ハジメ達は樹海に向かってる最中にハイリヒ王国の王女のリリィとウルで会った謎の白ローブの男、改めアレス・バーンと再会した。そして、アレスが話す事はハジメ達にとって驚愕するモノだった。
「……私が動いた目的は簡単です。 神共がとうとう行動を始めました」
「「「「「!」」」」
ハジメはアレスの発言に目を見開き驚愕したが、詳しく知る必要があるため、すぐさま落ち着きを取り戻してからアレスに問いかけた。
「神共が動き出したってどういう事だ?」
「言った通りのことです。 神共の目的……いや神共にとっては戯れですね。それが佳境に入ったんです。……そろそろ人間族と魔人族との大きな戦争が起きます」
「あの、どうしてそう言い切れるんですか?」
アレスはハジメの問いかけに詳しく説明したがハジメはどうしてそう言いきれるのが不明で聞き出そうとしたらハジメと同じ事を思っていた優花がアレスに質問した。
優花の質問でこの場の全員の視線がアレスに向く。アレスは真剣な表情をしながら話した。
「使徒が動きだしました」
「……使徒?」
アレスの発言にユエが首を傾げながらアレスの言っていた単語を言いながら、視線をハジメと優花に向く。
「いえ、ハジメ殿達も使徒と言われてますが彼等は
「ネームド?」
「はい、ハジメ殿と皆さん方は、メルジーネ海底遺跡の幻覚の試練の時、見た筈です帆船にいたローブの被った銀髪の女を」
ハジメは狂乱した人間族の王の傍にいたローブを被った奴の姿を思いだし、声をあげた。
「……ッ! アレスっ。まさかあの銀髪が神の使徒って奴なのか?」
「はい、ハジメ殿。奴等」
ハジメの推測が当たったようで、アレスはハジメの回答に頷きながら答えた。
「ハジメ殿が答えたように神の使徒は調整や特にネームドはイレギュラーの排除に駆り出されます」
「調整ですか?」
「はい、彼女達は固有魔法で〝
ハジメはアレスの話で使徒の役割である意識改革である事を思い出した。
「なぁ……もしかしてだが、樹海の掟で魔力持ちの亜人が迫害されるようになっていた。そんな掟をつくったのは神の使徒の仕業か?」
「「!」」
ハジメの言葉にユエとシアをハッと目を見開いた。そうハジメは、以前から樹海の掟は神が関わっているだろうと踏んでいたがアレスの発言で確信したのだ。
「そうですね……私は、まだ樹海には入った事はないですが、確か、樹海の初代女王で解放者の一人だったリューティリス・ハルツィナは魔力持ちの亜人ですからね……そんな掟があったなら使徒の仕業と言えますね。まぁ、理由は簡単でしょう。亜人は元々人間と魔人より身体能力が高いですし、其処に魔力すらも持っていたら能力の差が凄いですからね調整の為に行ったんでしょう……」
「チッ……やっぱりか」
「じゃあ……私達はそんな理由でっ」
「「「シアっ」」」
アレスの推測にハジメは悪態をつき、シアはその場で両膝をつきながら倒れ込むように座り込んだ。優花達がシアの元に駆け出した。余程ショックだったのだろう。ただの〝調整〟で魔力持ちの亜人達は迫害されるようになったから。ハジメは怒りで自分の右の拳を握りしめた強くし過ぎたせいか血が流れたている。しかし、ハジメはある疑問を抱いた。アレスは攻略者でこの世界の真実を知ってるのは分かる。だが、ハジメ達より遥かに神共の情報を持っていた【グリューエン】や【メルジーネ】にはそんな情報はなかった筈だ。
ハジメはアレスに問い掛けた。
「アレス、お前は何でそんなに情報を持ってる? お前は幾つの神代魔法を持ってるんだ?」
「………」
ハジメの問いにアレスは黙る。優花達もハジメと同じような事を思ったんだろう。シアに寄り添いながら視線はアレスに向いていた。
「……で、どうなんだ?」
「そうですね……私は三つの神代魔法を持ってます」
「三つ?」
「はい、私が持つ二つはハジメ殿達が所有している空間と再生魔法です」
「もう一つは?」
「……神山」
「は?」
「神山にある大迷宮で得た魔法。私の祖先であるラウス・バーンの魔法……魂魄魔法です」
「「「「!」」」」
「?」
「なっ?!」
アレスの言葉にハジメ達は驚愕し、リリィは話の内容についていけてないのか首を傾げている。
「なっ、祖先ってアレスお前……解放者の子孫かよ。それに魂魄魔法って……」
「はい。私達、バーン家は王家とは血縁関係で王国をつくった初代王はシャムル・バーン……ラウス・バーンの息子らしいです。 魂魄魔法は簡単に言えば生きてるモノ魂……通常は干渉が出来ないモノに干渉する事が出来る魔法です」
「……じゃあ今さっきの〝震天〟とウルの時に醜男達にやった魔法って」
シアに寄り添っていた魔法の天才のユエがアレスの話を聞き自分の見た二つの魔法の原理を知る為、アレスに質問した。ハジメはユエの辛辣な物言いに呆れた表情をしながら彼女を見つめ、それから俺も原理は知りたかった為、アレスに視点をずらした。
「はい、ユエ殿の考えてる事ですよ。今さっきの〝震天〟も私が選んだ人達の魂魄に干渉して〝震天〟の影響を受けなくしていました。 それに、デイビッド達にしたのは強制的に魂魄を落ち着かせる〝鎮魂〟と言う魔法ですね」
「……しかし、魂魄を干渉出来るとな。もしかしてじゃが、死んだ者にも干渉して復活させる事は出来るかの?」
「「「「!」」」」
アレスの説明に、驚くハジメ達だったがユエの次に魔法に詳しいティオがとんでもない事を言い出し、ハジメも優花達も気になったようでアレスに視線を向けた。
「……そうですね、出来はしますね」
「ならっ!護衛隊だった人達をっ!」
アレスの答えに優花は反応し、護衛隊の中で死んだ人達を生き返らせる事をしなかったと怒りの眼差しを向けながら声をあげた。
「……すみません、優花殿。魂魄魔法は人を生き返らせる事は出来ます。ですが、時間が経っている魂や既に壊れ切ってる魂だと復活させる事は出来ません……」
「そ、そんな……」
「本当に申し訳ありません。私がもう少し早く駆けつけていれば……」
「いえっ……私も勝手に怒鳴ちゃって……」
「そうですよっ! 兄様は悪くないです」
「……二人共、ありがとうございます」
アレスは顔を俯きながら自分が少しでも早く駆けつけていればと後悔しながら頭を下げたが優花も申し訳なくなり、自分の非を謝り、リリィもアレスを心配して励ましていた。それからは、ハジメとアレスはそれぞれの神代魔法の情報交換をしていった。
そして……
「…………頭がついていかねぇんだけど」
ハジメはアレスから出る情報量に頭を痛め頭がパンクしそうだった。
「ハハッ……最初はそうなりますよ。私もこの手記を見つけた時はそうでしたから…」
アレスは、ハジメの様子に懐かしげに苦笑いをしていた。
「手記って……」
「あぁ、言ってなかったですね……私が十五の時に家の隠し部屋にこの手記と……この槍がありまして」
そう言いながらアレスは片手に手記を持ち、もう片方から槍を取り出した。
「なぁ、アレスその槍は何だ? 運転してる時も見たが、それって、オスカー・オルクスが創ったアーテイファクトだろ?」
「やはり、オルクス大迷宮を攻略した錬成師であるハジメ殿は分かりますか……はい、これはオスカー・オルクスが造り直したアーティファクトで最高傑作と言われてる一つです」
「……!」
ハジメはアレスの最高傑作という言葉を聞いて驚きのあまり目を見開いた。
「名は聖槍〝ロンギヌス〟です」
「聖槍〝ロンギヌス〟……どういう能力だ」
「まぁ、気になりますよね。そうですね、この槍は常に魔力を喰らいます、それも勝手に。だから変に使うと魔力がなくなってしまいぶっ倒れてしまうほどのじゃじゃ馬です。しかし、性能は素晴らしいですよ。名前だって〝ロンギヌス〟は私の祖先がつけたらしいですがホントの名は〝必殺槍・暴食魔力ランス君〟らしいです……手記に書いてました」
「………」
ハジメはアレスの説明でやはりオスカー・オルクスの技術は素晴らしいと感嘆したがネーミングセンスだけはやっぱり酷いと思いながら苦笑いをした。
「……大体の事は分かった。でも、アレス一つ良いか?」
「はい、何でしょう?」
「何で〝元〟王国最強なんだ? 後、お前の名前なんて王国にいた時は聞かなかったぞ?」
「私も確か……帝国のガハルド皇帝が口にしてたのとイシュタルさんが知ってそうだったけど、アレスって名は、町では余り聞いたことないわ」
「………それは「私が説明します」……リリィ」
アレスが説明しようとした時、リリアーナが割り込んだ。そして、アレスへと向き直る。
「兄様、私も五年前の件の真相を知りたいんです。あの事件でランデルとメルド。そして、ヘリーナも悲しんでいたんですよ」
「リリィ……」
リリアーナの言葉から、アレスの件はリリアーナも知ってるようで彼女が説明すると言った。暗い雰囲気だったが埒があかない為、ハジメはリリアーナに声をかけた。
「それで、リリィ。アレスは何をしたんだ?」
「あっ、すみませんハジメさん。では、話します。 五年前、アレス兄様……いえ、アレス・バーンは南の魔人族領から少し離れた場所にあった魔人族の村の殲滅作戦の際、教会側に反抗、その後、教会側の軍を全滅させて魔人族の村を守った事で教会から異端者とされ、人間族の敵として王国から追放されました」
「そうか……そん時から知ってたんだな」
「はい、ハジメ殿の考えてる通りです」
ハジメがアレスに確認を取って、頷いていると、リリアーナは目元に涙を溜めながら声をあげた。
「 なんで兄様は私やメルドと幼い頃から一緒にいたヘリーナさえも説明しなかったんですかっ! あの時のヘリーナの姿は見てもいられませんでしたっ!」
「……説明しても、理解出来ないと思いました」
「でもっ!…「リリィ、落ち着け」ハジメさん……」
ハジメは泣き叫ぶリリィを落ち着かせる為、頭に手を置いた。
「リリィ……アレスにも事情があんだよ」
「ハジメさん……あのっ、すみません。兄様……私も取り乱し過ぎました」
「いや、大丈夫だよ。リリィ、君の意見はご最もだからね」
リリィは落ち着きを取り戻し、アレスに謝った。アレスも五年前の件は自分に非があると分かってる為、リリアーナの怒りも理解している。その後、アレスの話は一旦終わりにし、ハジメはもう一人この場に居るのは珍しい人物の話を聞く事にした。
「しかし、アレスの話は分かったが……リリィ何で王女のお前が此処に?」
「そうよ。リリィ何でこんな場所に」
「それは……」
「まぁ、王国を出た理由は大概、俺達を探す為だろ」
「えっ、何でわかったんですか?!」
「まぁ……リリィが向かってた場所はアンカジと聞いたし、俺達を見つけた時点でアンカジに向かうのをやめるなんて俺達に用があるのは明確だろ?」
「うっ……おっしゃる通りですね」
ハジメはそんな目が泳いでるリリアーナに苦笑いしながら真剣な表情になり問いかけた。
「リリィ、もしかして王国にに何かあったか?」
「……! 実は……」
焦燥感と緊張感が入り混じったリリアーナの表情が、ハジメの感じている嫌な予感に拍車をかける。そして、遂に語りだしたリリアーナの第一声は……
「愛子さんが……攫われました」
ハジメの予感を上回る最低のものだった。
リリアーナの話を要約するとこうだった。
最近、王宮内の空気が何処かおかしく、リリアーナはずっと違和感を覚えていたらしい。
父親であるエリヒド国王は、今まで以上に聖教教会に傾倒し、時折、熱に浮かされたように〝エヒト様〟を崇め、それに感化されたのか宰相や他の重鎮達も巻き込まれるように信仰心を強めていった。
それだけなら、各地で暗躍している魔人族のことが相次いで報告されている事から、聖教教会との連携を強化する上での副作用のようなものだと、リリアーナは、半ば自分に言い聞かせていたらしいだが……
違和感はそれだけにとどまらなかったらしい。妙に覇気がない、もっと言えば生気のない騎士や兵士達が増えていったらしく、顔なじみの騎士に具合でも悪いのかと尋ねても、受け答えはきちんとするものの、どこか機械的というか、以前のような快活さが感じられず、まるで病気でも患っているかのようだったらしい。
そのことを、騎士の中でもっとも信頼を寄せるメルドに相談しようにも、少し前から姿が見えず、時折、光輝達の訓練に顔を見せては忙しそうにして直ぐに何処かへ行ってしまう。結局、リリアーナは一度もメルドを捕まえることが出来なかった。
そうこうしている内に、愛子が王都に帰還し、ウルの町での詳細が報告された。その席にはリリィも同席したらしい。そして、普段からは考えられない強行採決がなされた。それが、俺の異端者認定だ。ウルの町や勇者一行を救った功績も、〝豊穣の女神〟として大変な知名度と人気を誇る愛子の異議・意見も、全てを無視して決定されてしまったらしく有り得ない決議に、当然、リリアーナは父であるエリヒドに猛抗議をしたが、何を言っても俺を神敵とする考えを変える気はないようだった。まるで、強迫観念に囚われているかのように頑なでむしろ、抗議するリリィに対して、信仰心が足りない等と言い始め、次第に、娘ではなく敵を見るような目で見始めたらしい。
恐ろしくなったリリアーナは、咄嗟に理解した振りをして逃げ出し、そして、王宮の異変について相談するべく、悄然と出て行った愛子を追いかけ自らの懸念を伝えた。すると愛子から、俺が奈落の底で知ったクソ神共の事や旅の目的を夕食時に生徒達に話すので、リリアーナも同席して欲しいと頼まれたのだそうだ。
愛子の部屋を辞したリリアーナは、夕刻になり愛子達が食事をとる部屋に向かい、その途中、廊下の曲がり角の向こうから愛子と何者かが言い争うのを耳にした。何事かと壁から覗き見れば、愛子が銀髪の教会修道服を着た女に気絶させられ担がれているところだった。
リリアーナは、その銀髪の女に底知れぬ恐怖を感じ、咄嗟にすぐ近くの客室に入り込むと、王族のみが知る隠し通路に入り込み息を潜めた。銀髪の女が探しに来たが、結局、隠し通路自体に気配隠蔽のアーティファクトが使用されていたこともあり気がつかなかったようで、リリアーナを見つけることなく去っていった。リリアーナは、銀髪の女が異変の黒幕か、少なくとも黒幕と繋がっていると考え、そのことを誰かに伝えなければと立ち上がった。
ただ、愛子を待ち伏せていた事からすれば、生徒達は見張られていると考えるのが妥当であるし、頼りのメルドは行方知れずだ。悩んだ末、リリアーナは、今、唯一王都にいない頼りになる友人を思い出した。そう、優花だ。そして、優花の傍にはリリアーナ自身、特別な信頼をしてる俺がいる。もはや、頼るべきは二人しかいないと、リリアーナは隠し通路から王都に出て、一路、アンカジ公国を目指したのである。
アンカジであれば、王都の異変が届かないゼンゲン公の助力を得られるかもしれないし、タイミング的に、俺達と会うことが出来る可能性が高いと踏んだからだ。
「あとは知っての通り、ユンケル商会の隊商にお願いして便乗させてもらいました。まさか、最初から気づかれているとは思いもしませんでしたし、その途中で賊の襲撃に遭い、それをアレス兄様に助けられるとは夢にも思いませんでしたが……少し前までなら〝神のご加護だ〟と思うところです。……しかし……私は……今は……教会が怖い……一体、何が起きているのでしょう。……あの銀髪の修道女は……お父様達は……」
自分の体を抱きしめて恐怖に震えるリリィは、才媛と言われる王女というより、ただの女の子にしか見えなかった。だが、無理もないことだ。自分の親しい人達が、知らぬうちに変貌し、奪われていくのだからな。優花は、リリアーナの心に巣食った恐怖を少しでも和らげようと彼女をギュッと抱きしめた。
「チッ……アレス、もしかしてだが……」
「はい。ハジメ殿がご想像している通りです……使徒の仕業です」
「…………クズ神共め」
ハジメはリリアーナの様子を見ながら、アレスの確認を取り内心で舌打ちしながら悪態をつく。リリィの語った状況は、まるで【メルジーネ海底遺跡】で散々見せられた〝末期状態〟によく似ていたからだ。神に魅入られた者の続出。非常に危うい状況……いや、手遅れかもしれない。
それに先生が攫われた理由は十中八九、先生が神の真実とハジメの旅の目的を話そうとした事が原因だ。おそらく、駒としての天乃河達に、不審の楔を打ち込まれる事を不都合だと判断したんだろう。
ならば、先生が攫われたのは、ハジメの責任だ。攫ったという事は殺す気はないと思うが、裏で人々をマリオネットのごとく操り享楽に耽る者達の手中にある時点で、何をされるかわかったものではない。
だからこそ……
「取り敢えず、先生を助けに行かねぇとな」
ハジメは救う事を選ぶ。
ハジメの言葉に、リリアーナがパッと顔を上げる。その表情には、共に王都へ来てくれるという事への安堵の気持ちがあらわれていた。
「宜しいのですか?」
リリアーナの確認に、ハジメは肩を竦めた。
「先生のためだ。あの人が攫われたのは俺が原因でもあるし、放って置くわけにはいかないそれに、リリィのそんな顔も見たくねぇし……王国にいる浩介達が心配だ」
「ハジメさん……」
リリアーナは、ハジメの言葉に頬を染め、俯いた。
「リリィ?」
「あっいえっ…何でもないですよっ。ハジメさん!」
「そうか……」
ハジメは俯いてるリリアーナが気になり顔を見ようとしたらリリィは慌てだした。すると、優花達の方から視線を感じたがスルーしてハジメは状況の整理をしていく。
先生を攫ったのは教会の修道服を着た女。そして、異常な程教会に傾倒する国王達のことを聞けば、十中八九、今回の異変には教会と神共が絡んでいると分かる。つまり、先生を助けるということは、神の何かと相対しなければならない。優花と笑みを交わし合うリリアーナを横目に、ハジメは口元を僅かに歪める。
ハジメには、先生救出以外にも、もう一つ目的があった。それはアレスが習得してる【神山】にある神代魔法、魂魄魔法だ。ミレディの情報であるとは知ってたが、聖教教会の総本山でもある【神山】の何処に大迷宮の入口があるのか、さっぱり見当もつかず探索するにしても、教会関係者の存在が酷く邪魔で厄介だったので後にまわしていたが今がチャンスかもしれないとハジメは踏んだ。
後、此処には【神山】の迷宮の攻略者のアレスから情報など貰えば習得出来る確率は上がる。それに、リリアーナの言った銀髪の女……アレスが言っていた神の使徒で間違いない。メルジーネの時だと僅かに時代が違いすぎるが神の使徒であることは納得だ。そして、ハジメは必ず使徒と殺り合う事になる。
ハジメはそう考えながら闘志を燃やす。神の使徒はどれくらい強いか? 自分との差はどれくらいなのか? そして自分より強くても抗って勝ってやると獰猛な笑みを口元に浮かべる。
「……ハジメ、素敵」
「はぅ、ハジメさんが、またあの顔をしてますぅ~、何だかキュンキュンしますぅ」
「むぅ、ご主人様よ。その笑みを刺さるのじゃ」
「……三人共、雰囲気ぶち壊し過ぎよ。まぁ、気持ちは分かるけど」
しかし、頬を赤らめて、ハァハァする女性陣のせいで雰囲気は何とも微妙で優花が突っ込んだ。優花も最後に何か言っていたがそこはスルーする。
そして……
「アレス、手伝ってくれるか?」
「何を言いますか。私の目的はハジメ殿の助力そして仲間として迎えらたく馳せ参じましたから」
「やっぱり……接触した理由はそれか」
「えぇ、神共が動きだしたなら私も動くべきだと思いましてね」
「でも、王国の件は個人的にも何かしたいだろ?」
「はい、王国は私の故郷です。決して神共の遊びの盤上じゃない。私としても苛立ってますからね」
「クハッ……そうかよ」
「それで、ハジメ殿……この件は……」
「大丈夫だって、お前等も良いだろ?」
ハジメはわかってる事だが冗談交じりに優花達に聞いた。
「私は構わないわよ」
「……私も優花とハジメが良いなら賛成」
「アレスさんがいれば心強いですぅ〜」
「うむ、アレスがいれば、これからの迷宮攻略も捗るしの」
四人共、言ってる事は違うがアレスの件に賛成の意見を述べた。
「だってよ、アレス」
「ハハッ、嬉しい限りです」
アレスは喜びを隠せず笑った。
これで戦力は十分だとハジメは不敵な笑みを浮かべる。化け物の自分、魔法の天才吸血姫のユエ、身体強化チートのシア、竜人族で一、二番の実力のティオ、支援チート治癒師の優花、そして新しく加わった元王国最強の神官のアレス、この六人ならどんな奴等が来ても、クソ神共が来ても戦える気がしてしまう。
「クハッ……じゃあ行こうかっ」
───どんな奴が来ても絶対に負けねぇ。足掻いて足掻いて勝ってやるよ!
新たな仲間を得たハジメはそう心の中で誓い、笑みを浮かべて瞳に炎を宿らせたのだった……。
ーアレスのステータスー
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アレス・バーン 25歳 男 レベル:99
天職:神官
筋力:4500
体力:7800
耐性:4000
敏捷:3500
魔力:7500
魔耐:7000
技能:詠唱[+詠唱短縮][+詠唱極限短縮][+詠唱無効]・光属性適性[魔力消費減少][効果上昇]・光属性耐性[光属性効果上昇]・物理耐性[+治癒力上昇][+衝撃緩和]・複合魔法・槍術[投槍術][+真槍術][无二打][魔槍術]・縮地[+爆縮地][+無拍子]・先読・高速魔力回復[+瞑想]・気配感知・魔力感知・適応[+毒耐性][+熱耐性]・限界突破・空間魔法・再生魔法・魂魄魔法
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編集しました。十一月三十日
愛子はハーレムに入れるか入れないか
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いる
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いらない