ありふれた職業で世界最強if優花   作:白San

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少し、修正しました。


五話 辛い日常

 

あの日から、告白を断った時から優花の生活がガラリと一変してしまった。

 

机の件から優花は拓也達のグループ(だいたい女子)が絡んでくること多くなった。

 

最初の頃は……

 

ドンッと廊下を歩いてる時にワザとかのように肩をぶつけられ優花は少しよろめく。

 

「……っ」

 

「あっ、ごめぇ〜ん。気づかなかったー」

 

「クスっ、でもー、園部さんもちゃんと前見て歩こぉうよ〜」

 

「クスクス」

 

「……ゴメン」

 

自分にしか聞こえない程度の声音で陰口を言われたり、ワザと強く肩にぶつかられたりした。

 

しかし、この程度なら優花も気楽にいられた。

 

だが、この程度で済む筈もなく嫌がらせが始まってから数日後のこと……

 

「アレ? 上靴……」

 

上靴を取り出そうと下駄箱を開けるか、上靴が中に無くて困惑していると、どこからか笑い声が聞こえた。

 

「クスクス」

 

それは、嘲るような笑い声で声がする方向を目で追うと、そこには何時も絡んでくる女子生徒達の姿が見えた。

 

すると、見ているのがバレたのか女子生徒達が優花の方へ歩み寄ってきた。

 

「園部さぁん、どうしたのぉ?」

 

「いや、あの私の上靴を知らないかな?って……」

 

悪意のある笑みを浮かばせる女子生徒に聞かれて、優花は作り笑いしながら上靴が無いこと伝えると女子生徒は口角を上げ、更にその笑みを深めた。

 

「あぁ……上靴。そうえば、アッチのゴミ箱に汚い誰かの上靴が捨ててあったのは知ってるよ〜」

 

「……そう、ありがと」

 

わざとらしい言い方に、優花は素直に従ってゴミ箱の方へ向かう。そんな歩き去る優花の姿を女子生徒達は、面白くないといった表情でジッと見詰めていた。

 

そんな上靴を隠されたりとまだしょうもない嫌がらせを優花には耐えれていた。しかし、ある日を境に嫌がらせがエスカレートしていった……。

 

「優花、帰ろ〜。ハジメはもう遠藤と遊びに行ってるらしいし私達も奈々とどっか遊び行こ?」

 

「うん」

 

最近、ハジメは浩介と一緒につるむようになり彼はおらず帰り支度をしてると妙子が席にやって来て楽しそうに笑みを向けて一緒に帰ろうと言っている。そして、優花も妙子の誘いに乗って一緒に帰ろうとした時だった。

 

自分達に近付く足音が聞こえて振り返る。

 

「ねぇ、園部さん。ちょっといい?」

 

「……」

 

視線を辿ると、いつも優花に絡んでくる女子生徒達のリーダー格の女子が腕を組みながら話しかけてきた。

 

「来なければ───知らないよ?」

 

「はあ? ちょっと、何言ってんの? 優花、無視して奈々を呼び行こ?」

 

その脅しめいた発言に、妙子が突っかかって優花を連れて行こうとするが、それを優花が止めた。

 

「……わかった。着いていく」

 

「え? 優花?」

 

リーダー格の女子の言うことを聞いて、着いていくと言う優花に妙子は目を見開いて驚いていた。優花は妙子に向き直って手を合わせながら謝った。

 

「ゴメン、妙子。遊びに行くのは奈々だけでお願い」

 

「えっでも……優──「じゃあねっ、妙子っ。また明日ね」──花……」

 

妙子の言葉を遮りながら、優花はリーダー格の女子に従うように着いていって教室を出ていくのだった。その姿を妙子は見ることしか出来なかった。

放課後、生徒達も帰宅や部活などで校舎には人があまり見掛けない。そんな中、優花を連れたリーダー格の女子生徒はどんどんと人気のない場所へと移動していく。

 

「コッチよ」

 

そして、女子生徒に連れてこられた場所は普段から生徒達が寄って来ないトイレだった。そして、中に入ると、いつもの嫌がらせをしてくる四人の女子生徒が玩具を見るかのように笑みを浮かばせながら集まっていた。

 

優花とリーダー格の女子が来たと分かると逃がさないようにと優花の周り取り囲みだした。

 

いきなり囲まれたことに優花は困惑してしまう。

 

「えっ……あの……」

 

リーダー格の女子生徒は優花を壁まで追いやると、そのまま脅かすように勢いよく手を壁に突きつけると、低い声音で話しかけた。

 

「……っ」

 

「……ねぇ、園部さんさぁ?自分が可愛いからって、なんか調子乗ってない?」

 

リーダー格の女子生徒はそう言いながら優花を敵として見るかのように睨みつける。

 

それを聞いた優花は、すぐさま否定した。

 

「いや……わ、私そんなこ──っ?!」

 

しかし、言い切る前に、パァァン!と風船が破裂した音が聞こえると同時に優花の頬に痛みを感じた。

 

「黙りなさいよ」

 

否定しようとした優花に取り囲んでいた一人の女子生徒が近付いて平手打ちしたのだ。優花は突然の平手打ちにバランスを悪くしてしまい、転びはしなかったがよろけてしまった。

 

「ハッ、調子に乗ってるからよ」

嘲笑するように女子生徒は言い出すと、他の女子生徒達もよろけた優花を見て無様だと笑いだす。そして、他の女子生徒達は優花の肩を押して、また、わざとよろけさせて笑いだす。

 

「そうよ、そうよ調子乗りすぎ」

 

「ざまぁ」

 

「ホントにそれっ」

 

三人の女子生徒がそんなふうに私を嘲けていると、リーダー格の女子生徒が近付きながら見下すような目で話しかけてきた。

 

「無様なものね」

 

リーダー格の女子生徒はそう言って嘲笑しているが、泣き出さない優花を見てすぐに真顔になる。顔を見ると、その瞳には自分に対する凄い憎しみを感じ、優花は少し顔を青くなる。

 

「……ッ」

 

「ホントになんなの? なんで、拓也がアンタなんかに告白したのかよく分かんない。まさか……色仕掛けとかしたの?」

 

「いや、私はそんな事っ」

 

そんな見下すように話しかける女子生徒の言葉にすぐに優花は否定しようとするのだが……

 

「うわっ、淫乱女じゃん」

 

「女子の敵じゃん、クズめ」

 

「幻滅〜」

 

「拓也君、可哀想」

 

周りにいた他の女子四人の非難のせいで、私の否定の言い分が掻き消されてしまう。その後、優花は彼女達に数十分の間、悪口やバレにくいところに暴力を振るって、最終的にはトイレに置いてあるバケツに水を入れ始めた。

 

「今から、その汚れ落としてあげる!」

 

水が溜まったバケツを優花に勢いよくぶっかける。咄嗟に優花は避けようとしたが、もう既に遅く水が優花へと水が降りかかってしまう。

 

「…ッ、冷た!」

 

水をかけられたせいで制服が濡れてしまって、体が冷たくなるのを感じた。そんなビショビショで濡れている優花を見て、女子生徒達は一斉に笑い出した。

 

「これで、綺麗になったんじゃない……ふふ」

 

「うっわぁ〜、びしょ濡れじゃん。ハハっ」

 

「クスっ、良かったじゃん。綺麗になってー」

 

そう言って、笑いながら彼女達は満足したのか「片付けよろ〜」と優花を馬鹿にしながら、トイレから去っていった。

 

女子生徒達の足音が完全に聞こえなくなるのが分かると優花はフッと糸が切れたかのように力なくその場にしゃがみこんだ。

 

「グスっ……」

 

辛くて泣きそうになった。誰かに相談したかった。でも両親には迷惑をかけたくない。もし話したりすると、もしかしたら自分にとっての大切な友達、そして彼が、あのグループの標的にされそうになると思ってしまい、口には言えずにいた。

 

その後、優花は両親に心配されないようにとある程度、服を乾かしてから家に帰ったのだった。

 

 

それから数日、優花は大切な幼なじみ達がこの件に巻き込まれないようにと、放課後など一人で過ごすことが多くなった。奈々達からは、昼ご飯とか一緒に下校しようとか誘われるも、何かと都合をつけたりして断った。

 

二人は優花が自分達に何か隠してるんじゃないかと訝しむが優花はなんとか誤魔化した。

 

そして放課後、いつものように拓也達のグループからは、日課のようにイジメが初めていく。他人からバレにくい場所限定を殴っては痣はバレないように痛みつけていた。

 

優花はイジメがバレないように徹底していたが、彼は黙っていなかった。

 

それは、〝ウィステリア〟の手伝いをしている時だった。

 

「優花ちゃん。どうしたのその痣?」

 

「……っ」

 

ハジメに言われて咄嗟に制服で青痣の部分をすぐに隠す。

 

腕に出来た青痣が少し見えてしまったのだろう。一緒に手伝いをしていて、優花にとって一番、バレたくない人。迷惑を掛けたくなかった彼にはバレたくないとすぐに顔を誤魔化した。

 

「転んだけだから、大丈夫だよ」

 

優花はそう言って、なんとか誤魔化して乗り切ろうとしたが、しかし……

 

「ホントに転んだの……?」

 

流石は、約八年来の幼なじみというべきか彼は訝しむが、優花は嘘だとバレたくないのでなんとか、ハジメになんとか色々な言い訳を言って誤魔化すことが出来た。

 

「優花ちゃんは、そんなに言うなら信じるよ……」

 

しかし、ハジメはまだ納得してないものの追求をやめて自分の作業に戻る。

 

「うん。でも、心配してくれてありがとうハジメ君」

「うん!……でも、本当に何かあったらいつでも、僕に言ってね、絶対優花ちゃんを守るから!」

 

「ありがとう」

 

優花は彼の優しい笑みを見て心が少し救われるような気がした。彼の言葉で私の曇っていた心が晴れたような気分になった。

 

だから、これからも頑張ってイジメに耐えぬいていこうと優花は決心するのであった。

 

 

 

「はぁ〜〜〜〜……」

 

溜息を吐きながら奈々は廊下を歩いていた。何故、奈々が溜息ばっかするのは優花のことであった。

 

最近の優花がおかしいと感じ始めた。新しいグループにいて、妙子とハジメ達をまるでわざと避けているような気がするのだ。

 

一度、奈々は優花に声をかけようとしたのだが逃げるように去っていく優花を見て、最近の奈々はスッカリ元気を無くしていた。

 

そんな奈々は廊下を歩いている時だった。偶然と、放課後に優花と最近一緒につるんでいる女子生徒達を見かけてこっそり尾けていくことにした。

 

「此処って……」

 

そのまま付けていって辿りついた場所に奈々は首を傾げる。女子生徒達が向かった場所は普段は人が寄って来ることのないトイレなのだ。

 

「何でこんなと……「キャッ!」…ユウカっち?!」

 

奈々は、何故こんな所にと思っていると中から大切な幼なじみの悲痛な声が聞こえ、咄嗟に体が動いて中にいる人にバレないように中を見る。

 

「……っ!」

 

奈々はその光景を見て、信じられないか口元を両手で覆う。其処には……

 

「ほら、何か言いなさいよ!」

 

「……っ!」

 

奈々の視線の先には、優花が中にいる女子達によってイジメられてるところだった。蹴られて、罵倒され、痛いのか表情を歪める優花の姿が奈々の目に入った。

 

「……ユウカっち」

 

奈々は怖くて、口がブルブルと震え、泣きそうになっていて、遂にはその場から逃げ出してしまった。

 

急いで階段を駆け上がる中、奈々は、目元に溜まる涙を袖で拭き取る。

 

「グスっ、……つ、伝え……ないとっ!」

 

奈々は急いで駆ける。このことを自分の幼なじみの彼──南雲ハジメ。彼に伝えないとという思いが頭の中を占領してしまっていた。だからだろう、彼に伝えるよりも他に何かあったかもしれない。が、今の奈々はハジメのとこへと向かうことしか考えられなかったのだった。

 

 

そして、誰も予想出来なかっただろう。これがキッカケであんなことになるなんて……。






編集しました。十月二十二日。

雫はハーレムにいる?

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