ウルトラマンゼローザ・リリカルユニバースー   作:日々野未来

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いい加減できているのを投稿します。オメガも始まりました事ですし。


Record.10『港町防衛線』

 ルヴェラの港町の沖合いに出現した深海怪獣ゲードス。近海の魚を食い荒らした次は町に保管されている魚を食らうためにその姿を現した。それを迎撃するためシュテルとレヴィは飛び立った。

 

 

 

 

 

「ギャオォォォォォン!」

 咆哮を上げるゲードス。歩みは港町へ向いており、ゆっくりと近付いてきていた。そこに、津波で流され漂流していた漁船を発見するとそれを口から放つ高圧水流で破壊してしまう。この高圧水流を陸上で使われたら街が大惨事となってしまう。そこに、水色と朱色の閃光が顔の真横を横切り、深海に住むゲードスの注意を引くには十分の挑発だった。

「やはり深海怪獣、光に敏感ですね」

 光が弾けるとシュテルとレヴィの姿が露となり、方向転換してゲードスの方を向く。ゲードスも光を追い、振り返っており、二人の姿を確認するとすぐに敵と認識して高圧水流を放つ。それを散開して回避、シュテルの靴から広げられたら朱色の光の翼から羽が舞い、レヴィからは水色の稲妻が軌跡として残る。

「シュテるん! どっち方面に誘導すればいい?」

「7時の方向の海岸なら街から距離がありますのでそこがベストかと」

 ゲードスを逃がしたらルヴェラの海に魚が戻ってこなくなる。深海へ逃がさず、尚且つ人的被害を抑えるためにはゲードスを陸地へ上げてそこで殲滅する必要がある。

「オーライ! 先手は僕から打たせて貰うよ!」

 一時空中で静止すると足下に水色の魔方陣が展開され、レヴィの周囲に電気を帯びた水色の光球が生成される。

「電刃衛!」

 バルニフィカスを前に向けるとその光球は一斉に放たれ、矢じり状となって飛んで行きゲードスを貫いていく。

「ギシャァァァァァア!」

 身体中から煙を上げるゲードスは二人を敵として完全に認識。最初に攻撃してきたレヴィに標的を定めて高圧水流で攻撃するが。

「遅いよ」

 レヴィはその攻撃を回避、再び雷の槍を放ち、ゲードスに食らわせる。

「敵はレヴィだけではありませんよ、ファイヤー!」

 斜め上からシュテルがルシフェリオンから朱色に燃える炎の砲撃を放ち、ゲードスに直撃させた。その衝撃はレヴィの攻撃よりも凄まじく、その巨体はよろめいた。今度はシュテルに向けて攻撃を放とうとするも目の前をレヴィが飛び回るため狙いが定まらず、放っても明後日の方向へ飛んでしまい、二人の反撃を食らってしまう。

「やるなぁテル姉」

 それを高台の避難所から見守る零夢。その手にはブレスレットから出したウルトラゼロアイが握られており、いつでも変身できるようにしていた。

「なんかあの怪獣、生々しくない?」

「うん、俺達が知ってる怪獣とは違う感じがする」

 そんな会話をする夢芽と蓬。似たような話をどこかで聞いたような気がしていたが今は状況に集中しなければならない。

「あ! シュテル! レヴィ!」

 何かに気付いたアリシアはメモリーディスプレイで通信を送る。

「ゲードスの背中に排熱器官があるの! そこから熱を放出して体温を調整してるみたい!」

 ゲードスが陸上で活動するには必要不可欠の器官だった。

「了解、そしたらますます陸に接近させてからでないと」

 ここで排熱器官を破壊したらすぐに海中へ逃げてしまう。まずは海岸に上陸、もしくはゲードスが潜れない浅瀬にまで誘導しなければならない。

「レヴィ、ゲードスを海の方に向けて下さい」

「いいの?」

「はい、真っ正面から砲撃を撃ち込んで後退させます」

「オーライ!」

 理由を聞きすぐに行動開始、ゲードスに電刃衛を食らわせ注意を引き、体を海の方に向けるとその先にはシュテルの姿があり、ルシフェリオンを構え、足下には朱色の魔方陣を展開しており、デカい一発を放とうとしていた。

「ブラスト……ファイアー!!」

 強力な炎の砲撃を放ち、ゲードスに撃ち込むシュテル。それを真っ正面から食らうゲードスは後ずさりし、後退する。

「このまま押し切る……!」

 砲撃が撃ち終わると杖を思いきり横に振るい、頭上でくるくると回してから構え直すと今度は砲撃を三発連続で放つディザスターヒートを炸裂。連続で放たれる砲撃を受け続けるゲードスは更に後退、その巨体は陸地へと接近していた。

「いけいけシュテル~!」

 声援を送るアリシア、そこにメモリーディスプレイに通信が入る。

「こちらアリシア」

「ヤバい事になった!」

 相手はベニオで相当焦っている様子だった。

「駐屯地の留置所から今朝のバロッサ星人が脱獄した!」

「はぁ!?」

 その報告に大声を上げてしまうアリシア、零夢もその話に耳を傾けた。

「脱獄の際に相当暴れやがって格納庫のゲートが塞がっちまってガンフェニックスが出撃できねーんだ!」

「サルベージにはどのくらい?」

「ゲートから瓦礫が撤去できれば強引に出撃できるけど……」

 その時だ、高台の真上を巨大な影が通過した。見上げると目に入ったのは金色の四枚の羽根を広げたバロッサ星人の姿だった。

『バロバロバロバロ~!』

 突然の宇宙人の出現に混乱する人々、だが、バロッサ星人は彼らに見向きをする事なく街に降り立つ。

「アレが宇宙人?」

「ああ、海賊宇宙人バロッサ星人。各次元で破壊と略奪を繰り返す凶悪宇宙人だ」

 蓬の言葉に答える零夢。降り立ったバロッサ星人の両腕にはパイプのような筒が無数取り付けられたが巻かれており、まるで腕自体がガトリング砲となっているようだった。

「アレってメトロン星人のラウンドランチャー!?」

 バロッサ星人が身に付けている武器を見てどういう物か気付いた零夢。バロッサ星人の両腕に巻かれた砲口から無数のミサイルが連続で発射され、街を破壊していき、更にその流れ弾がシュテル達がいる方向へと飛んで行く。

「くっ!」

 回避するシュテルとレヴィだが、ゲードスにミサイルは直撃。その攻撃が行った存在が港町に居る事を確認するとすぐに進路を戻してしまった。

「せっかく誘導できてたのに!」

 怒るレヴィ、ゲードスを優先するべきか、街で暴れるバロッサ星人を優先するべきか考えていた。

「テル姉達はゲードスを食い止めて!」

 その時、零夢がアリシアのメモリーディスプレイを通してシュテルとレヴィに伝えた。

「れ、零夢!?」

「俺があのこそ泥野郎をなんとかする!」

「………任せましたよ。それと、今朝戦ってるからと言ってバロッサ星人に隠し球がないとは言い切れません」

「油断せず、慎重に、尚且つ大胆にって?」

「ええ」

 笑みを浮かべ、肯定するシュテル。何か期待してるなと感じてしまう零夢は思い出す、なのはと同じで好きすぎるのだと。

「では頼みますね」

 そう言い残すと通信は切れ、零夢はメガネを外していた。

「どうするつもりなの?」

 おそるおそる問うアリシア。自分が知る限り零夢には怪獣や宇宙人と戦えるような力は持っていないはずだったが今朝の戦いと言った内容からしてある予想が生まれており、脳裏には音叉のようなアイテムを天高く掲げるメガネを掛けた短い金髪の青年が浮かんでいた。

「そうだなぁ~とりあえず蹴り飛ばしてから考えるよ、あのままにしておくわけにいかねーからな」

 答えるとゆっくりと歩きだし、ガウマの隣を横切ろうとすると。

「何かあったら頼むな」

「いいのか?二人がかりで一気にって事もできるけど?」

 ガウマは零夢の正体をまだ知らないが戦う力を持つ戦士だという事だけは解っていた。

「バロッサ星人もバカじゃないからまだ何か隠し持ってるだろうからな。それに、あれだけ期待されてたら応えたいのが弟心なんだよ」

 問いに答え、この場を託すと零夢は駆け出し、高台の階段を駆け降りていき、振り向いて人々の目線がこちらに向いていない事を確認し、ゼロアイを持つ右手を前に伸ばし、一気に後ろへ引き、着眼する。

「デュワッ!」

 スイッチを押した瞬間、レンズから放たれた光に包まれ、その場から飛び立ち、人々の頭上を越えていった。

『ゼアァァァァァァア!』

 姿を現したと同時にウルトラゼロキックを炸裂し、暴れるバロッサ星人を蹴り飛ばし、海面に叩き付け、着地する。

「ウルトラマンゼロ………零夢が………」

 驚きのあまり、口が大きく開いてしまい、手で隠すアリシア。

「ユーノ………」

 ボソッと呟くその名前はなのはに魔法を教えた師の物であり、アリシアに考古学を教えた人物だった。

「ウルトラマンって内海が言ってたあの」

「はい、俺達の世界でも放送されてた特撮ヒーローです。まさか本物が居るなんて」

 別の角度から驚くガウマと蓬。立ち上がるゼロは飛び上がり、海に足を入れてバロッサ星人と同じステージに立つ。

『ここで会ったが百年目バロ! ウルトラマンゼロ! 今朝の恨み、晴らしてやらん!』

『上等だ! 返り討ちにしてやる!』

 水飛沫を巻き上げて駆け出すゼロ、バロッサ星人はラウンドランチャーで攻撃するも構わず駆け抜けるゼロはその懐に飛び込み、アッパーを炸裂し、バロッサ星人の顎を打ち上げる。

「油断はしてないだろうけど慎重さを感じないんだけど?」

「慎重だからこそあんな大胆に行けるんですよ」

「零夢への評価甘すぎじゃない?」

 ゲードスの高圧水流攻撃を避けながら駄弁るシュテルとレヴィ。バロッサ星人の邪魔がなくなりゲードスに集中できるようになっていたのもあるが後ろにゼロが付いている事が安心感を与えていた。

「私達はゲードスを倒して零夢の応援に向かいましょう」

「それには賛成!」

 ブラストファイアと電刃衝を同時に放ち、ゲードスに食らわす。

『バロバロ!』

 至近距離からロケット弾を発射しようとするバロッサ星人だが、ゼロはラウンドランチャーが装備された右腕を回し蹴りで弾き、弾道を逸らして明後日の方向へ発射させる。

『エメリウムスラッシュ!』

 足を地面に付くとすぐにエメリウムスラッシュを発射、バロッサ星人は咄嗟に左腕で防ごうとするがそれは悪手だった。

『バロバロ!?』

 左腕のラウンドランチャーに光線が直撃してしまい、内部の弾頭が誘爆し、バロッサ星人は大きく吹き飛ぶ。

『狙い通り!』

 次と言わんばかりにもう一度エメリウムスラッシュを発射、右腕のラウンドランチャーを破壊に成功、爆発の炎でバロッサ星人が見えなくなる。

『ッ! どこ消えやがった!?』

 炎が消えるとそこにバロッサ星人は居らず、辺りを見渡して探すが姿はなく、爆発で消し飛んだとは考えにくい。

「海中です!」

 シュテルは振り向いて叫ぶ、隠れる場所なんて一つしかないのだ。すると、海中から何かが飛び出した、それは銀色のボディーで三つの首を持つ機械の竜だった。その背中にはバロッサ星人が立っており、高笑いを上げていた。

『バロバロバロ~! 機械竜ナーガを潜ましておいて正解だったバロ~!』

 これがシュテルが警告していた隠し球だった。銀色の機械の三つ首竜、『機械竜ナーガ』は口から赤い稲妻状の光線を放ちゼロに攻撃。それを両腕を交差して防御するゼロ、反撃に移ろうにも三つの首があるナーガの攻撃は猛烈でその隙を与えさせない。

「円盤竜ナースの強化型ですか………くっ!」

 初めて苦い表情を浮かべるシュテル。すぐにでも援護に向かいたいがゼロに視線を向けられてるのに気付き、すぐに冷静になる。

「シュテるんが熱くなったら僕が冷静になんないといけないんだから気を付けてよ」

「申し訳ありません」

「ま、ナノハもいたら同じ反応でフェイトが止めてたはずだし、ホントそっくり」

 話しながらも手は止めず、ゲードスを誘導する二人。そして、ゲードスは海岸に上陸していた。

「ここなら!」

 すぐにシュテルは背後に回り込んで背中の排熱器官に砲撃を食らわすとその衝撃で前のめりに倒れ込み、背中を天に向けた。

「レヴィ!」

「オーライ!」

 バルニフィカスに魔力が込められた弾丸が何発も装填されていき、魔力の底上げが行われていき、魔方陣が展開、電刃衝よりも強力な魔力の槍……否、剣が生成される。

「雷刃封殺!」

 バルニフィカスを高く掲げると剣はジグザグに動き、まるで雷が上っていくような光景だった。

「爆滅剣!!!!!!」

 バルニフィカスを振り下ろすと雷の剣は一斉にゲードスに落下、真上から剣はゲードスを貫いていき、串刺しとなって身動きが取れなくなった。

「これも受け取って下さい!」

 ゲードスの真上に移動したシュテルはルシフェリオンを真下に向け、弾道を装填していく。

「ブラストファイア、ディザスターシュート!!」

 ブラストファイアやディザスターヒートよりも強力な炎の砲撃が放たれ、ゲードスを呑み込み、大爆発を起こした。その爆風や熱気をもろともせず、そこに佇むシュテル。煙が晴れるとそこには口を大きく開けて黒焦げとなり、動かなくなったゲードスの姿があった。

「ゲードスの殲滅完了、すぐにゼロの支援に」

「ダメ! 一回休むよ!」

 シュテルを止めるレヴィ。この戦いで多くの魔力を使ったため戦闘の継続は危険と判断した。

「ですが………」

「大丈夫だよ、ほら」

 レヴィの視線の先には赤い光があった。

 

 

 

 

 

『なんとかビーム!!』

 

 

 

 

 

 数分前。高台の避難所でナーガの出現を見ていたガウマはゆっくりと後退りをしていた。

「行くんですかガウマさん?」

 蓬の問いに頷くガウマ。

「アイツに任されたからな、何かあれば来てくれって。実力もなんも解っちゃいねーのに信じてくれてさ、応えたくなっちまうだろ?」

「確かに、零夢君、人滴しみたいなとのあるかも」

 納得する夢芽。

「本当なら俺達もって行きたい所だけど暦さん居ないから」

「お前らはここで待っててくれ」

 親指を立てるガウマはその場から走り去ると辺りを気にしつつサングラスを掛けていた。

「よっしゃ! 行くぜ!」

 意を決するとスーツの内側に潜ませていた竜の像を出し、空へと掲げ、その竜の像に輝きが宿る。

「アクセスモード! ダイナレックス!!」

 その叫びと共にガウマは光の中へと消え、その輝きは夜空へと舞い上がった。まるで、竜が天に昇るかのように。

 

 

 

 

 

『なんとかビーム!!』

 その抜けたような技名の叫びと共にビームが放たれ、ナーガの背中に乗るバロッサ星人に攻撃、だが、三つの首を持つナーガの防御力は高く、首を盾にし、弾かれてしまった。

『赤い竜………』

 それは目撃証言にあったまんまだった。黄色いレンズの目に赤い装甲、背中から左右に伸びる翼にはビーム砲が備え付けられ、太く、長い尻尾の側面にはタイヤが取り付けられていた。

『待たせたなウルトラマン!』

 そしてその竜から今日会ったばかりの男の声が響き、その正体が判明する。

『ガウマか!』

『ああ! 新世紀中学生レックス! またの名をダイナレックスだ!』

 改めて自己紹介をするガウマ……『ダイナレックス』は咆哮を上げ、翼のビーム砲で攻撃を仕掛けるもナーガの光線で相殺されてしまう。

『チッ! やっぱり三本首がある分、攻撃も強力って訳か!』

『ああ、それに奴には転送装置も備わってる。それで仲間を呼ばれたら厄介だ!』

 ナーガの隠された能力を教えるゼロ。バロッサ星人は仲間意識が強く、ピンチになったり、倒されたりすると復讐や応援のために駆け付ける事が多い。今、まさにピンチの場面のため、だから潜ませていたナーガを持ち出してきたのだろうが。

『けどなんで今朝の戦いで使わなかったんだ?そうすれば俺が駆け付ける前に輸送船から物を奪取する事も………』

 そう、なぜバロッサ星人は今朝の戦いでナーガを使わなかったのか。使えば備わっている転送装置で逃げれたはず。

『それはこの世界の住人に見られたからだバロ! 赤い竜とか言ってたけどそれは大気圏突入の際の熱で燃えて赤く見えてただけバロ!』

『てことは噂の赤い竜はガウマじゃなくてナーガだったのかよ!?』

 その事実に驚きを隠せないゼロ。ガウマ本人も自分が噂されていたと思っていたため開いた口が塞がらなかった。

『そのせいで海中に潜ませざる得なくなったが………不幸中の幸いとはこの事! ウルトラマンゼロ! 貴様を葬り去ってやるバロ!』

 ナーガの口から光線が発射、三つの光線はグルグルと回転しながら束ねられ、太い光線となってゼロに迫り来る。

『ワイドゼロショット!』

 腕をL字に組んで光線を放ちナーガの光線にぶつけるが相殺できず、逆に押し返されてしまっていた。

『必焼大火炎! レックスロアァァァァァア!!』

 そこにダイナレックスが口から強力な火炎を放ち加勢。押し返されていたワイドゼロショットだったが真ん中の位置まで押し返し、そこで爆発して相殺に成功。ゼロとダイナレックスは左右に展開しながら飛び立ち、空中線を仕掛けた。

『コイツを使えガウマ!』

 ゼロスラッガーを射出し、ダイナレックスの翼の砲門にセットされ、なんとかビームもといペネトレイターガンが発射されると一緒にスラッガーも飛び出し、凄まじい勢いと共にナーガに迫り、そして、左右の首を貫き、切り落とす事に成功する。

『バロ!?』

『よし! これで色違いのナースだ!』

 首が一本となり、ただのナースの状態となってしまったナーガ。ゼロはそれを煽るがバロッサ星人の表情が歪んだ、それは笑みだった。

『掛かったバロ! 転送装置起動!』

 その掛け声と共に頭を失った首はとぐろを巻き、左右に円盤を作る。その中心が輝くとそこから無数の円盤型の戦闘ドローンが出現し、ゼロとダイナレックスにビーム攻撃を仕掛ける。

『頭を失ったら転送装置として活用すればいいだけバロ!』

『くそったれが!』

 ゼロはエメリウムスラッシュ、ダイナレックスは口の中の二門のレーザー砲で円盤を撃ち落としていくが戦闘ドローンは次々と転送されてくる。

『元を叩かねぇと切りがないぞ!』

『解ってるがこの数! 捌ききれねぇ!』

 ゼロスラッガーを両手に持ち、突撃してくる戦闘ドローンを切り払いするゼロ。ダイナレックスと背中合わせとなり、互いに死角をカバーして戦っていくが気付けば周囲を戦闘ドローンに取り囲まれ身動きが取れなくなっていた。

『これでウルトラマンゼロもそこのパンコツロボットも終わりバロ!』

 バロバロと高笑いするバロッサ星人だったが、赤いビームと黄色いビームに戦闘ドローンを撃ち落とされ、ピタッと止まる。

「悪いけどこれ以上助っ人だけに働かせる訳にいかねーんだよ!」

「せやせや! うちらも忘れんといて!」

 そこに駆け付けたのはガンウインガーとガンローダー。ベニオとミカヅキだ。ボディに細かい瓦礫の破片や砂埃が乗っている事から崩れた格納庫から無理矢理発進させたのが解る。

「ベニオ! ミカヅキ!」

 空を舞う炎を描いた翼を見て笑顔を浮かべるアリシア。ベニオとミカヅキは戦闘ドローンの大軍の中を突っ切り、ゼロとダイナレックスの周りのドローンを集中的に撃墜していく。

「ついでにこっちの使用許可も貰っておいたぜ! 行くぜミカヅキ!」

「おうや! パーミッション・トゥ・シフト!」

「「マニューバ!」」

 その音声認証によりロックが解除され、黄色と黒のラインが流れるカバーが開き、レバーが現れ、それを一気に引き抜くと機体は変形を始める。ガンウインガーは左右に二枚の金色の翼が、機首からも金色のカナード翼が展開され、主翼の下部からミサイルランチャーが降り、まるで翼を広げた鳥が足を下ろして獲物を捕らえようとしている姿を連想させる形だった。ガンローダーは主翼がスライドし、内部から大型ファンが展開、尾翼が左右に倒れ、金色の翼がスライドして展開されて変形を完了する。高機動モード『マニューバモード』へと変形を完了するとその機動は先ほどまでの直線的な物とは打って変わり、変則的な機動を見せる、まるで、ナーガが転送してきた戦闘ドローンのように。

「スペシウム弾頭弾! オールファイヤ!」

「ブリンガーファン! ターンオーン!」

 ガンウインガーのミサイルランチャーからはウルトラマンの光線に含まれるエネルギー・スペシウムが含まれたミサイル、ガンウインガーのファンからは荷電粒子で生成されたハリケーンが放たれ、戦闘ドローンを一気に殲滅していく。

「いけっ! ウルトラマン!」

「そっちもはよう行って! うちらも長くは持たへん!」

 止めどなく転送されてくる戦闘ドローン。撃ち落としても切りがなく、このままではまた取り囲まれてしまう、だが、斜め下から火柱が昇り、戦闘ドローンを呑み込んで消し炭にしていく。

『テル姉!』

 下を向けばルシフェリオンを構えるシュテルの姿。そして、周囲を駆け巡る水色の稲妻(レヴィ)も見えた。

「早く大元叩いて残飯処理に集中させて!」

『よし! 行くぞ!』

『ああ! それにしてもあの関西弁の子、ムジナに声が似て……』

『え?ムジナ!?』

 聞き覚えがある名前に反応するも今はナーガを止めなければならない。ゼロとダイナレックスは戦闘ドローンの包囲網から飛び出し、ナーガに接近しようとする。それを阻もうとする戦闘ドローンだがガンウインガーとガンローダーに撃ち落とされ、その爆炎を突っ切り、飛び出すと先に仕掛けたのはダイナレックスだった。

『なんとかビーム!』

『そんなふざけたビームが通用するバロか!』

 ナーガは光線でビームを相殺するのだがそれは右のビームだけで、左のビームはそのままナーガに直撃して大きく揺れてバロッサ星人はバランスを崩し、背中から落下してしまった。

『しまったバロォォォォォォオ!!』

 そのまま海へと落下したバロッサ星人。制御を失ったナーガは暴走するかのように光線を放ちまくるが命中せず、ゼロは長柄武器『ウルトラゼロランス』を召喚、ナーガの側面に回るとそれを投げて左右の転送装置を貫き破壊する事でこれ以上の戦力の増加を防ぐ事に成功。

『俺に乗れウルトラマン!』

『ああ!』

 ゼロはダイナレックスの背中に乗るとストロングコロナへタイプチェンジ。戻ってきたウルトラゼロランスは今度は三角形の形をした赤と青の盾『ウルトラゼロディフェンダー』へと変わる。

『そのまま真っ直ぐ飛べ! 攻撃は俺が防ぐ!』

『任せたぜ!』

 ナーガの攻撃を盾で防ぎ、ダイナレックスはそのまま真っ直ぐ飛ぶ、その口には火炎が集結、そしてゼロの右手にも炎が宿っていた。

『合わせられるかレックス?』

『ああ、合わせるぜウルトラマン!』

 零夢とガウマの姿だったらニヤリと笑っていただろう。ゼロはウルトラゼロディフェンダーを投げ付けてナーガにぶつける。

『『必焼光熱大火炎拳!! ガルネイトレックスロアァァァァァァァァーッ!!!!!!』』

 それぞれの必殺技の名前を繋ぎ合わせ、二者の炎が同時に放たれる。同時に放たれた炎は巨大な竜の形を作り、口を開け、そして、無機質の機械竜を呑み込み、大爆発を起こし、その残骸が飛び散った。

「うっしゃー!」

「見事な花火やな~」

 最後の戦闘ドローンを撃墜し、マニューバモードから通常の『クルーズモード』へと変形する。丁度、マニューバモードの限界時間を迎えたようだ。

「お見事です」

 その光景にシュテルは笑みを溢すのだった。

 

 

 

 

 

 戦いを終え、零夢とガウマは地上に戻り、そこでハイタッチをしていた。

「スゲー助かった! サンキュー!」

「こっちこそ! かなり合わせて貰ったぜ!」

 そこから肩を組んで笑い合う二人の下に蓬と夢芽が駆け付ける。

「ガウマさーん!」

「零夢くーん!」

 二人を見て離れ、出迎えるとシュテルとレヴィが空から降りてバリアジャケットを解除する。

「それにしてもバロッサの奴、どさくさ紛れて逃げやがって」

 バロッサ星人が落下した海を見詰め愚痴る零夢。ナーガから投げ出された後、バロッサ星人はそのまま海の中へと姿を消してしまったのだ。

「そちらの方は科特隊にお任せするしかありませんね」

 戦闘終了したがガンウインガーとガンローダーはまだ飛行しており、逃げたバロッサ星人の行方を追っていたがその捜索は失敗に終わってしまうのだった。

 

 

 

 

 

「本当に零夢に付いてくの?」

「ええ、エルトリアに帰れませんからね私達」

「そうそう、地球に戻るかアリシア達の手伝いするかだったけど零夢と合流しちゃったからね~そっちの方が面白そうだし」

 後頭部に両手を当ててニッと笑うレヴィ。シュテルはアリシア達に自分達のこれからの行動を伝えていた。

「残念やな~仲良くなれたのに」

「だけどまさかあのエース・オブ・エースの弟が伝説の勇者なんてな」

 零夢もまた近くで海を見て魚を探し始めていた。無邪気な姿を見ると本当なのか疑いたくなる。

「ああそれですが、零夢の、ウルトラマンとしての年齢は約5900歳で、人間に例えると高校生なので年相応みたいですよ?」

「マジ?」

「はい」

 その事実に目を見開いてしまうベニオ。

「それで次の行き先は決まっとるの?」

「それなんですがガウマと零夢に同じ名前の知人が居るみたいでそれを確認するために地球に戻ろうかって話になっているのですが」

「あ、そういえば」

 その話を聞いてアリシアは何か思い出してガウマを呼んだ。

「ねーガウマー!」

「なんだー?」

「スプールスって所の保護隊に新しい次元放浪者の記録があったのーそれでその名前が山中暦と飛鳥川ちせって名前なんだけど」

「マジでか!?」

 その名前を聞きガウマだけではなく蓬と夢芽も反応した。

「暦さんもこっちに!?」

「ちせちゃんまで!」

「その反応からして知ってる名前っぽいね。記録を見たら三人と似た供述してるから多分ね」

 そうなると次の目的地は決まった。無論、仲間が最優先だ。

「スプールスか………キャロとフリードは元気にしてっかな?」

 その世界に居る友人達の事を思い出す零夢。

「保護隊の記録にあるという事は保護隊に居るという事だから会いに行けますよ?」

「それもそっか………ガウマ、ムジナさんの件については後回しでいいか?」

「ああ、まぁ関係的には敵対してたからな……本人だったら気まずいし」

「まぁあっちも生活あるからな今、兄貴の幼馴染みの家に居候してるし」

 目的地が確定した、今こそ出発の時だ。

「じゃあなアリシア、そっちのお二人さんも今回はかなり助かった」

「大した事してねーぜ」

「そうそう、ウルトラマンを助ける事も科特隊の使命やしね」

 ベニオとミカヅキに礼を言う零夢。

「アリシア、俺達の手続き手伝ってくれて本当にありがとう。この恩は絶対に返すから」

「それもいいって、仕事だしね」

 三人とも仕事と言っているが嬉しくない訳なく、表情が緩んでいた。

「いたいた! おーい!」

 すると、そこに漁業組合の会長がやって来た。その手には大きなクーラーボックスが抱えられていた。歳の割にはかなりの力持ちだ。

「なんだよオッサン?」

「お前さん達が旅立つって聞いてな! 土産だ、持ってけ!」

 蓋を開けるとそこには沢山のルヴェラの海の幸が収められていた。

「いいのかよこんなに!?」

「ああ、祭りを盛り上げてくれた礼だ。それに助けてくれたからな」

 首を傾げる零夢、だが、会長はそれ以上は何も言わなかった。言うだけ野暮だと言う事だろうとシュテルは悟った。

「では、ありがたく受け取りましょう。旅先で美味しく頂きます」

「うんうん」

 シュテルとレヴィがそのクーラーボックスを受け取る。

「また来てくれよ、今よりもっと盛り上げておくからよ」

「ああ、オッサンも達者でな」

 別れを告げ、会長はその場を去る。自分達以外に人が居ないのは偶然なのかそれとも……

「アリシア達はまだ?」

「うん、ゲードスを倒したからって言って確実にそれが原因なのか解らないからね。引き続き調査をするよ、バロッサ星人の件もあって人員も補充してくれる事になったしね」

 それは悪いなと思うシュテルとレヴィだがアリシアは気にしないでと伝える。

「それに、何かヤバそうだったらすぐに連絡するから。来てくれるでしょ?伝説の勇者様?」

「へへ、当たり前だろ?」

 ニッと笑う零夢。

「そんじゃ、目的も決まった事だし出発するか」

「そうだな」

 別れの挨拶は終えた、後は旅立つのみ。零夢はメガネを外し、ウルトラゼロアイを装着。

「アクセスモード、ダイナレックス」

 ガウマも緊急ではないため穏やかな声で合言葉を言い、二人は巨人と竜へと姿を変えた。

「おおー」

 直接姿を変わる所を見てアリシア達三人は声を漏らしていた。

『四人は俺の中に乗りな』

 ダイナレックスは口を大きく広げて俯せとなる。

「それじゃあ荷物は蓬に任せて二人はダイナウイングに」

「ええー」

 不満そうな蓬だがそれならとクーラーボックスを任されてしまう。

「それじゃあお言葉に甘えて」

「お邪魔しまーす」

 シュテルとレヴィは夢芽に招かれ、ダイナレックスの口の中に入り、蓬は重いクーラーボックスを持ちながらゆっくりと乗り込んでいった。

『ゼアッ!』

 ゼロはウルティメイトイージスを装着、空にワームホールを開くと左手を振るい、別れのサインを送るとダイナレックスと共に飛び立ち、第61同盟世界『スプールス』へと旅立つのだった。

「行っちまったな」

「うん………さ~て、お仕事はまだまだ残ってますよお二人さん?」

「せやねー」

 ゼロ達を見送った三人は調査を続行するのだった。

 

 

 

 

 

「そういえば……スプールスにフェイトが行ってること言うの忘れてた……大丈夫かな?」

 

 

 

 

 

 その頃、海底奥深くでは逃げたバロッサ星人が何かを見付けていた。

『バロバロ……まさかこんな所に古代遺跡があるとは』

 その海底深くでバロッサ星人は古代遺跡を発見し、目を歪ませていた。

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