ありふれた職業で世界最強if優花   作:白San

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皆さん、お久しぶりです(*^^*)

やっと、話的に百話に到達です( *¯ ꒳¯*)


八章 大巨樹迷宮ハルツィナ〜機神への鍵〜
百二話 艦内にて


 

奇妙な光景があった。

 

何百人もの亜人が、揃って自分の頬をつねったり、張り手をしたり、あるいは空の彼方(かなた)へ遠い目を向けたりしているのだ。現実逃避気味の彼等の耳には轟々と唸る風が響き、その視界には雲海が、そして、その狭間にある流線と化した地上が映っていた。

 

そう、彼等は現在、空の上にいるのである。

 

───飛空艇フェルニル

ハジメが製作した重力制御式の飛行用アーティファクト。その船底に外付けされた超大型のゴンドラに彼等は搭乗していた。

 

亜人達が、トータス世界において歴史上初となる航空機に搭乗している理由は、歴史上初、というより前代未聞の大事件の一つ──後に〝ハウリアの乱〟と呼ばれる奴隷解放騒動。そして、ハウリアの乱をも含め、帝城、帝都すらも巻き込んだ歴史に名が残るであろう一夜の大事件

 

───〝帝国事変〟などと呼ばれ、トータスの歴史に深く刻まれるであろう大事件。

 

シアの実父であるカムに率いられたハウリア族が反旗を翻し、一夜にして帝城を落としたのだが、それに合わせたように帝国に現れたのはティオの仇であり五神の一柱

 

〝創獣神オルステッド〟

 

オルステッドは、帝国の皇太子のバイアスを化け物に変えると、五体の神の使徒と共に帝国を滅ぼそうとしたが、そこに居合わせたハジメ達一行の活躍によって使徒達は倒され、神の一柱であるオルステッドを退けたことで、帝国の危機は回避された。そして、ハウリアに負けた帝国は全奴隷を解放させ、現在、亜人族の故郷である【ハルツィナ大樹海】への帰路の途中であるというわけである。

 

なお、樹海には空間転移用アーティファクト〝ゲートホール〟が設置されているため、やろうと思えば一瞬で樹海まで亜人達を送ることが可能だったが、わざわざ帝都近郊にフェルニルを着陸させ、見せつけるかのように亜人達を乗せて飛び立ったのは演出のためだ。

 

要するに〝亜人奴隷の解放は神のご意思である!〟という帝国民の人々への説明に対するダメ押しである。空を飛ぶ巨大な物体に導かれて故郷に帰るという光景には、帝都の人々もさぞかし度肝を抜かれたに違いない。もちろん、〝神の意思〟とは建前だ。全ては奴隷制度を廃止の納得のため。「だいたい、困ったときはクソ神のせいにしとけ」のハジメの普通ならバチ当たりな発想だった。

 

さて、そんなわけで数千人の亜人達を乗せ、樹海への帰路の途中にあるフェルニルだが、その驚異的な運搬能力の代償に、操縦者は結構な負担を強いられていた。

 

「あ〜〜〜〜」

 

艦橋にあるベッドに変形出来るソファーで、物凄く(だる)そうな声を漏らしているのは怪我がだいぶ回復に至ったハジメである。しかし、戦いの疲労がまだ十分に抜けてないせいかソファーをベッドに変形させて寝そべる姿でだらけきっている。その姿は手足も投げ出し、体を大の字になって、ぼけぇ〜としている。だが、うっすらと紅い魔力を纏っているので、だらけているわけではなく、今この瞬間も魔力をガリガリと消費しながら操縦していることが分かる。

 

実際、重量に比例して魔力消費量と操縦頻度も上がるので、今のハジメには余裕がないくらいだ。なのだが、この気怠そうな有様に、美少女達(・・・・)が追加されると、途端に傲慢の体現者のように見えるから不思議である。

 

「……おいおい。皇帝を前に随分な態度じゃねぇか、南雲ハジメ」

 

艦橋の扉をウィンと開けて入ってきた【ヘルシャー帝国】皇帝陛下──ガハルド・D・ヘルシャーが、呆れと怒りの半々のジト目をハジメへ向けた。そう、左右にティオとシアを、優花は微笑みながらハジメの頭を自分の膝に乗せて膝枕を、嬉しそうに目を細めて胸元に顔を埋めるユエを、侍らせ、ふんぞり返るハーレム野郎にしか見えないハジメへ。

 

疲れ気味なハジメを気遣ってか、優花は膝枕しながら癒しの魔法をかけ、他の三人も密着状態だ。一昨日に神の一柱と戦っていたのに、今は莫大な魔力消費に耐えつつ、操縦に集中し、更には魔力操作の訓練までしているハジメは、本当に真面目で頑張っている努力の人なのだが……

 

悲しいかな。ガハルドのみならず、この場にいるほとんど者達にも、強さへのひたむきな内面は魔力の流れを感じて頷くアレスぐらいにしか伝わってないようだった。

 

「うらやま──ゴホンっ。ふしだらですよ、ハジメさん」

 

「リリアーナ様、本音が駄々漏れで御座います」

 

「リリィも混ざったら──「ヘタレな兄様は黙って下さい」……はい

 

苦言(?)を呈したのは【ハイリヒ王国】の王女──リリアーナ・S・B・ハイリヒ。そして、的確にツッコミを入れるのは専属侍女のヘリーナ。隣に、妹分を応援しようとするが、余計な迷惑で的確に心にダメージが来る言葉を言い返され黙らされたのは元王国最強の神官であり、今はハジメの仲間の一人のアレス・バーンである。

 

リリアーナ達、王国側の一行が同乗しているのは、ひとえにガハルドの宣誓を見届けるためだ。先の〝帝城落とし〟は〝フェアベルゲンと帝国〟の戦争であるため、ちゃんと改めて【フェアベルゲン】へと赴いて最高意思決定機関である長老衆に、皇帝として誓約する必要があった。ハウリアの族長であるカムの要求で。

 

因みにこの場には他にも、天之川光輝、坂上龍太郎、八重樫雫に谷口鈴がいる。

 

そして、彼等もハジメの光景を見て、リリアーナと同じように「疲労してるのが分かるが、自重してもいいと思う」と言葉を投げかけて来るので、ハジメは胸元に顔を埋めるユエの頭を撫でつつ膝の上に乗せ、面倒くさそに起き上がると話題の転換に図った。

 

「ガハルド。艦内の探索はもう終わったのか?」

 

「おう。本当にとんでもない代物だな。何故、こんな金属の塊が飛ぶのかさっぱり分からん。だが、最高に面白いな! おい、南雲ハジメ。俺用に一機用意してくれ。良い値で払うぞ」

 

対面の普通のソファーにドガッと座り、キラキラと好奇心を輝かせた瞳を向けるガハルド。ハジメは面倒そうな表情を隠しもしない。

 

「金なんか要らねぇっての。今は今後の事を考えとけよ。乗るのは今回限りかもしれねぇし、せいぜい今の内に堪能しとけ」

 

「おいおい、そう言うなよ。な? 一機だけ小さいのでいいんだ」

 

「今は面倒くさいし、無駄に労力を使いたくねぇんだよ」

 

「ぬぐぅ、金がダメなら女だ! 娘の一人に丁度いい年の奴がいる。トレイシーというんだが、ちょっと戦闘狂の気があるだけで上玉だぞ?お前のハーレムに加えてやるから、な? いいだろう?」

 

どうやらガハルドは、ハジメを無類の女好きと思っているらしい。今の状況的に否定できないのが悲しいところだ。

 

とはいえ、戦闘狂な王女様を押し付けられても困るだけだし、オルステッドとの戦闘での疲労とフェルニルの操縦で上手く頭が回らないので適当に返そうとしたハジメだったが、それより早く女性陣が反応する。

 

聖櫃(アーク)しますよ?」

 

「……雷龍する?」

 

「ぶっ潰しますよ?」

 

息吹(ブレス)するぞ?」

 

「陛下と南雲君を一緒にしないでください」

 

「ダメで〜す!絶対ダメです!私を差し置いて!」等々。

 

ハジメは肩を竦めながら笑みを零して言った。

 

「クハッ……そういうことらしい」

 

「チッ、見せつけやがって……ん? 今、リリアーナ姫も反応しなかったか?」

 

ガハルドがやさぐれたように舌打ちし、そして不意に気が付いてリリアーナへ視線を向けた。それに釣られて他のメンバーもリリアーナに目を向ける。若干、二名の侍女と兄貴分が面白そうに目を向けているが。

 

「へ? い、いやですわ〜、ガハルド陛下。聞き間違いではないでしょうか?」

 

「ククッ。そう言えば、パーティーでもバイアスはそっちのけで大変嬉しそうに踊っていたな。おいおい、南雲ハジメ。お前、ちょっと手が早すぎないか?流石の俺でも呆れちまうぞ」

 

「にゃにゃにゃにを言っているのですか!わ、私とハジメさんは断じてそんな関──「でも、リリアーナ様。ハジメ様が重症で運ばれた時に大泣きしてましたよね?」──!ヘリィーーーナァ?!」

 

なんとか誤魔化そうとするも、その表情は満更でもない。それに何故か侍女からの追撃に叫ぶリリアーナ。それを見て、次にガハルドはハジメへと目を向けて言葉を投げかける。

 

「そっちは、どうだよ南雲ハジメ?」

 

一瞬、沈黙が続く。その間に艦内全ての視線がハジメへと向く。それを見たハジメは溜息を吐く。

 

「俺が落とした云々はまぁどう捉えても良いが……リリィは婚約者は死んだが、形式上でまだ人妻だ。それに皇族との婚姻ってのがなくなったわけでもねぇだろ?」

 

そう真面目に答えるハジメ。言い訳だと思われそうだが、言っていることは正しいし、リリアーナのことを想って言っているのだ。誰もがハジメの言葉に息を呑む中、若干二名ほど何か言いたそうな表情だ。

 

「あ〜、それなのですが……」

 

その一人である言葉を詰まらせるリリアーナに代わって、もう一人の苦虫を噛み潰したような表情をするガハルドが答えた。

 

「正直、一族は今、それどころじゃねぇんだよ。何せ神の介入のせいで帝都も城も被害が大きい。城なんか半壊状態だ。後、この外せば死ぬ呪いの首飾りを一生つけてなきゃいけないなんて、とんでもない事態への対処で手一杯だからな」

 

そう言うガハルドの首には、確かに紅い宝石のついたネックレスがつけられている。

 

───アーティファクト〝誓約の首輪〟

 

魂魄魔法を組み合わせて、口にした誓約を魂レベルで遵守させる首輪だ。首輪を外しても、誓約を違えても、その時点で発狂して死ぬという、恐ろしいアーティファクトである。

 

「誓約の内容からすると、皇族以外の誰かが約定に背いても、皇族も〝法に則って裁く〟限り命繋がるだろうが、言ってみれば、国民に命握られているのと変わらねぇからな。取締体制の抜本的な改革と、確実に執行される厳罰の体制。それに、帝都以外の町にいる奴隷の解放の手続きと法の周知徹底……誰も彼も必死なんだよ」

 

ガハルドはシートの背もたれに深々と背を預けながら、「参った」とでも言うようにガシガシと頭を掻いた。

 

「いつ死ぬか分からない夫に、王国の姫を嫁がせるわけにはいかないと言われれば全く反論できん。しかも、奴隷解放のせいで労働力はガタ落ちだ。演説した帝都はともかく、他の町は騒動が確実。その辺の対応と鎮圧にも人手を割かなきゃならんから、正直、帝国が王国に(・・・・・・)援助を頼みたいって状況だ」

 

「なるほどな。つまりリリィの輿入れは白紙撤回ってことか」

 

「まぁ、そういうことだ。状況が落ち着いて、皇族の命が一応でも保証されれば、改めて、今度はこちらからランデル殿下から娘を嫁がせる、という形がベターだろう」

 

ガハルドの説明に、その場の全員が「へぇ〜」と納得の表情を見せる。ちなみに皇族の一人が「そんな、馬鹿な話があるか! 俺は首飾りを外すぞ!」と喚いて本当に首飾りを外してしまい、案の定、発狂して暴れ回った挙句、糸が切れたように絶命した事実があり、これが皇族を必死にさせている原因だったりする。

 

「良かったじゃないか!リリィ!」

 

「ホントね。自由恋愛……というのは無理かもしれないけど、取り敢えず、時間は出来たわ」

 

「うんうん!リリィ、良かったね!」

 

「良かったじゃねぇか!リリィ!」

 

光輝、雫、鈴、龍太郎が口々に「良かった!」と言えば、優花は勿論、ユエ達まで「婚約白紙撤回おめでとう!」と祝福の言葉を贈った。

 

「ど、どうも」

 

リリアーナは少々視線を泳がせつつ、もごもごと返礼する。目の前に嫁ぎ先の親かつ皇帝陛下がいる上に、当の婚約者は巨大な竜の怪物へと成り果て、アレスによって倒されているので非常に気まずい。

 

とはいえ、自分を暴行しようとした挙句、人間側を裏切って神の傀儡となっていた輩と縁が切れたのは素直に嬉しいらしく、感情を隠すのが上手なリリアーナをして、珍しく本音が瞳の輝きとなって表れていた。

 

これには流石に、ガハルドは苦笑いし、アレスは微笑んでいた。

 

「まぁ、なんだ。そういうわけで、今ならリリアーナ姫はフリーだ。南雲ハジメ。欲しけりゃ、皇帝の権力をフル活用して協力するぞ?」

 

「なっ?! 陛下! 何を言っておられるのですか! わ、私は……」

 

リリアーナ、激しく動揺。傍らのヘリーナが「姫様! チャンスでございます!このままハジメ様に突撃を!」と力説している。彼女だって隣にいる想い人の前では奥手な癖に……

 

優花と「アハハ……」乾いた笑みと、ユエ達のジト目にも気付かない様子で、リリアーナはハジメをチラ見する。頬を染め、もじもじながら中々のあざとさを見せ付ける。

 

それを見るハジメは苦笑いを零していると、ヘリーナの隣にいたアレスがガハルドへ口を開く。

 

「そうですよ、ガハルド陛下。そんな見返りが欲しいという魂胆が丸見えですよ」

 

「おう、アレス。てめぇ、何が言いてぇ?」

 

「いえ、ただ変に首を突っ込むなってことです」

 

ガハルドがアレスの言葉を聞いて、目を細める。正にここで殺し合いが起きそうな雰囲気だ。この場にいるハジメ達以外の者はギョッとして止めに入ろうとするが、二人は無視して話す。

 

「見ない内に、言うようになったじゃねぇか、あ?」

 

「ハハッ、そんな喧嘩腰にならなくても陛下」

 

睨みながら言葉を投げかけるガハルドに、アレスは軽く流して受け応えをしている。

 

「しかし、王国最強と呼ばれるアレス・バーンが丸くなったもんだ」

 

「いえ、私は単に可愛い妹の後押しがしたいだけですよ」

 

そう笑って答えたアレスは、リリアーナの方へと振り返る。微笑みながら声をかける。

 

「リリィ」

 

「……兄様」

 

「王女とか関係無い。今は、リリアーナという少女として振舞っていれば良いのですよ。これは貴女の兄としての言葉です」

 

「……はいっ」

 

リリアーナは迷うのを辞めた。

 

周りを見れば、光輝や雫達も若干一人、不服そうにしてるも、ガハルドもやれやれといった感じで呆れながらも、大切な侍女のヘリーナも本当に兄みたいにいてくれるアレスも皆が笑って背中を押してくれた。

 

だから、進む。進むんだリリアーナ・SB・ハイリヒの気持ちを彼の元へと──。

 

リリアーナはハジメの元へと近寄る。その表情はいつもにまして真剣な表情だ。ハジメも優花達を一旦、離れさせて彼女に応えるかのように笑顔ながらも態度は目は真剣だ。

 

「ハジメさん」

 

「おう」

 

「私は、貴方と話せて楽しかった」

───彼の声を聞く度に、胸の鼓動が早くなるのが初めてなことだった。

 

「貴方が怪物と戦って迷宮に落ちてたと聞いて泣きそうになった」

───彼ともう会えないかと思って胸が張り裂けそうで流れ出る涙を止められなかった。

 

「貴方と再会できて嬉しかった」

───彼の顔、そして声が聞いた途端、嬉しくて堪らなかった。

 

「貴方は私を救ってくれた」

───望んでなかったことを、襲われそうになったところを彼は物語の王子様のうように救ってくれた。

 

ポツリポツリとハジメとの短くても自分にとって大切な思い出を簡潔的で嬉しそうに話すリリアーナ。

 

そして、

 

「私は、最初にこの胸の鼓動がなんのか分かりませんでした。……ですが、今なら分かります。これが初恋(・・)だと恋をしていたと」

 

だから、

 

「ハジメさん、私は貴方のことが大好きです!愛しています!貴方には大事な人(優花達)がいるのは分かっています」

 

恐い。もし、フラれるてしまうという恐怖がリリアーナに襲う。でも彼女は恐れずに、ハジメの目を見る。

 

「それでも、私は貴方の傍にいたい!貴方を支えたいんです!ハジメさんが大好きなんです!!」

 

これほど初めて人の前で本心を伝えたリリアーナは、恥ずかしさと心臓がバクバクと鳴ってしまって、顔が赤くなって息が荒くなっている。

 

「………」

 

リリアーナの本心を聞いたハジメは数秒、目を瞑る。そして、ゆっくりと目を開けてリリアーナを見てから彼女を呼ぶ。

 

「リリィ」

 

「はい」

 

「俺は、優花達を愛している」

 

「……承知してます」

 

「……だが、リリィの気持ちもよく理解した」

 

ハジメはそう言い切って、まだ全快しきれてない体でフラフラとリリアーナの傍まで歩み寄ると彼女の前で片膝を突く。リリアーナは突然のことで驚いてしまって固まっているがハジメは関係無く自分の想いを伝えた。

 

「リリィが良いのなら、そして……」

 

ハジメはフッと後ろへ振り返り恋人達を見る。四人共、しょうがないなぁーといった感じの表情で微笑んでるのを見て、ハジメも「クハッ……」と笑みを零すと、リリアーナの方へ再度、振り返った。

 

「俺は異存は無い」

 

「え、じゃあ……」

 

「あぁ──」

 

ハジメが立ち上がる。そして、リリアーナの顎を持って、そのまま───

 

「──ぁ」

 

時が止まった気がした。

 

自分の唇に感覚がした。それも温かい。

 

そして、周りの人達の表情を見て、やっとリリアーナはハジメとキスをしてることに気付いた。

 

十秒ほど時間が流れお互いの唇が離れると、ハジメはそのまま、リリィを抱きしめた。

 

「これが俺の答えだ。必ず絶対に幸せにする約束する」

 

「……はぃ」

 

真剣な面持ちのハジメの言葉に、嬉しそうにリリアーナは応える。

 

涙はもう流れない。

 

───だって、願いは叶ったから。

 

リリアーナは自分を抱きしめてくれている彼の温もりを感じながら、これから共にする彼との抱擁の一時を楽しむのであった……。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ーオマケー

 

リリアーナがハジメのハーレムに加入して、艦内は祝福の拍手が鳴る特にどっかの兄と侍女から、

 

「リリィ、おめでとう」

 

「おめでとうございます、リリアーナ様!このヘリーナ感激です」

 

「兄様、ヘリーナ」

 

慕う兄と侍女からの祝福に、リリアーナは笑みを零す。すると、突然ハジメはリリアーナを抱き上げお姫様抱っこをする。

 

「えっ、ちょっ、ハジメさん?!」

 

「すまん、やっぱり疲労と魔力消費がえげつねぇからベッドに戻る」

 

「へ?あ、ちょっ!」

 

ハジメはそう言って、リリアーナお姫様抱っこしながらベッドに戻ると仰向けになって倒れ込んだ。リリアーナはハジメの膝上に座らせて貰っている。

 

「あ、ハジ──」

 

「リリィ」

 

ハジメを呼ぼうとしたら、声をかけられ顔を上げると優花達がいた。少しドキッとリリアーナの心臓が跳ね上がる。

 

「ゆ、優花……」

 

「ふふ、そんなに畏まらなくていいわよ」

 

オドオドするリリアーナに、優花は優しく声をかけてくれる。しかし、リリアーナは彼女に聞きたいことがあった。

 

「あの、優花は良いんですか?私が入っても」

 

「ええ、大丈夫よ。それに、この先もなんか増えそうな気がするし……この女タラシはね」

 

そう言って、優花ハジメの頭を撫でる。傍にいるユエ達もウンウンと頷いており、リリアーナの疑問は野暮だったようだ。

 

「だから、ね。リリィ、これからも宜しくね」

 

「はい!」

 

二人は微笑む。勿論、傍にいるユエ達もリリアーナを事を認めているらしく、一緒にハジメの体にギュッと密着する。

 

それを見ていた艦内にいる者達は……

 

ガハルドは、

 

「ケッ、とことんハーレム野郎だな」

 

と、うざったそうな表情をしてソファーの背もたれに全体重を預けて溜息を吐いて座っていた。

 

 

光輝達は、

 

「リリィ、良かったわね」

 

「うん!凄い幸せそうな顔だもん!」

 

「だな!な、光輝!」

 

「あ、あぁ………これが、俺と南雲の違いなのか?

 

と、若干一名以外はちゃんと祝福していた。

 

 

アレスとヘリーナは、

 

「良かったですね、ね?ヘリーナ」

 

「ええ、どっかのヘタレと違ってですね」

 

「?ヘタレって誰のことです?」

 

「………バカ

 

と、そんな会話を広げていた。ちなみに、こちらの関係はまだ、進展は無さそうだ。

 

そんな艦内での出来事がありながらもフェルニルは着々と【フェアベルゲン】へと進んでいくのてあった……。

七章の後にステータス紹介したほうがいい?

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