ありふれた職業で世界最強if優花   作:白San

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二十四話 ミレディ・ライセン

 

とある部屋の中、壁から放たれる青白い仄かな光が、壁にもたれ掛かりながら寄り添う三人の人影を映す。ハジメ、ユエ、シアの三人だ。

 

ハジメを中心に右側にユエ、左側にシアが座り込んで肩にもたれ掛かっている。部屋には静寂が満ちているが、耳を澄ませばほんの僅かにスゥースゥーと呼吸音が聞こえる。ユエとシアの寝息だ。二人は、ハジメの両腕を抱いたまま、その肩を枕替わりに睡眠をとっているのだった

 

もう、そろそろ進展があるかもしれない。そんなことを思いながら、ハジメは両隣で眠る少女達に視線を向けた。

 

「クハッ、気持ちよさそうに寝やがって……ここは大迷宮なんだがな……?」

 

ハジメの苦笑い混じりの囁きが響く。見張り役なのでずっと起きていたのだ。こういうのは慣れてしまったハジメは、何となしに抱きしめられている腕をそっと解いて、二人の髪を優しく撫でる。僅かに頬が綻んだように見えた。ハジメの目元も僅かに緩んだ。

 

すると、シアがムニャムニャと寝言を言い始めた。

 

「むにゃ……あぅ……ハジメしゃん、大胆ですぅ~、お外でなんてぇ~、……皆見てますよぉ~」

 

「……」

 

ハジメは優しい手付きのまま、そっと移動させた手で、シアの鼻を摘み口を塞いだ。すると、穏やかだったシアの表情が徐々に苦しげなものに変わっていくが気にせずに塞ぎ続けていると……

 

「ん~、ん? んぅ~!? んんーー!! んーー!! ぷはっ! はぁ、はぁ、な、何するんですか! 寝込みを襲うにしても意味が違いますでしょう!」

 

ぜはぜはと荒い呼吸をしながら目を覚まし猛然と抗議するシアに、ハジメは冷ややかな目を向ける。

 

「こんな時に変な夢を見るなアホ」

 

「うっ……すみませんですぅ」

 

「わかったなら良い」

 

「はいですぅ〜」

 

シアが起きた(強制的に)ので、ハジメはユエを優しく揺さぶり起こす。ユエは「……んぅ……あぅ?」と可愛らしい声を出しながらゆっくりと目を開いた。

そして、ボーとした瞳で上目遣いにハジメを確認すると目元をほころばせ、一度、肩口にすりすりすると、そっと離れて身だしなみを整え始めていく。

 

「うぅ、ユエさんが可愛い……これぞ女の子の寝起きですぅ~、それに比べて私は……」

 

今度は落ち込み始めたシアに、ユエは不思議そうな目を向けるが、〝シアだから〟という理由で放置し、ハジメは二人の頭を撫でる。撫でられた二人は嬉しそうに頬を緩ませる。

 

「ほれ、シアも落ち込んでないで探索再開だ」

 

「……うぅ、はいですぅ」

 

今度は、スタート地点に戻されないことを祈って、ハジメ達、三人は迷宮攻略を再開した。

 

再び嫌らしい数々のトラップとウザイ文に青筋も立てるも、菩薩の心境でどんどん迷宮の中を進んで行く。

 

そして、ある部屋に辿り着いた。辺りを見渡すと、その場所はハジメ達は、一週間前に訪れてから一度も遭遇することのなかった部屋に出くわした。最初にスタート地点に戻して天元突破な怒りを覚えさせてくれたゴーレム騎士の部屋だ。

ただし、今度は封印の扉は最初から開いており、向こう側は部屋ではなく大きな通路になっていた。

 

「また、ここか……あの時みたいに包囲されても面倒だ。扉は開いてるんだし一気に行くぞ!」

 

「んっ!」

 

「はいです!」

 

ハジメ達は、ゴーレム騎士の部屋に一気に踏み込んだ。部屋の中央に差し掛かると、案の定、ガシャンガシャンと音を立ててゴーレム騎士達が両サイドの窪みから飛び出してくる。出鼻を抉いて前方のゴーレム騎士達を銃撃し蹴散らしておく。

蹴散らして稼いだ時間で、ハジメ達は更に加速し包囲される前に祭壇の傍まで到達した。ゴーレム騎士達が猛然と追いかけるが、自分達が扉をくぐるまでには追いつけそうにない。逃げ切り勝ちだと、ハジメはほくそ笑んだ。

 

「良し、行け……?!」

 

だが、そんなハジメの笑みは次の瞬間には剥がれ落ちた。何と、ゴーレム騎士達も扉をくぐって追いかけてきたからだ。

 

しかも……

 

「なっ!? 天井を走ってるだと!?」

 

「……びっくり」

 

「重力さん仕事してくださぁ~い!」

 

そう、追いかけてきたゴーレム騎士達は、まるで重力など知らんとばかり壁やら天井やらをガシャンガシャンと重そうな全身甲冑の音を響かせながら走っているのである。

これには、流石のハジメ達も度肝を抜かれた。咄嗟に通路に対して〝鉱物系鑑定〟を使うが、材質は既知のものばかり。重力を中和したり、吸着の性質を持った鉱物等は一切検知できなかった。

 

「どうなってやがるんだ?」

 

磁石や特殊な鉱石でもない。そしたら、魔法か?と、そんな呟きが思わず口から漏らしながらハジメはゴーレム騎士達の動きの原理を推測する。そして、再度、背後の騎士をチラリと振り返って更に度肝を抜かれることになった。

 

「はぁっ?!」

 

天井を走っていたゴーレム騎士の一体が、走りながらピョンとジャンプすると、まるで砲弾のように凄まじい勢いで頭を進行方向に向けたまま宙を飛んできたのである。

 

「くそったれ!」

 

ハジメは驚愕の声を漏らしながらドンナーを連続して発砲する。放たれた弾丸は閃光となって飛んできたゴーレム騎士の兜と肩を破壊した。ゴーレム騎士は頭部と胴体が別れ、更に大剣と盾を手放す。しかし、それらは地面に落ちることなく、そのまま向かって突っ込んできた。

 

破壊されても突撃するゴーレム騎士にハジメは口元を歪めながらも、急いで二人に指示する。

 

「回避だ!」

 

「んっ」

 

「わきゃ!」

 

猛烈な勢いで迫ってきたゴーレム騎士の頭部、胴体、大剣、盾を屈んだり跳躍したりして躱していく。ハジメ達を通り過ぎたゴーレム騎士の残骸は、そのまま勢いを減じることなく壁や天井、床に激突しながら前方へと転がっていった。

 

「なんだ? 重力が働いたり、しなかったり……あれじゃあ、まるで……」

 

「ん……〝落ちた〟みたい」

 

「重力さんが適当な仕事してるのですね、わかります」

 

まさしくユエやシアの言葉が一番しっくりくる表現だった。どうやらゴーレム騎士達は重力を操作できるらしい。なぜ、前回は使わなかったのかはわからないが、もしかすると部屋から先の、この通路以降でなければならなかったのかもしれない。

 

そんな推測も、ゴーレム騎士達がこぞってハジメ達に〝落下〟してきたことで中断された。中には大剣を風車のように回転させながら迫ってくる猛者もいる。ハジメ達は、銃撃や〝破断〟で遠距離攻撃しつつ、接近してきたものはシアが打ち払い、足を止めることなく先へ進んでいった。

しばらくすると、先の方に何かの嫌な気配を感じ取ってハジメは目を細めた。

 

「…………」

 

「むぅ……ハジメ」

 

「ああ、わかってる。まぁ、再構築できるんなら、そうなるわな」

 

「は、挟まれちゃいましたね」

 

先へと落ちていったゴーレム騎士達が、落下先で再構築したようだ。隊列を組んで待ち構えていた。盾を前面に押し出し腰をどっしりと据えて壁を作っている。ご丁寧に二列目のゴーレム騎士達は盾役の騎士達を後ろから支えていた。おそらく、一列だけではパワーで粉砕されると学習したのだろう。

 

「ちっ、面倒な。二人共下がれ〝オルカン〟を使う」

 

舌打ちをしつつハジメは、ドンナー・シュラークを太もものホルスターにしまう。そして〝宝物庫〟から一つの兵器を取り出す。

 

手元に十二連式の回転弾倉が取り付けられた長方形型のロケット&ミサイルランチャー:オルカンである。ロケット弾は長さ三十センチ近くあり、その分破壊力は通常の手榴弾より高くなっている。

弾頭には生成魔法で〝纏雷〟と雷魔法を付与した鉱石が設置されており、この石は常に静電気を帯びているので、着弾時弾頭が破壊されることで燃焼粉に着火する仕組みだ。ハジメは、オルカンを脇に挟んで固定すると口元を歪めて笑みを作った。

 

「ユエ、シア! 耳塞げ! ぶっぱなすぞ!」

 

「ん」

 

「えぇ~何ですかそれ!?」

 

初めて見るオルカンの異様にシアが目を見張る。ユエは、走りながら人差し指を耳に突っ込んだ。シアのウサミミはピンッと立ったままだが、ウサ耳は大丈夫なのかと思いながらもハジメはオルカンの引き金を引いた。

 

バシュウウ!と射出音と共に、後方に火花の尾を引きながらロケット弾が発射され、狙い違わず隊列を組んで待ち構えるゴーレム騎士達に直撃した。

 

次の瞬間、轟音、そして大爆発が発生する。通路全体を激震させながら大量に圧縮された燃焼粉が凄絶な衝撃を撒き散らした。ゴーレム騎士達は、直撃を受けた場所を中心に両サイドの壁や天井に激しく叩きつけられ、原型をとどめないほどに破壊されていた。

 

「………」

 

あれほどまでに破壊したのだ。再構築にも時間がかかるだろう。そして、ハジメ達はその隙に、一気にゴーレム騎士達の残骸を飛び越えていく。

 

「ウサミミがぁ~、私のウサミミがぁ~!!」

 

ハジメ達と併走しながら、ウサミミをペタンと折りたたみ両手で押さえながら涙目になって悶えているシア。兎人族……それは亜人族で一番聴覚に優れた種族である。

 

「だから、耳を塞げって言っただろうが」

 

「うぅ〜すみません…」

 

「……駄目ウサギ」

 

ハジメとユエが呆れた表情でシアを見て、その本人は落ち込みながら謝っていた。再び落ちて来たゴーレム騎士達に対処しながら、駆け抜けること五分。遂に、通路の終わりが見えた。通路の先は巨大な空間が広がっているようだ。道自体は途切れており、十メートルほど先に正方形の足場が見えた。

 

「ユエ、シア! 飛ぶぞ!」

 

ハジメの掛け声に頷くユエとシア。背後からは依然、ゴーレム騎士達が落下してくる。それらを迎撃し、躱しながらハジメ達は通路端から勢いよく飛び出した。

 

ハジメ達は眼下の正方形に飛び移ろうとした。が、思った通りにいかないのがこの大迷宮の特徴。何と、放物線を描いて跳んだ目の前で正方形のブロックがスィーと移動し始めたのだ。

 

「?!チィッ、ユエっ!」

 

ハジメはすぐさまユエに呼びかけた。目測が狂いこのままでは落下する。チラリと見た下は相当深い。するとユエの声が響いた。

 

「ん、〝来翔〟!」

 

発動した風系統の魔法により上昇気流が発生しハジメ達の跳躍距離を延ばす。一瞬の効果しかなかったが十分だった。

未だに離れていこうとするブロックに追いつき何とか端に手を掛けてしがみつくことに成功する。義手のスパイクで固定し、ぶら下がったハジメにユエとシアもしがみついた。

 

「ナ、ナイスだ、ユエ」

 

「ユエさん、流石ですぅ!」

 

「……もっと褒めて」

 

墜落せずに済んだことに思わず笑みを浮かべ、ハジメとシアはユエを賞賛する。ユエも魔力の消費が激しく少々疲れ気味だが得意げな雰囲気だ。

 

しかし……

 

「……っ?!」

 

反応がして、見ればハジメが予想した通りゴーレム騎士達は宙を飛んでいるのである。おそらく重力を制御して落下方向を決めているのだろう。凄まじい勢いで未だぶら下がったままの状態で急速接近する。

 

「やっぱりか! ユエ、シア登れ!」

 

ハジメは二人に指示をして同時にドンナーを抜き、騎士達に向かって銃撃をし、撃ち落としていく。

 

「くそっ、こいつら、重力操作かなんか知らんが動きがどんどん巧みになってきてるぞ」

 

「……たぶん、原因はここ?」

 

「あはは、常識って何でしょうね。全部浮いてますよ?」

 

シアの言う通り、ハジメ達の周囲の全ては浮遊していた。

 

入ったこの場所は超巨大な球状の空間だった。直径二キロメートル以上ありそうである。そんな空間には、様々な形、大きさの鉱石で出来たブロックが浮遊してスィーと不規則に移動をしているのだ。完全に重力を無視した空間である。

だが、不思議なことにハジメ達はしっかりと重力を感じている。おそらく、この部屋の特定の物質だけが重力制限を受けないのだろう。

 

この空間をゴーレム騎士達が縦横無尽に飛び回ったり、やはり、落下方向を調節しているのか。方向転換が急激になり、この空間に近づくにつれて細やかな動きが可能になっていった事を考えると、おそらく……

 

「ここに、ゴーレムを操っているヤツがいるな?」

 

ハジメの推測にユエとシアも賛同するように表情を引き締めた。ゴーレム騎士達は何故か、周囲を旋回するだけで襲っては来ない。取り敢えず、何処かに横道でもないかと周囲を見渡す。

ここが終着点なのか、まだ続きがあるのか分からない。だが、間違いなく深奥に近い場所ではあるはずだ。ゴーレム騎士達の能力上昇と、この特異な空間がその推測に説得力を持たせる。

 

ハジメは〝遠見〟で、この巨大な球状空間を調べようと目を凝らした。と、次の瞬間、シアの焦燥に満ちた声が響く。

 

「逃げてぇ!」

 

「「!?」」

 

シアの警告に瞬時に反応し弾かれた様に飛び退いた。運良く、ちょうど数メートル先に他のブロックが通りかかったので、それを目指して現在立っているブロックを離脱する。

 

直後、

 

ズゥガガガン!!と、隕石が落下してきたのかと錯覚するような衝撃が今の今までハジメ達がいたブロックを直撃し木っ端微塵に爆砕した。隕石というのはあながち間違った表現ではないだろう。赤熱化する巨大な何かが落下してきて、ブロックを破壊すると勢いそのままに通り過ぎていったのだ。

 

「なっ……」

 

ハジメは、ブロックが落下するとは感知が遅れていて、シアの〝未来視〟が無ければ無事じゃすまなかっただろう。

 

「シア、助かったぜ。ありがとよ」

 

「……ん、お手柄」

 

「えへへ、〝未来視〟が発動して良かったです。代わりに魔力をごっそり持って行かれましたけど……」

 

ハジメは〝未来視〟の凄さを実感しながら、通過していった隕石モドキの方を見やった。ブロックの淵から下を覗くと気になる物が目に入った。下の方を見ると何かが動いたかと思うと猛烈な勢いで上昇してきた。それは瞬く間にハジメ達の頭上に出ると、その場に留まりギンッと光る眼光をもってハジメ達を睥睨していた。

 

「おいおい、マジかよ」

 

「……すごく……大きい」

 

「お、親玉って感じですね」

 

ハジメ達の目の前に現れたのは、宙に浮く超巨大なゴーレム騎士だった。全身甲冑はそのままだが、全長が二十メートル弱はある。右手はヒートナックルとでも言うのか赤熱化しており、先ほどブロックを爆砕したのはこれが原因かもしれない。左手には鎖がジャラジャラと巻きついていて、フレイル型のモーニングスターを装備している。

 

ハジメ達が、巨体ゴーレムに身構えていると、周囲のゴーレム騎士達がヒュンヒュンと音を立てながら飛来し、周囲を囲むように並びだした。整列したゴーレム騎士達は胸の前で大剣を立てて構える。まるで王を前にして敬礼しているようだ。

 

すっかり包囲され緊張感が高まる。辺りに静寂が満ち、まさに一触即発の状況。動いた瞬間、張り詰めた空気を破ったのは……

 

巨体ゴーレムのふざけた挨拶だった。

 

「やほ~、はじめまして~、みんな大好きミレディ・ライセンだよぉ~」

 

「「「……は?」」」

 

硬直する三人に、巨体ゴーレムは不機嫌そうな声を出した。声質は女性のものだ。

 

「あのねぇ~、挨拶したんだから何か返そうよ。最低限の礼儀だよ? 全く、これだから最近の若者は……もっと常識的になりたまえよ」

 

ゴーレムからの正論にハジメは取り敢えず、謝罪をしつつ、その辺りのことを探ってみる事にした。

 

「そいつは、悪かったな。だが、俺が知る限りミレディ・ライセンは人間で故人のはずだ。まして、自我を持つゴーレム何て聞いたことないんでな……すまないがお前が何者か説明してくれ」

 

「ほぅ、礼儀はちゃんとしてるねぇ〜。まっ、良いよ〜」

 

ゴーレムはハジメの礼儀に感心しながら説明し出した。それも巫山戯ながら、

 

「ミレディさんは初めからゴーレムさんですよぉ~。何を持って人間だなんて……」

 

「オスカー・オルクスの手記にお前のことも少し書いてあった。きちんと人間の女として出てきてたぞ?」

 

「ほう……今さっきオスカーって言った? もしかして、オーちゃんの迷宮の攻略者?」

 

「ああ、オスカー・オルクスの迷宮なら攻略した。そして俺達の目的は神代魔法だ」

 

「……神代魔法ねぇ。それってやっぱり、神殺しのためかな? あのクソ野郎共を滅殺してくれるのかな? オーちゃんの迷宮攻略者なら事情は理解してるよね?」

 

「あぁ、俺達は神殺しと元の世界への帰還を目的としてる」

 

「……」

 

ハジメの回答でミレディは押し黙った。そして、一言も発さずハジメ達をジッと見つめると、今さっきとは違う口調で質問してきた。

 

「一つ良いかな?」

 

「なんだ?」

 

「君達は神殺しの為に何を望む?」

 

「……第一は故郷の元の世界への帰還。第二にお前達〝解放者〟が掲げていた人間、亜人、魔人が自由の意思で生きれるような世界にしたいと思っている」

 

「………ふふ」

 

真剣な口調で答えるハジメを見てミレディは少し沈黙した後、笑みを零してるのかは分からないが嬉しそうなのは感じ取れた。

 

「そっか〜、それは嬉しいな〜。でも、確かめさせて? 君達がそれぐらいの価値があるのかをミレディさんに証明させてみて?」

 

ミレディの発言で、ハジメは不敵な笑みを浮かべながらミレディに告げた。

 

「あぁ、良いぜっ。ミレディ・ライセン、解放者のリーダーだったアンタに俺達の力を証明してやるよっ!」

 

ハジメは問答無用にオルカンからロケット弾をぶっぱなした。火花の尾を引く破壊の嵐が真っ直ぐにミレディ・ゴーレムへと突き進み直撃する。

 

ズガァアアアン!!と、

凄絶な爆音が空間全体を振動させながら響き渡る。もうもうとたつ爆煙。

 

「やりましたか!?」

 

「……シア、それはフラグ」

 

「あぁ、アイツはまだピンピンしてるぞ」

 

煙の中から赤熱化した右手がボバッと音を立てながら現れると横薙ぎに振るわれ煙が吹き散らされる。煙の晴れた奥からは、両腕の前腕部の一部を砕かれながらも大して堪えた様子のないミレディ・ゴーレムが現れた。ミレディ・ゴーレムは、近くを通ったブロックを引き寄せると、それを砕きそのまま欠けた両腕の材料にして再構成されていた。

 

「再構築……」

 

「ふふ、先制攻撃とはやってくれるねぇ~。さぁ、君達に資格があるかミレディさんに証明してみろ〜。ミレディさんは滅茶苦茶強いけどぉ~、死なないように頑張ってねぇ~」

 

「あぁ、やってやるさっ!」

 

そして、ハジメ達三人と解放者ミレディ・ライセンの戦いが幕を上げたのだった……。

 

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