早く変身させたい…今回はダイナゼノンから一人出てきます。あっちのユニバースがいろいろあればこっちのユニバースはギャラクシークライシス起きてるので誰が来ても、何が起きても不思議ではないという事で…では始まります。
四半世紀以上前に発生した次元災害『ギャラクシークライシス』。それは大規模な次元震動が発生し、様々な並行の時空から怪獣や宇宙人が迷い込み、破壊と混沌が広まった。
当時、数多くの次元世界は管理局に参加しており、中には善良な宇宙人が移住している世界もあり、発生時には彼らが率先して怪獣災害や宇宙人事件の対応を行い、管理局はそのノウハウを教われる事となった。最もギャラクシークライシスの被害が大きかったのは当時は管理外世界であった地球だ。地球は元々怪獣災害の発生率が高く、それに加えてギャラクシークライシス、地球は怪獣無法惑星と化してしまった。
怪獣無法惑星となってしまった地球。TDFは総力を持ち、怪獣災害に対応した。その中で最も活躍したのはTDFの精鋭で編成された独立部隊『ウルトラ警備隊』。次にTDFの外部組織『国際科学警察機構』の特殊部隊『科学特捜隊』、通称『科特隊』だ。
ウルトラ警備隊は地球、科特隊はギャラクシークライシス発生の原因を調査するために次元航行隊を設立、管理局と連携して調査及び各次元世界で起きる怪獣災害に対処していく事となる。DPU発足後は多くの次元航行隊が結成され、DPUの指揮の下で航海任務を行い、ギャラクシークライシスに準ずる次元災害の兆しがないか調査、同盟世界で起きる怪奇事件や超常現象を警察組織や管理局と連携して捜査を行っている。
ウルトラ警備隊もTDFの指揮下で活動。地球の平和のために宇宙人犯罪や怪獣災害の対応を行い、治安維持に貢献している。
そのギャラクシークライシスでは人間、宇宙人、異次元人と様々な人種が協力、その中にはウルトラマンも含まれている。
怪獣無法惑星となった地球には数多くのウルトラマンが留まり、TDFやウルトラ警備隊と協力、中でも『ウルトラ兄弟』と呼ばれるウルトラマン達が地球で活躍した。
地球以外の次元世界では闇の書事件でも活躍したウルトラマンダイナ、コスモス、そしてオーブが次元を渡り管理局や科特隊と協力。そして、その中で最も活躍したのはウルトラマンゼロと言われており、白銀の鎧を纏って幾つもの次元世界を瞬時に行き来し、人々を驚異から守り抜いた。その姿は数多くの世界で伝説に残されている『ノアの神』に酷似しており、その姿を強く印象に残した。
その
闇の書事件の後になんでゼロが好きなのか聞いた事があった。
「昔ね、ゼロと会った事があるんだ、零夢と出会う少し前にね」
姉ちゃんが言うには俺を見付ける前、親父が怪我で入院していた頃、お店で忙しい家族に迷惑を掛けないために一人で公園で遅くまで遊んでお店が閉まるのを待っていたらしい。姉ちゃんは抱え込む事が多い、我慢してたんだろうな……そんな時にある男と出会ったらしい。なんでも俺と同じ青い髪をしていたとかって。
その男……青い髪のお兄ちゃんと一緒に遊んで貰ったみたいだ。その時の事はすごく楽しかったみたいで、寂しく、何もできないという悔しい気持ちを忘れてしまうほどだったらしい。その青い髪のお兄ちゃんに心を許して自分の心情を話した、それからすぐの事、突然親父は意識を取り戻したんだ、奇跡とも言うべきか、原因は解らなかったがその奇跡をみんなは喜んだ、その時に親父は姉ちゃんにこう言ったらしい、悔しい思いをさせてしまってごめん、と、それでお袋達も姉ちゃんの気持ちに気付いてみんなで泣いたって。
なんで親父がそんな話をしたのかは眠っている時に誰かに姉ちゃんの心情を聞いたって……それから親父が入院している病院の前に怪獣が出現したけどウルトラマンゼロが駆け付けた事により事態は収束、姉ちゃんが好きなウルトラマンはゼロとなった。
そして、姉ちゃんは親父が目を覚ました事を青い髪のお兄ちゃんに報告しに行ったけど、いつも公園で待っているはずの青い髪のお兄ちゃんは居らず、探していると木の裏から赤ん坊の泣き声が聞こえて覗くとそこに赤ん坊が青い布に包まれて泣いていたと……そう、それが俺、高町零夢となる赤ん坊と俺の姉ちゃんとなる高町なのはとの
姉ちゃんはゼロの話をする時いつもこう言う、あの青い髪のお兄ちゃんがウルトラマンゼロだ、と、親父の怪我を治してくれたのもゼロだと、それなら親父が自分の気持ちを知っていてもおかしくないって。だから俺がウルトラマンゼロなわけがない、俺は姉ちゃんを救えなかった、止めれずにあんな大怪我をさせてしまった、姉ちゃんが好きなウルトラマンゼロならきっと止めれたはずなのに……
「レイちゃん危ない!」
「へっ?ぐへっ!?」
朝方の海鳴市。零夢は美由希と共に早朝のランニングを行っていたが前方不注意で街灯と激突、鼻を抑えて踞る。
「大丈夫レイちゃん?」
「だ、大丈夫………」
すぐに立ち上がり手を離すと鼻が赤くなっていたが血などは出ておらず、美由希は安心していたがメガネが割れてしまっていた。
「レイちゃん、メガネ割れてる」
「マジかよ……まぁ伊達だからいいけど」
実はメガネは伊達であり度は入っていない。割れたメガネを外すとつり目が強調されて少しキツい印象が出てしまう、そのために伊達メガネを掛けていた。
「ッ!」
メガネを外した零夢の素顔を見て美由希は驚いた。
「どうしたんだよユキ姉?」
「あー……ちょっと昔に翠屋に来てたお客さんにそっくりだな~って」
「昔の常連さんの?」
ただそれだけ、それだけのはずなのに美由希は腑に落ちなかった。
(似てるというよりそのままな気がする……)
メガネで気付きにくかったがその常連客と零夢がそっくり過ぎた、血縁者なのかとも考える。
(多分、なのはが言ってた青い髪のお兄ちゃんはあの人の事なんだろうけど……お父さんが意識を取り戻してから来なくなったんだよね………)
考えれば考えるほどタイミングが良すぎなのではないかと感じられ、あり得ないと思えてしまった。
「ほら、早く行こうぜ?」
「う、うん」
零夢が立ち直ったため、 ランニングを再開した。
「本日未明、太平洋沖にて東京湾に向けて航行中だった大型タンカーあけぼの丸が未確認物体と衝突し、座礁する事故が発生。その調査のためウルトラ警備隊の出動が決定しました」
開店前の翠屋では設置してあるテレビにニュースが流れていた。開店準備はもちろん経営者である高町家が先陣を切って行うが、無論、アルバイトも居る。
「おはようございます」
挨拶するのは短い茶髪のショートヘアーの青い瞳の女性。紫がメインの衣服を纏った彼女の体格は目を引くものがある。
「おはようムジナさん、今日もよろしくね」
その挨拶に答えたのは桃子だ。彼女は『ムジナ』、この翠屋のアルバイトだ。
「ムジナちゃんごめんね~お父さんが急な用事で休まないといけなくなっちゃって」
「別に大丈夫、暇してたし」
謝る美由希。そう、今日は士郎が急用が入ってしまい休みとなっていた。理由は聞いたが答えにくそうにしていたのが印象的で、チラチラと零夢を見ているような気がしていたと思い返す美由希。
「士郎さんのお休みの理由って?」
「なんでも昔の知り合いがこっちに来てるから会いに行くって。まぁお父さんいろいろやってたから色んな知り合い居てもおかしくないんだけどね」
理由としては納得している様子の美由希。士郎のかつての仕事を考えるとその理由は不自然ではなかった。
「ただ者じゃない感じはしてたしね」
士郎の雰囲気はムジナにも伝わっているらしく、彼女もその理由に納得できた。順応していると言えばそれまでだが零夢はどうも彼女からもただ者ではない気配を感じており、見る時の目が鋭くなってしまう時がある。
「ちょっとレイちゃん、目、目」
「え?あっ悪い、目付き悪かったか?」
零夢はメガネをしておらず、ムジナを見る目が鋭く威嚇してるような感じになってしまっていた。
「大丈夫、慣れてるから」
「慣れてるって」
どんな生活と人付き合いしてるんだよと内心突っ込んでいた。
「ほーら、そろそろ開店の時間だから。私もランチタイム終わったら出掛けちゃうから」
桃子の呼び掛けで三人は頭を切り替え、零夢は扉に掛けていたプレートを裏返した。
ここ数日、久しぶりに翠屋の手伝いをする零夢が気付いた事は姉のなのはの実家である事から多くの世界から観光客が来ているという事。従業員である姉の美由希や母の桃子、二人だけじゃない、アルバイトで働いているムジナも美人なため、彼女達目当ての客も増えている事だ。
料理の味はレベルが高いため言わずもだが、来客数は自分が旅立つ前から増えているようなので経営面では安心していた。
「ランチタイムはやっぱ忙しいなー」
お昼時が過ぎ、店内から客は居なくなっていた。
「私達もお昼にしよっか?」
「賛成」
「うん」
美由希の提案に零夢とムジナは賛同し、扉のプレートを裏返す。
「お袋、昼飯はどうする?」
「出先で頂いてくるわ」
「リンディさんとお買い物だっけ?」
「ええ、臨海町にね。今年は可愛い末っ子も帰ってきてるからね」
それだけで買い物の目的が解ってしまう。
「別にいいって。迷惑掛けてるんだし」
とは言うがクリスマスプレゼントが貰えるのは嬉しかった。
「メガネが割れちゃったみたいだから新しいメガネがいいかしら?」
「いやあれ伊達だからな?」
「けどオシャレで掛けてるんでしょ?」
目付きが悪いのを和らげるのも理由だが、実際はメガネが好きなのだ。
「身近に視力が悪い人が居るのに」
溜め息を吐く姉の言葉に苦笑してしまった。彼女の場合は視力が悪いのが理由なためにメガネを掛けているのだから。
「じょーだん、レイちゃん目付きが鋭いからね」
今朝も注意されていたためやはりメガネは必要だ。これから先のコミュニケーションを取るためにも。
「それじゃあ行ってくるわね。お店の方よろしくね」
「行ってらっしゃ~い」
桃子は翠屋を後にするのだった。
「んじゃ何作る?」
エプロンの紐を結び直す零夢。その行動から気を引き締めている事が解る。
「簡単なものでいいよ、パスタとか」
「私も」
「オッケー」
休憩時間に食べるものだ、簡単な料理にした方が作る方も楽だ。何より早く出来上がる、それを踏まえたらパスタは簡単だ、茹でてその間にソースを準備したり付け合わせのサラダも作れるのだから。
「コーヒーでも飲んでゆっくり待ってて」
零夢はキッチンへと入っていき、食器が擦れる音やまな板の上で材料を切る音、コンロが点火する音などが聞こえてくる。
「できたぞー」
しばらくすると皿に盛り付けられたパスタを持ってくる零夢。器用に指で挟んで三人分持ってきていた。
「はい、お待たせ」
パスタは白くなく緑色に染められており、その上に削られたチーズが振り掛けられていた。
「簡単なものでいいって言ったのにジェノベーゼ作ってるし」
「食いたかったから」
バジルや木の実等をペースト状に擂り潰して作るソースなど手間が掛かるはずだが。自分が食べたいために手間を掛けて作っていた。
「うん、絶対美味しい」
「いや、食べてないのに言うなよ」
「これは食べる前から解る、美味しいって」
自信満々のムジナ。食べないと解らないだろうと思うがその確信が揺らぐ事なく。フォークを持ち、手を合わせていただきますと挨拶してからムジナはパスタを巻いて口に運ぶと嬉しそうな顔をする。
「ん~美味しい」
「やっぱりレイちゃん料理上手、そのまま家のシェフになっちゃえばいいのに」
「まぁ将来のビジョンとしては考えておく」
自分も食べ始める零夢。すると、点けていたテレビが急にバラエティー番組からニュース番組に切り替わった。緊急ニュースが入ったのだろうか、そのアラート音に二人も気付き、画面を見る。
「緊急速報です。太平洋沖で大型タンカーが座礁したニュースについての続報です」
開店前に聞いたニュースの続報のため気になる三人は画面に注目した。
「ウルトラ警備隊の調査によりますと衝突した未確認物体はレジストコード・オイル怪獣タッコングである事が判明。海底で発見されるも死亡が確認されており、衝突した痕跡も確認が取れたと発表がありました」
キャスターの横のワイプに丸い体を持つ、吸盤が並んだ赤い怪獣が表示された。それが『オイル怪獣タッコング』だ。
「本当に頻繁に怪獣が出現するのね」
「これでも少なくなった方なんだよ?ギャラクシークライシスの時なんてほぼ毎日怪獣がいろんな世界で出現してて大変だったんだよ」
まるでこの世界の人間ではないような物言いのムジナ。はっきり言うとそういう人間は珍しくないのがこの時代なのだ。
「それにしてもウルトラ警備隊が緊急出動か………」
「ウルトラ警備隊と言えば兄貴の同級生が所属してるよな?新条青羽さんだったっけ?」
「そうだよ。で、ムジナちゃんはそのアオさんと暮らしてるんだよ?」
「え?そうなの?」
頷くムジナ。そう言えばなぜ彼女がここでアルバイトをしているか聞いた事がなかったため、その紹介で働いているのだと初めて知った。
「青羽さんと付き合ってるってこと?」
「そうなるのかしら?私は居候のつもりだし、アオも別に好きな人居るし」
どういう関係なのか解らなくなったが複雑な関係なのは解るためこれ以上の詮索は止めた。
「強いて言えばセフ……」
「ストップ! それ以上はダメ! 未成年が居るんだから!」
美由希がストップを掛けるが遅すぎる制止。健全な青少年である零夢もその後に続く言葉が解ってしまっていた。
「え?あ、そうね、確かに」
腑に落ちない反応をするムジナだが、美由希はそれに気付かなかった。
(でも弟君、大人びてる気がするのよね……いや、もっと年上?)
不思議な感覚だった。確かに年相応かもしれないが、美由希よりも遥かに年上のように感じていた。
「ウルトラ警備隊はタッコングの死亡原因を老衰による衰弱死と調査結果を発表。タンカーとの衝突も死後である事と推測、縄張り争い等による原因ではないとの事です」
その発表は人々を安心させるものだ。もし縄張り争いが原因ならば他の怪獣が居る事となるからだ。
「タッコングって怪獣も災難だね」
「だな、ただ漂流してただけなのに」
これにはタッコングにも同情した。静かに眠って海を漂っていただけなのにタンカーと衝突するなんて夢にも思っていなかっただろう。
「なんか見てたらタコ焼き食べたくなってきた」
ムジナのその感想にクスッと笑う美由希。確かにタコの怪獣のため解らなくもない。
「タコ焼き買って帰ろう」
本当に食べる事が好きなのだと思う零夢。
日も傾き始め、夕方。夜は冷えるため利用はないと踏まえ、テラス席の後片付けを始めていた。
「寒っ……ホント冷えるな」
「聞いてはいたけど本当に寒がりなのね」
外の片付けを行っているのは零夢とムジナの二人。寒いのが苦手な零夢は身震いをしていた。
「体を動かすのは好きなんだけどさ、やっぱり寒いと家の中で遊んでたり、外に出ても図書館に行ってた方が多いな」
思い出す幼少の頃の記憶。一部思い出せない部分もあるが、基本的に冬は屋内で過ごしている事が多かった。ゲームをしたり本を読んだり、後は料理をしたりと。ホットケーキはよくなのはと一緒に作っていた思い出がある。
「アンタは?」
「私?私は………流されてたかな?」
「流されてた?」
零夢にはそんな風には見えなかった。どちらかと言うと自由気ままという言葉が合っているようにも思える。
「それだからそうする、みんながそうするならそうする、そんな感じで生きてきた」
「まぁ他人と過ごすならそうなるのも無理ないよな」
「それに比べてあなたはちゃんと自分で考えて行動できてる、すごいわよ」
「そんな立派なもんじゃねーよ俺のは」
乾いた笑いを見せる零夢。確かに自分で決めて旅には出た。だが、その裏に秘めた物が何か自覚しているためその褒め言葉を受け止める事はできなかった。
「そういえば、青羽さんってどんな人?俺、兄貴の友達とはそんなに縁が無くてさ」
気になる事があった。なのはの友達とは縁があるのだが兄の恭也や美由希の友達とら縁が無かった。歳が離れてるのも理由だろう。
「アオ?そうね……しっかりしてる。空や鳥が好きでそれでパイロットやってるって」
パイロットを職業とする人間は大抵は空が好きという理由が上がる。それは魔導師であるなのはもそう。
「芯もあるし、私みたいに流されたりしないけど………自棄な所もあるんだ」
自棄という言葉を聞くと零夢は口を開けなかった。きっと何かあると思い。
「弟君は察しがいいね。美由希より歳上でしょ本当は?」
「んなわけ………あるかも」
実際、自分は拾い子だ。人間に近い種族なだけで本当はもっと前に生まれてきているのではないかという可能性だってあるが自分の記憶は今日までの15年間分しかない、それが全てだ今の自分の。
「この世界じゃ自分の種族が解らないなんて事は珍しくもないからな」
「ホント、変な世界だよね」
変な世界であるのには否定できない。やはりとは思っていたが彼女もまた別の世界の人間なのだと。
ドドドド……
その時だ、地響きが聞こえてきたのは。またもや地震かと人々は思うのだがその地響きはどんどん音を大きくしていき、これまでに起きたものよりも激しい地震が海鳴市を襲う。
「で、デカい!?」
その地震により足を止める人々。踞る者や街灯等に掴まり、立ち続ける者が居り、この地震の大きさを示していた。
「ユキ姉!」
零夢は店内に居る美由希が気にかかり呼び掛けた。中から食器等が割れる音が響き渡る。そして、地震は次第に弱まり、完全に止まり人々は安堵した。
「止まった?」
零夢とムジナはゆっくりと立ち上がり、周りを確認していると店の扉が開き、中から美由希が出てくる。
「二人とも大丈夫!?」
「あなたこそ」
「食器とか割れちゃったけど私は大丈夫。だけどすごく大きかったね」
これだけ大きな地震だ、余震が心配されたが。
「ん?アレは……」
零夢は異変に気付いた。夕焼けの空に立ち上がる一筋の光を。他の人々もそれに気付き、指を差したり携帯で写真を撮ったりしていた。光は消える事がなかった、それどころか動き出していた。
「下に何か居る」
ムジナはその存在を感じ取ったらしく、零夢もそれには同意だった。動く光、その目前に高層ビルが在り、その下に潜るが光は屋根を貫通、そのまま通り過ぎると高層ビルの表面に赤い線が走っていた。そして、高層ビルは真っ二つに割れて左右に倒れた瞬間、人々は悲鳴を上げる。
「あの方向って……臨海町の方だよね?」
恐る恐る確認する美由希。光が見える方向には桃子の出先である臨海町がある方面だった。そして、ビルが切断されて少しすると光が消え、砂塵が地面から噴き上がり始めるとアスファルトが割れ、破片が飛び散り、地底から土やコンクリートの破片を撒き散らしながら巨大な生物が姿を現した。
「か、怪獣!?」
そう、この町に現れたのは怪獣だ。青い皮膚に茶色い土や岩のような印象を持たせる頭の鋭い角や腕や足、背中に突起を生やしていた。その姿を見た零夢は静かに呟く。
「凶猛怪獣……ギーストロン……」