束さんがやっつけちゃうぜ!   作:かきごおり

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続きました


IS、爆誕!

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 資金の問題だが、一体どうするべきなのか思案する。

 両親は恐らく反対すると思う。というか今の状態で見つかってもヤバい。剣道が手招きしている。

 

 簡単なのはネットオークション?けど、元手がないから仮にゲームとかでも転がすのは難しいか。

 

 となると。すっかり1分で絵を描けるようになった*1『私』。それと兼ねてから読んでいた宇宙工学の本が目に入った『俺』。これいけるんじゃね?

 

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 絵を売ることにした。と言ってもただの絵ではない。図面だ。『俺』は図面を売ることにした。ペーパークラフトというものだ。

 

 紙を切って折り曲げてつくる模型。一番重要なのは元手がまるで掛からないということ。後、要求されるスペックも低いのがポイントだ。

 

 これで『私』の作った資金不足でポンコツPC*2でもなんとか売り出せる。

 

 初めての図面作りも分かる。要はサイコロを見て展開できるかどうかだ。それくらいなら特に計算しなくても直感で全部引ける。最初は強度問題で紙の糊代の計算もミスってたけどすぐに修正できた。

 

 インターネットは十二分に発達して目覚ましい分野だ。『私』の両親はそういうのにまるで疎かったがインターネット万歳。

 

 っと。そろそろ戻らないといけない。ちーちゃんとの帰宅時間に遅れる。

 

 脚力も上がって移動時間も向上しているからなんてことはないんだけど、どうしてもインターネットの時間っていうのは限られる。今だって無料の無線でやっている。今は問題ないが、この移動時間だって惜しいし。

 

 やりたいことが多いのに、憚られる。なんて面倒なのだろう。もっと、自由に飛び回りたいのに。手を伸ばしても届かない空が恋しくなった。

 

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 ネットマーケティングの恐ろしさを身をもって体感している。いや元から市場が緩いブルーオーシャンだったとはいえこれほどまでとは。そこから連携して金属を組み立ててもらって作るジオラマの模型や業者に丸投げして裁縫してもらって売るアパレルなんかも売れ行きを伸ばしている。

 

 『私』のお気に入りは不思議の国のアリスをモチーフに製作特注したドレススーツだ。予算が潤沢に有り余ったので研究中だった素材なんかもふんだんに使った特注品だ。 

 『俺』の凝り性で防刃・防弾・静音性・耐久性などなどに優れていたので普段着として使える代物に仕上がった。

 『私』にとっておしゃれはどうでもいいものだったけど、どうせなら趣味にこだわりたいという奴だ。

 

 上々の出来だ。

 この資金で騒音被害と無縁なラボを設立する。権利関係も適切に金を積めばなんとかなる。金isパワー!!!必要な資格も30分勉強したら試験受かるし。

 機械工学で必要な重機もそこにおけるので『俺』の研究生活も捗るというものだ。有線で引いたピカピカのPCでプログラムを構築していると気分が良い。ワハハ。

 

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 悲報。『俺』ちーちゃんにバレた。*3

 

 碌に部活動を参加していないことも私が校外に出てコソコソやっていることも。この前のコンクールも余裕で金賞を取ったので両親にはバレなかったというのに。なんなら、真面目にやってるなとか言われたまであるのに。箒ちゃんに「お姉ちゃんすごい!」とまで言われたのに!

 

 敗北感に打ちひしがれる中、理由を聞いてみたところ、

 

「お前だからじっとしてはいないだろうと思った」

 

 嘘。『私』、マグロかなんかだと思われてる?

 あわや両親にバラされる=剣道生活に舞い戻るところだったのをなんとか宥めた。

 

 いや、あの鬼気迫る顔は『俺』をして死の予感すら感じさせた。ちーちゃんの『私』に対する態度が日に日に酷くなっている。あの頃の健気なちーちゃんは一体どこに?

 

 そして口止め料として『俺』がやっている研究について協力してもらうことになった。運動データは非常に参考になる。如何に『私』に才能があるとはいえ手は2本しかない。できることは限られている。それにちーちゃんは運動系に関してはスペシャリストだ。どうやらちーちゃんは寂しかったようだ。

 

 目標は宇宙まで。『私』たち2人はどこまでもいけると漠然とただ思った。

 

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 むしゃくしゃする。

 

 ちーちゃんの両親が行方を眩ましたらしい。まだ、小さいといういっくんを残して。親戚の類はいないという。たった2人で世の中に投げ出されたようなものだ。

 

 流石に温厚な『俺』も切れたので資金置き場としてペーパーカンパニーと化していた会社の従業員として雇用することにした。

 

 名目上は研究手伝いによるお駄賃みたいなものだ。それでも、ちーちゃんの才能がこんな風に捻じ曲げられていては敵わない。世の中はうまくいかない。

 

 早急に改善が必要だ。多少手荒になったとしても。『私』はやり遂げる。『俺』たちの夢を誰かに邪魔されたくはないから。

 

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 兼ねてより開発していたマルチフォームパワードスーツの開発が難航している。技術面の問題だ。学校と開発の両立も難なくできるので開発時間はさほどでもない。

 

 最近開発した兎耳型に開発したデバイスで作業場所を選ばなくなったからだ。ピカピカのパソコンくんは割と埃を被ってる。授業時間中は『俺』はもっぱらこれと開発中のハイパーセンサーの合わせ技で網膜で作業をしている。

 

 開発始めたばかりのこれには名前はまだない。ただ、ちーちゃんと『俺』の間では便宜上、パワードスーツとだけ呼ばれている。

 

 全身を包み隠すパワードスーツは理論上、人間が宇宙活動しても耐えうる設計だ。シールドエネルギーやハイパーセンサーによって宇宙線の防護、天体観測などに使えるだろう。隕石の裁断や障害を取り除くためにブレードも一本開発した。将来的にはレーザーライフルとかかな。

 

 ただ、問題はいくつもある。

 

 第一に動力源。人に装備させることを考えたら重量を極力削らなきゃいけない。現に今のテスト環境だと直径60cm程度のパイプを背中に装着、それを軽自動車ほどはある発電機から通さなきゃ成り立たない。『俺』が全力で軽量化してこれだ。

 

 後は情報の取捨選択の面だ。言っちゃあなんだが、『私』は精神が二つ分混ざっているせいかその耐性が非常に強い。情報圧耐性とでもいうのだろうか、そういった並行で物事を考えるのが得意だ。なので普通にハイパーセンサーも最初からなんとなく使えていた。肉眼を動かさないため非常に不気味に映るが便利。

 

 が、肉体面では『俺』と同様、こと近接格闘術全般においては優れているまであるちーちゃんがテストをした際には情報量でダウンしていた。

 

 考えてほしいんだけど、ハイパーセンサーってのは360度を首を動かさずにカバーできるんだよ?目だけでもエグい疲れるよねって話。それが聴覚や望遠機能も足される。そりゃ疲弊する。

 

 あのいつも凛々しいかっこいいちーちゃんが青ざめている様子は滅多に見られない。

 

 非常に有益でかつ貴重なデータだった。永久保存版にしようとしたら開発中のブレードでぶった斬られた。一応そのブレード、パワーアシストなしだと重くて片手で持てない仕様にしたつもりなんですが???彼女はやはりゴリ!?*4

 

 ここで記憶は途切れている。

 

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 いっくんと箒ちゃんが仲良くなっている。らしい。伝聞なのは『俺』たちは二人からして研究開発で忙しいのであまり目をかけていないからだ。ちーちゃんの世間話で発覚した。というか、ちーちゃん料理家事全般いっくん任せなのはどうかと思うよ。『私』?胃に入れば一緒だ!

 

 家か。確かに食卓には囲むようにしているけど、最近は帰っていない。

 

 両親には軽くバイトをしているということを言って銀行口座を見せると卒倒していた。金銭感覚が麻痺していたらしい。普段は機材購入に20倍くらい雑に消えちゃうからなぁ。それ以降はあまり私に強くは言ってこなくなった。まあよっぽど自立しているしね今の『俺』。

 

 それでパワードスーツの開発が忙しいからだ。ちーちゃんがいなくてもやることいっぱいなんだよね。構造材の研究とか、ウイングスラスターの考証とかセンサー類の感度調整とか。睡眠時間は30分が平均かな。隈がつかない体質で助かった。

 

 そんなこんなでいつの間にか箒ちゃんは『私』のことを「姉さん」と呼ぶようになってたし、いつの間にか剣道をはじめていた。いっくんと一緒に。『私』が手取り足取り教えるプランががが。

 

 箒ちゃんといっくん一緒にどうせなら『俺』が稽古をつけてもよかったけど、ちーちゃん曰く、

 

「お前は自分基準に物事を考えすぎている」

 

 だそうだ。そんなことはないって声を高らかに言いたいけど、否定し切れない。元を辿れば両親が遠因だと思うのだけど。『俺』を育児のテストケースとしては最適ではないとやっと気づいたらしい。

 

 だって、美術部とかもう置き提出してるし。息抜きにちょうどいいんだよね。ハイパーセンサーの調整がてら高速で描くの。もう私のあだ名は「事前提出」になっている。幽霊ですら無くなった。*5

 

 コンクールはもう出さなくなった。流石にズルをしている自覚はあるし。画材とは流石に言えないよね、ハイパーセンサー。

 

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 そうそう、情報圧の対策だが、コンピューター側に一任した。というよりも教育コンピューターを乗せたAIというニュアンスに近いかな。これをコアと呼ぶことにする。

 

 動力問題もこのコアが出力を調整するリミッターにすることですごいエンジン*6を積めたので解決した。中身はちょっとここでは語れない。バラしたら国際条例に2ダースほど引っかかるものでして。ちーちゃんには言ったらまた記憶飛びそうだけど、さすがのちーちゃんもロケットパルスエンジンの動力供給方法に詳しくなくて助かった。

 

 で、件のちーちゃんは何をしているかと言うと。

 

「この感覚はすごいな。自分のしようとする行動を先読みしてデータをあらかじめおいてくれている」

 

 と、言いながらビュンビュンかっ飛ばしている。時速は250kmくらい?新幹線と同じくらいを辺りを飛び回っている。

 地下を買い取って作った演習空間だからいいけど、『俺』は直近で研究データを蓄積しているのですごい風が飛んでます。*7『私』の髪がえぐいことになっているが、天才細胞なので抜け毛一つない。強めのドライヤーかな?*8

 

 コア一号機はちーちゃんの生体データを獲得している。ちーちゃんの思考パターンや反射速度をラーニングして蓄積して最適化していくのだ。

 

 この発想はさすがに『俺』という他ない。イメージとしては子育てみたいな感じだ。自転車の乗り方を教えている感覚に近いかな。

 

 コアはその特性上本人一人用に合わせた蓄積が必要になってくるので本格的に実働データはちーちゃんに一任することとなった。『私』用のはちーちゃんの開発が一通り済んでからかなぁ。

 

 それに伴いちーちゃんのイメージに合わせて試作一号機は「白騎士」というコードネームになった。

 

 ちーちゃんの運動適性に合わせて装甲材を設計したから偶然だけど、見た目も白騎士っぽいからだ。「白騎士」ちゃんにはこれからガンガン頑張ってもらうことにしよう。じゃないと今最大12G、平均7G*9とか出てるから。

 

 『私』とちーちゃんじゃないと乗れないモンスターマシンになっちゃってるから。真面目に頑張ってほしい。もしかして、酷い無茶振りをしている『俺』?剣道の時の両親と一緒?

 

 ちなみにこの「白騎士」のデータを模型にしてこっそり売ることにする。売れ行き上々だ。我が商才が怖い。

 

■■■

 

 その後、開発は進み新年に差し迫るころにパワードスーツは完成の兆しを見せた。これなら通常の人間でも訓練が必要だが、想定としては300時間程度あればなんとかなると思う。

 ちなみに『私』は4分。ちーちゃんはほぼ即時乗れる。ちーちゃんも大概スペックお化けだ。

 

 名前は二人で決めた『無限の成層圏(インフィニット・ストラトス)』。世界最小の宇宙船にして宇宙服。長いから頭文字をとってIS。これからISの登場で世界は震撼するだろう。そうしたら『私』は夢想する。

 

 宇宙にみんなにいける日が来るのだろうから。そうしたらこの狭い世界がどこまでも広がっていくだろうから。

*1
部員達は戦慄している

*2
予算780円税込

*3
ラボ設立から実に3日目

*4
その一太刀は光に差し迫る勢いだった

*5
怪奇現象の目で部員達は見ている

*6
とにかくすごい

*7
風速17m/s

*8
風速20m/s

*9
人間が生理的に耐えられるのが1〜6G。耐Gスーツ込みで6〜8G程度




続くのか

第4話のような番外編いる?ほどほどに参考にします

  • 本編更新しろ
  • ほどほどにやれ(作者の一存)
  • 一夏視点が欲しい
  • 箒視点が欲しい
  • 千冬目線をもっと
  • ISコア視点?
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