

 

「(死んだな俺)」

 

自分の死を………。

 

ただ、謝ろう。こんな自分を信頼してくれた二人の幼なじみに………。

 

「ごめん……二人共」

 

そのまま、浩介の意識は段々と闇の底へと沈んでいった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

《それで、良いのか?》

 

聞き覚えがある声が聞こえ、浩介は目を開けた。

 

そこには、

 

『は?』

 

浩介として、有り得ないのを目にした。

 

『なんで目の前に俺がいるんだよ……』

 

浩介の目の前には浩介(自分)がいた。しかし、その姿は高校の制服を着た浩介であった。

 

『………お前は誰だ?』

 

《ふむ……申し遅れた。我の名は……今は名無し(アンノウン)と呼んでくれたまえ》

 

浩介の問に掛けに流暢な口調で返す制服姿の浩介─改め名無し(アンノウン)。アンノウンはそのまま、話を続けた。

 

《後、君は気になっているだろうから先に答えておこう。まず、この姿は君を真似(・・)ているだけだ。だから、こういう風に君のどんな姿にも私はなれる》

 

アンノウンは姿を小学生、中学生、幼い時の浩介へと変えながら話し続ける。声もその時の声色に合わせてきており、ホントに浩介(自分)が喋っているようで不思議な感覚だ。

 

《そして、この場所だが……普通、君が来れない場所。夢と現実、時間があやふやな世界。名は精神世界(スピリットワールド)と呼ばれている。所謂、生と死の狭間だ》

 

『狭間……そっか。じゃあ、俺はまだ死んでないんだな。よし』

 

アンノウンが突き付けた現実に対して浩介は軽い口調で返しだけで、アンノウンが目を見開いた。

 

《怖くないのか?》

 

『怖い? ああ、昔の俺ならそう思ってたさ』

 

浩介の発言を聞いて、アンノウンは一瞬で浩介の横へと移動して語気を強めながら問い掛けた。

 

《なら、何故?強くもない、力もない弱者のお前なんかが戦いに出て何の意味がある?》

 

『何、簡単だろ? 強くなかったら頼ればいいってことよ。だって、俺には大切な仲間がいるからな』

 

《…………》

 

だが、返ってきたのは呆気なく簡単でシンプルなものだった。浩介の返事に、アンノウンは少し考える素振りを見せると更に問い掛けた。それも強大な圧を放ちながら、

 

《問おう、遠藤浩介。お前は、これからも道化(演者)として、巨大な虚栄を張れるか?虚飾という大罪をこの生涯ずっと背負えるか?》

 

空気が重い。息をするだけで胸が張り裂けそうだ。だが、怯まず浩介は、ジッと目の前の自分(アンノウン)を見詰める。そして、重い口を無理矢理に動かして声を張り上げた。

 

『ああ、良いぜ。背負ってやる! どんな罪も、大切な人達を守れるならよ!!』

 

浩介の決意の叫び。自分の放った圧さえも打ち破って叫ぶ声に、アンノウンは目を見開く。だが、湧き上がった感情は驚きではなかった。それは、喜び(・・)だった。

 

《……フッ、やっと答えを見つけたか》

 

笑って呟くアンノウン。同時に、指をパチンッと鳴らすとアンノウンの奥から木製の扉が現れた。そして、扉の方向に指を差す。

 

《行ってこい》

 

『?』

 

突然のことで驚きを隠せず、呆けている浩介に、アンノウンは溜息を一つすると浩介の後ろへと瞬間移動するとポンッと応援するかのうように背中を押す。

 

《はぁ、だから遠藤浩介。早くお前は現実に戻れ。仲間達が待っているんだろ?》

 

『!、ああ』

 

《なら、進め。お前には、その理由がある》

 

いきなり後ろに回られて驚くも、アンノウンの言葉に頷く浩介はアンノウンに感謝の礼を込めて頭を下げると扉の方へと走り出す。そして、扉へと辿り着きドアノブに手を掛ける時だった。後方のアンノウンに声を掛けられ浩介は後ろを振り向く。すると、アンノウンは浩介が振り向いたと同時に何かを浩介へと投げ渡した。

 

《そうだ。これを、持っていけ。今のお前なら安心して託せれる》

 

アンノウンから投げ渡されたものを片手で掴み取り、見てみるとそれは仮面(・・)だった。それは、普通の人からすれば至って普通の目元を隠すだけの仮面。だが、

 

『………そっか、これは』

 

浩介にはこの仮面が何であるかすぐに理解した。そして、浩介は仮面をギュッと抱き締め「おかえり」と小さく呟いた。

 

浩介は仮面を抱き締めた後、顔に仮面を着ける。身に着けて分かる。心が高鳴り、清々しい気分になる。仮面を着けた浩介は、アンノウンの方へと向き直る。

 

『コレ、アンタが預かってくれてたんだな。ありがとよ。これを渡したってことは、今の俺なら扱えるってことだろ。だから見ていくれ深淵の再来を、な』

 

浩介は笑ってそう感謝を告げると扉を開けて、奥へと進んでいった。

 

その行く道に応援はない。歓声はない。だが、それでいい。

 

だって、それは………

 

───虚飾(・・)の罪を継いだ男が進む道なのだから。

 

 

やがて、浩介の姿は見えなくなり扉は独りでに閉まる。アンノウンはその光景を見詰めながら、その姿をまたも変えていく。しかし、その姿は浩介ではなかった。

 

今のアンノウンは、百八十は優に越えている長身。黒いローブを身に纏い顔は道化の仮面を着けた男の姿であった。

 

《大切な仲間の為か………フッ、彼には私みたいにならないで欲しいな》

 

その言葉は、自分の罪を継いで再び、戦いの場へと向かった。(浩介)に向ける願い。

 

デウス(・・・)クリスタ(・・・・)。また、君達と会いたいな……》

 

そう呟くアンノウンは、昔の思い出を懐かしみながら何も無い灰色の空を見上げるのだった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「浩介ぇえええ!!」

 

「浩ちん!!」

 

妙子と奈々は、浩介がミレディに殴り飛ばされている姿が目に入り、足に力が入らずその場にへたり込み、その現実を受け入れられなくて浩介の名を叫ばずにはいられなかった。

 

しかし、現実は残酷だ。信じたくない事実に、二人の目からは雫が流れ落ちる。すると、上の方から声がした。

 

「うん、彼は相当、頑張った。神代魔法も無しで、このミレディさんをここまで追い詰めたんだ」

 

淡々と話すミレディ。それは、ちゃんとした浩介への称賛と敬意が込められている。妙子と奈々の二人は、ミレディの言葉を睨みながらも、ちゃんと耳に傾けていた。すると、ミレディからある提案された。

 

「だから、君達には、選ばせてあげよう。ここで諦めてくれたら君達二人は生かして地上に送り帰してあげる。でも、まだ戦うという意志があるなら喜んで受けて立とう」

 

それは、慈悲だ。ミレディは冷酷な人間ではない。だから選ばす。逃げるかのを。戦うかのかを。

 

しかし、二人の答えは既に決まっていた。

 

「……逃げる? 嫌よ。私は何としてでも貴女に勝つ!」

 

「私も、貴女に勝って地上に戻る!」

 

二人の意志は変わらない。ミレディ・ライセンに勝ち、自分達の覚悟を証明することを……

 

「………分かった。君達の覚悟を尊重しよう」

 

ミレディは二人の変わらない確固たる意志を受け入れ、それ相応たる攻撃で返す。

 

直後、それは起こった。

 

空間全体が鳴動する。低い地鳴りのような音が響き、天井からパラパラと破片が落ちてくる。いや、破片だけではない。天井そのものが落下しようとしているのだ。

 

「?! っ、まさか!」

 

「察しが良いね。騎士以外は同時に複数を指揮することは出来ないけど、ただ一斉に〝落とす〟だけなら数百単位でいけるからね。さぁ、これを凌げるかな?」

 

淡々と説明するミレディ。しかし、ちゃんと聞ける余裕はない。この空間の壁には幾つのもブロックが敷き詰められているのだが、天井に敷き詰められた数多のブロックの全てが落下しようとしているのだ。一つ一つのブロックが、軽く十トン以上ありそうな巨石である。そんなものが豪雨の如く降ってくるのだ。二人の額に冷たい汗が流れる。

 

「奈々! ドーム状に〝氷壁〟を張って!」

 

「え?! っ、うん!」

 

すぐに身を守る為に指示をだす妙子とそれに応える奈々。奈々はすぐに残りの水瓶を使って自分達を守るようにドーム状の〝氷壁〟を造り上げるのと、天井から巨石郡が降り注ぐのは同時だった。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!! ゴバッ!!

 

天井からブロックが外れ、地響きが鳴り止む代わりに轟音を立てながら自由落下する巨石郡。しかもご丁寧に、ある程度軌道を調整するくらいで出来るそうで妙子達がいる場所へ特に密集して落ちてくる。ミレディは既に壁際に退避していた。

 

「くぅぅ!!」

 

「奈々!」

 

残りの魔力を使って〝氷壁〟を維持する奈々。しかし、そんなのを知らずに〝氷壁〟へと降り注ぐ巨石郡。時間が経つにつれ、奈々の魔力も切れていき、遂には……

 

ピキッ!

 

「「?!」」

 

何かがヒビ割れる音が聞こえ、見てみれば〝氷壁〟の至るところからヒビが入り始めていた。奈々は魔力を注ぐがもう足りない。絶対絶命のその時だった。

 

「遅くなったな二人共」

 

「「え」」

 

聞こえるはずの無い声が聞こえ、声が漏れる二人。と同時に二人を守る〝氷壁〟からガラスが割れる音と共に巨石郡が流れ込んでいくのだった。

 

 

そんな二人の様子を壁際で観察していたミレディの目には、巨石郡によって〝氷壁〟が破壊され、一瞬にして呑み込まれたように見えた。流石に数多の巨石郡には耐えられなかったかと僅かな落胆と共に巨石郡にかけていた〝落下〟を解いた。

 

巨石郡に呑み込まれ地に落ちていた浮遊ブロックが天上の残骸と共に空間全体に散開するように浮かび上がる。

 

「う〜ん。やっぱり無理だったか〜。二人も良い線だったけどな〜。まあ死体は回収して彼の死体と一緒に埋葬してあげよっか」

 

ミレディは、そう呟きながら妙子達の死体を捜す。

 

そして、ふと思う。そうえば、殴って殺した()の死体は何処にいったと。と、その時、

 

「フッ、いつ我が死んだと錯覚していた?」

 

「えっ?」

 

聞き覚えのある声が響いた。漆黒の姿に、見たことのないサングラスを身に着けた殴り殺した筈の少年、そう、浩介だ。驚愕と僅かな喜色を滲ませた声を上げて背後を振り返るミレディ。そこには、以前よりも魔力の質が向上しており、謎にターンを決めながら五体満足の浩介が、浮遊ブロックと浮遊ブロックの間に繋げたワイヤーの上で立ちながらミレディを見下ろす姿があった。

 

「ど、どうやって……」

 

巨石郡で呑み込まれた二人よりも確かに殺したと確信していた浩介が、目の前にいることに思わず疑問の声を上げるミレディ。そんな彼女に、浩介は、サングラスをクイッと上げると声高らかに叫ぶ。

 

「フッ、我に不可能という文字無し! 我が深淵は闇を纏い悪を断つ! 死の淵から再演せし我が名を闇の貴公子!」

 

「へ?」

 

「さぁ、皆さん!ご唱和下さい!我の名を!深淵卿!コウスケ・E・アビィィゥスゲェェィート!!」

 

「「イエェス!、アビィィッスゲェェェイッートッ!!」」

 

「へ?!」

 

浩介、否、アビスゲートの高らかな自己紹介に続いて二人の声が追従して「アビスゲート」の名を叫ぶ声が聞こえ、困惑する中、ミレディは声のした方向へ視線を転じると一人はウッキウッキで、一人は恥ずかしそうにしている二人の少女の姿が見えた。

 

「嘘ォ、二人も?!」

 

またもや、死んだと思っていた人物が生存していることに驚きの声を上げるミレディ。そう、妙子達もアビスゲートの〝影潜り〟で巨石郡を切り抜けていたのだ。しかし、アビスゲートはこの試練の後は二人に叱られるのは確定事項である。

 

「ふふ、アハハッ!最高! まさか全員生存なんてミレディさん驚いちゃったよ!特に君。絶対に殴り飛ばして内蔵とかぐちゃぐちゃの筈なのに……」

 

だが、そんな状況であるのに、自分を欺けた三人に喜びが抑えられなく笑みを零してしまうミレディ。しかし、自分が絶対に殴り殺した筈のアビスゲートが生きてることには一番驚いていた。アビスゲートはミレディの問い掛けに素直に答えた。

 

「そうだな。我は其方の言う通り死の淵にいた。だが!我は深淵卿!不死鳥の如き我は何度も舞い降りる!!故に不死身だ!!」

 

「えっ、ちょっとミレディさん。着いて来れないなぁ〜」

 

アビスゲートのテンションに着いてこれず、少し引き気味になっている。だが、アビスゲートも今はいつもよりも興奮状態(ハイ)である。そして、それは浩介の〝深淵卿〟が復活したと同時に発現した新技能に理由があった。

その名は……

 

───深淵突破(アビス・バースト)

 

限界突破と似た能力であり、ステータスが倍加する能力であるのだが、普通の〝限界突破〟と違い〝深淵突破〟はアビスゲートの深度。つまり厨二心が深くなっていくほどステータスが倍化する。

 

 

そんなトンデモ技能(チート)が発現し、それに加えアビスゲートは今、興奮状態(ハイ)のせいで、極度の超集中状態(ゾーン)に入っており、今の深度はⅤ。つまりステータスが五倍の状態なのである。

 

「解放者ミレディ・ライセンよ! 故にこの勝負、我が勝利する!!」

 

「………」

 

クルリとバク転をしながらターンを決めて宣戦布告するアビスゲートに、ミレディは無言になる。しかし内心は、喜びに満ち溢れていた。故に、その宣戦布告を嬉々と受け取った。

 

「………上等」

 

両者、互いに見つめ合う。そして短い静寂が訪れた。

 

そして、

 

深淵演舞(アビス・ロンド)!」

 

先に動いたのはアビスゲートだった。一瞬にミレディの左腕へと移動すると、自分自身をコマのように回転させながら左腕を切りつけていく。

 

「っ、このぉ!!」

 

ミレディは勢いよく左腕を振り回して、アビスゲートを引き離すと傍にある浮遊ブロックをアビスゲートへと集中的に〝落下〟させていく。

 

「On My Way !!」

 

しかし、アビスゲートは英語を叫びながら難なく〝落下〟してくる浮遊ブロックを避けて足場にしていく。そして、足場にした瞬間に出来た影から〝黒弦〟を取り出す。

 

そして、ミレディの上にまで到達すると〝黒弦〟を爪のように纏わせてから漆黒の爪をミレディへと振るう。

 

深淵殺取(アビス・コード)深淵暗駆(しんえんあんく)〟!」

 

「くぅっ───って嘘?!」

 

迫りくる爪にミレディは両腕を交差させて防御するも、一瞬で鉄屑へと変えさせる。ヤバイと判断したミレディは咄嗟に腕を捨てて後退してアビスゲートの漆黒の爪を避ける。

 

だが、アビスゲートもすぐに〝黒弦〟を使って浮遊ブロックを利用して方向転換するとミレディへと駆ける。だが、ミレディも負けては要られない。更に多くの浮遊ブロックをアビスゲートへと〝落下〟させる。

 

「無駄だ。〝深淵分身(アビス・イリュージョン)〟!!」

 

多くの浮遊ブロックが迫る中、アビスゲートは、そのまま速度を緩めずに分身を創り出した。それも何時もよりも多い人数だ。なんと、その数十人。

 

「ええ?!増えたぁ?!」

 

「行くぞ我達よ!」

 

『応!!』

 

驚きの声を上げるミレディを気にする暇も無く、分身達と共に迫りくる浮遊ブロックを対処していくアビスゲート達。其処にターンは欠かさずに決めていく。

 

そして、十人のアビスゲート達は一斉に〝黒弦〟を螺旋状に投げ飛ばす。

 

『殺取〝螺旋刃・十連〟!!』

 

強大な刃を持った十の漆黒の竜巻が、前方の障害の全てを無に帰していく。一瞬で、〝落下〟させた浮遊ブロックが木っ端微塵にされたのを見て、ヤバイと判断して退避しようするミレディ。

 

「これは、ヤバ───っ?!」

 

ミレディが退避しようとした時、胴体に何かに縛りつけられ、身動きが取れなくなる。視線を辿れば、鞭で縛りつけて足止めをする妙子と奈々の二人の姿が見えた。

 

「っ、このぉ!」

 

「フフっ、逃がすわけないでしょ!」

 

「浩ちん、やっちゃって!」

 

二人は、残り少ない体力と気力で巨大な騎士をその場に留めさせている。しかし、ミレディも一筋縄ではいかない。精密な重力操作で縛りつく鞭をくぐり抜けた。

 

しかし、

 

「これで終わりだミレディ・ライセン」

 

「っ!」

 

身動きが取れるようになったミレディより、アビスゲート達の方がミレディの元へと辿り着く方が早かった。

 

アビスゲート達から、夜空のような色の魔力が体全体から放たれていく。そして、その魔力の奔流は〝黒弦〟へと集中していき、綺麗な夜空の糸へと変化した。

 

「深淵奥義〝影色舞(シルエットダンス)〟」

 

その技名と共に、夜空に流れる流星の如く降り注ぐ夜空の閃光達がミレディを切り裂いいく。その閃光は、胸部のアザンチウムの装甲までも傷付けていく。

 

アザンチウムは最高硬度の鉱石であり、普通は傷付くことなんて滅多にない。しかし、浩介(アビスゲート)が扱う〝黒弦〟は注ぐ魔力によってその硬度も鋭さも変化する。そして、それはアザンチウム鉱石と同等の硬度と打ち破る鋭さにもなる訳だ。

 

キィィィィンと金属音がぶつかり合う音が部屋全体に響き渡る。それと同時に、ミレディの装甲が段々とヒビ割れていきバキンッと砕かれた音と共にミレディの装甲は破壊され核が完全に剥き出しになる。

 

「チェックメイトだ!」

 

そして、本体であろうアビスゲートがミレディの破壊された胸部へと侵入して、勝利の宣言を上げながら、ゴーレムの核を手に持っていた小太刀で思いっ切り、全身全霊、全力全開。残りの自分の全てを使って核へと突き刺した。先端が僅かにめり込み、ピシッという音を響かせながら核に亀裂が入っていく。そして、段々と核の亀裂が押し広がっていき………

 

遂に完全に粉砕した。

 

「………おめでとう。君達の勝利だ」

 

ライセン大迷宮、最後の試練は浩介達の勝利と解放者ミレディ・ライセンの激励と共に終わりを告げるのだった……。

 

 

 




浩介の新技能──〝深淵突破〟

浩介だけの限界突破。深淵卿の深度によってステータスが倍化される。



次回で深淵卿編は終了です( *¯ ꒳¯*)

七章の後にステータス紹介したほうがいい?

  • したほうがいい
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