ありふれた職業で世界最強if優花   作:白San

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クラスメイトside3 帝国と勇者達

 

──時間は少し戻る。

 

ハジメがヒュドラとの死闘を制し終えた頃、勇者一行は、半層の主と呼ばれる魔物〝ベヒモス〟を討伐したということで一時、迷宮攻略を中断しハイリヒ王国に戻って来ていた。

 

今回の【オルクス大迷宮】攻略で、王国の歴史上の最高記録である六十五層が突破されたという事実をもって帝国側も光輝達に興味を持つに至り、帝国側から是非会ってみたいという知らせが来たのだ。王国側も聖教教会も、いい時期だと了承したのである。

 

そんな話を帰りの馬車の中でツラツラとメルドに教えられながら、光輝達は王宮に帰還を果たした。

 

馬車が王宮に入り、全員が降車すると王宮の方から一人の少年が駆けて来るのが見えた。十歳位の金髪碧眼の美少年である。光輝と似た雰囲気を持つが、ずっとやんちゃそうだ。その正体はハイリヒ王国王子ランデル・S・B・ハイリヒである。

彼は意中の人物がいるのを視認すると、まるで主人の帰りを待ち構えた子犬の如く駆け寄って大声で叫ぶ。

 

「香織! よく帰った! 待ちわびたぞ!」

 

もちろん、この場には香織だけでなく他にも帰還を果たした生徒達が勢揃いしている。その中で、香織以外見えない様子のランデル殿下の態度を見ればどういう感情を持っているのかは容易に想像がつく。

実は召喚された翌日から、ランデル殿下は香織に猛烈なアプローチを掛けていた。と言っても、彼は十歳。

故に、香織もただ小さい子に懐かれているぐらいしか思っていない。

 

「ランデル殿下、お久しぶりです」

 

駆け寄るランデルに微笑みで返す香織。そんな彼女の微笑みに一瞬では顔を真っ赤にしたランデル殿下は、それでも精一杯男らしい表情を作って口説きに掛かる。

 

「ああ、本当に久しぶりだな。お前が迷宮に行っている間は生きた心地はしなかったぞ。怪我はしていないか? 余がもっと強ければ、お前をこんなことはさせないというのに………」

 

ランデルは悔しそうに唇を噛む。そんな彼の言葉に香織は頬を緩ませながら言葉を返す。

 

「お気遣い下さりありがとうございます。ですが、私なら大丈夫ですよ?自分で望んでやっていることですから」

 

「いや、香織に戦いは似合わない。そ、その、ほら、もっとこう安全な仕事もあるだろう?」

 

「安全な仕事ですか?」

 

ランデル殿下の言葉に首を傾げる香織。ランデル殿下の顔は更に赤みを増していく。そして、そんなランデルの頑張って香織を口説いてる最中に、そこへ空気を読まない厄介な善意の塊、勇者天之川光輝がにこやかに参戦する。

 

「ランデル殿下、香織は俺の大切な幼馴染です。俺がいる限り、絶対に守り抜きますよ」

 

と爽やかなセリフを吐くとランデルは眉を顰め機嫌を悪そうにする。すると、ランデル殿下に何か機嫌を損ねることをしてしまったのかと、光輝が更に煽りそうなセリフを吐く前に、涼やかだが、少し厳しさを含んだ声が響いた。

 

「ランデル。いい加減にしなさい。香織が困っているでしょう? 光輝さんにもご迷惑ですよ」

 

声の正体はランデルの姉であり、ハイリヒ王国王女のリリアーナ・S・B・ハイリヒだった。しかし、その表情はあまり優れてなく無理して表情を作っているように見え、彼女の傍にいる侍女へリーナが心配そうに彼女を見ている。

 

「あ、姉上!?……し、しかし」

 

「しかしではありません。皆さん大迷宮からの帰還でお疲れなのに、こんな場所に引き止めて……相手のことを考えていないのは誰ですか?」

 

「うっ……で、ですが……」

 

「ランデル?」

 

「よ、用事を思い出しました! 失礼します!」

 

ランデル殿下はどうしても自分の非を認めたくなかったのか、いきなり踵を返し駆けていってしまった。その背を見送りながら、王女リリアーナは溜息を吐くと侍女のへリーナにお願いをする。

 

「へリーナ。ランデルがまた変なことをしないか見ててあげて下さい」

 

「かしこまりました」

 

主の言葉に従いへリーナは走り去るランデルの後を追うのであった。そんな侍女が弟を後を追うのを見送ってから、リリアーナは光輝達の方へ向き直ると頭を下げた。

 

「香織、光輝さん、弟が失礼しました。代わってお詫び致しますわ」

 

リリアーナの謝罪に美しいストレートの金髪がさらりと流れる。

 

「ううん、気にしてないよ、リリィ。ランデル殿下は気を使ってくれただけだよ」

 

「そうだな。なぜ、怒っていたのかわからないけど……何か失礼なことをしたんなら俺の方こそ謝らないと」

 

香織と光輝の言葉に苦笑いするリリアーナ。姉として弟の恋心を察しているため、意中の香織に全く意識されていないランデル殿下に多少同情してしまう。

リリアーナは、現在十四歳の才媛だ。その容姿も非常に優れていて、国民にも大変人気のある金髪碧眼の美少女である。性格は真面目で温和、しかし、硬すぎるということもない。TPOをわきまえつつも使用人達とも気さくに接する人当たりの良さを持っている。

 

光輝達召喚された者にも、王女としての立場だけでなく一個人としても心を砕いてくれている。彼等を関係ない自分達の世界の問題に巻き込んでしまったと罪悪感もあるようだ。 

 

そんな訳で、率先して生徒達と関わるリリアーナと彼等が親しくなるのに時間はかからなかった。特に同年代の香織や雫達との関係は良好で、今では愛称と呼び捨て、タメ口で言葉を交わす仲であるし、リリアーナもある少年との会話は常に心を高鳴らせながら楽しみにしていた。

 

「いえ、光輝さん。ランデルのことは気にする必要ありませんわ。あの子が少々暴走気味なだけですから。それよりも……改めて、お帰りなさいませ、皆様。無事のご帰還、心から嬉しく思いますわ」

 

「ありがとう、リリィ。君の笑顔で疲れも吹っ飛んだよ。俺も、また君に会えて嬉しいよ」

 

「えっ。そ、そうですか? ふふ、ありがとうございます……」

 

さらりとキザなセリフを爽やかな笑顔で言ってしまう光輝にリリアーナは少し言葉に詰まるも王族らしく気分溢れる仕草をしつつ返答する。

普通の女性ならば先程の光輝の言葉にドギマギするだろうがリリアーナは至って平然としている。

理由は唯一つ。彼女はある人のことを……自分を気遣ってくれた優しい彼のことを今でも想っているのだから……。

 

 

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王宮に戻ってから早々に浩介から少しぐらい休んだ方が良いと言われた優花であったが王国に戻っても、早く迷宮攻略に戻りたいという思いが強く、城の部屋にあるベッドでも休める気配はなかった。

 

「……ハジメ」

 

ベッドのシーツを握りながら寂しげに愛する彼の名を呟く。しかし、彼はいない。いつも隣にいてくれたのに今はいない。

そう頭の中でネガティブな感情が駆け巡り優花の心を薄暗くさせていく。

 

「ダメね……全然休めない」

 

いつまでも部屋にいても心を安らげなかった優花は気晴らしに訓練しようと思い、訓練場に向かおうと部屋を出て城内の廊下を歩いていたときだった。

「優花」

 

後ろから名前を呼ばれ、振り返ると其処には異世界に召喚されてから仲良くなった人物のリリアーナが其処に立っていた。そんな彼女の表情は、凄く辛そうな表情だ。

 

「あっ、リリィ……」

 

「……少し、お話しませんか?」

 

優花とリリアーナは話すことは多い。ハジメの錬成などの特訓をしてる間に何度も会って色々と話していたぐらいだ。そんな二人の関係は雫や香織と同様に非常に良好……それ以上に仲が良いとも言えた。

しかし、そんな二人でも二人っきりなのは初めてであった。

 

優花は、リリアーナに後に続いて王宮内の広場へと向かい、噴水の近くに設置してあるベンチへと腰掛けた。

だが、以前とは違い二人は喋らず沈黙が続き気まずい時間が流れる。そして、そんな重苦しい雰囲気の中、沈黙を最初に断ち切ったのはリリアーナからだった。

 

「優花……ハジメさんの件は……」

 

話し始めるリリアーナは先程よりも暗く、悲痛そうな表情をしながらハジメの件の事で一番、酷く悲しんでいるだろう優花を人一倍に心配していた。

 

「良いの大丈夫よリリィ。心配してくれてありがとう、私は平気だから」

 

「でもっ、なにも私は力になれずっ……」

 

リリアーナは何か思ったことがあったのか、我慢していただろう目からいっぱいの涙を流し始めた。優花は、涙を流すリリアーナを慰めようと後ろに手を回し抱き締めた。

 

「リリィはハジメのこと〝無能〟って扱いにしようとした貴族達に反対してくれたじゃない」

 

「そうでずけどっ! ワダシはっ」

 

「リリィっ」

 

人一倍に今回の異世界召喚で責任を感じている彼女は辛いのだろう。勝手にこっちの都合で呼んでおいて死なせ、無能扱いにして処理しようとしていた王国の王女であるのだから。

涙を流すリリアーナを抱き締める優花自身も彼女と同じように目に涙が浮かぶ。

 

「ゆっ、優花……?」

 

泣いていたリリアーナも優花が涙を流しているのを見て驚き呼びかけるも優花はリリアーナに、そして自分に言い聞かせるように語りかける。

 

「大丈夫だから、リリィ。ハジメは絶対に生きてる……だってハジメは誰よりも強いんだから」

 

「……っ」

 

その言葉を耳にしたリリアーナは、自分を抱き締めてくれる優花を抱き締め返す。優花はリリアーナの優しさを感じて心が温まる。そして、彼女を見て涙目ながらも笑って話しかけた。

 

「だから、リリィもハジメのことを信じよ?」

 

「っ……はいっ!」

 

リリアーナはその言葉に大きく頷きながら同意して優花の胸元に泣きながら顔を埋めるように抱き着いた。優花はリリアーナを彼が自分にしてくれていたように頭を撫でながら慰めていくも、自分も同じように泣いた。そして、二人は疲れるほど泣いた後、二人は目元が赤くしながらも泣き疲れたようでベンチで仲良く眠りに着いたのだった。

 

そして、そんな二人の元へ二人の人物が歩み寄っていく。

 

「……ったく、風邪引くといけないからな」

 

「……ですね。遠藤様、御二人を人目から守るようにして下さり感謝します」

 

「そんないいですって。ま、幼なじみだし……それに親友から頼まれたんすから」

 

二人の少女達の会話をずっと影から見守るように聞いていた暗殺者と侍女はぐっすり眠る二人を抱えて、お互いの自室へと向かうのであった……。

 

 

──それから三日が経ち、遂に帝国の使者が訪れた。

 

ヘルシャー帝国。

実力主義を掲げる大国であり、王国が建国された時期と同じぐらいの歴史を持っており、皇帝一族──ヘルシャー家は代々特殊な体質を持って生まれてくるらしい。

そして帝国は現在、三人しか居ない白金ランクの冒険者の一人〝戦姫〟を抱えており、他にも皇帝直属の近衛騎士である七色騎士(セブンス・ナイツ)という王国騎士団長であり王国最強であるメルド・ロギンスと並ぶ実力を誇る騎士が七人も抱えている。

そんな帝国は総合的な戦力では王国を遥かに上回っている。

 

そして、そんな大国を迎えるべく現在、光輝達、及び迷宮攻略に赴いたメンバーと王国の重鎮達、そしてイシュタル率いる司祭、司教など数人が謁見の間に勢ぞろいし、レッドカーペットの中央に帝国の使者が五人ほど立ったままエリヒド陛下と向かい合っていた。

 

「使者殿、よく参られた。勇者方の至上の武勇、存分に確かめられるがよかろう」

 

「これはエリヒド陛下、この度は急な訪問の願い、聞き入れて下さり誠に感謝いたします。して、どなたが勇者様なのでしょう?」

 

「うむ、まずは紹介させて頂こうか。光輝殿、前へ出てくれるか?」

 

「はい」

 

エリヒド陛下の言葉を皮切りに光輝を筆頭に、次々と迷宮攻略のメンバーが紹介された。

 

「ほぅ、貴方が勇者様ですか。随分とお若い方ですな。失礼ですが、本当に六十五層を突破したので? 確か、あそこにはオルクスの最初で最大なる難所〝半層の主〟であるベヒモスが出没すると記憶しておりますが……」

 

使者は、光輝を観察するように見やると、イシュタルの手前露骨な態度は取らないものの、若干、疑わしそうな眼差しを向けた。使者の護衛の一人は、値踏みするように上から下までジロジロと眺めている。

その視線に居心地悪そうに身じろぎしながら、優花と浩介の勝利は仲間である自分達の勝利だと思っている光輝が自信満々と答える。

 

「えっと、ではお話しましょうか? どのように倒したかとか、あっ、六十六~八層のマップを見せるとかどうでしょう?」

 

光輝は信じてもらおうと色々提案するが使者はあっさり首を振りニヤッと不敵な笑みを浮かべた。

 

「いえ、お話は結構。それよりも手っ取り早い方法があります。私の護衛一人と模擬戦でもしてもらえませんか? それで、勇者殿の実力も一目瞭然でしょう」

 

「えっと、俺は構いませんが……」

 

光輝は若干戸惑ったようにエリヒド陛下を振り返る。エリヒド陛下は光輝の視線を受けてイシュタルに確認を取る。陛下の隣にいるイシュタルも頷いた。神威をもって帝国に光輝を人間族のリーダーとして認めさせることは簡単だが、完全実力主義の帝国を早々に本心から認めさせるには、実際戦ってもらうのが手っ取り早いと判断したのだ。

 

「構わんよ。光輝殿、その実力、存分に示されよ」

 

「決まりですな、では場所の用意をお願いします」

 

こうして急遽、勇者対帝国使者の護衛という模擬戦の開催が決定したのだった。

 

光輝の対戦相手は、なんとも平凡そうな男だった。高すぎず低すぎない身長、特徴という特徴がなく、人ごみに紛れたらすぐ見失ってしまいそうな平凡な顔。一見すると全く強そうに見えない。

 

刃引きした大型の剣をだらんと無造作にぶら下げており。構えらしい構えもとっていなかった。

 

帝国の護衛と神の使徒の代表である勇者の光輝との模擬戦は同じ神の使徒であるクラスメイト達も模擬戦を見ようと観客席にいた。そして、クラスメイト達は護衛の構えを見て、「舐めてるだろ」、「これは天之川の勝利だな」と護衛をヘラヘラと馬鹿にしながら会話している。

しかし、そんなクラスメイト達の中で護衛に対して違和感を感じている者達が数名いた。

 

「(あの護衛、全く隙がみえねぇ……ぜってぇ強えだろ。確か七色騎士(セブンス・ナイツ)ったか? )」

 

護衛の異質さを観客席から気付いた一人である浩介はハジメと同様に地球で(リー)からかなりキツイ扱きを受けてきた為か護衛の隙のなさに冷や汗を流す。

 

「浩介、どうしたの?」

 

「いやさぁ……」

 

すると隣の席にいた優花がキョトンと首を傾げながら話しかけて来たので浩介は両手を後ろに回しながら、それに答える。

 

「いや、あの帝国の護衛の人、隙が全く見えなくてな。それに、あの目は強い奴だよ絶対」

 

浩介はそう説明する。何故、それに隙もそうだが、護衛の目を見て確信している。

何故、分かるかって?答えは簡単だ。

 

──近くで見ていたからだ、強者という目を。

 

すると、浩介の言葉に耳を傾けていた優花も頷いた。どうやら彼女も浩介同様に護衛の強さを感じ取っていたらしい。

 

「うん。そうだね、李さんやハジメを見てたから分かる」

 

「だよなぁー。それに俺、こうして異世界で召喚された今でも李さんに負けそうな自信がある」

 

「それに関しては否定しないわ」

 

浩介の言葉に優花は否定もできない顔になる。もう七十に近い年齢であるのに本気のハジメを軽々と投げ倒す李を知る二人は異世界で力を手に入れた今でも勝てるビジョンが見えないことに共に苦笑いをこぼす。

 

それと、優花はもう一つ護衛の強さに気付けた理由を話す。

 

「……それに私の場合は〝神天治癒師〟の技能かもしれないけどさ、魔力の流れとか見てわかることが出来るんだよね……」

 

「うわ、流石はチート天職だな……それで、どんな風に見えた?」

 

優花の話しを聞いて、彼女の天職の凄さに表情が引き攣ってしまうが優花は話しを続ける。

 

「なんだろ? 他の人……私達のことは置いといてメルドさん達とは違うような魔力の流れをしてるのよ、あの人」

 

「へぇ……変な魔力の流れってどんな感じ?」

 

浩介は優花の言葉を聞いて、ただ相槌を打っていた。

 

「うん。えっとね……普通なら魔力の流れはね人の神経みたいに全身に行き届いていくような流れだけどあの人は筋肉自体が魔力の流れ(・・・・・・・・・・)なのよね………」

 

それを聞いた浩介は驚きの余り目を見開くのであった……。

 

 

場面は変わり、観客席から戻って場内では光輝は護衛の構えを見て、舐められているのかと些か怒りを抱く。これが最高位の冒険者ランクの一人がいる国の護衛かと思うとガッカリし、最初の一撃で度肝を抜いてやれば真面目にやるだろうと、最初の一撃は割かし本気で打ち込むことにした。

 

「では、いきます!」

 

光輝が風となる。技能〝縮地〟により高速で踏み込むと豪風を伴って唐竹に剣を振り下ろした。並みの戦士なら視認することも難しかったかもしれない。もちろん、光輝としては寸止めするつもりだった。

だが、その心配は無用。むしろ舐めていたのは光輝の方だと証明されてしまい、浩介と優花の読みが当たってしまう結果となった。

 

「………遅ぇ」

 

「ガフッ!?」

 

結果として吹き飛んだのは光輝の方だった。護衛の方は剣を掲げるように振り抜いたまま光輝を睥睨している。光輝が寸止めのため一瞬、力を抜いた刹那にだらんと無造作に下げられていた剣が息を吹き返したかのように跳ね上がり光輝を吹き飛ばしたのだ。

光輝は地滑りしながら何とか体勢を整え、驚愕の面持ちで護衛を見る。寸止めに集中していたとは言え、護衛の攻撃がほとんど認識できなかったのだ。護衛は掲げた剣をまた力を抜いた自然な体勢で構えている。そう、先ほどの攻撃も動きがあまりに自然すぎて危機感が働かず反応できなかったのである。

 

「はぁ~、おいおい、勇者ってのはこんなもんかよ? まるでなっちゃいねぇ。やる気あんのか?」

 

平凡な顔に似合わない乱暴な口調で呆れた視線を送る護衛。その表情には失望が浮かんでいた。

確かに、光輝は護衛を見た目で判断して無造作に正面から突っ込んでいき、あっさり返り討ちにあったというのが現在の構図だ。光輝は相手を舐めていたのは自分の方であったと自覚し、怒りを抱いた。今度は自分に向けて。

 

「すみませんでした。もう一度、お願いします」

 

今度こそ、本気の目になり、自分の無礼を謝罪する光輝。護衛は、そんな光輝を見て「戦場じゃあ()なんてないんだがな」と不機嫌そうに目元を歪めるが相手はするようだ。先程と同様に自然体で立つ。

 

光輝は気合を入れ直すと再び踏み込んだ。

 

唐竹、袈裟斬り、切り上げ、突き、と〝縮地〟を使いこなしながら超高速の剣撃を振るう。その速度は既に、光輝の体をブレさせて残像を生み出しているほどだ。

 

しかし、そんな嵐のような剣撃を護衛は難なく最小限の動きでかわし捌き、隙あらば反撃に転じている。時々、光輝の動きを見失っているにもかかわらず、死角からの攻撃にしっかり反応している。

光輝には護衛の動きに覚えがあった。それはメルド団長だ。彼と光輝のスペック差は既にかなりの開きが出ている。にもかかわらず、未だ光輝はメルド団長との模擬戦で勝ち越せていないのだ。それはひとえに圧倒的な戦闘経験の差が原因である。

 

おそらく護衛も、メルド団長と同じく数多の戦場に身を置いたのではないだろうか。その戦闘経験が光輝とのスペック差を埋めている。つまり、この護衛はメルド団長並かそれ以上の実力者というわけだった。

 

「ふん、確かに並の人間じゃ相手にならん程の身体能力だ。しかし、少々動きが素直すぎるな。元々、戦いとは無縁だったか?」

 

「えっ?えっと、はい、そうです。俺は元々ただの学生ですから」

 

「……それが今や神の使徒(・・・・)か……ケッ……まだ高位の冒険者達やイザベラ(・・・・)の方がマシだな」

 

チラッとイシュタル達聖教教会関係者を見ると護衛は不機嫌そうに鼻を鳴らして愚痴を言う。

 

「おい、勇者。構えろ。今度はこちらから行くぞ。気を抜くなよ? うっかり殺してしまうかもしれんからな」

 

護衛はそう宣言するやいなや一気に踏み込んだ。光輝程の高速移動ではない。むしろ遅く感じるほどだ。だというのに……

 

「ッ!?」

 

気がつけば目の前に護衛が迫っており剣が下方より跳ね上がってきていた。光輝は慌てて飛び退る。しかし、まるで磁石が引き合うかのようにピッタリと間合いを一定に保ちながら鞭のような剣撃が光輝を襲っていた。

 

不規則で軌道を読みづらい剣の動きに、なんとか〝先読〟で辛うじて対応しながら一度距離を取ろうとするが、まるで引き離せない。〝縮地〟で一気に距離を取ろうとしても、それを見越したように先手を打たれて発動に至らない。次第に光輝の顔に焦りが生まれてくる。

 

そして遂に、光輝がダメージ覚悟で剣を振ろうとした瞬間、その隙を逃さず護衛が魔法のトリガーを引く。

 

「穿て──〝風撃〟」

 

呟くような声で唱えられた詠唱は小さな風の礫を発生させ、光輝の片足を打ち据えた。

 

「うわっ!?」

 

踏み込もうとした足を払われてバランスを崩す光輝。その瞬間、壮絶な殺気が光輝を射貫く。冷徹な眼光で光輝を睨む護衛の剣が途轍もない圧力を持って振り下ろされた。

 

刹那、光輝は悟る。彼は自分を殺すつもりだと。

 

実際、護衛はそうなっても仕方ないと考えていた。自分の攻撃に対応できないくらいなら、本当の意味で殺し合いを知らない少年に人間族のリーダーを任せる気など毛頭なかった。例えそれで聖教教会からどのような咎めが来ようとも、戦場で無能な味方を放置する方がずっと耐え難い。それならいっそと、そう考えたのだ。

 

しかし、そうはならなかった。

 

ズドンッ!と轟音が響く。

 

「ガァ!?」

 

先ほどの再現か。今度は護衛が吹き飛んだからだ。護衛が、地面を数度バウンドし両手も使いながら勢いを殺して光輝を見る。光輝は全身から純白のオーラを吹き出しながら、護衛に向かって剣を振り抜いた姿で立っており護衛の目が少し細まる。

 

「……ほぉ、〝限界突破〟か」

 

護衛の剣が振り下ろされる瞬間、光輝は生存本能に突き動かされるように〝限界突破〟を使ったのだ。これは、一時的に全ステータスを三倍に引き上げてくれるという、ピンチの時に覚醒する主人公らしい技能であるが護衛を受けて直ぐに理解した。

だが、光輝の顔には一切余裕はなかった。恐怖を必死で押し殺すように険しい表情で剣を構えている。そんな光輝の様子を見て、護衛はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

 

「ハッ、少しはマシな顔するようになったじゃねぇか。さっきまでのビビリ顔より、よほどいいぞ!」

 

「ビビリ顔? 今の方が恐怖を感じてます。……さっき俺を殺す気ではありませんでしたか? これは模擬戦ですよ?」

 

護衛は光輝の発言に首を傾げる。

 

「だからなんだ?まさか適当に戦って、はい終わりっとでもなると思ったか? この程度で死ぬならそれまでだったってことだろ。お前は、俺達人間の上に立って率いるんだぞ? その自覚があんのかよ?」

 

「自覚って……俺はもちろん人々を救って……」

 

「傷つけることも、傷つくことも恐れているガキに何ができる? 剣に殺気一つ込められない奴がご大層なこと言ってんじゃねぇよ。あぁ、そうえば聞いたぜ? お前達の中に非戦闘職の〝錬成師〟奴がいたらしいな?」

 

その言葉に光輝や観客席にいたクラスメイトや王族、教会の者達の各々が違った顔をする。しかし、護衛の男はヘラヘラと言葉をつつける。

 

「その錬成師は物凄ぇ強い奴だったらしいじゃねぇか。それに俺は、そいつが作成した義手や義足は本当に感動した。アレは素晴らしいもんだ。帝国で四肢が負傷して苦しんでいた民達や兵士、冒険者達は大層喜んでいる。強くて優秀……正に嘗てハイリヒ王国で最強……いや、世界最強と呼ばれていた神官アレス(・・・)バーン(・・・)に並ぶ才能の再来かと思って舞い上がったが……まさか、こんなしょうもねぇ勇者やその仲間達を助ける為に死んじまったと思うと惜しいもんだ……ハァ、生きてりゃあ帝国(ウチ)に勧誘していたのにな……」

 

護衛は吐き捨てるように言葉を紡ぐと肩をガクリと落としながら落胆を顕にした。その姿は本当にハジメがこの場にいたら勧誘したかったらしいことが誰が見てもわかった。

そして、彼が言ったアレス・バーンという人物の名前にクラスメイト以外──神の使徒達以外の全員が反応した。特に王族側の席にいたリリアーナなどが特にだ。

 

「なっ……」

 

しかし、それをすぐ傍で聞いた光輝はというと目の前にいる護衛は遠回しに自分は奈落で死んだ南雲より劣っていると言われると同じことで酷く口元を歪め怒りを顕にした。

 

「俺は……俺はっ、勇者だ!この世界を救う勇者だ! 死んだ南雲なんかより遥かに強いんだ!!ウオォォォオオオ!」

 

「ちっ、嫉妬で暴走するとはな。なんでアイツ(・・・)の後継がテメェなんだっ」

 

光輝は怒り任せに突撃するのだが護衛はため息吐き「こいつはダメだ」と吐き捨てるように呟くと共に光輝を超えるほどの尋常ではない怒りと殺気を放ちながら光輝に迫り剣を振るった。光輝は怒りから一変、苦しそうに表情を歪めた。

しかし、護衛が実際に剣は光輝に届かなかった。なぜなら、護衛と光輝の間に光の障壁がそそり立ったからだ。

だが、護衛の放った一撃は光の障壁を僅かながらもヒビを入るほどでその余波で光輝は驚きの余り腰を抜かしてその場でへたり込んだ。

 

「それくらいにしましょうか。これ以上は、模擬戦ではなく殺し合いになってしまいますのでな。……まさか、七色騎士(セブンス・ナイツ)を連れずに来るとはガハルド殿もお戯れが過ぎますぞ?それに、あの〝異端者〟の名前はこの国では出さないで貰いたい」

 

「聖絶か……チッ、バレていたか。相変わらず食えない爺さんだな、まっ、アレスの件はこっちではタブーだったな。スマンスマン」

 

イシュタルが発動した光り輝く障壁で水を差された〝ガハルド殿〟と呼ばれた護衛が、周囲に聞こえないくらいの声量で悪態をつくもタブーを言ったことには平謝りながらも謝罪をする。そして、興が削がれたように肩を竦め剣を納めると、右の耳にしていたイヤリングを取った。

 

すると、まるで霧がかかったように護衛の周囲の空気が白くボヤけ始め、それが晴れる頃には、全くの別人が現れていた。

 

四十代位の野性味溢れる男。短く切り上げた銀髪に狼を連想させる鋭い碧眼、スマートでありながらその体は極限まで引き絞られたかのように筋肉がミッシリと詰まっているのが服越しでもわかる。

 

その姿を見た瞬間、周囲が一斉に喧騒に包まれた。

 

「ガ、ガハルド殿!?」

 

「皇帝陛下!?」

 

「嘘だろ!? 七色騎士(セブンス・ナイツ)を連れずにか?!」

 

そう、この男、何を隠そうヘルシャー帝国現皇帝ガハルド・D・ヘルシャーその人である。まさかの事態にエリヒド陛下が眉間を揉みほぐしながら尋ねた。

 

「どういうおつもりですかな、ガハルド殿? 貴方のご自慢の近衛騎士達も連れずに……」

 

「これは、これはエリヒド殿。ろくな挨拶もせず済まなかった。ただな、どうせなら自分で確認した方が早いだろうと一芝居打たせてもらったのよ。今後の戦争に関わる重要なことだ。無礼は許して頂きたい。それに一人は連れて来ているさ。おい、そろそろ良いぞ」

 

「了解です、陛下」

 

ガハルドに言われ、使者の傍に立っていたもう一人の護衛がガハルドの隣に立ちながら変装を解くと燃え盛る炎のような赤色の鎧を身に纏うガハルドに並ぶほどの体躯を持つ男が姿を現した。

 

──七色騎士(セブンス・ナイツ)筆頭・赤色のガイ

 

姿を現したのは皇帝近衛騎士筆頭である赤色のガイの登場にエリヒド陛下の傍に立っていたメルドの目付きが変わる。

そして、謝罪すると言いながら、全く反省の色がないガハルド皇帝の態度に溜息を吐きながら「もう良い」とかぶりを振るエリヒド陛下。

 

逆にガハルド陛下はドッキリ大成功といった満面な笑みを浮かべている。隣に控えるガイは苦笑いでエリヒド陛下に控えるメルドに謝罪のジェスチャーなど送っている。

 

光輝達に至っては完全に置いてきぼりだ。なんでも、この皇帝陛下、フットワークが物凄く軽いらしく、このようなサプライズは日常茶飯事なのだとか。しかし、ガハルドは勇者に目を向けず観客席にいた方に指を指し告げる。

 

「ま、そんなことはさておき、そこの神の使徒の二人……えーと、そこの黒い奴と隣にいる女……お前等何モン(・・・)だ? 」

 

ガハルドが指を差した二人の人物とは……観客席に座る浩介と優花の二人であった。

 

「「えっ俺(私)ですか?」」

 

指を差されて困惑する二人は念の為に自分達なのかとガハルドに確認を取る。すると、浩介と優花の二人で合っているようでガハルドは笑みを浮かべて頷いた。

 

「おう、てめぇ等だ。名前は?」

 

ガハルドに名前を聞かれ、浩介は聞かれてもマズイことは無いのですんなりと名前を言う。

 

「えっと、俺の名前は遠藤浩介です。で、隣は……」

 

「園部優花です」

 

浩介が自分の名前を言うと続いて、優花も自分の名前を言った。そして、二人が名前を言えばガハルドは少し考える素振りを見せてから獰猛な笑みを浮かべながら二人に話しかけた。

 

「ほう、コウスケとユウカか……なぁ、お前達、帝国に来る気はねぇか?」

 

「「はぁ?」」

 

そこからはガハルドの勧誘が始まったが浩介達は、ハジメを探しだす為に迷宮攻略を続けるのに勧誘を断り続けること十数分、やっとガハルドも渋々諦めてくれた。その表情は凄く残念そうであったが。

 

「はぁ……〝錬成師〟の奴以外に面白い奴等を見つけたというのにに断られちまったな。ま、お前達!気が変わったら帝国に来いよ! 俺は何時でも待ってるからな〜!」

 

本当はまだ諦めてないガハルドはそう二人に告げると、後に予定されていた晩餐で帝国からも勇者を認めるとの言質をとることができ、一応、今回の訪問の目的は達成されたらしい。

 

余談だが、翌日の早朝訓練をしている雫を見て気に入ったガハルドが愛人にどうだと割かし本気で誘ったというハプニングがあった。八重樫は丁寧に断り、ガハルドも「まぁ、焦らんさ」と不敵に笑いながら引き下がったので特に大事になったわけではなかったが、その時、光輝を見て鼻で笑ったことで光輝はこの男とは絶対に馬が合わないと感じでしばらく不機嫌だった。

 

「八重樫……ドンマイ」

 

その話を聞いた浩介は同じように(自分達とは違う意味であるが)目をつけられてしまった雫に同情しながら手を合わせ合掌するのであった……。

 

 

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模擬戦を終えて、その日の晩、部屋で部下達に本音を聞かれたガハルドは面倒くさそうに答えた。

 

「ありゃ、ダメだな。ただの子供だ。理想とか正義とかそういう類のものを何の疑いもなく信じている口だ。なまじ実力とカリスマがあるからタチが悪い。自分の理想で周りを殺すタイプだなアレは。だが、それでも神の使徒(・・・・)である以上は蔑ろにはできねぇ。取り敢えず合わせて上手くやるしかねぇだろうし……あーあ、何で〝錬成師〟の奴は死んじまったんだよ……。生きてたらウチに欲しかったし是非、戦ってみたかったんだがな……」

 

光輝の本質を剣を交えただけで見抜いたガハルドはハジメの損失の件も含めて本当に残念そうに肩を落とし溜息を吐きながら話す。すると、ガイが疑問を口にする。

 

「しかし、陛下。なぜ、教皇は異世界から彼等のような子供を呼んだのですか? それに聞けば戦争などのない平和な世界から来たらしいじゃないですか?」

 

「そりゃあ、単純だ。あれぐらいのガキなら御し易いんだよ。平たく言えば生きたアーティファクトだな」

 

「…………生きたアーティファクトですかい。そりゃあ、残酷ですね」

 

「なに、そんなことイシュタルのジジィがやりそうなことだ」

 

そんな二人の会話が一段落ついたことでガイ以外の部下の一人が疑問を口にする。

 

「しかし、陛下は、あわよくばあの試合で勇者を殺すつもりだったのですか?」

 

「あぁ? 違ぇよ。少しは腑抜けた精神を叩き治せるかと思っただけだ。あのままやっても教皇が邪魔して絶対殺れなかっただろうよ」

 

どうやら、ガハルドの中で光輝達勇者一行は錬成師のハジメ以外興味の対象とはならなかったようである。

まぁ、無理もないことだろうとガハルドは思う。彼等は数ヶ月前までただの学生。それも平和な日本で歴戦の戦士が認めるような戦場の心構えなど出来ているはずがないのだが、しかし、ガハルドは元来よりも高性能な義手と義足を作り出した錬成師でありながらも強い戦闘力を持つと評されていたハジメとは会いたかったのだが迷宮で死亡したと知らされ不貞腐れていた。

 

「まぁ、魔人共との戦争が本格化したら変わるかもな。見るとしてもそれからだろうよ。今は、小僧どもに巻き込まれないよう上手く立ち回ることが重要だ。後、教皇には気をつけとけよ? あの、狂信爺は敵になると色々と面倒臭ぇからな。それと、アレスの居場所が判明したら速急に俺かイザベラに伝えろ。アイツは帝国にとってとても欲しい人材だしイザベラの伴侶候補。それと、浩介と優花だったか? アイツ等もこっちに来たいと言っていたら丁重に歓迎しとけよ?あの二人はあの中では抜き出るほど面白い。俺の本能がそう言っている」

 

「御意」

 

そんな評価をされていることは露知にも思わずにいる二人。そして、ガハルドは帝国唯一の白金ランク冒険者である自分の娘と彼女に着いていった部下達の所在をガイに聞く。

 

「後、イザベラの奴と騎士団はいつ帰って来る?」

 

「そうですね。アッチの連絡だとイザベラ様達は帝国周辺や各地の遺跡の魔力溜りを解消しつつ、そのまま【グリューエン大迷宮】の攻略に向かうと聞いておりますので帝国に帰還になるのは半年は掛かるかと思いますぜ……」

 

「チッ………なら、国の防衛に少し不安があるな。使徒や勇者の召喚で魔人族の動きもキナ臭い。そろそろバイアスの奴にも次期皇帝に兼ねて防衛の指揮を任せてみるか」

 

「御意」

 

そして、翌日に帰国するという皇帝陛下一行は光輝達に見送られながら国へと帰還する。用事はもう済んだ以上留まる理由もないということだ。本当にフットワークの軽い皇帝ガハルドであった……。

 





新キャラ
帝国在籍の白金ランク冒険者〝戦姫〟
イザベラ・D・ヘルシャー

七色騎士(ゼフンス・ナイツ)……皇帝ガハルドというより皇帝一族に従う七人の騎士。その強さは冒険者でいうところの金ランク相当の実力。
赤色……筆頭騎士ガイ・レッドラウグ
→三十年以上、ガハルドに付き従う忠義が厚い騎士。その実力も他の騎士達よりも一線を引くほどの技を持つ。
青色……シュバイト・ブルズ
→冒険者からガハルドに勧誘された。
黄色……カロス・エリオ
→元貴族の嫡男であったがガイに憧れ、親のコネなど使わず実力で七色騎士に入った。
緑色……テオル・ヴェール
→皇太子の推薦で選ばれた元金ランク冒険者。
桃色……リリナ・ティアリア
→元金ランク冒険者でイザベラの誘いで配属された紅一点。
白色……クロス・ワイト
→非戦闘職らしいが詳細不明。
黒色……ディース・ブラッディ
→元罪人。皇太子の推薦で配属。
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