ウルトラマンゼローザ・リリカルユニバースー   作:日々野未来

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 久しぶりに投稿、丁度3月15日、なのはの誕生日なのでできている話をこの日に投稿しました。ゆっくり投稿していこうと思いますのでのんびり書いていきます。


Record.01『失われた記憶』

 地球の日本のとある港町のにある家。そこのリビングで幼い姉弟がソファーに座り、仲良くおやつを食べていた。

「美味しい?お姉ちゃん」

「うん、すごく美味しいよ、零夢はまだ小さいのにホットケーキ焼くの上手だね」

 栗色の髪をツインテールに結んだ少女と、青い髪を持つ少年がホットケーキを食べていた。だが、姉弟という関係からは考えると二人の髪の色や顔付きがあまり似てないように感じられた。

「お姉ちゃんのキャラメルミルク美味しい?」

「うん、美味しいよ」

 だが、二人にとってそのような事は気にする物ではなかった。二人は確かに姉弟だった、仲の良い姉弟、その事実には変わりなかった。

「お姉ちゃんもこのぐらいしっかりできてたら良かったのに」

「そんな事ないよ! お姉ちゃんはしっかりしてるよ! それに魔法使いになって困ってる人もいっぱい助けてるじゃん!」

 『魔法使い』……普通ならばあり得ない話だが、この時代では魔法使い……『魔導師』の存在が浸透し始めており、魔法が身近な存在となろうとしていた。

「ありがとう零夢、本当に零夢は優しいね」

 よしよしと少年の頭を撫でる少女。少年も少し照れていたが嬉しさが勝っており、笑顔となっていた。

「お姉ちゃんに撫でられるのすごく好き、テルお姉ちゃんに撫でられるのも好きだけど」

「もう、シュテルの名前出して、今日はお姉ちゃんと二人でおやつでしょ?」

 少し妬いてしまう少女、少年にはもう一人姉と呼べる存在が居り、彼女に対しても実の姉のように慕っていた。

「まぁシュテルが零夢にメロメロなのはよく解るけど………こんなに良い子で可愛いんだもん、仕方ないよね~」

 少女も少年にメロメロで抱き寄せてしまう。少し拗らせてるようにも感じられるがこれが平常運転だった。

「お姉ちゃん恥ずかしいよ~」

「にゃはは~」

 恥ずかしくてもやはり嬉しさが勝る、お互いの温もりは心地よく、このままお昼寝してしまいそうだった。

「さて、零夢の成分も補給したし、おやつも食べてお腹いっぱいになったから出発しようかな」

 立ち上がる少女、少女は魔導師としての仕事があり、その仕事のために出掛けようとしていた。

「お姉ちゃん行っちゃうの?」

「行っちゃうのって、今日ヴィータちゃんと雪の世界で任務があるって話してたでしょ?」

 そして、別世界の存在は魔導師よりも浸透していた。魔導師の任務は別世界に赴く事もあるのだ。

「そうだったね」

 解ってはいたが浮かない顔をする少年。

「どうかしたの?」

 その反応に心配する少女だが、逆に心配されている事には気付いていなかった。

「誰かに変わって貰うとかできないの?」

「できないよ~だって、これはお姉ちゃんに任されたお仕事なんだから」

 胸を張る少女、魔導師である事に誇りを持っているのが感じられた、そして、その力を持つ者の責任も理解しているようだ。

「零夢達が安心して暮らせるようにお姉ちゃん頑張るから、良い子にしてるんだよ?」

 出発しようとする少女だが少年はその腕を掴んで引き止めてしまう。

「今日はワガママだな~よしよし」

 少女は再び抱き寄せ、優しく抱き締める、その温もりに少年は眠気を感じ始めていた。

「お姉ちゃんは大丈夫、だから安心してお留守番しててね」

「ん、うん………」

 すやすやと眠り始める少年、少女は風邪ひかないようにと毛布を掛けた。

「行ってくるね零夢」

 その額に唇を落す少女、少し顔を赤くしていたが魔導師としての任務のために出発するのだった。

 

 

 

 

 

「行くな姉ちゃん!」

 その少女を止めようと起き上がる少年だったが、自分の掌を見て固まった、その大きくなった掌を見て。

「夢、か」

 少年は成長して15歳になり、来年で16歳となる。特徴的な青い髪は健在であるが、目付きはつり目となり、鋭くなっていた。

「またあの時………くっ」

 二つの月が浮かぶ夜空の下、両手を胸に当てて踞る少年、胸が痛かった、昔の記憶(トラウマ)により苦しく、呼吸も少し荒くなっていた。

「姉ちゃん……」

 空を見上げて一言呟く少年『高町零夢(タカマチ・レイム)』、その呟きは二つの月が浮かぶ夜空へと消えていくのだった。

 

 

 

 

 

 数多の世界が存在するこの時空では『ギャラクシークライシス』と呼ばれる大災害が発生し、甚大な被害をもたらした。旧暦時代の戦争を教訓に設立された『時空管理局』が中心となって対処に当たり、『地球』の『地球防衛軍TDF=Terrestrial Defence Force』を始めとした各世界の防衛機構と連携して事態の収拾を収める事に成功した。

 

 

 

 

 

 ギャラクシークライシス終結後、大規模な災害で被害は甚大だったが、これが切っ掛けにより世界同士の繋がりが増え、交流が盛んとなった、それも管理局が管理していた時よりもその数は多く、管理局だけでは対処できない案件も増えてきた。そこで管理局の本部がある『ミッドチルダ』、そして、地球を含めた様々な次元世界が協力する事により『次元平和同盟』、通称『DPU=Dimension Peaceable Union』が結成される事となり、その本部はミッドチルダではなく、怪獣災害や宇宙人犯罪事件に多大な貢献をした地球に置かれる事となった。

 

 

 

 

 

 ギャラクシークライシスが終結しても悪意や混沌は消えず、人々は戦い続けていた、未来を掴むためにと…………

 

 

 

 

 

 ここは地球にある次元港。この次元から様々な同盟世界へと向かう事ができ、多くの情報や物資が集まる大型施設でもある。

「先日、ヴァイゼン北西部にある鉱山町アミアで発生した崩落事故は怪獣出現による物だと判明、管理局の追跡によりレジストコード破壊暴竜デスドラゴは発見、科特隊との連携により撃退されました」

 エントランスに設置されたテレビには別の同盟世界で発生した事件のニュースが流れており、立ち寄った人々がそのニュースを見ていた。

「次のニュースです、渡り鳥怪獣バルの群れが観測されました、DPU生物学研究所によりますと今年のルート予想はこのように発表されています」

 同じ怪獣でも明るめの話題で、キャスターの声色も少し明るくなっていた。

「もうそんな時期なのか」

 そのニュースに目を止めたのは黄色いジャケットを羽織り、赤いメガネを掛けた零夢だった。零夢は次元世界を幾つも旅をしており、地球もその一つ……ではなく、出身世界だった。次元港は千葉県の房総半島沖に設置された人工島に建設されており、多くの人々で行き交っている。

「久しぶりだな地球も」

 エントランスを抜けると広がる大海原、その先に見える街。次元港と本土はモノレールで繋がっており、公共のアクセス手段の一つだ。海に面しているため船の交通もある。

「さて、怒られにいきますか」

 零夢は苦笑しながら歩みを進めた。

 

 

 

 

 

 次元港と直接的なアクセスポイントを持つ街の名前は『海鳴市』。海と山に挟まれたこの港町が零夢の故郷だ。

「ま、出発したのも二年前だからそんなに変わらないかこの街も」

 駅を降りた零夢ら商店街の歩道を歩いていく。そこまで時間が経っていないために懐かしいとはあまり感じず、まるで旅立ったのが昨日の事のように思えた。

「だけどちょっと冷えるな」

 日本も冬、クリスマスまで後少しなために商店街はその飾りが施されていた。どんどん冷え込みも厳しくなってくるため寒さが苦手な零夢はこの時期は家で大人しくしているか、屋内施設で遊んでいる事が多かった。

「せっかくクリスマスに帰ってきたんだ、手伝わねーとな」

 歩いていると立て看板が見えてきた。看板はブラックボードとなっており、白いチョークで『喫茶翠屋』と書かれ、その下にはメニューが記載されており、そこに書かれているのが本日のオススメなのだと解った。

「スープスパゲティセットか……寒い時にピッタリだな」

 看板の前に立ち、横を向くと一軒の喫茶店が目に入る。横にはテラス席が設置されているがこの寒い時期に利用する客は少ないだろうが少し落ち葉が溜まっているためそろそろ誰かが掃除に出てきそうだと思っていると扉が開き、鐘の音がカランカランと鳴る。

「あ! いらっしゃいま………」

 出てきたのは長い黒髪を三つ編みに編んだメガネを掛けた女性、エプロンに翠屋の文字が入っているためこの店の店員だというのが解る。

「ただいま、ユキ姉」

「レイちゃん!?」

 彼女の名前は『高町美由希』、零夢の姉である。そしてこの喫茶翠屋は零夢の実家が経営する飲食店だった。

「どうしたの突然!?」

「何となく帰りたいなって思って、そしたらクリスマスシーズンだし忙しいだろうから丁度いいかなって」

 クリスマスシーズンなため繁忙期なのだ。ここのケーキは人気で毎年飛ぶように売れるため知人が集まって販売の手伝いをするほどだ。

「だったら毎年帰ってきてよ~ホントに忙しいんだから」

「悪い悪い」

「それに、心配したんだから、いきなり家を出て別の世界に行ったって聞いて、お父さんと約束してた手紙来るまで本当に」

「………ごめん」

 零夢は旅に出る際に父親と約束をしていた、必ず手紙や電話をする事と。

「ま、みんなそんなに怒ってないから、早くお店の中に入って入って、ご飯まだでしょ?」

「ああ、久しぶりに親父の料理食いたいしな」

 美由希は再び扉を開けた。

「お母さん! お父さん!」

 中へ入ると美由希はカウンターに立つ黒髪の男性『高町士郎』とテーブル席の片付けをする長い栗色の髪の女性『高町桃子』を呼ぶ。

「あら美由希、外のお掃除は………まぁ」

「ほう」

 二人は美由希の後ろを付いてきた零夢に気付き、喜びと関心を示していた。

「ただいま、親父、お袋」

「お帰り、好きな所に座って零夢」

 優しく話し掛ける桃子、零夢は迷わず父親が前に立つカウンター席に座る。

「何がいい?」

「親父が作るもんなら、あ、デザートはお袋のシュークリームがいいな」

「ああ、そしたら賄いでナポリタンを作るつもりだったんだ、それでいいか?」

「いいに決まってるじゃん、親父のナポリタン美味いからな」

 家族で食べるつもりだったため丁度良い、士郎は準備を始める。

「何かするか?」

「帰ってきたばかりでしょ?ゆっくりしてて、飲み物はコーヒーでいいかしら?」

「私、外の掃除早く終わらせてくるね」

 美由希は再び外へと出て掃除を始める。

「久しぶりに息子が帰ってきたんだ、腕に寄りを掛けるからな」

 子供にいい所を見せたい、その一心から士郎の腕に力が入り、力強くフライパンを振るう。

「………ありがとう」

 申し訳なさはもちろんある、だが、自分のために気合いを入れ、気遣ってくれる家族に感謝した、血の繋がりはない、だが、この二人が自分を育ててくれたのには変わりなかった、姉達が自分を支えてくれたのもだ。

 

 

 

 

 

 久しぶりに実家で家族と一緒に食事を取った零夢。食事中の会話はもちろん零夢の旅の話。食事と話を終えると零夢は荷物を片付け、翠屋のエプロンを掛けた。

「よし」

「やっぱり大きくなったわね零夢」

 息子の成長を感じる桃子。

「そうか?」

「ええ、前のエプロンじゃ小さいと思って大きめの持ってきたもの」

 ちゃんと見ていてくれている、自分の成長を予想してくれている、その事に喜びを覚えた。

「だけどなのはより身長はまだ………」

「おいおい、それは言わないでくれよ」

 自分の身長が低い事を気にしている零夢、桃子はごめんごめんと謝る。

「…………なのはの事、まだ」

「ああ、この前も夢であの時の事見ちまって」

「私も、士郎さんも、なのはの異変に気付けなかった、親失格よね」

「そんな事ない! そんな事ねーよ」

 次女の『なのは』に関して、消えない傷痕が零夢達にはあった。

「あるわよ、あれで三度目だったんだから、なのはの異変に気付けなかったのは」

 優しく零夢の頭を撫でる桃子、零夢は何も言えずにいた。

「でも、零夢はちゃんとなのはの事、見ててくれたのよね」

「…………それでも、ダメだったけどな」

 俯く零夢、すると、優しく、温かな手は頭から離れ、今度は全身にその温もりが広がり、包み込まれる。

「お袋?」

「ごめんね、辛い思いさせちゃって」

 優しく抱き締める桃子、零夢はその温もりに身を委ね、しばらくしてから離れた。

「そろそろ仕事するよ」

「ええ、よろしくね零夢」

 話を終え、零夢は扉に向かい、掛けられていたプレートを裏返し、クローズからオープンへと変えた。

 

 

 

 

 

「お邪魔します」

「失礼します」

 飲食店に入ってくるにも関わらず、行儀よく挨拶して入ってくる二人組の女性が来店してきた。一人は金髪のショートボブの女性、もう一人は紫のロングヘアーにヘアバンドを掛けた女性。二人とも上品な雰囲気が漂っており、お嬢様な感じがしている。

「あら、アリサちゃんにすずかちゃん、いらっしゃい」

 二人を出迎えたのは桃子だった。二人とも高町家の知人であり、なのはの幼馴染みだ。金髪のショートボブの女性は『アリサ・バニングス』、紫のロングヘアーの女性は『月村すずか』。実際、二人ともお金持ちのお嬢様だ。

「今日は冷えますね」

「ええ、もうクリスマスだもの」

「今年のケーキ販売もお手伝いしますね」

「毎年ありがとうね、今年はなのは、忙しくて帰ってこれないみたいだから」

 これは本当に大変だと思うアリサとすずか。親同士の交流も多く、すずかに至っては姉が長男の『恭也』と結婚しているため親戚でもあった。

「だけど今年はあの子が帰ってきてくれてるから」

「「あの子?」」

 ハモらせる二人は首を傾げた。

「お袋~ちょっと聞きたい事があるんだけど?」

 キッチンからその“あの子”が出てきた。

「あ、リサ姉にすず姉」

「零夢!?」

「いつ帰ってきたの!?」

「今さっき突然ね」

 二人は立ち上がり零夢の元へと向かい、自分達よりも低い位置にある頭を撫で始める。

「ちょっと大きくなったじゃないの~」

「前はまだちっちゃかったのにね~」

「ち、縮む……」

 二人同時なため力も自然と強く、下への圧力が強く感じられた。

「それでどうしたの?聞きたい事って?」

「ああ、当日のケーキってショートケーキとブッシュドノエルだよないつも通り?」

「ええそうよ、クリームや飾りの割合は私のレシピ通りだけど………一回試作してみる?試食してくれる子二人いるし」

「そうだな、そうしてみる」

 その試食をしてくれるのはアリサとすずかの事であるのは言わずとも解る。

「そうだ、二人とも何飲む?」

「アタシはイチゴミルクティーをホットで」

「私も同じものを」

 桃子は畏まりましたと笑顔で答え、キッチンに入っていく。

「零夢はクリスマス終わったらまた出ちゃうの?」

「そのつもりでは居るけどさすがに年末だしな……年明けでも言いかなって思ってる」

「また寂しくなっちゃうね」

 魔法と出会わなければなのはも二人と一緒に大学に通い、店でお茶をしていたのだろう、そう考えると寂しくなるのも当たり前だ、その未来を想像していたのだから、自分だってそうだ。

「だけど、なのはちゃん大活躍してるもんね向こうで」

「そうそう、三年前のミッドチルダで起きた空港火災の時なんてフェイトとはやてと一緒に大活躍したってニュースでやってたわよ」

 なのはの活躍を見ると魔導師が天職なんだと感じられる、その未来も魅力的だが、今のなのはの活躍は誇りにも感じられる、それにより沢山の友達も増えたのだから。

「俺も旅の途中で聞いたよ、やっぱりスゲーよ姉ちゃんは、ちゃんと前を向いてるんだから」

 その時の零夢は遠いものを見るような目をしていた。それに気付く二人は顔を見合わせた。

「零夢~紅茶の準備できたからケーキの試作始めましょ」

「ああ、解った」

 桃子は紅茶のセットを持ってくると零夢は再びキッチンへと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 クリスマスケーキの試作が出来上がり、それを切り分けてアリサとすずかに持っていく零夢。自分の分も切り分けていたため休憩がてら、コーヒーのお供にして近くの席で食べていると。

「地震か?」

 店内が揺れ始めた、外を歩く人々も異変に気付いている事から地震が起きているのは確かなようだ。

「最近多いのよね、そんなに大きくないんだけど」

「うん、すぐに収まってはいるんだけど」

 頻発する小規模な地震、それが大地震に繋がらなければいいのだがと思う零夢。

「もうすぐクリスマスだってのに」

 クリスマスが過ぎれば大晦日、そしてお正月だ、みんな、平和に過ごしたいはず、何事も起きないことを祈った。

「9年前の年末も大変だったのよねはやての事で」

「そうだったね、もうそんなに経つんだ」

 この街では9年前に大規模な魔導事件が起きており、その僅かな年月でも管理局やDPUの中で語り継がれている。

「あの時はウルトラマン達も出てきて本当にヤバイんだって思ったけど、なのは達が頑張ってる所も見たからそんなに不安はなかったわね」

「うんうん、みんなカッコ良かったね」

 『ウルトラマン』……赤と銀、青と銀の体を持つ光の巨人だ。ウルトラマン達は地球だけならず多くの次元世界のために戦い、伝説となっている。ギャラクシークライシス終結はウルトラマン達の功績も大きいが人間とウルトラマンが力を合わせたからこそでもある。

「その時になのはが好きなウルトラマンも来てくれたのよね」

「そうそう、ゼロってウルトラマンだよね」

「ゼロか……」

 自身の名の一部があるそのウルトラマンに何か思うものがあった。

「そういえば零夢ってその時どうしてたの?」

「見てないって言ってたよね?」

「うん、覚えてないんだよなその時の事、親父は気絶してたって言ってたけどお袋達は一緒に居なかったから解らないって」

 当時の事を思い出すと疑問点が浮かぶ、その時、自分は何をしていたのだろうと。

「私達は結界に巻き込まれちゃってそれでなのはちゃんとフェイトちゃんに助けて貰ったけど」

「アンタは気を失う前に何してたか覚えてないの?」

「俺は………確かあの日、はやて姉のお見舞いに行くのに遅れて………」

 うろ覚えの記憶を思い出そうとする零夢。10年近く前のため曖昧な部分もあり、少し苦労していた、気を失ってしまっていた事もあるため余計に曖昧だった。

「そうそう、まさかすずかと会う前に零夢がそれよりも前に会っていたなんてね」

「図書館にはよく行ってたからな、それで一緒に本読んだりもしてたし」

 本を読む事が好きなため図書館にはよく通っていた。そこで『八神はやて』という姉と同い年の人物と出会い、仲良くなった。はやても今では管理局で活躍する魔導師であり、その名は有名である。

「お見舞いに本を借りていったんだ、面白い本があったから読んで欲しいって思って、そしたら結界に巻き込まれて、何かあったら公園に行けってよく言われてたからそれで海浜公園に行ったんだ」

「緊急の避難場所だもんね」

 親の言い付けを守り、それを実行する、まだ6歳だったにも関わらずそれができるのは正直すごいと感じられた。

「それからハイパーゼットンって奴が出てきてもっと大変だったのよね、結界は破っちゃうわ、そのせいで他の人達の目に入って大混乱して」

 魔導師が展開する結界は市街地に被害を出さないための特殊な空間であり、その内部を外から見るのはまず不可能だが、解除されてしまったら突然、その中で戦っていた魔導師やウルトラマン、怪獣が現れてしまうため当時は街の人々は混乱してしまい、突然の避難を余儀なくされた。

「なのはちゃん達もウルトラマン達も苦戦してる時にウルトラマンゼロが来てくれたんだよね」

「そうそう、そしたらゼロとダイナとコスモスが合体して綺麗なウルトラマンになったのよね」

「うんうん、すごく綺麗だった、サーガってウルトラマンだよね?」

「ダイナ………コスモス………ゼロ………サーガ………」

 

 

 

 

 

『本当の戦いはこれからだ!』

 

 

 

 

 

 

「ッ!」

 突然だった、聞き覚えがない言葉を思い出したのは、だが、なぜか初めて聞いたとは思えないその言葉、以前に自分も言った事があるような気がしていた。

(あの日………俺は何をしてたんだ?)

 その日の事を疑問に抱き始める零夢。父親にもう一度聞いてみるのもいいと思い始めたその時。

 

 

 

 

 

『姉ちゃん達がピンチなんだよ! デュワッ!』

 

 

 

 

 

(今のは……!)

 再び過る言葉、だが、今回は言葉だけではなく映像も流れた。父親と向かい合っていたがその身長に差は今と同じで、右手にオレンジのレンズが埋め込まれた赤と青の塗装が施された銀色のメガネを持ち、目に装着した瞬間、眩しい光が広がっていった。

(本当に俺は気を失っていたのか?俺はあの時………あの時………)

 落ち着こうとコーヒーを飲もうとした時、光の反射で自分の顔が黒い水面の上に映っていた。その顔を見た瞬間、勢いよく立ち上がってしまった。

「どうしたのよいきなり?」

 突然の事で驚くアリサ、すずかは心配そうな顔をしていた。

「わ、悪い、なんでもない」

 再び座り、またコーヒーを飲もうとする、そこに映り込んだ顔は自分の物だった事に安堵して口に付ける。

(なんで俺の顔が………ウルトラマンの顔に見えたんだ?)




 前回とは違い初っぱなから匂わせて5話以内には…の予定でいます。推しと推しが合わされば最強、それをモットーに書いていきたいと思ってます。
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